覇道の限界と日本の補完性4

23日に紹介したロシア革命で妥協・部分的正義を採用した結果,却って旧支配層の支持を失い、他方で半端な改革に対する不満の挟撃にあって、革命になってしまったことを紹介しました。
覇道から王道への部分変化は、正義の基準が貫徹する訳でもないし、アメリカの好き勝手な意向だけでもない・・基準がゆらいでいるのですから、周りがどうして良いか分らなくなる・・いわゆるパックスアメリカーナ秩序が混乱するのは当然です。
アメリカが部分的にも正義を基準にするようになると、それまで善悪を無視して兎も角「アメリカの敵を批判さえしていれば覚えが目出たい」といじめっ子の御先棒担ぎをやって来た国々は、文字どおりはしごを外されかけて(正義の基準採用でイキナリ慰安婦データが出て来たりして)不満を持つことになります。
アメリカは国力の相対的低下によってある程度正義の基準を採用するしかなくなって来た結果、世界中できしみが目立つのはアメリカの言わば、ポチをやっていたような国(サウジや韓国のような)との関係中心ですから、私は上記のようにこれを見ています・・。
政治は複雑多様な組わせですから単純ではありません・・目先の大きな要因としては、サウジ切り捨てはアメリカ国内のシェ−ルガスやオイルなどの開発による中東の石油資源依存率低下、韓国に関しては中国寄りに動いたことが大きいのは当然ですが、基礎構造としてアメリカの無茶が通らなくなった・・王道政治が一部出て来た効果を書いています。
この切り替えをうまく出来ないのはオバマの政治力が低いと言えば言えないことがありませんが、ロマノフ王朝が農奴の待遇改善に舵を切った結果混乱してロシア革命になったことや、幕末に徳川家が諸候の意見を聞くようにしたところ、却って足をすくわれたような大変革期にアメリカが入っているのではないでしょうか?
アメリカは勃興以来桁違いの資源保有をバックに圧倒的国力差のある関係しか殆ど経験していません。
ちょっとした国力差〜対等者間のややこしい外交交渉を経験していませんし、国力衰退した弱い立場での交渉経験もありません・・無茶でも何でも押しきれた気楽な政治しか経験がありません。
ややこしくなればモンロー主義のような一方的・・問答無用的ドクトリン・・単純化して言えば、イエスorノー程度を迫る経験しかない・・幕末日本に開港を迫った交渉態度を見ても明らかです。
一般に撤退戦術ほど困難な戦術がないと言われるように、国力縮小過程の政治には余程の熟練政治家が必要です。
昨日、ロシア革命の例を書きましたが、徐々に戦力縮小するのは難しいので、思い切った戦術としては世界中でのコミットメントを一切やめると言う道が1つの選択肢です。
これが,アメリカは世界の警察官ではないと言い出した意味するところです。。
しかし、昔とは違い地下資源さえあり余るほどあれば引き蘢れる時代ではありません。
今ではアメリカの覇権確立を利用してアメリカ企業が世界中に展開しているし、世界企業がアメリカ国内で展開しているなど世界経済の一体化が進んでいる外、インターネット空間が普通になっているので、国境は意味がなくなりつつありますから、イヤになったからと引き蘢りさえすれば良いと言う訳には行きません。
中ソは領土が広いし資源があることを理由に世界から隔絶した空間で頑張れると言う触れ込みでしたが、結果的に世界の進運から大幅に遅れてしまった例を見ても、今の時代の引きこもりはなおさらフリになります。
TPP創設は域内では、腕力で決めるのではなくルールで決めると言う意味ですから、アメリカがTPPを主導していた以上は、正義を基準にする世界になっても、今後も引き蘢らないと言う宣言にもなりますが、動き出してみるとアメリカの無茶な意見が通らない・・日本の運営に頼るようになるとイヤになって抜け出すかも知れません。
だからよその国のことなどうでも良い・・引きこもり願望を基礎にするトランプ候補などは初めっからTPP反対でしょう。
民主党候補のクリントン氏と競っているサンダース氏も国内分配中心ですから、よその国に構っていられないと言う点では同根です・・。
大統領候補を決める予備選挙の動きはアメリカ国民がイエスorノー以外の正義の微妙な基準に適応出来ないで困っている状態を表しています。
世界中での信任が低下し始めているアメリカがすぐに引き籠り宣言するほどの勇気がないので、当面なお少しでも長く影響力を保ち続けるには微妙なサジ加減になれている日本のアドバイスや助力を必要とする時期が来ています。
アメリカがまだ少しは世界で発言力を維持したいとなれば、・・東南アジアでも東南アジアに限らず混迷を深めている中東でも、日本の信頼度は抜群ですから、世界で信頼度の高い日本が、世界各地で日本がアメリカの政策を支持するか否かの重要度が高まりこそすれ低下することはないでしょう。
難度の高い事業を中韓が仮に受注しても、日本からの核心的技術応援を前提にしていることが多くなっているのと同じです。
民主党政権時代には中韓が日本を属国扱いで、自分が受注すれば当然協力させられると言う前提で日本企業を押しのけて自前の技術もないのに海外受注を受けていましたが、慰安婦などの攻勢を受けて、嫌中韓感情が高まった結果、日本の受注を横取りしている中韓に「協力だけ出来るか!」と言う雰囲気になってしまい、日本の協力得られなくなってしまい、受注したものの完成させられないで困っていると言われています。

