この辺で今年6月から始まった上海株暴落後の流れのおさらいをしておきましょう。
2ヶ月も経つと何月何日に何があったか忘れてしまいましたので、
以下引用です。
①勝又壽良の経済時評http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/entry-12046021863.html
2015-07-06 03:56:10
「中国、「株価暴落」バブル経済体質に「断」再起不能
6月26日、上海総合株価指数は7.39%もの急落になった。中国人民銀行は27日急遽、株価テコ入れで貸出基準金利を0.25%引き下げた。その効果もなく29日、前週末より3.34%値下がりだ。そして、7月2日終値は前日比3.48%の下落。4000ポイントを割って3912へ落ちこんだ。最近の高値である6月12日の5166からの下げ幅は24%である。
「この高値に達するまでの1年間で、上海総合指数は約2.5倍にも跳ね上がっていた。急騰した株価は皮肉にも、急落によって幕を閉じようとしている。今回の急落によって、上海株式市場は最後のとどめを刺された格好である。世界から注目された上海株式市場は、個人投資家が6~8割を占めている。いわゆる機関投資家が存在せず、株価は一方的に振れるという不安定構造だ。信用取引が頼りで、ここまで上昇してきた。それも終末を迎えたことは疑いない。」
官製メディアは、意識して「株価下落ニュース」を流させないという統制を加えている。英国『BBC中国語サイト』(6月23日付け)によると、中国国内メディアを管轄する政府機関・国家新聞出版広電総局が、各メディアに対して株式市場に関する報道を控えるよう通達を出した。「臭いものに蓋」である。一番、馬鹿な目に遭うのは名もない庶民達である。」
中国経済は株式バブルの崩壊で、だめ押しを食らった形である。野球で言えば、7回コールド負けを喫したようなものだ。不動産バブル崩壊の影響は、日に日に強くなっている。中国GDPで、最大の需要項目である固定資産投資は、不動産バブル崩壊で低迷している。ここに株式バブル崩壊の悪影響が加わる。株価上昇による「資産効果」とは真逆の事態のマイナス効果が現れるのだ。個人消費がさらに落ちこむであろう。」
② http://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n201507060085
015年07月06日09時54分
【経済】中国:当局が空売り規制か、「貸株業務を一時停止」とのうわさ
株価の急落に歯止めをかけるため、中国当局が空売り規制に乗り出すもようだ。近く証券会社に対し、貸株業務の一時停止を求めるという。一部ブローカーはすでに、本日から業務を暫定的に停止しているようだ。現地メディアが3日、消息筋情報として伝えた。
本土マーケットで株価が急落するなか、当局は矢継ぎ早の対応策を実施。今月1日の夜には、現行の担保比率(※)について、証券ブローカー自らが決定できるように修正。A株取引所税や名義書換料を引き下げる方針も明らかにした。これに先だつ6月27日には、中国人民銀行(中央銀行)が景気のテコ入れと株式相場の安定化を狙い、政策金利と預金準備率の同時引き下げを発表している(28日付で実施)。ただ、その後も株価は下げ止まらず、上海総合指数は本日(3日)も一時7%超の下げを見せる場面があった(日本時間午後2時5分現在は1.31%安)。
③ http://solife-a.com/12593.html2015/07/10 からの引用です。
「6月中旬から始まった、中国株価の下落はとどまることを知らず、中国政府は、一気に390兆円の損失を被ることになったのです。
事態を重く見た中国政府は、2015年7月7日に、株式市場としては異例の、『売却禁止』や『売買停止』の措置を取り始めました。
この、株式市場の機能を完全に停止させるという対策によって、中国経済には、一体どのような事が起こりうるのでしょうか?」
④ http://www.asyura2.com/15/hasan98/msg/598.htmlからの引用です。
(ブルームバーグ):中国証券監督管理委員会(証監会)は企業の大株主や経営幹部、役員を対象に、持ち株の売却を6カ月禁止した。
証監会の声明によれば、経営権を握る株主や発行済み株式の5%以上を保有する投資家は6カ月間、持ち株を減らすことができなくなる。
原題:China Bans Stock Sales by Major Shareholders for Six Months(抜粋)
⑤ Business | 2015年 08月 4日 15:09 JST[香港 4日 ロイター] – 4日の中国株式市場は反発して前場を終えた。中国の上海、深セン両証券取引所が空売り規制の強化を発表したことが背景。空売りは先月の市場急落の一因とされている。
※ 追記 空売りは反逆罪?で処罰する仕組み?が出来たらしく、暴落が一時的に収まっている状態でしたが、上海総合が18日6、15%安で今日(19日)の夕刊によると3、12%安と出ています。
8月20日の日経朝刊3pによると新興国全般に資金流出が深刻な状態になっていることが書かれていて、中国に関しては、人民銀行が18日に短期市場(公開市場操作・オペ)で半年ぶりの1200億元の資金供給をしたばかりなのに19日には、14の国有銀行中心に1100億元(2兆1000億円)もの大量資金供給をしたと報じられています。
これまで紹介して来たように今年に入ってからの毎月のように行なわれて来た金融緩和ではどうにもならなくなって、直接資金投入しかなくなった状態が見て取れます。
人民元はいくらでも印刷出来ますが、これではその場の(幹部にコネのある国有企業等の)支払が出来ますが、外資が余計逃げ出すようになります。
結局は、外資不足に(生産に必要な輸入が出来なく)なるので・・これを補うには国を挙げての出血輸出による外貨補充しかないと考えたのが切り下げの理由でしょう。
以上のように連日の大規模な規制連続の挙げ句の8月11日以降3連日の為替切り下げでした。
そして、4日目には人民銀行によるドル買い介入による切り下げ政策終了でした。
昨年秋からの中国経済政策の動きを見ると、素人目にもドタバタ劇の連続で、プロ政治の態をなしていないというべきでしょう。
江戸時代吉宗の米相場対策程度の動きですが、日本とは約300年の経験差があるようです・・当時と違って国際経済は複雑・即時性がありますから、効果がすぐに劇的に出ます。
中国の将来がないと言う(偏った?)立場から見れば、6月以降の中国の政策を見ていると泥縄式を通り越して断末魔の様相を呈し始めたと言うべきでしょうか?
繰り返し書いていますが、中国は大言壮語している割には、真水の外貨準備が少ないし、比例して技術蓄積も殆どありません。
それまでの蓄積を使い尽くすまで?あるいは外国から借りられる限度まで借りて?際限のない穴埋め投資・過剰供給・借金の拡大再生産を続けて行くしかない・・破綻国家ギリシャの大型版?・・を狙っているのが習近平政権の基本姿勢でしたが、その行き詰まりが思ったよりも早く来た感じです。