韓国外債発行の前途(米中〜日韓対立)1

米国で中国企業締め出し規制が実際になくとも、買ったばかりの債権が半年〜1年後に取引禁止→巨額資金が塩漬けになってしまうのでは困る・転売しようとしても暴落するでしょうから、締め出しの動向情報だけで過去に買った人は売り逃げようとするでしょうし、新規起債があっても応募する人が減ります。
多分米国市場でのファーウエイ起債は不可能になっているのでしょう。
韓国系企業の日本での起債も同様の動きになってきたようです。
韓国にとっては日本での起債がダメになっても米国で起債すれば良いと思っているのでしょうが?
日米等先進国市場での資金調達が原則ですが、中国が香港市場に頼るのと同様に過去の日韓の特殊性を利用して日本市場を便利に使ってきた関係があります。
この関係がどうなるかの懸念になってきました。
9月20日過ぎに我が家に取引のある証券会社から韓国企業のサムライ債を買わないかの勧誘があったようですが。
もしかして新規発行ではなく、下がっているから買わないかの勧誘だったのかな?
勧誘してきたのはみずほ系だったようですから、韓国に貸し込んでいるみずほ銀行が資金回収のために貸付先企業に社債発行させて得た資金を原資に貸金回収作業に入っているのかもしれません。
以下の記事が見つかりました。
26日のニュースですが、我が家に勧誘があったのは9月23日ころでしたからこれだったのかな?
https://japanese.joins.com/JArticle/257983

韓経:ハンファケミカル、200億円のサムライ債発行断念
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.09.26 0

韓国化学業界の看板企業であるハンファケミカルが日本でサムライ債(外国企業が日本で発行する円建て債券)の発行を断念した。韓日対立の余波により両国間の金融取引も冷え込む兆しを見せている。
25日の投資銀行業界によると、ハンファケミカルは来月末を目標に準備してきた200億円規模のサムライ債発行計画を白紙化した。7月に日本の輸出規制で韓日貿易紛争が触発されてから韓国企業が日本で資金調達に失敗した初めての事例だ。この会社は11月末に満期到袗予定の200億円相当のサムライ債を償還するため今年初めから円建て債券の発行を準備してきた。
ハンファケミカル関係者は「長く発行を準備してきたが韓日間の緊張がますます高まり日本で投資需要を確保するのは難しいと判断した」と話した。同関係者は「満期となるサムライ債の償還資金はドル建て債券を発行するなど他の方式で調達するだろう」と説明した。
ハンファケミカルがサムライ債発行を断念し、韓国企業の円資金調達が難しくなるのではないかとの懸念が大きくなっている。
来年末まで新韓銀行、KTなど6社がサムライ債の満期を綌える。
これらの償還規模は総額1725億円に達する。輸出入銀行は12月末に750億円分の満期を迎える。サムライ債はドル建て債券の金利が上昇するなどドル調達費用が上昇する際に韓国企業の代替資金調達手段として活用されてきた。
◇韓日貿易対立、企業資金調達市場にも「飛び火」か
ハンファケミカルがサムライ債発行を断念し韓日貿易紛争の余波が金融取引の冷え込みに広がるのではないかとの懸念が大きくなっている。
日系銀行ソウル支店など日本の金融機関全般の投資回避に広がれば韓国企業の資金調達だけでなく金融システムまで揺さぶりかねないためだ。
◇企業の円資金調達ふさがるか
引用省略
◇両国間の投資もオールストップ
引用省略
◇金融市場への拡散に緊張
全国銀行連合会によると、日系銀行韓国支店のウォン建て貸付資産は減少傾向を示している。三菱UFJ銀行ソウル支店の総与信は6月末現在6兆3919億ウォンと集計された。1年前の7兆162億ウォンに比べ6000億ウォンほど減った。みずほ銀行の与信は同じ期間に9兆981億ウォンから8兆3120億ウォンに減少した。

ハンファもファーウエイのように、国内で発行すると開き直れればいいのですが、上記の通り韓国内の日系金融機関の資金引き上げが始まっている状態が見えます。
・・いわゆる貸し渋り貸し剥がし・・政府が金融緩和しても日系金融機関の資金引き上げが続けば、その分事実上の金融引き締め効果になっているのでウオン建て起債が厳しくなっている可能性があります。
日系金融機関が韓国デフォルト前にうまく逃げられるかの関心と合わせて、日系金融機関の韓国内シェアーを見ておきます。
https://www.financepensionrealestate.work/entry/2019/08/01/210027によると以下の通りです。