覇道の限界と日本の補完性3

幕末、井伊大老による安政の大獄〜桜田門外の変→政体的には諸候会議化した後→平行的第一次〜第二次長州征伐につながる武断政治の採用と失敗による撤収とその後始末の政局混乱に対応するのが、アメリカによるブッシュのイラク〜アフガン侵攻→事実上の失敗によるISIS台頭によるシリアの混迷です。
徳川将軍家が諸候や民間有志の意見を聞くようにすることと、テロ取締行為とは矛盾関係・・正義に反することではありません。
その意味では幕末当時も今も皇室に兵を向ける行為が許されることではない・・禁門の変に対する懲罰行為・・第一次長州征伐は大きなテロに対する反撃であって、言わば正義に反する兵ではありませんでした。
アメリカの第一次イラク戦争はだまし討ちのような感じですが、クエートに対するイラクの侵略に対するもので一応名目が立ちましたが,第二次イラク戦争は大量破壊兵器があると言う虚偽・言いがかりによるもので、正義の名目すらない100%不正な侵略行為でした。 
覇道政治とは言ってもある程度の正義・・大義名分が要請されているのですが、第二次イラク戦争は誰の目から見ても(石油資源枯渇論に慌てた石油資源略奪目的?)不正が明白な戦争であったことが・・現在の中東での混迷を招いた直接の原因です。
歴史上王朝末期の混乱の多くは、国力低下が混乱の始まりですが、今回の中東混迷は、世界1強のアメリカが腕力に任せて不正な戦争を仕掛けたことが切っ掛けで混乱が始まり、結果的にアメリカの国力低下があらわになって来たと言う逆の構図です。
ブッシュによる正義のないイラク〜アフガン侵攻作戦の事実上の失敗・・これによる国力疲弊を市場評価として明らかにしたのがリーマンショック事件でした。
この事件の結果、アメリカ・イギリスの虎の子である金融資本が大幅に毀損し,欧州諸国も大損害をしました。
独り日本だけが資本的に殆ど無傷でしたが、無傷であった分日本の超円高が続き結果的に日本も国際競争力が大幅に低下しましたが、競争力がないからの低下ではなく、競争力があるから円高になったのですから、競争力ある技術と資本力を持って海外展開したので、結果的にトヨタその他が世界企業として雄飛する下地になりました。
繰り返し書いて来たように円高は日本企業の海外展開コストを低くする応援団のような効果がありました。
昨年の国際収支を見ても海外収益・・所得収支の黒字が巨大になっています。

平成27年中 国際収支状況(速報)の概要
平成28年2月8日
        財務省
I 経常収支

金 額 前年比
貿易・サービス収支 ▲2兆2,062億円 +11兆2,755億円 (赤字幅縮小)
貿易収支 ▲6,434億円 +9兆7,582億円 (赤字幅縮小)
輸出 75兆1,773億円 +1兆 756億円 (+ 1.5%増加)
輸入 75兆8,207億円 ▲8兆6,826億円 (▲10.3%減少)
サービス収支 ▲1兆5,628億円 +1兆5,173億円 (赤字幅縮小)
第一次所得収支 20兆7,767億円 +2兆6,563億円 (黒字幅拡大)
第二次所得収支 ▲1兆9,292億円 +637億円 (赤字幅縮小)
経常収支 16兆6,413億円 +13兆9,955億円 (黒字幅拡大)
「経常収支」は、「貿易・サービス収支」が赤字幅を縮小し、「第一次所得収支」が黒字幅を拡大したこと等から、黒字幅を拡大した。

