9月初め以降シリア処理の不手際に端を発したアメリカの政治力低下は、オバマの個人的政治能力が低いか否かの問題ではなく、昨日書いたように議員個々人への直接要求が強くなっているので大統領だけではなく議会重鎮・政党幹部も指導力を失って党内をまとめられなくなっているのが現状です。
これに加えて,国際政治力学で言えば,アメリカの相対的経済的地位低下によって国際政治上でも勝手な行動が許されなくなった政治力学が表面化してきました。
アメリカは内外両面で能力低下が進んでいたのが、一挙に露呈したと見るべきでしょう。
国際あるいは国内でも同じですが,圧倒的格差ではなく他より少し強い程度になると,互角に近い交渉力が必要になって来ますが、中国同様にアメリカは対等者間の交渉経験が乏しい・・交渉能力不足が目立つようになってきたのです。
今回のテーマは政治家になりたい人が減ってマトモな人材が行かなくなり始めていることに加えて・・政治決断に庶民の声が影響力を持ち始めているので余計政治がモタモタするにようになって来たという視点です。
その職種に人気がなくなると有能な新規参入者が減って行きますので、数十年経過でその職種のレベルが大幅に低下して行きます。
就職希望ランキングでマスコミ忌避がまだ表面に出て来ません(マスコミが発表しないだけかも?)が、中韓政府の言うとおりに国民を誘導するような記事ばかり書かされていることが知られて来ると、その内就職戦線で希望者が激減・・10〜20年経過で人材がレベルダウンするでしょう。
政治家になると高邁な理想の実現よりは、いろんな狡い人の意見を聞いて成果を上げる作業の方が多くなってきたので,政治家は魅力のある職業ではなくなって来ています。
逆から言えば、ユダヤ資本や最近では中韓のロビー活動家の言うとおりの政治なんかやってられないという人が増えた=アメリカ人個々人の正義感はなおその限度で健全だと言えます。
人を陥れたり権謀術数の嫌いな健全なアメリカ人が政治に関心を失って行き、狡く立ち回りたい意欲の強い中国系や韓国系アメリカ人が人口比以上に政治の世界でのさばる時代が意外に早く来るように思えます。
白人系や日系人が汚いことしなければならない政治に嫌気をさして政治から距離を置くようになれば、中国・韓国系移民がそれほど増えなくとも、人口比以上に早めに政治家として頭角を現せるようになります。
今後10年もすれば、白人系の候補者がいなくなって、黒人系に代わって中国系や韓国系の大統領候補が浮上するのではないかと予測する人すらも出て来ました。
これに加えてネットの発達によって,最低レベル層まで政治に直接関与し行動する時代が到来するともっと政治レベルが下がるしかなくなります。
アメリカは、これまで書いているように建国後日が浅く、政治経験が未熟で主として資源国として成長して来た経験・・良く言えば誰にも簡単に騙されるお人好し・・脆弱さがあります。
これをしたたかな(実は後記のとおり実際には卑劣なだけですが・・)中韓両国はうまく活用して来た印象です。
日本人は元々権力者にすり寄ること自体汚らわしいことだと思う人が多いし、競争相手を陥れるために嘘をついてまで権力者にお近づきになりたい人は皆無に近いでしょう。
我々弁護士の世界も「宣伝広告するような、はしたないことをしたくない」と言うのが弁護士急増以前の普通の弁護士像でした。
日本でも長屋皇子や菅原道真ら失脚の故事に有名なとおり、讒言のまかり通る時代もありましたが、武士の時代になってからの価値観では競争相手の悪口を言うのは最も卑しい行為とされていて、以来約千年間讒言による権力闘争の歴史経験がないのでこの種の競争(防衛を含めて)には極めて弱いのです。
専制君主制しか知らない中国や韓国では、正しいことを言っても生き残れないので行動基準は正義に合致するか否かではなく、讒言競争で政敵を陥れること・陥れられないことに血道を上げるのは、古代から2000年かけて磨いて来た生き残りに必要な智恵・・お家芸です。
中国政治家は熾烈な権力闘争を生き抜いて来ているので、「したたか」だと自己宣伝していますが、中国で言う激しい権力闘争とは、卑劣な「讒言とすり寄り」(これが激しい賄賂社会の基礎です)を中核にするものです。
中韓両国では古代から何かで意見が違うと徹底的に負けた方を殺し尽くす・・その罪九族に及ぶのが普通でしたが、どっちが君主を味方に付けるのに成功したかどうかだけです。
・・正しいかどうかの結果で勝敗が決まるのではなく、うまく取り入った方が勝つ社会では負けた方に恨みが残るので,(まさに朝鮮族特有の恨・ハンの社会形成の基礎です)勝った方はこれが怖くて周辺の関係者・一族まで皆殺しにする習慣で2000年もやって来たのです。