昨年世界の注目を集めた薄煕来事件は、妻の関与したイギリス人に対する殺人事件のもみ消し工作に関連して事件化したと報道されています。
その前提として被害者と妻も元は同じ穴の狢・・錬金術の仲間・・コンサル的人物だったことが、このコラムのテーマ(外資流入によって支えられている経済)では重要です。
この英人コンサルトと薄煕来の妻が仲間割れした結果、口封じのためにか?殺人事件に発展し、それまでいろんな悪事を薄煕来と一緒にやって来た彼の片腕であった腹心の部下・王立軍がここで薄煕来に背いて悪事の資料1式をアメリカ大使館に持ち込んでアメリカ亡命を計っています。
一連の事件はいずれも仲間割れに端を発しているのですが、金儲けや悪事で結びついているグループで仲間割れが起きるのは、悪事によって得た儲けの分配や報酬が少なくなった場合が殆どです。
これまで書いているように彼らには信義や正義の基準がなく、金にさえなれば悪事も拒まない・・金なるかどうかだけが唯一の基準だからです。
彼らには元々正義の観念がないのですから、王立軍も正義感から訴え出たものとは、到底思えません。
平成元年に発足した宇野宗佑総理が失脚するようになった切っ掛けは、愛人に対する手切れ金があまりにも少な過ぎたことが原因で、愛人関係をばらされたことによるものでした。
薄煕来事件が明るみに出た切っ掛けは、悪事に加担し続けるにふさわしい相応の巨額報酬を払えなくなって来たことが、裏切りの背景にあるのではないでしょうか?
金の切れ目が縁の切れ目・・アラブの春も含めて世界中騒乱の始まる根源は、信義よりよりは金に群がっている世界ではみな同じです。
ただし、我が国に限っては信義の国ですから、苦しくなったら一致団結するのみであって、苦しいからと言って略奪や騒動を起こす人は例外中の例外です。
(世界標準・・金次第の人間が原則・大多数で信義を守る人は例外ですが、日本ではこの関係が真逆です)
東北大地震でも避難中の留守の家に入って泥棒する不心得者はいましたが、彼らは自分で悪いことをしている自覚があるので、外国で多い騒乱・略奪のようなことをせずにこっそり行なっています。
戦時中及び戦後の最も苦しい時期にみんなで(上記のように例外がありますのでこの時期統計的に犯罪が一番多くなっています)歯を食いしばって頑張ってきました。
ちなみに薄煕来事件を思い出すためにウイキペデイアで検索したところ、薄煕来が重慶市トップとして成功したのは巨額外資誘致の成功によるものであり、合わせて彼が数十億ドルもの巨額裏金を海外に有していたことも書かれています。
以下ウイキペデアからの引用です。
「薄が赴任した重慶市は、1997年に「西部開発の拠点」とするため4番目の直轄市に格上げされた都市であった。しかしながら、薄が赴任するまでの10年間は外資投資が進展しなかった。2003年までの投資総額は5億ドルに届かず、2003年から2007年の合計もわずか10億ドルだった。ところが、薄が赴任し外資導入に着手すると、2008年の外資の投資額は対前年比170%増の27億ドルとなり、翌年には39億ドルを達成した[5]。薄は年16%を超える超高度経済成長をつくり上げ、重慶の庶民に発展の恩恵を実感させた」
・・以下中略
「重慶市公安局は捜査によって、薄の妻の谷開来(中国語版)と薄の生活秘書が英国人実業家を毒殺したこと、英国人実業家が関与した薄一家が数十億ドルにものぼる不正蓄財した財産を海外送金していた疑惑があること、薄一家が不正蓄財した財産について谷開来とヘイウッドとの間に諍いがあったことが事件のきっかけであることを把握した。重慶市公安局は捜査によって、薄の妻の谷開来(中国語版)と薄の生活秘書が英国人実業家を毒殺したこと、英国人実業家が関与した薄一家が数十億ドルにものぼる不正蓄財した財産を海外送金していた疑惑があること、薄一家が不正蓄財した財産について谷開来とヘイウッドとの間に諍いがあったことが事件のきっかけであることを把握した。」
2013/05/15「外資流入減1と中国経済」以来、中国の発展資金・豊かさと賄賂資金・・錬金術は、全て外資を資金源とする・・アラブ産油国の石油マネー同様に石油掘削料みたいな収入であると書いてきました。
薄煕来事件に関するウイキペデイアの記述には、直接には書いていないものの、彼が私腹を肥やし、彼の赴任地の重慶市政府が派手に金をばらまいて高成長して来られたのは、こうした関連・・外資導入の成功が豊かさを演出して来たことが推定されます。
巨額外資導入がなければ彼が数十億ドルもの隠し資産を保有することは不可能であったでしょう。
昨年7月にヒラリークリントン(当時国務長官)がハーバード大学で行なった演説では、中国の富裕層から順に国を逃げ出しているので、20年後には世界最貧国になっていると言ったらしいのですが、その紹介記事を見ると今では中国の富裕層が国外に持ち出した資金は1000億ドルを越えているとも書かれています。
(その根拠は不明ですが・・この種の公式データはあり得ないので誰かの推測記事を転載しているのでしょうが・・)