沽券・メンツにこだわる文化(民度)

韓国が日本と手切れになっても当面はこれまで日本から吸収しておいた技術の応用で何とかなるとしても・もしも技術導入が止まったままならば10〜20年も経過すれば今の北朝鮮みたいになっていく可能性の方が高いでしょう。
今後どこから絶えざる技術導入するかの問題がのしかかって来る筈ですが、日本以外では安易・・ギブ&テイクの商売抜きで高度技術を教えてくれる国がそうはあるとは思えません。
ただし自由化をやめない限り、世界中が相互に現地生産・工場進出の時代ですから、最低でも進出企業の技術導入が可能ですので、李氏朝鮮のように古代社会に戻る心配はないでしょう。
ただ自分から好んで世界から孤立して満足しているのが北朝鮮ですが、これが実は一番精神が安定する環境なのではないでしょうか?
進歩とは何か?ですが、いわゆる文明の利器に囲まれるだけが幸福への道ではありません。
それならば禅宗のような宗教が発達するかというとそこまでいかない・・ただ遅れた社会が居心地がいいというだけの単純な理由でしょうか?
それならば、勝手に遅れた社会に籠ってれば良いし世界が放っておいてやればいいのですが、劣等感が原因で?ちょっかいを出してくるからややこしくなります。
朝鮮戦争が休戦協定でしかない・・いつでも再開され得る状態にあって、後ろ盾のソ連が崩壊し、中国がアメリカと貿易上深い関係になって行きいつ切り捨てられるか知れない恐怖・・イラク戦争に始まるフセインの処刑〜リビアのカダフィ大佐の失脚などアメリカによる問答無用の侵略行為の連続を見て、緊張感でハリネズミのようになっているに過ぎないとも言えます。
それにしてもこのよう理解では日本人拉致事件が何故起きたのか理解不可能です。
やはり技術情報だけでは無理・・日本から独立するとどんどん李氏朝鮮時代にの社会に戻って行くので、これを押しとどめるには人間の輸入しかないと考えたからでしょうか?
これまでの韓国政治家が表向き大言壮語しながら、裏で国内事情を説明して「何とかしてくれ」と頼む常套手段が昔から行われていたのは、アメリカ支配から、日韓協力になって近代国家らしくなったものの、底流では世界の流れについて行けない民度があって、そのギャップのために対外的自己顕示を強化される一方しかなかった・・民度が原因のように見えます。
民度レベルがアップして行けばこれについて行けない政権が逆に崩壊します・これが日本の社会制度が平安〜鎌倉〜室町〜江戸〜明治と毎回変わってきた流れです。
西欧の封建制度〜絶対王政の崩壊も同じです。
中国では民度変化がなかったからこそ、2000年にわたって何回も同じ体制の王朝が繰り返されて来たのです。
欧米諸国は中国の改革開放によって先進技術が入れば民度が上がる・・民度が上がれば専制支配が自壊するという読みでしたが・・必ずしもそうではない現実が証明されつつあるようです。
フランス革命等は民度が上がったからではなく、絶対王政が経済活動の邪魔になったからでした。
中国が原則として経済活動の自由化どころか公害垂れ流し放題、知財剽窃その他対外的には何でもありの自由奔放政策・イギリスが覇権を握るようになった海賊政策同様で既存秩序破壊行為ですが、世界から見れば混沌化・迷惑ですが海賊に守られているイギリス商人は何の不満もありませんでした。
共産党先専制支配とはいうものの、政治的自由がないだけで経済活動に関しては汚職を含めて完全自由化というか、各種規制をしないか、あっても名目的でザル(賄賂でどうにもなる)のままであって競争相手の国内侵入を防いでくれるし国内起業・企業家にとっては夢のような社会です。
先進国の批判は主として参入規制に関するものが多いことを見てもわかるでしょう・国内企業にとってが参入規制が多い方が有利ですから国民に不満はありません。
この辺に関するトランプ氏の強烈な不満は正当です。
中国は自国に必要な技術導入に必要か否かで厳しく選別・参入規制で国内事業家は自由な商売が外に行くのは自由ということで、やりたい放題のわが世の春を謳歌していますが、韓国はアメリカ支配に続く通貨危機によってIMF支配で完全自由化を迫られているので、防波堤がありません。
この違いがネット投稿に現れていて、中国人のネット書き込みには韓国人に比べると余裕が見られるのとの違いです。
参入規制で韓国では近代製品が溢れているものの、精神がついていけない状態を書いて来ましたが、韓国はこの軋轢で国民総ヒステリー化していると見るのが正しいような気がします。
民度全般をいきなり変えるのは無理があったのを日本政府が読み間違ったのです。
明治政府が教育さえすれば何とかなるはずと思ったのでしょうが、日本支配下に入って約40年間学校教育をしても、・・続けてアメリカ支配に入って民主主義重視と言われても古代意識からの急激な変化に精神構造がついて行けてないのではないでしょうか?
