暗殺批判の前に・・言論ではどうにもならない・・暗殺・命がけの抗議で反発するしかないように仕向けている、マスコミや強い立場の横暴が酷すぎないかの視点こそが必要です。
赤穂浪士の討ち入り・・今で言うテロ行為が義士・義挙として当時から支持されているのは,幕府裁定の不条理に対する不満・言論で解決出来ない・・命をかけて抗議した行為に対する支持があるからです。
今のところアラブ系しか命をかけた暗殺行為をしていませんが、日本にとってはアメリカが背後で中韓をけしかけている虚偽宣伝に腹を立てている人が一杯いるでしょうが、このように世界中でアメリカの横暴・マスコミ支配に我慢しかねている人が一杯いる原因を直視すべきです。
「赤ちゃんが泣くにはそれなりの理由がある」と書いたことがあります。
ところで、強者による不当な抑圧に対する抗議態様としての暗殺ならば義挙でありこれに対する報復はありません。
赤穂浪士は処罰されるし、刺客はその場で殺されますから報復の応酬がありません。
権力に対する抗議行動としての暗殺と違い、国内の対立勢力に対する勢力減殺を狙う暗殺行為を一旦始めると際限ない報復の繰り返しになって行く可能性が高いので、民族?(地域住民)の一体感がズタズタにされてしまう最悪の民意の表現形態となります。
イラクやアフガンでの自爆テロ・報復合戦は権力に対する抗議ではなく、競合相手(イスラム教内のスンニ派対シーア派など)を標的にしているので収拾がつかない感じになっています。
アラブ諸国でもエジプトの場合は基本が農業社会ですから、7月3日に起きた軍主導の反革命的行為に対しても、ムスリム同胞団幹部の動きは一応抑制が利いています。
しかし基本が農業社会というだけであって遊牧民的色彩の人も多いので、デモを繰り返しているうちに、いつ暴力→暗殺行為に走るようになるか予断を許しません。
実際に暴力から暗殺に走りたい人が10万人に一人しかいなくとも、爆破物等が発達していることから、その一人が数十人を爆破等で殺傷するとその被害に対する報復感情が高まり、それまで我慢していたテロ予備軍が動き出します。
報復攻撃は被害に対する倍旧の加害を目的にする傾向があるので,スパイラル的過剰報復の繰り返しになりがちで、あっという間に増幅して行く傾向があります。
集団間の暴力・テロ行為が一旦始まるとエスカレートする危険があるので、政府や軍は滅多に強権発動・・発砲しないのですが、中国の場合は政府発表だけでも年間何十万件と言う集団暴動があって、その都度強権弾圧が行なわれているのですが、テロに発展しません。
中国地域で興亡した歴代王朝の末期では、いつも農民の流民化→集団化→暴徒となって最後はあちこちに発生した農民・暴徒軍の連合体・有力集団が王朝を倒してその後は有力集団同士の抗争の結果新王朝を樹立することの繰り返しでした。
中国の歴史では、個人的報復意識が希薄と言うか政治政策不満があっても、暗殺やテロには走りません。
最近中国の三中全会直前に天安門広場に突入した自爆車はテロではなく、武装警察に非合法に家族を殺された家族の抗議だったと言われていますし、その直後に起きたウイグル族による地方共産党本部前の爆破事件も内部権力闘争一環として行なわれたと言われています。
直ぐに政府は、国連でテロ集団として指定されている組織のテロだと言って世界的に認知されてるテロ集団による許されない行動だと宣伝してことを納めようとしています。
石場自民幹事長発言同様に強い方が都合の悪いことを何でもテロだと言えば、これで終わりに出来る時代です.
真の問題点は武装警察の暴走を中央政府が最早制御出来なくなっている点と権力抗争が内部で激しくっていることをを世界に知られたくないことにあるようです。
中国の地では、漢の時代以降、義挙としての刺客・暗殺はしない代わりに、一定間隔でいつも流民化→暴動に発展するので、それで不満のガス抜きになって間に合って来たのでしょうか?