世界でどの国が韓国に与信を供与しているのでしょうか。
(データ元 Consolidated positions on counterparties resident in Korea)
韓国全体での与信受け入れ 320,760百万ドル
米国86,845百万ドル、全体の27%
英国74,960百万ドル、全体の23%
日本45,589百万ドル、全体の14%

以上によると与信に限れば日本は3月現在で14%に過ぎないのでこれを数%づつシェアー縮小してもそれほど韓国に激震が走るわけではない・・逆に米英資本がチャンスとばかりにシェアー拡大に走れば、韓国のデフォルトに直結しない方法で日本のシェアー縮小可能かもしれません。
韓国では、日韓緊張後100日経過で、反日不買の成果や、観光客激減で日本に打撃を与えたが、韓国には何も変わったことがないと自慢しているようですが、日本が韓国に激震がこないように手加減というか内々の工夫をしているのをしらないで自慢しているのす。
韓国人観光客などこなくとも、不買運動があっても、観光客はその他の国が穴を埋めているしトータル日本経済には蚊が止まった程度の影響しかありません。
不買など反日行動を激しくやればやるやるほど、日本人の心が離れていく浅はかな行動になっているのを理解できない民度です。

中韓外債発行の前途(米中対立と香港市場の機能麻痺)1

過剰債務の雄である中韓の動向に話題を戻します。
ファーウエイの国内債発行問題に戻します。
米国の厳しい批判・締め出し政策によって、ファーウエイが市場を選べる環境でなくなったので(香港でさえも騒動で危ういと思ったのか?)仕方なしに国内発行になったのではないでしょうか。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49731210S9A910C1FFE000/

ファーウェイ、中国本土初の社債を900億円発行
ファーウェイはこれまでもドル建てや元建ての社債を発行しており、現時点でドル建てで45億ドル(約4900億円)の残高がある。今回の社債発行について同社は「中国本土の債券市場を開拓し、資金調達の手段を最適化する」と狙いを示したうえで「経営は健全で、キャッシュフローには十分な余裕がある」としている。