近代的学校教育に気持ちがついていけない・・古代から慣れ親しんだ専制支配下の精神構造・北の将軍さまの支配下の方が、気持ちが落ち着く人が多いのではないでしょうか?
明治維新以来の日本のお節介でヤンパン支配が終わりを告げ、庶民に至るまで精神の自由市場に放り出されても多くの庶民が対応できずパニック・精神異常状態になってしまっているように見えます。
韓国での根深い反日運動の源流は、これまで日韓併合によりヤンパン支配を崩された旧支配層の恨み・・が背後で蠢いているからではないかという意見があったと思いますが、庶民の方も精神の自由市場に放り出される不安が大きいこととの相乗効果かも知れません。
庶民は日本による四民平等、日本の近代化政策により皆学校に行けるようになり近代製品を利用できるようになった恩恵は そのままま享受したいが、日本支配による近代化施策と戦後の経済協力のお陰と認めるのは沽券に関わります。
それが国書事件の形式的拒絶の背景だったのでしょうが、江華島事件の処理の過程で沽券にこだわっていられなくなって、ついに謝罪の上で国書を受け入れることになりました。
中国や朝鮮では何よりも沽券・メンツが最重要です。
沽券については十年以上前に書いたことがあります。
沽券で私のコラム内検索すると何と55件も出てきますが、沽券とは、平成十七年頃改正前の不動産登記法で言う所の登記済権利証制度ができる前の地券の前身で、江戸時代までの土地の権利を表彰するのもの(売り払い証文)でしたが、紙幣で言えば、不換紙幣になると発行体の信用が重要なのと同様で地券証の信用が疑われると大変・・そ子で沽券に関わるという意味でしょう。
信用を重んじるならばなおさら透明性が重要というのが現在社会の常識ですが、中朝民族では、逆に秘密にして置くことを沽券にかかわるという意味になっているのでしょう。

民族文化の有無3(宗族血縁組織)

韓国の血族支配の財閥が勢威を振るっているのを近代的企業統治精神?を基準に批判する論調が普通ですが、血族・宗族発展のエネルギーを無視した意見では的外れな意見だと思われます。
韓国の財閥組織形態は戦前日本の財閥をモデルにしたものですが、日本の場合、三井,三菱、住友その他財閥見ても分るように直ぐに血族支配から脱皮していたのですが、韓国の場合いつまでたっても客観組織に変貌出来ないのは意識が遅れていると言うよりは、中韓では宗族血縁重視・地域社会・「公」の意識が育っていないと言うか元々存在しない・・価値観が違う・・民族国家その他の地域社会・共同体意識のない社会?であることを直視する必要があります。
周回遅れをバカにしていても良いですが、もしかしたらグローバル化に最も適しているのが宗族血縁意識民族かも知れません。
地域社会・・面としての固まりでないと生きて行けない組織体行動原理の場合、進出先で面としての地域支配権獲得が必須・・ですが、ツタやカヅラのような生き方ですと行く先の支配者が誰でも良い・・どこでも隙間があれば入り込みそこで根をはれます。
これが、華僑が世界中へ進出を容易にして来た生活習慣と言うか価値観です。
その内に最先頭の社会になる可能性もあります・・蔓草はミミズのように途中で断ち切られてもその先で根おろして更に発展して行ける・・テロによる交通切断などに強い組織です。
いわゆるグローバリズムの基礎ですが、つる草のようにお互い絡み合ってぐちゃぐちゃに棲息する社会が後1世紀もすると普遍化し、「民族国家?そんなもの昔あったな!」と言う時代になるかも知れません。