円高の結果貿易収支が赤字になっても、所得収支は上記のとおり巨大な黒字を稼いでいます・・この状態だとドンドン円高が進むのは仕方がないところです。
円高をバネにして海外雄飛の糧にして来た・成功して来たことが分ります。
リーマンショックで世界経済停滞・縮小時の受け皿に役になったのが中国で、4兆元の巨大国内投資で世界経済(需要)縮小危機を吸収した功績は多とすべきですが、威張り過ぎたので、マイナス効果になってしまいました。
受け皿としての巨大輸入によって資源輸出国等への発言力を拡大したのが、現在の中国の姿です。
需要を無視した巨大投資がいつまでも続く訳がないので、国内過大投資の副作用によって今や中国が青息吐息になっているのは周知のとおりですが、リーマンショック後4〜5年間、中国の爆買いが日の出の勢いのように見えたことが中国の態度を大きくしてしまい、世界を敵に回すほどの傍若無人ぶり・厄介者になってきました。
上記のように臨時に大食らい競争に参加した程度で、買い付け出来なくなるとおしまいになる・・中国経済はまだまだひょろひょろっと背が伸びただけのような弱い存在です。
臨時的4兆元の国内過大投資のひずみが数年前から出て来たことによって、(不良在庫の増加→バブル崩壊)国内政治・経済が行き詰まって来たことによって、政権は国内危機の高まりに比例して、対外冒険主義に走るしかない→対外的にも追いつめられているのが中国の現状です。
対外的には新常態の成長と発表していますが、昨年夏の株式の大暴落と年初来の大暴落・外貨準備の急減等の市場判定は、誤摩化すことの出来ない実態を表しています。
内部が苦しいだけでも大変なのに、対外冒険主義の実行(南沙諸島での埋め立て強行など)によってより無駄な出費が増える・・しかも周辺から嫌われるなど悪いこと尽くめです。
上記のとおりアメリカが正義なき戦争で信用を落としたところで,カウンター勢力としての中国の(ヤミクモな?)台頭によって、アメリカ1強時代が終わり中長期的に相対的強国に立場が弱くなって行く方向性が明らかになりました。
腕力剥き出しの対中競争が始まり、他方で、ロシアがクリミヤ・ウクライナに剥き出しの武力で侵攻しても、アメリカが圧倒的戦力による押し返しが出来なくなった以上は、部分的に正義の基準に従う方向へ舵を切り替えて国際優位性を保つしかなくなったのが、近年の国際政治混迷の原因です。