ファーウエイが社債を国内発行するためにわざわざ「経営は健全で、キャッシュフローには十分な余裕がある」と言い訳すること自体異常でしょう。
香港騒動は、中国政府が国内専制支配の成功?浸透に味をしめて?香港にもその支配を強めようとしたことに危機感を抱いた市民の反発を受けて始まったものですが、中国政府の意を受けて動く香港政府の強硬姿勢がさらなる反発を呼び相互に過激化する一方です。
中国の急激な発展は膨大な資本導入があってのことですが、後進国として本土への外資導入には強固な防壁っを築き規制だらけ・・金融自由化ととは程遠い状態でしたが、一種の金融特区機能を果たす香港自由市場のおかげで香港で自由な資金取り入れを行い、それを香港資本に薄めて本土に資本移動させるという巧妙な手段を用いてきました。
中国企業が先進技術を直接導入しても直ぐに使いこなせないので外資工場設立させて中国人の現場作業や管理職の職務経験を積ませるのと同じことを本土の金融規制を残しながらうまくやってきたのです。
国有企業(鉄道系が有名です)中心に海外展開が進むようになりこれに随伴するようにファーウエイなど軍事色の強い企業も民間として、海外市場で積極的に資金を導入できるようになりました。
しかし外資が直接100資本の企業中国に進出できない(中国企業との合弁限定しかも共産党員常駐制度付き)企業を買収できるのではなく、砂粒のような個々人からの物言わぬ資本導入だけいいとこ取りする関係です。
米中対決が始まって海外市場で「いいとこ取り」の米国での起債が危ぶまれるようになって・・頼みの綱の外資受け入れ口として利用してきた香港の重要性が増してきた矢先でした。
今回7月1日以来始まって以来、エスカレートする一方の香港騒動で香港市民の中国政府に対する反感が強まる一方ですから、香港市場を利用するだけしたい本土企業の資本取り入れ装置としての社債上場が危なくなったのでやむなく中国での起債に踏み切ったように見られます。
中国にとって香港は資金導入の貴重な窓口ですから、いわば金の卵を産む鶏を絞め殺すようなことをしているイメージです。
米中対決月下の最中・・香港市場の重要性がいや増す時にあえて香港市民を締め上げる条例制定に動いたのか?政治センスが不思議ですので、ネット上では習近平の権力基盤が弱くて強硬派に押されてやむなく取っている行動だと言う、うがった見方が出ています。
対日強硬活動が起きるといつも政権中枢の統制が効かない・・末端の暴走でないかという対中融和的意見が流布される1種ですが、私そうは思っていません。
専制支配的発想・・韓国でも同じですが、ある主張を始めると、トコトンやったり最大限の罵倒や侮辱的言辞を吐き出し続けないと我慢できない国民性では共通です。
政争に勝てば相手を讃えるのではなく、敗軍の将を最大限侮辱し辱め貶める残虐行為の歴史の数々に気持ちが悪くなるのが日本人です。
後宮の争いも同様で、皇帝の寵を得た方が、それまでの寵姫を豚と称して手足を切り取り豚と称して厠につないで上から糞尿をかけるなどです。
韓国の対日侮辱行為も、日本が黙っていれば治るわけではあなく際限なく繰り出してくる状態で、これでは付き合いきれないとしてついに日本は縁を切る方向に舵を切りました。
日韓修復は韓国で反日教育や根拠ない日本批判(いうより陰口)が節度なく続く限り不可能でしょう。
民主化した?はずの韓国では今でも感情に任せて国民が走ってしまう状態に驚きますが、制度上なんの抑制システムもない専制支配体制のままですと、市民の反感があれば逆に強者の立場で「生意気だぶっ潰せ!」という方向の政治感覚しか働かないのでしょう。
香港の場合、純粋な中国国内問題ではなく1国2制度が国際条約によって縛られている関係ですので、資本取り入れ口の機能麻痺の怖さの他にこの弱みもあって中国は香港周辺まで軍を集結させているものの、その先に一歩踏み出せないままです。
この均衡がいつ破られるかの攻防・緊張が約3ヶ月も続いています。
この状態でファーウエイが香港での起債発行する勇気がなく国内起債に踏み切るしかなくなったことが中国国内経済への大きな重石になってきているでしょう。
ファーウエイでさえ香港上場が出来ないなら他企業の運命は推して知るべしとなりますので、香港の平和裡の収拾が中国 政府にとって喫緊の目標です。
軍で蹂躙すれば天安門事件後の国際孤立では済まないだけでなく香港の自由市場認定が国際金融システムから否定され香港の金融市場としての生命が終わります。
そうなれば中国が国際資本市場から資金導入の方法が閉ざされることになります。
今米国を敵に回し資金締め上げにあっている中国がそのリスクを冒し、難局突破の能力があるのでしょうか?
この辺りの文章はもともとファーウエイの本国起債のニュース直後に書いておいたものですが、その後日経新聞で中国系企業の米国株式や社債市場締め出しの動きが小出しに出て来るようになりました。