本国を必要としない点ではユダヤ系と似ていますが、華僑の場合宗族間の強固な互助組織・意識が特徴でその地の支配者になる必要がない(大きな樹木にならず地を這い樹木(権力)に絡み付くだけのツタの特性で)点で政敵を作り難い点が有利です。
世界が資源や量に頼る時代に終わりを告げようとしていると言う意見で書いていますが・・アメリカの動きを見ると中国のバイタリティーに比べると未だに量で勝負する・・移民受け入れ(人口量)や資源に頼る習慣が抜けないような印象を受けます。
欧米の影響を受けているメデイアも如何に多くの移民を受入れて労働力=人口を増やすかの宣伝ばかりで一人当たりの豊かさ追及にはとんと関心がない印象です。
アメリカの復権と言っても結局はシェールオイル等の資源産業の復活でしかないことを大分前に書きました。
中国が省力化投資に邁進してどこまで日本に肉薄出来るか、人口の1〜2割でも近代化に成功すれば日本の人口の1〜2倍ですから、組織体の競争・・国対国では日本より国力が上になるでしょうが、残り8割の底辺層を抱えたままである分が不利です。
人口の巨大さ、国土の広さが不利になる時代です。
とは言え、「よそ者がそんなことで国がどうなるの?」と心配してやる必要張りありません。
異民族支配が多かった関係で、中国人(と言うよりもこの地域の諸民族)の心底の意識は「国なんかでどうでも良い・・自分・一族だけ成功して世界につる草のように伸びて行けば良い」ということでしょうから、そんなことは気にしない・・一人でも多くの成功者を出す方が先決と言うことでしょう。
成功する順にドンドン国を出て行き「カス」だけ残る・これが中国地域になりそうです。
天の原フリサケミレバ・・と故国をしのんだ阿倍仲麻呂のように「何が何でも故国に帰りたい」と言う心情は稀ではないでしょうか?
とは言えまだ民族?国家が幅を利かす時代ですから、国家として世界の指導的地位を得るのは重要です・・そのためには最後に重要なのは世界に通用する独自文化が生まれている民族かどうかに掛かるでしょう。
他所の文化のパクリや単に遅れてダサイ・粗暴なだけの独自性では相手にされません。
独自文化発進力もなく他所の名画や彫刻を金の力で買い集めるだけのロシアやアメリカに先があるの?と言う疑問です。
3〜4ヶ月ほど前にプライスコレクションで知られるプライス氏が日経新聞に「私の履歴書」を書いていましたが、彼は財力と鑑識眼によって若冲その他の日本絵画のコレクションしたのは個人の業績としては立派ですが、ここのテーマは、自民族の文化は?と言う疑問です。
大原美術館など見ると自己満足自慢のためではなく、洋行出来ない美術学徒が日本にいながら西欧の最新潮流に触れられるようにと言う心意気で出来たことが分ります。
ブリヂストン美術館に行ってみると、専門家ではなく「一般のサラリーマンが仕事帰りや休憩時間にちょっと立ち寄って芸術に触れられるようにしたい」と言うみんなのための美術館創設を目指したことも分ります。
日本人の多くは自己満足のためにあるいは自慢するためにコレクションしたのではありません。
古くは弘法大師その他の留学僧は唐の先進分物を持ち帰り、自国普及に努力しましたし、誰とも分らないほど多くの人の努力で漢文をそのまま日本語に読み下す技術が考案されてみんながそのまま漢文を読める社会にしてしまいました。
明治維新時にも洋行帰りが西洋知識を独占せずに直ぐに大量に翻訳して国民への西洋知識の普及に努めましたし、対応日本語のない場合多くの新造語も作りました。
プライス氏の集めた若冲のコレクションがアメリカ人の美術レベルに何ほどか影響を与えることがあったのでしょうか?