覇道の限界と日本の補完性2

15年5月13日の中段あたりから中韓バブルに話がそれていましたが、ここから世界中が日本の政治(対等者間で合議して決めて行く)技術や各種技術の「補完」に頼る現状を書きかけていたコラムに戻ります。
米中ロの覇道政治の限界・・May 4 2015「覇道と日本の補完性1」の続きです。
以下特に断らない限り「日本の補完性」テーマのコラムは、昨年5月ころに書いてあった原稿を基礎にしたものとご理解下さい。
日本マスコミ各社は安倍総理の訪米前には、「先の大戦に対する謝罪のベンを述べるかが問われる」としきりに世論誘導していました。
安倍総理の謝り方がはっきりしない場合とか演説次第では如何にしてケチをつけるか手ぐすね引いているかのような報道ぶりでした。
戦後70年の節目を強調してどのように謝罪するかばかり焦点を当てていたのがマスコミです。
戦後秩序重視・・60年節目、65年の節目と称していつも日本の「悪事」の再確認を求めて以前に比べて少しでもニュアンスが後退していないかに目を光らせて来たのがマスコミです。
中韓とその意を受けたマスコミは、いつまでも過去思考で日本を追い込むことが利益ですが・・。
覇道に頼る点では、中国もロシア(これに追従する韓国)も同じですが・・世界中で覇道支配がうまく行かなくなったアメリカが、今回(この基礎原稿は15年5月初め安倍訪米直前のものです)アメリカ訪問した安倍総理に対して、上下両院での合同演説(・・戦後日本の総理としては初めての名誉だと言う触れ込み)させてやるから、日本を旧敵国と言い「どんな謝り方をするのだ」と条件を付けるどころではなかった筈です。
極論すれば先の大戦に付いて「明白な謝罪の言葉を貰いたいのは日本の方です」と言う時代が目の前に迫っています。
(この時点の原稿では上記のとおり過去志向で謝るかどうかではなく、(アメリカは謝ってもらうより協力を必要としているので)前向きにアメリカに対する協力姿勢を示せば良いと言うスタンスで書いていました)
維新後榎本武揚など有能な旧幕臣を使おうとしたときに、あいつは旧幕臣だと誹謗し続けるひとがいたとすれば能力競争に負ける人材の方でしょう。
人種差別や学歴などをひけらかす人も同じ傾向です。
世界中の紛争地でアメリカの推進する構想は・・元々覇権主義・・正義の基準がなく、自国の都合で・「戦略的に」いろんな勢力を利用するだけ利用してはポイ捨ての歴史でしたから、(テロ組織アルカイダはアメリカが対ソ連用に訓練していたのが不要になったと切り捨てたものが育ったと言われています)結果的に双方から信頼を失う・・全てうまく行っていません。
この数ヶ月〜半年間(昨年5月基準)に韓国主張には都合の悪い慰安婦関連データや報告書がアメリカから頻りに出るようになってきました。
日本にとっては有り難いことですが、アメリカは戦争終結時・・日本軍解体時に一緒にいた慰安婦に関する聞き取り調査したデータがあるのに、(韓国の虚偽主張を黙認して日本を困らせるために)これまで隠蔽して来たことになります。
こう言うご都合的やり方が多過ぎて、アメリカは世界中の紛争地で信用を失い不信感を持たれるようになって来たのです。
この辺で割り込みで書いておきますが、アメリカ外交のふらつきはオバマ個人の責任と言うよりは、アメリカがは国力低下でどうだけ名どうにもならなくなったので、遅まきながらも一部でも王道政治に向けて手を付け始めざるを得なくなった客観状況にあります。
ロシア革命は、皇帝が世論に圧されて半端に(旧勢力を無視出来ないので、改革はいつもどこの国でも半端なものか始めるしかない)農奴解放をやったことが、致命傷になった例です。
日本でも、幕末に徳川家が井伊大老による専制的決断に無理が出て軌道修正・・諸候会議を招集しているうちに、収拾がつかなくなって、最後は小御所会議でのクーデターを経て明治維新になったのもその一例です。
覇道政治の場合、アメリカの意向だけソンタクし,アメリカに都合が言いように付き従っている国・・世界的にアメリカの御先棒担ぎをしていた国にとってはアメリカの意向に従えば良いので基準がはっきりしていて安心でした。
強者に従う・・正義の基準を度外視して邁進していたのが、中東ではイスラエルや革命前のイランパーレビ王制やサウジであり、アジアでは韓国であり、欧州ではイギリスだったでしょう。
ソ連崩壊後2番手に仏独や中国や首長国連合やエジプトであったでしょうし、3番手がその他日和見国と言う順でしょうか?
私が長年批判するように覇道政治や専制政治は武力・権力を基礎にしているだけで、正義の基準がないので、強い者の気持ちを押し測って周囲が行動するしかありません。
皇帝(権力者)に取り入って相手を蹴落とす術(権謀術数)に掛けては、(馬を鹿と言うほど極端な不正義でもトキの権力者の言うとおり賛同することが、中国高官の生き残り智恵として2000年間言い伝えられてきました・・バカの語源)専制政治の経験が長い中韓には得意の分野です。
覇道政治下の行動基準では正義の裏打ちが不要ですから、権力者の都合=戦略次第ですが・・アメリカや中国の戦略的思考に比べて日本には戦略思考がないとマスコミがいつも日本の政治家や経営者をバカにしていました。
マスコミ人は、中韓的価値観にどっぷり浸かっているので、権謀術数が良いと心底思っていたのでしょうが、日本人は古来から正義だけが行動基準で立身出世その他の邪な戦略で相手を騙したり陥れたりする気持ちがないし、正義に反して権力者にこびる発言・行動は卑しまれる社会ですから当然です。