IPO投資の逆回転4と世界経済3

以下、中韓の債務膨張→起債不調等を書いてい行きますが、これは世界の 起債市場変調の引き金になるか?という心配から書いて行くだけであって、IPO投資不調・逆回転の兆候が中国あるいは特定国の債務過剰に不調に原因があるというより構造的問題であるという基礎的意見です。
起債市場異変が起きるとすれば、・・日本の超金融緩和に世界中が便乗して米欧で超金融緩和に乗り出して、EUではすでにマイナス金利にまで踏み込んでしまったことにより金融機能が損なわれてきたことに対する危機感にあると思われます。
本来リスク資金は返済義務のない株式投資で賄うべきところ、超低金利かで借金でマカアヌ方が有利になってきたことによります。
株式は発行して仕舞えば終わりではなく、一定の配当を維持しないと株価下落し機関投資家の不満が高まります。
当然経営責任も問われる事態・・投資ファンドの発達でROE重視とか言って、配当重視(過剰?)がもたらした結果です。
ゼロ金利で借りられれば、極端な例で言えば、前年同率の利益率でも株式を半分に減らせば、配当率が倍になるので株価が二倍になる仕組み・・社債発行(借金)してその資金で自社株買した方が経営者にとって有利になる仕組みです。
業績1割不振でもゼロ金利の社債発行によって得た資金で自社株を1割買いあげれば、前期同様の配当が可能です。
利益が出ていないのに粉飾で高配当・・いわゆるタコ配当が昔流行りましたが、いまは死語でしょうか?
結果から見るとタコ配当に似ていますが、実際に出た利益を配当するので違法でもなんでもないですが、配当すべき相手を減らすことによって株主として残った人が、本来に利益率以上の高配当を得られる奇抜なアイデアです。
というわけで、企業が自社株買いすると報道すればその株を持ってれば配当が期待できるので業績発表が前年比減配当額が前年比1割減っても、自社株買が1割あれば株をそのま村にで持ってれば前年同額の配当を受けれるので株式相場が値上がりする理屈です。
前向き投資の資金需要の場合でも増資による資金手当てをすると、配当すべき株式が増えるのに対し、新規投資によるリターンはうまく行っても(生産工場用地取得し立ち上げ等の場合)数年間寄与しないので、配当率が下がります。
これに対し、M&Aが流行るのは、買収先企業の売り上げや販売益が、当期利益にそのまま反映されるからです。
そいsてM&A資金を社債等で賄えば利子支払いが増えますがこれがゼロ金利だとその負担がゼロで、配当相手は増えないメリットがあります。
このように企業は今や増資(新株発行)等で資金手当するよりも、社債発行で手当した方がメリットが大きいいので既発行株式も消却していく方が有利という状況です。
企業統治的に見ても株式保有者は経営に口出しできますが、社債保有者の場合経営権がありません。
それこそ、「釣った魚に餌をやる必要がない」という状況です。
機関投資家も買うまでは立場が強いですが、買って仕舞えばあとは嫌なら転売すれば?と言われるだけで満期がくるまで何の意見も言えないし聞かれません。
債権者は会社の外部者という立場で、制度上株主総会のような経営に物申す制度がありません・・解散等特別な場合債権者保護のための制度がありますが、あくまで「債権者保護」のための制度であって経営参画権ではありません。
借金には返済期限がありますが、実際にはほとんど大手企業ではロールオーバー・・借り換え債発行で回転していくのが普通ですので、その時に不信任・買い手がつかないと社債満期の償還資金手当に苦しむ・・一種の不信任を突きつけられるリスクがあるだけです。
お金に色がつかないので、業績さえ良ければ別の機関投資家が買うかもしれないので人的コネに頼る度合いが薄まります。
このあとで紹介しますが、韓国ケミカル大手のハンファが、日本でサムライ債の借換債発行に失敗しましたが、代わりに米国でドル建て起債すると言い訳していますが、それも無理なら韓国内での起債、それも間に合わない時にはつなぎ融資に頼る緊急融資でしょう。
このように社債購入母集団・今回の場合、日本人集団の信認を失うといきなりの衝撃がありますが、これは、文政権の度を過ぎた反日言動に対する日本人全体のブーイングが反映したものですが、こういうことは稀ですので、一般的には業績さえ普通なら、特定社債保有者意見など相手にする必要がありません。
サムライ債を買っている日本人の声を聞くシステムがないし、スポンサーを変えればいいシステムです。
一旦株主になるといくら口うるさく嫌な株主でも企業側で株主を変える権利がないのとは大違いです。
借金の場合金利負担がゼロとしてもいつか返済期限がきますが、これは借換債発行が際限なくできれば、株式と結果的に変わりません。
社債を買う人が少なければそのグループの意向を無視できませんが、今のように大量の個人が少額買う仕組みになれば、個々人なんの意見も言わないので企業にとっては元利償還さえできれば空気のような存在でしょう。
サムライ債の社債購入者個々人は、砂つぶのような存在ですし社債購入者名簿もなく一致団結行動チャンスもないのですが、今回は文政権があまりにも嫌韓感情を煽っているので、無意識の団結というか、借換債の募集に対して応募する人がいなかったのだと思います。
IPO投資不調が社債発行市場にもどいう影響を及ぼすかも重要な問題です。
超金融緩和が、ゼロ金利が配当圧力にさらされる経営者を社債に走らせ、企業統治に物言わない便利さ等々によって、世界中が過剰債務状態になっているように見えます。
過剰債務問題は中韓に極端に現れていますが、実は金融超緩和の申し子です。