あるいは、幕末からアメリカのコレクターが、金に飽かして(両替の不正があったこともあります)日本美術品が多量に多数コレクトされて今は、メトロポリタン美術館に収蔵されていますが、アメリカ人の創造力に何か影響を与えたのか不明です。
23日まで、日経新聞最終ページにイギリス貴族の館・カントリーハウスの連載をしていましたが、エエカテリーナ2世同様に個人的蒐集・自慢の域を出ないレベルを表しています・・イギリスは世界の覇者になって経済力にあかして世界中から文物を集めても、先進文化を参考にして自国文化を発展させるほどの文化土壌がなかったからでしょう。
我が国は幕末から明治開国後「洋画」「洋楽」を学びましたが、遠近法や新しい絵の具などが入れば直ぐにこれを応用出来る下地があってのこと・・飽くまで日本画、日本音楽を棄てていません。
料理も西洋の良いところを取り入れても和食自体発展するばかりです。
和魂洋才・・こうした外国文化の受容方式は遣唐使の昔から変わりません。
東博(東京国立博物館)にある法隆寺館の仏像群や東洋館にある北魏時代等の仏教伝来初期の石像群を見ると、日頃我々が知っている仏像と表情がまるで違うのに驚きます。
漢詩が入っても万葉に代表される我が国古来からの「歌詠みの心」を基礎にしてこれを受容し取り入れて来たことが分りますし、政治制度的に律令制を受入れても直ぐにわが国風に変えて来ました。
洋画がいくら立派だと解説されても日本人が自己資金で買うのは殆ど日本画でしょう。
東山魁夷が洋画を志したときに親から洋画では食べて行けないから「日本画に」と言われたと言われますが、実業家の親は学校教育でいくら洋画を褒めようとも、国民の心は違う・・・需要者の気持ちを良く知っていたのです。
日本発で今や世界を風靡し始めたアニメも、他所からの借り物ではなく、鳥獣戯画の昔から動物を擬人化して遊ぶ日本古来からの風俗が源流です。
アメリカが大きな顔を出来たのは資源があるからダと言う意見・・最近ではJuly 2, 2016,「欧米と日本の対応1(EU→大規模化)」で書きました。
産業革命以降20世紀までは、資源の時代・・戦争も資源を巡るものであったと言えます。
世界の覇者になったアメリカも資源に基礎を置くので、独自文化らしきものがなく、ジーンズやハンバーガー、コーラくらいしか残せない印象です。
そこで現在アート創造に必死ですが、私のようなド素人から見ればどれも思いつき的域を出ない・・素人にはあまり魅力を感じないのが難点です。

ロシアの台頭と資源(民族文化の有無)2

資金力だけでも、美術品のまとめ買いやスパイを使って最先端軍事科学や技術を真似出来るし買えますが、自前の文化を一挙に育むには無理があります。
似た水準にあれば勉強になりますが、全く素地のないところで他国文化財をまとめ買いして持ち帰って真似しても?焼き直しでしかなく、自国文化が生まれませんし、産業分野でも巨費を投じてスパイするほどのメリットのない民生分野ではスパイに馴染みません。
中国やロシアが宇宙にロケットを飛ばせてもマトモな電気釜やウオッシュレット・化粧品1つ作れない・・これが訪日中国人の爆買いの原因です。
中国は重工業あるいは代表的家電製造技術を充分学んだので最早日本に用がないと誤解して反日暴動を仕掛けたのですが、人民の生活水準が上がって来るともっと裾野の技術が必要と漸く分って来たようです。
そこで、もう一度日本へのすり寄りが始まったのですが、工場誘致して現場で学ばない限り作れないのを理解していることは、中国は工場誘致に必死になっているのを見れば分ります・・民生分野の底上げをするにはまさに民度レベルにかかっています。
軽工業から重工業へと言う産業進化を学校では習いましたが、スパイ国家では重工業や宇宙産業が先に開発され、民生用軽工業は後回しになります。