道義違反と慈悲の心

アメリカもあちこちの組織が日本に対する絶大な信用によって運営されるようになると面白くないから自分から出て行くか仲間に残り、あるいは新たに入るしかなくなります。
日本の助力が必要になって来ると虚構の歴史観・・日本人が非人道行為をして来たと言う意見を裏で言い続けることが可能か・自分が悪かったと謝らなくて済ませられるのかの疑問です。
まして資源販売程度しか収入源がない上に、世界的に元々孤立しているロシアにおいてオヤ!と言うところです。
日本人は声高に相手に「謝れ」とまで言いませんが、安倍総理はワザワザロシアでプーチン氏と合う予定らしいですが、相手が孤立して弱っているときでさえ、ここまでサービスするから相手が誤解してしまいます。
日本は「相手が困っているときに、過去のことを言わないで観音様の慈悲の精神で対する」のが普通です。
年末に日韓合意した内容では、韓国の謝罪がない限りこれまでの悪質な行為を許せないと思っている日本国民が圧倒的多数(・・アメリカに強制されたと怒っている人が多いでしょう)ですが、面と向かっての合意では、あまり相手の顔を潰さない・・内心反省しているようだから文書で反省しているとまで書かせて恥をかかせなくても今後やらないと言う気持ち程度で良いよ!」と言うのも日本人の心です。
しかし、内心許していないので、(今後反省の態度を示さないで)日本が謝罪を要求しないことを奇貨として相手が良い気になるならば、韓国への技術支援その他の協力は進められないことになりますが、将来対アメリカやロシアでも「日本がはっきりと謝れと言わない」ことを良いことにして,今度は少女像なら良いだろうとか大きな態度を続けて行けるのか?の疑問で書いています。
弱いと見れば徹底的に相手をやっつけることしか知らない世界では、困っているときにも(天安門事件で困っているときに救いの手を差し伸べました)仕返しすら出来ない「日本の弱さ」と誤解してしまった結果、中韓はここまでやってしまったに過ぎない面があるでしょう。
アメリカもロシアも日本人が怒らない限り日本人の本心を理解しないまま、「相手が喜ぶから友人の家にただで泊めてもらい御馳走になる権利がある」と厚かましく無神経なままになるのでしょうか?
現在トルコであれメキシコであれ、いろんな中小国の日本詣で・・日本とは昔からこんなに親しいとか、遭難したときに助けてくれた美談とか古い話を掘り起こして来くる・・ラブコールが引きも切らない状態になっています。
東南アジア諸国では、日本軍が支配したときには、地元振興の産業育成や教育ばかりではなく、日本兵が如何に独立戦争に手を貸してくれたかの美談が盛んに出てきて顕彰する動きが出てました。
このような世界情勢の中で、アメリカの作った虚構の歴史・アメリカによるフィリッピン空爆で大量の犠牲者が出たのを日本兵の虐殺だったと強制して来たことや、(韓国の慰安婦は米兵相手だったことも知られています)インドシナ半島ではフランスの植民地支配の牢獄が日本の弾圧だったと噓を教えるなど・・アメリカの強制して来た虚構だらけの歴史がほころび始めています。
中韓を除くアジア諸国で本当の発言が出て来ると、行く行くは第二次世界大戦は何の戦争であったか・・欧米の植民地支配を維持するためのアメリカの参戦であったことは客観的に明らかになります。
こう言う時代が来ると、居場所がなくなり面白くないのでモンロー主義のように引き蘢ってしまうか、(アメリカ大統領選挙候補のトランプ氏はどちらかと言うとこの主張です)潔く謝るか、真実や正義を問題にしない中韓と組んで最後まで日本批判を続けるかの選択になります。
極東軍事裁判が正しいと主張し続けるためには、南京大虐殺があったか否かは中国と手を組めば良いだけで他国には分らないことですから、最後まで手放さないカードになる選択肢があります。
真実や正義に関心がなく自国利益・対日交渉材料として使いたい中国と韓国だけが、アメリカのでっち上げ歴史認識に関しては、唯一最後までの同盟国であり続けるでしょうが、中韓は利益で動く国ですから日本の国力・世界での地位・信用が上がって来るとどちらに着くかは分りません。
中韓はアメリカの使嗾に応じて反日運動に励んだ結果、莫大な経済損失を被っています。
中国が素材産業や低賃金に頼る生産や公害無頓着生産からレベルアップするには、日本の協力が必須ですがこれが思うように行かなくなっています。
韓国も中国の追い上げを受けて更なるベルアップには、日本企業の協力が必須である点は同じです。
技術移転は盗めば良いとは言え、手取り足取り教えてくれる職人のスカウトが、うまく行きません・・嫌韓嫌中感情が激しいと韓国企業に土日にアルバイトに出掛けてこっそり教えて小遣い稼ぎする「非国民」?は少なくなります。
このためにサムスンが日本国内に来研究所(技術窃取拠点?)を設けると言う報道が昨年出ていました。
慈悲の心で許してやってることを日本人が弱いからどんな悪どいことしても良いと錯覚するにしても度を過ごしています。
「仏の顔も三度まで・・」と言うように、さすがに日本人の多くが怒り始めたのが、今回の慰安婦騒動です。
嫌中韓感情の高まりに、中韓両国が参って来たのが現状です。