IPO投資の逆回転3と世界経済2

ファーウエイが国内で社債発行をしたことがニュースになっています。
https://36kr.jp/25920/

ファーウェイが中国で初めて社債を発行 900億円で国内事業を強化へ
2019年9月21日

国内事業強化のためと言いますが、今まで国外での社債発行もそのための資金集めだったはずです。
大手メデイアは中国に睨まれることを正面切って言いませんが、外貨建て債務を国外で発行しても買い手がつかなくなっているリスクを恐れたのではないかと素人目には勘ぐれます。
アメリカの金融調達市場からの中国締め出しがどんどん進んでいる上に、資金集めの場として頼みの綱とする香港が大規模騒動で中国の代名詞のようなファーウエイが香港市場でも資金を集めるのが難しいと判断したからでしょう。
中国は国内過剰債務問題・急激な債務膨張→資金不足に苦しんでいます。
国内資金不足の最中に世界的大企業であり政府が必死に育成している強者であるファーウエイが国内で900億円も資金を吸い上げたらその歪み効果が半端ではないでしょう。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45994680S9A610C1FF2000/

中国債務、再び膨張 債務比率、3月末に最高更新
景気対策、地方の借金拡大へカジ 2019/6/12 18:00

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50672470W9A001C1FF8000/

北京=原田逸策】中国の債務が再び膨らみ始めた。
中国政府系の研究機関によると、金融を除く総債務の国内総生産(GDP)に対する比率は2019年3月末で248.8%と過去最高を更新した。
昨年12月末からの上昇幅は5.1ポイントと3年ぶりの高水準だ。中国政府は景気対策でインフラ建設を加速するため、地方政府の借金を拡大する方向に政策も修正しており、債務膨張は続く恐れがある。

https://jp.wsj.com/articles/SB11197303591251874043504585493533149114448

膨張する中国の家計債務、歯止め策限界の背景
By Mike Bird
2019 年 8 月 19 日 06:23 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
中国政府は家計債務を抑制する力に限界を感じているかもしれない。  政府は賢明にも、国内で10年続く住宅市場の活況と、その結果積み上がる債務、そしてそれが自国の開発モデルにとって何を意味するのかに警戒を強めている。だが統計には、引き締めの兆候が全く現れていない。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/63323

世界の株価は「中国債務危機」のリスクに身構えている
処理先延ばしでも成長率低下は不可避
竹中 正治
龍谷大学経済学部教授

融資を受けやすい国有大手と違い中小=民間企業がギリギリの状態に陥っているので、銀行の融資を受けにくい中小の資金繰り逼迫緩和のために金利を下げたくとも人民元 暴悪が怖くて金利を下げられないジレンマにあり、その代わりに預金準備率引き下げによる量的緩和するなど中国は政策総動員体制中です。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-09-06/PXEP6F6VDKHS01

中国人民銀、預金準備率引き下げへ-穏健スタンス変わらず
Bloomberg News
2019年9月6日 20:38 JST 更新日時 2019年9月7日 12:53 JST
準備率を0.5ポイント引き下げ、9月16日から適用
準備率引き下げに伴い、市場に約13.5兆円を供給へ

国際的な資金調達力のある超優良企業には国外で社債を発行して外貨資金をかき集めて国内還流に協力して欲しいところだと思いますが、昨日紹介した記事・・一方で不動産業に対して借換債以外の外債発行禁止は素人の私には意味不明です。
借換のために国外起債は仕方ないが、新規投資用社債発行禁止→国外での社債発行は対外債務を増やし新規投資は失敗が多いということでしょうか?
解説的記事ではドル建ての場合、ドル手当てができなくなるとデフォルトの危険があるからと言うのですが、国外投資は失敗が多い→そうすると国内の債務弁済資金も出せ なくなる道理です。
国内債務だけなら、いくらでも人民元を刷って救済できるが外債発行していると救済できないlという意味でしょうか?
基軸通貨国でない中国の場合、無制限紙幣増刷による内需維持政策→輸入が増えるので結果的に人民元の急落を招くので自殺行為になります。
債務超過で資金繰りに苦しい時に大手が国内社債発行して国内資金を吸い上げたのでは、量的緩和政策が900億円分帳消しになる計算ですが、国の金看板であるファーウエイの成長(成長投資資金なのか、資金繰りに苦しいのか不明)を止めるわけにいかないというところでしょうか?