中国の場合、国がロケットなどの超高度技術をスパイが入手している関係で、民間も知財や産業秘密剽窃になんら罪の意識が育たないようになっている様子ですが、具体的現場技術は、民生用工場や環境保護用の工場誘致によって、実地で学ばない限り身に付きません・・そこで工場誘致に必死になって自国民がどの程度まで作れるようになるかの挑戦に今や必死です。
ところで、技術だけはある程度のものを作れても最後は文化発進力の有無が決め手になりますから、中国が現在的な独自文化発信国になれるかどうかが重要です。
その点はどうか疑問がありますが、中国はアメリカと違い正面から挑戦・努力する意欲があるだけマシでしょう。
22日の日経新聞朝刊3pで工作機械大手ヤマザキマザック社長のインタビューが記事になっていて、中国向け工作機械は省力化投資に躍起の状態で受注が伸びているが、アメリカではこの2年工作機械受注が低迷していると出ていましたし、今朝の日経朝刊15pでは、日本の工作機械の中国からの受注は今年4月には前年同月比2、4倍と言う猛烈拡大になっているようです。
両記事を読んでいると中国は省力化投資について行けず淘汰される旧式設備企業や人材が余ってもそれはそれとして、兎も角近代化出来る工場から近代化させたい・・深圳特区同様に「やれるところからやって行く」前向き姿勢・・意欲が高い印象を受けます。
人口が多いから成功する企業が少しでも出れば、長期的に社会全体のレベルを引き上げられると言う姿勢のようです。
つぶれたり、失業するのは自己責任・・そんなことにお構いなし・・気にしていると国際競争に負けてしまう・・勝てる産業を1つでも二つでも先ず育てるのが先決と言う姿勢が垣間見えます。
これが中国産業のバイタリティーでしょう。
この結果国が分裂して別の国になるかどうなるかには全く関心がない・・元々国家・社会・「公」・の意識が育っていない宗族・血族意識が基礎になっている中国人には元々関心のないことです。

ロシアの台頭と資源(民族文化の有無)1

話題がズレますが、もう少しロシアの(独自文化のない)民族意識・・とは何か?という疑問について書いて行きます。
エルミタージュ美術館はドイツ諸候の娘であったエカテリーナ2世が(1700年代後半から、ナポレン戦争終わりまでの治世)ころにドイツ〜フランス、イギリスその他の収集家の持っていた「所蔵品をまとめ買い」する方法で蒐集を始めたことに始まります。
映画を見ていると成金になって文化も身につけようとしても自分で選別する能力がないので?、自慢の作品の多くは西欧の有名所蔵家の所蔵品を金にアカしてまとめ買いした印象です。自国文化の紹介でないのはもしかしたらイギリスまたはアメリカ系映画だったからかも知れません。
何を見に行くかを知らないまま、妻に連れて行かれる習慣なのでどこの映画会社だったかを見損なってしまいましたが・・字幕に頼ってみていますが、聞こえてくる発音は英語だったようでした。
エカテリーナ2世はトルコと戦いクリミヤを奪いウクライナの大半を領有し、スウエーデンと戦いバルト三国を吸収したり・ポーランド分割を主導するなど大活躍です。
シベリアでいつから金が産出されるようになったかネット検索には出て来ませんので根拠がありませんが、その資金背景を想像すると、約100年前のピョートル大帝がシベリアに版図を拡大した効果が現れている・資源獲得・・金産出によるバブルがあったからではないでしょうか。
金回りの良さが相次ぐ対外戦争を可能にし地位相応の立派な宮殿やこれを飾る絵画・彫刻などの文化導入の欲求となり、国内改革も進めていわゆる啓蒙的専制君主・トキのリーダーの一人に数えられるようなりましたが、アレクサンダー大王や漢の武帝など外征を積極化した王朝はその後兵役に徴用される庶民の発言力の高まりや不満が蓄積し財政的にも負の遺産を受けつぐのが普通です。
エカテリーナ2世は、「どうせ先のこと」だという気安さから、啓蒙的人気取り・・人民に期待をいd化せるなどキレイごとを言い過ぎたので、農奴たちも期待してしまい後継者が苦しんだと原因を作ったのではないでしょうか?