日本の経済状態が悪いのか?(生活保護増加)

社会保障と言うものは、本質的にみんなの助け合い精神・・国民合意によって成立しているものであって、何でも「憲法に書いてある」「法律に家族の資力要件を書いていない」今の制度がこうだと濫用するようになると国民は納得出来ません。
遡っての議論・・子供や兄妹はどの程度まで親・兄妹の面倒を見るべきか・・逆から言えば年収に応じて月何万まで出せばそれ以上は他人のお金(税金)で面倒見るベキと言うような議論こそ(不正受給や在日けしからん論では、解決にならないでしょう)が必要です。
受給支援運動が激しくなると、これに比例して国民不信を前提の制度に変更するしかない・・申し込んで来る以上は余程苦しいのだろうと言う性善説・・国民の自主判断に任せられなくなります。
「法が要求していない質問するな、調査するな」子供に資力あっても「拒否するな」と言う運動が進むと・・性悪説による厳しい検査制度を法で整備する必要が出て来ます。
国民世論が子供の資力に関係ない「一旦支払っても求償する必要がない」と言うならば必要がありませんが・・そのためにも国民世論に従った国会審議・・法改正手続が必要です。
生活保護受給権擁護運動がイキナリ高まって来た政治背景・・特定政治勢力の意図とどう言う関係があるのかを含めて私には全く分っていません。
門外漢の私にとっては生活保護援助運動がイキナリ出て来たかのように見えますが、・・それなりの背景・準備があって出て来たのでしょう。
日弁連や単位会で生活保護援助・・援助システムがいつの間にか動き出しているのですが、これの仕掛人がどこの誰か分りませんが、かなり前から準備して来た結果でしょう。
関係者は生活に困っている人が増えて来たから、人権擁護を職責とする弁護士会が救済しているだけだと言うのかも知れません。
マスコミが宣伝・誘導するように、本当に日本の国民生活の窮乏化・・生活水準下落が起きているのか疑問です。
安倍政権前の過去20年間を「失われた20年」とマスコミによって宣伝されていますが、この間の技術革新等によって実質生活水準が感覚的に約2倍に上がっていることをこのコラムで繰り返し書いてきました。
私の感覚でしかないので本当のところは分りませんが、従来経済危機が起きると「有事のドル買い」と言ってドルが上がって日本円が下がったのですが、この20年ほどの間にこの基準が変わっています。
リーマンショック直後の円高や今年の年初来の新興国や中国危機による経済大変動に際しても、「危機時の対ドル円高」と言う国際的認知・市場の動きです。
特に今回はアメリカの利上げによってドル高になったことが、人民元暴落含み=経済破綻が現実化して来たことが世界経済波乱原因になっているのですが、対ドルでは、アメリカの金利上げに対しても日本円だけが下がらずに上がっています。
アメリカはリーマンショックの傷が癒えたとして、金利引き上げ時期を狙っていましたが、引き上げると弱小国(とりわけ中国)の経済が持たない・・・判断から、1回延期しました。
言わば経済強国の金利政策が、世界経済をストレートに支配出来る構図を前提にしています。
金利は、お金を貸したり預ける相手の信用力で微妙に上下するものですから、信用のないモノ(組織)はより信用力のある人よりも高い金利でないと貸して貰えませんし投資もしてくれません。
国の信用力によって格付けと言うか必要な金利があるので、金利の高い順に信用のない国と言うピラミッド型の順位が出来上がっています。
これを人為的にある国の中央銀行が金利を上げ下げすると、実際の順位と合わなくなるのでこの実態に合わせるために国際的資金移動が始まります。
100カ国中の80番の順位の国が金利を上げ下げしてもその前後の順位国しか影響がありませんが、世界トップ(実は2位)のアメリカが上げると3位以下の国にとっては大変です。
それまでのアメリカとの金利差が1〜2%高で均衡を維持していた国にとって0、98%差になると資金流出が始ります。
これがイヤなら自分も金利を上げれば良いのですが、そうすると国内景気が持たなくなるリスクです。
ブラジルは大分前から不景気のために金利を上げるに上げられずに、ずるずると通貨が下がって(最近まで3割も下がったと言われています)参っていますし、弱小国とは(国土面積や人口のことではなく)こう言うジレンマのある国のことです。
運転資金に窮した企業が高利貸しに手を出すと余計苦しくなってつぶれるしかないのですが、弱小国はこうして高金利に追い込まれることになります。

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