利害調整能力4(トルコとクルド・日韓対立)

中世に式目が制定された所以を書いている内に、現在社会のマニュアル必須社会化事例紹介になってしまいましたが、中世社会が宗教解決で済む段階を超えてきたことが背景にあるべきでしょう。
中世社会のルールに戻しますと、奈良〜平安時代までの生活環境が激変したことが、武士の時代を到来させ(武士が力を持ったから生活ルールが変わったのではなく、生活が変わったので、武士がが頭角を表したと見るべきでしょう)これによって生きて行くべきルールも武士社会と公家社会とでは違ってきたのです。
しかも現場に根ざした現実的処理に通じた武士が紛争解決に関与するようになると、ルールが実践的化する・・具体化するようになっていたと見るべきでしょう。
公卿朝廷に対する強制力のない二頭政治の時代には、内容の公正さと決めたことの実行力の競争社会になっていたと見るべきです。
今の国際社会は、中国も国際道義をまもる気持ちがないというか、守る能力がないし、アメリカは武力を持っているが、国際合意を一方的にひっくり返すようになった点で・・双方似たような状態ですから、日本中世・既存価値がぐらつく観応の擾乱開始〜応仁の乱〜戦国時代化に似てきました。
第一陣終了・・「平家にあらずんば人にあらず」の再来のように羽振りの良かった高一族消滅後は、足利兄弟間抗争になっていきますが、戦のつど戦後処理に関する不満・・武士団はその都度どちらにつくか入れ変わるめまぐるしい争いでした。
中核的支持者の入れ替わりは少なかったようですが、自分と対立する武士がAに着けば自分は今度Bに着くなど個別利害優先だったからこうなったとも言われます。
源平合戦では、地元武士団の争いで平家が平家系千葉氏の肩を持たなかったので千葉氏が頼朝の旗揚げに馳せ参じた例同様で、アメリカが対シリア戦略でクルド族を優遇すれば、クルド族の独立運動を内部に抱えるトルコが親米欧路線から、宿敵ロシアに擦り寄るなど今でもよくあることです。
日韓対立でも同じで、この段階で米国が撃ち方やめ!仲良くやってくれと言い出せば先制攻撃した方がやり得ですから、これを強行すれば反撃開始したばかりの方は不満で一方を敵に追いやるでしょう。
そこで、今はやむなく黙っている状態です。
双方にいい顔をするには、争いになる前に未然に防ぐ目配り・工夫・政治力が必須です。
この複雑利害調整能力が衰えたというか、資源力と武力(この辺はソ連〜ロシアも同じ)に頼っていただけの米国が、資源価値が下がって馬脚を表したというのが私の解釈です。
いずれにせよ、米国は日韓関係でも仲裁能力を失ったことは明らかです。
世界中で仲裁能力を失って行く・・パックスアメリカーナの鼎の軽重が問われる事態が静かに潜行していきます。
国際戦略上韓国の武力の必要性が大幅に低下したので、米国は日本の機嫌を損ねてまで日本に我慢しろ!というほどの関わりを持つ必要性がなくなったのを韓国が気づかないようにみえます。
韓国は経済力が上がったので、もっと対日要求できると思ったのでしょうが、日本は際限なく要求をアップしてくる韓国に対する我慢の限界を超えたと思っているので、いつも我慢させられてきた不満がアメリカに向く構図になってきています。
アメリカにとっては韓国の理不尽な要求を毎回飲まされている日本の対米感情悪化が限界にきていることも知っているし、韓国の軍事的必要性が低下しているので当事者の力関係で勝負をつけてくれれば良いという立場に変わったのでしょう。
韓国政府の国際情勢読み違えが、今回の暴走を招いた原因です。
アメリカが味方しないならば中国カードがあるかというと、もはや中国と韓国は経済競争関係になっている・・例えば米国から締め出されているファーウエイの穴を埋めて儲けようとするサムスンをこの機会に叩きたいことがあがっても応援したくないのは明らかです。
同様に中国国内自動車販売が落ち込んでいる状況で現代自動車が日本からの部品供給が細って困れば中国にとってありがたいだけのことです。
韓国系造船、重工業その他企業を救済するよりこの機会に潰してしまいたい意欲満々のようにみえます。

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