贅沢するとその後が大変なように、お金だけはなく人民を兵士等として贅沢に使い過ぎた・負の遺産を残したことになります。
イギリスが対日戦に協力させる為インドのグルカ兵に独立させるような甘言を弄して期待させたことが大戦終了後の独立運動の元になり、ユダヤ人に建国を約束したことが戦後アラブ対イスラエルの紛争の原因になったのと同じです。
上皇や藤原氏が武士をいいように使っている内に武士の発言力が高まって行ったのと同じで、人をタダでは使えないと言う当たり前の結果です。
ロシアもその後長期的に農奴らの地位向上慾をかき立てて・・欲求不満が高まるし・他方戦争ばかりで財政危機に見舞われるようになった・・エカテリーナ2世死亡後の19世紀後半以降は国内不満が渦巻きその矛盾解決(農奴解放しようとすると大貴族が反対するなど)に苦しんだ挙げ句に解決能力がないまま、ロシア革命に突入してしまいます。
政治と言うモノは矛盾した主張をどうするかの調整能力次第ですが、これがない民度だと暴発になります。
ロシア革命が一朝にして起きたのではなく、長期間の矛盾蓄積によるもの・・その十数年前の日露戦争当時にもその前兆の反乱があって(第一次ロシア革命とも言います)、止むなくロシアが対日講和に応じざるを得なかった経緯を見れば明らかです。
http://www.y-history.net/appendix/wh1401-114.htmlによれば、戦艦ポチョムキンの乱は以下のとおりです。
「1905年、血の日曜日事件で民衆を弾圧し、日露戦争を継続するツァーリ政府に対する不満は兵士の間にも広まった。5月には日本海海戦でバルチック艦隊が全滅し、大きなショックとなった。そのような中で6月、ロシア海軍の黒海艦隊の戦艦ポチョムキンの乗組員が反乱を起こして艦を乗っ取るという事件が起こった。」
日露戦争では初戦では連勝していましたが、既に継戦能力のなかった日本はこれで救われたのです。
日米戦争は途中で終わるために・・仲介してくれる国が想定出来なかったので、無理を言われても隠忍自重して来たのですが、最後に自重し切れずに開戦に踏み切った結果、最後まで戦うしかなくなったので完敗してしまいました。
戦を始めるときは双方ににらみの利く大国・上位機関がタオルを投げてくれる準備が必要です。
信長も都合が悪くなると、足利義昭や朝廷を動かして和議を成立させて時間を稼ぐのが普通でした。
話題がズレましたが、ロシアを見ると独自文化のない国が資源収入による成金→軍事力を持ったと同時に世界中から美術品を買い集めただけのような民族では先がありません。
現在もロシアは原油が安くなると途端に苦しくなる資源頼みの国です。
以下15年と16年で見ておきましょう。
(1)・・15年分では前年比35/7%減の速報ですhttps://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_russia_2015
販売台数速報 2015年
ロシア新車販売、12月は45.7%減、通年は35.7%減の160万台
・欧州ビジネス協会(AEB)が14日に発表した2015年12月のロシア国内新車販売台数(小型商用車を含む)は、前年同月比45.7%減の14万6,963台となった。通年では前年比35.7%減の160万1,216台となり、3年連続でマイナスとなった。
(2)16年分では11%減の速報です。
https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_russia_2016
ロシア新車販売、12月は1.0%減の14.6万台、2016年通年は11.0%減の142.6万台
・欧州ビジネス協会(AEB)が12日に発表した12月のロシア国内新車販売台数(小型商用車を含む)は、前年同月比1.0%減の14万5,668台となった。2016年通年の累計販売台数は前年比11.0%減の142万5,791台                       
中国が苦しいと言っても昨日紹介したように昨年は14%増以上ですし、アメリカも3%増(日本は飽和状態ですから更新需要しかありません)です。
ロシアは農業国家ですから、資源が下がってもベネズエラのように食うに困ることはないにしてもクルマの更新需要ほど庶民生活を正確に表す指標がないと思われます。
ロシアは日本の2倍以上の人口を抱えて年間需要が140万台規模で日本の年間販売台数の3分の1でしかなく、これから新規需要が増える途上国であるにも関わらず、15年は前年比35%も減り、原油相場が持ち直した16年でもなお11%も減少するとは異常です。
食品は10日も食わずに先送り出来ませんが、クルマの買い替え需要は、生活が苦しくなれば、6年に1回買い替えていた人が1〜2年先送りすることは平気ですし、この先自分も欲しいな・・と思っていた人が新規購入をためらう・・・・この結果売れ行きが落ちる・・新規需要による前年比増どころか、更新需要の多くが先送りされることほど景況感を良く表す指標はありません。
ベネズエラほどではないにしても、原油価格の上下に連動してロシアのクルマ販売の落ち込みが激しい・・ロシアは資源国家経済の比重が高い点に注意すべきでしょう。
独自文化のない国の将来は限られます。

文化とは?

朱子学そのものの解説をちょっと見れば分りますが,(私には難し過ぎて理論そのものはよく分りませんが・・)トマス・アクィナスの頃の神学大全同様に・・深遠な哲学・格物致知=空理空論のこねくり回しが基本に見えますから、実践哲学とは言うものの高尚過ぎて実生活の解決に何の役にも立たない印象です。
漸くいろんなことが気になり出した社会にとって,アタマの体操に役立つ程度ではないでしょうか?
西欧の神学論争・十字軍遠征によって異文化に接したことによるアタマの体操が始まって次々と「アアでもないこうでもない」と頭を使っている内にいろんな疑問が出て来て百家争鳴・・→神学取りまとめの方向性トマス・アクィナスに限らずその他の学者による「神学大全」がいくつか出て来たことになります。
この頃に一旦まとまった神学が、基礎になって新たなステージに入り,ルネッサンス→新教の発生→信教の自由・思想の自由→民主主義社会になって行くのですが,中国社会では朱子学が明以降は国家教学になり,硬直して行った結果、解釈学の範囲枠内で停滞してしまったようです。
朱子学は南宋時代ですし,国家教学採用は元明以降ですからあたかも西洋におけるトマスの神学大全完成とほぼ同時期です・・・。
科挙制度・解釈学中心社会・国家検定的試験制度〜受験準備過程としての教育制度が権威を持てば持つほど、権威にあわせる努力中心社会になり易く・・自由な思考回路発達を阻害する危険があります。
韓国では今も科挙試験に代えて学歴格差が激しい・売春婦をしてでも学歴が欲しい社会と言われていますし、就職先もヤンパン時代の官僚に代えて大手財閥就職のために数年単位の就職浪人も厭わない・・就職用の塾が発達している社会です。
就職試験合格目的の受験勉強・模範解答偏重ですから,秀才と言ってもそこから新しい発想思考など生まれるべくもありません。
マスコミでは韓国の過激な受験地獄・・極端な詰め込み勉強が報道されて,詰め込み・知識記憶力偏重の弊害だけの報道ですが、画一価値観の刷り込みだけで良しとして枠外の思考を巡らせる経験がないまま育ち成人してしまう・・社会停滞リスクの方が大きいコトに注目する必要があるでしょう。
いわゆる大企業病に陥る弊害の社会全体版を李氏朝鮮の国家創設以来繰り返して来ました。
就職後も日本に密着して先進技術導入・読解能力さえあればよかったでしょうから、受験勉強の延長で良かったでしょうが、嫌韓感情が高まってしまった以上、日本は今後は簡単に技術を渡しませんし簡単に剽窃させませんので、今後は独自技術開発ができないと失速します。
中国も基礎状況は同じですが、(イギリスがノルマンコンクエラーの結果コンモンローが発達したほどではないまでも)異民族支配が長かった分・「上に政策あれば下には対策がある」と言われる社会です。
この分社会には権威を批判的に見る習慣・底力があるように見えるほか,支配層も自分より強いイギリスに侵略された歴史があるので国際合意の重要性も自覚しています。(韓国の場合には自分から日清露3国のどちらか強い方の支配下に入りたかっただけで、侵略され非合理な支配を受けた経験がない点が違います)
ただしアヘン戦争に負けた経験から得た教訓としては、相手が自分より強いかどうかに気をつけることを学んだけで、古代からの専制支配の妥当性を否定しない・・・道義は関係がない・・屈辱の原因は力がなかっただけと言う反省・・・正義の重要性自覚には至っていません。
今でも道義・正統性よりは,自分より強いアメリカの出方だけが行動基準ですから、まだ強弱二元論・・動物的・原始的リヴァイアサン社会意識のままです。
オバマが断固とした行動に出ないと読めば、国際ルールなど無視するのを気にしない原因です。
これは領土拡張のみならず経済活動でも同じで、相手が弱ければ・・国内進出企業にはスキなように嫌がらせをするし,相手国からダンピング制裁や知財剽窃のサイバー攻撃などに対する制裁を受けない限り、どんなルール破りをしても構わないという国家の行動形態に現れています。
強弱に言論ですから,国内的には道理((今風に言えば法)よりは,権力者に近いかどうかが基準・当然賄賂や不正行為がはびこります・・になり、国家権力者自身が自分より強い相手に捕まりさえしなければ、・・正義や信頼関係など全く問題にしない価値観を実践しているのですから、人民も同様の行動基準になるでしょう。
大規模サイバー攻撃や領海侵犯は個人ではできないしやっていない・・だから人民の道義心に関係がないというのは詭弁に属するでしょう。
政府行動は、人民の目標的価値観に大きな影響を与えるのが普通です。
ここまでPublished2016/11/22「民主主義の基礎9(信頼関係7)」以来民族の成り立ちの重要性の関心で書いている内に国際関係処理の前提条件などに関心が移って来ました。
日本を除く全世界的価値観では・・社会組織のあり方では「支配と被支配」の2項対立が基本ですし,西欧近代哲学では主観客観の対比・・西洋人の形而上思惟の開始→神学論争は「信仰と理論」の整合性の疑問が神学関心・・アタマの体操の始まりでした。
この思考形式や社会組織の原初形態が・・個人と全体の関係への疑問・圧政に対する抵抗権としての反作用として・自我確立が尊重されるのが最初の意識現れです。
個人の成長に喩えれば,中学〜高校期に自我・主体性の芽生えとともに、反抗期が来る(子供がいる)のと対比出来るでしょう。
日本はその期間を縄文時代に経過している大人の社会・・エゴを必死に主張しなくともお互いの人格・立場を尊重しながら包摂して行く社会ですが,西欧近世〜近代は思春期が始まったばかり・・これを以て「自我の確立を知らないのか」と大人社会の日本に自慢しているのが欧米です。
日本人は各自を尊重しながら,一々「俺が俺が・・」と言い張り壁を蹴っ飛ばしたりしなくともお互いの立場を尊重する・・お互い融合している温和な家庭〜社会生活をしています。
腹一杯食べたい子がいれば,あるいは何か困った子がいれば、母親が黙って気配りしてくれます・・学校で苛められている子に気付かなければ学校が非難される社会です。
中国では春秋戦国時代に多様な思想が輩出しましたが,その基礎には陰陽論・善悪二元論などがあり(5行説も陰陽論の上に成り立つ修正的意見です・・中世の朱子学も理気二元論で「気」に陰陽の二元があり,そのバラエテイーとして5行・木火土金水があると説いています)・・何でも2元的切り分けが好きな社会である点は西洋と同じです。
これが始皇帝→漢王朝成立による専制支配確立とともに社会組織として「支配被支配関係」が確立固定されて以来、思想の多元化が阻止されたまま現在(上記のとおり価値基準が正義ではなく強弱原理=共産党独裁支配・・価値観単純化の一態様である点は同じ)に至っていると思われます。
韓国は反日と言えば全て善・・政党的に言えば反北朝鮮か否かの二元論で極端に行ったり来たりしている点は今も同じです。
国内的にはこのような極端な色分けで行ったり来たり・右往左往していても勝手でしょうが,前政権の国際合意のちゃぶ台がえしをすると国際信義を簡単に破る結果になります。
19世紀末以来ロシア〜ソ連南下政策の脅威・・地政学的重要性に鑑みて日米が韓国の信義破壊行為の繰り返しを黙認して来た結果、信義を守る重要性を理解出来ないまま現在まで来たように見えます。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC