中国の指標操作と思想統制は表裏一体1

ある指標がCDP発表と合わないことが問題になるとすぐこれをいじる・・次々と指標をいじって行くと・噓の上塗りと言いますが・・何かやればやるほど中国の経済状態は混沌・ワケの分らないクニと言う評価が定着するだけです。
中国の政策は政府発表に合わない不都合な指標があると指摘される都度指標操作の連続ですが、中国政府の指標操作目的は不都合な経済状態が分ると外資が入って来ない、あるいは威信に傷がつくことにあるとすれば、次から次へと指標をいじって本当にワケが分らなくするのに成功すると投資する方から見ると危な過ぎるクニとなって外資が逃げてしまう大局観がないことです。
それでも国内的には言論統制が聞いているので、事実に合わせてGDPを小さく修正すると格好がつかないし、(国民が政府発表を信用していなくとも)修正しなければ威信が保てるから虚偽を事実と強弁する方を選んでいるのでしょう。
この辺は北朝鮮等専制支配国共通の政治原理・・歴史に反した虚偽でも無視して反日国民教育するなど(虚偽と知っている人がいても構わない・大っぴらに言えない限り多くの大衆を誤摩化せるメリットがあります)共通です。
自己主張を通すためにフィリッピンのバナナ輸入を妨害したり韓国に嫌がらせする・・その一つ1つが仮に成功しても、却って「何をするか分らないクニ」と言うマイナス効果よりも国内的威信を保つ方が優先です。
張り子のトラならぬ張り子の空母まがいのものを作って周辺国相手にデモンストレーションして、周辺国に警戒心を起こすマイナスを気にしないで悦に入っているのも同様の価値観によると思われます。
いつも書きますが中国地域で歴代王朝が一旦支配権を握ればどんな残虐なことをしても・何をしても良い専制支配が成り立っていたのは、その地域全体を包括支配出来た地理的条件によります。
難民とは着の身着のままが原則・・屈強な男だけではなく足腰の弱い一族を連れて逃げるとなれば・・食糧を持って出ても数日〜1週間間分が限界ですから、その気で受入れてくれる当てがないと国外逃亡は不可能です。
何らのあてもなく西に逃げるには何千kの砂漠を越えて行かねばならない・・南・・チベット族はヒマラヤを越えねばならない・ダライラマは逃げましたが・・・・東は海・・その先に日本があるにしても古代には遠過ぎます。
北はシベリアですから逃げる先として向いていません。
(今でも西欧への難民を見ても分るように難民送り出しのブローカーに頼まないと個人でイキナリ船を漕ぎ出し歩き出すのは無理でしょう・・まして権力からの逃亡となれば中心部から国境近くに行くまでに捕まってしまうのが普通です。)
古代から何千年も地理的にほぼ・・閉鎖社会であったからですが、こう言う社会では権力に逆らえばどんなに酷い目に遭うかの刷り込みこそが、効率的な支配道具と信じられて来ました。
ルールを作ると権力者も縛られるのに対して、ルールなき専制支配だと専制=気分次第の恣意的政治ですから、一旦優位に立つと下位の者をいつもびくびくさせておける・・ピラミッド型官僚機構の上位者の権力欲が満足させられる点で配下の高官〜次官も順位地位相応のメリット(賄賂をとれる構造)があります。
中国・朝鮮民族では日本の武士団や西洋のような周辺独立国・・対等関係の存在を歴史上経験したことがありません。
世界が開かれた時代に入っている現在でも古代からの中国・朝鮮地域だけの流儀・相手が逃げられない前提で未だに専制的強要・・恐怖支配が成り立つと信じ込んでいる・身体にしみ込んだ体質でしょう。
簡単に逃げられない国民相手に膨大なエネルギーを使ってネット空間でさえ大量のアルバイトを雇って政府に不都合な書き込みがあると直ぐに抹消する体制を構築して・・統制しているのはその延長です。
4月2日現在のウイキペデイアの記事からです。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E6%A4%9C%E9%96%B2「政府は、インスタントメッセージングサービス、チャット、テキストメッセージを使った反日、反汚職、反不正に関する意見を抑圧しようとしている。インターネットポリスは30,000人以上だと見積もられており[3]、インターネットフォーラムやブログ、Sohu(捜狐)やSina.com(新浪)といったポータルサイトにおいて、政府や政治家に不都合な批判が現れると、通常は数分で削除する。
中国のインターネット抑圧の装置は他の国よりも大規模で高度であると考えられている。政府はウェブサイトへのアクセスを妨げるだけでなく、個人のインターネットアクセスも監視する。」
思想強制は国内に留まりません。
習近平政権になってからはアメリカに逃げた政敵をどこまでも追いつめて拉致するようなことをドンドンやっていることについて、アメリカが主権侵害と怒っていると言われますし、つい最近では北朝鮮が遂にマレーシアで金正男の殺害に成功しています。
日本では韓国が金大中を拉致して韓国へ連れ去ったことが有名です。
最近では政府批判する香港の有名人がしょっ中行方不明になることが知られています。
アメリカやタイその他諸外国からでも政敵を捜し出しては拉致し続けている中国にとっては、1国2制度の約束があるとは言え支配下にある香港から拉致することなど何とも思っていないでしょう。
今では海外逃亡が簡単ですが、それでも飽くまで追及するDNAは中朝両民族にとっては健在です。
以上のように政府は国民に対する情報統制に躍起ですが、今は国民が年間何千万と国外へ出入りしている時代ですが、日々の情報さえ遮断すれば大丈夫と言う思想でしょうか?
中朝にとっては国民が噓の情報を信じているかなどは問題ではない・権力が噓でもどんな残虐なことでも強制出来ることに醍醐味を感じるのでしょう。
この辺は、秦の趙高が周囲に対して自己の権勢を確認するために馬を鹿と強制して言わせた故事(バカの語源)が有名です。
日本人から見れば子供染みた自己顕示欲ですが、シロを黒と敢えて言わせる・・強制される方が噓を言ったり人道に反することをしたくないと思っていればいるほど、却ってそれを強制出来る自分の威力を確認出来る快感がたまらない民族のようです。
噓のデータを国民が知っても、「噓だと言わせないこと」が権力の強さの証明・・満足感となるので、外国から指摘されて国民が知っていても政府は困りません。
この情報化時代に厳しい統制が機能している不思議の理由がここにあります。
国民も政府の噓を百も承知・知っていてもそれはそれとして気にしない・・検挙されないように公言しなければ良いのでしょう・・「下に政策あり」の国民性です。
韓国の歴史捏造を「マ、そう言うクニだから」と日本が放っておいたら、「相手が弱いから何も言えないのだ」と誤解したのか?さらに国際展開するようになったので放置出来なくなって慰安婦騒動に発展したものですが、中国も韓国のように良い気になって南京事件の捏造宣伝を国内宣伝に留まらず国際展開し始めました。(ユネスコでのこ世界遺産登録実現がその一歩です)
日本が「大人げないと黙認していると弱いから何も言えないのだ」誤解する体質ですから譲ればいくらでも踏み込んで来ると理解しておくしかありません。
尖閣諸島問題も民主党政権が大人げないと思ったのか?体当たりして来た犯罪者・船長を釈放してやったら日本は弱いと思ったらしく余計踏み込んで来たのと同じです。
中韓相手には、一々苦情を言うのは大人げないと大人の対応をすると、相手が弱いと誤解するしか能がない民族性ですから、断固拒否する姿勢が必要でしょう。
オバマ大統領の自制は中国には弱腰としか理解出来なかったのです。

中国外貨準備急減1

昨日まで見て来たように、外資導入に頼って来た中国経済は投資継続が命綱・・これをやめるべきですがやめることが出来ない・・麻薬みたいになっていて縮小を始めると経済がガタガタになり中国政府・国有企業と国民双方が借金返済の苦しみが始まろうとしています。
外資導入は借金ではないと思うでしょうが、実体経済に及ぼす影響で見れば、ほぼ同じです。
債務でないから法的には返済義務がありませんが、土地を外資に100億で売っていた場合、外資が半値の50億で売って撤退すると50億円分の資金流出が起きます。
土地を買い工場設備を投入した外資が、採算割れで二束三文で売って引き上げるとなれば、その土地や工場設備は二束三文・・周辺相場の下落を呼びます。
ミクロ・個別で見れば、10〜20年前に高く売った土地や数百億の設備投資させてから嫌がらせして追い出せば二束三文で安く買えて民族資本が大もうけと言えますが、100の成功のうち1〜2社だけの経営失敗の例外現象であればそのとおりですが、大方の外資が商売にならないと引き上げる事態になれば、地域経済へのマイナス効果の大きさは計り知れません。
外資が次々撤退・・これを見た新規投資が手控えられるとなれば、これを補う民族資本・技術が育っていないと経済が麻痺するので損して引き上げるのだから放っておけば良いとは言い切れません。
中国は日系企業との合弁生産で技術を修得したから最早用がないとばかりに反日追い出し活動に踏み切りましたが、技術は日々進化する特質・・これがないとすぐに陳腐化して行く・進歩の概念がなかったので失敗しました。
レアアースで言えば、既存技術のママならば中国から95%の輸入が必要としても日本はイザとなればレアアース不要化〜比率を減じる技術開発力がある点を見逃していた失敗です。
各種生産工場も日進月歩の開発で成り立っていますから、当時の世界最先端工場を造らせたから反日運動で操業出来なくしてこれを買いたたけば世界支配出来るものではありません。
反日暴動が失敗したことが分ってレアアース禁輸後僅か1年経過で対中投資を求める訪問団が来日したことを3月16日に紹介しましたが、この暴動の結果次世代型工場誘致向けに余程うまい優遇策を提示されても警戒心が先立つので反日暴動前のようにはうまく行かなくなりました。
反日暴動にも拘らず新たに進出を決める企業は親中企業として目立ちますが、マスコミが世論誘導的に取り上げる一部現象ではなく、経済現象はトータル収支で見るべきでしょう。
この総合成績が現れるのが資本市場であり完全自由市場であれば為替相場に出るのですが、この後で紹介するように外貨準備急減に慌てて資本流出を急規制する例からも分るように、中国の場合不完全市場ですから為替相場では実態が分りません。
各種統計・・企業で言えば会計帳簿が実態を示さないのと同じ・・財務諸表が信用出来ない場合、銀行預金残高で本当の資金繰りを見るしかない状態が中国の統計です。
企業の銀行預金残高証明に匹敵するのが、外貨準備残高中の米国財務省証券保有・・米政府による発表数字です。
財務諸表中の債権などは相手企業とのなれ合いでいくらでも粉飾可能で・回収不能債権も紛れ込むので実は当てにならない・・中国外貨準備発表数字中「コア」になるのは米国財務省証券保有額のみと言う状況です。
損切りシテでも出て行く企業が多くなるのを見れば、余程見通しが良くなければ新規投資が減る・・あんちょこなムード便乗的投資激減ですから、差引き資本流出が始まっていれば外貨準備が減る・・その増減で見れば結果が明らかです。
中国自身の海外企業買収による流出・・これを頻りに宣伝していますが、これが含まれるとしても中国国内投資がトータルで減っていることは変わらないでしょう。
この大きな流れを隠し切れなくなった・・表面化して来たのが、ここ数年の資本市場の動き・・中国の誇る?外貨準備急減の基礎です。
中国外為市場が不完全市場とは言え長期的トレンドを防げませんので為替相場のグラフを見るとじり安が続いていますが、中国政府が買い支えているので実態が不透明です。
トレンドにどこまで逆らえるかは人民元の買い支えにつぎ込む外貨準備がどれだけ保つかでしょうが、外貨準備残高は中国政府発表によるので実は検証不能?不透明です。
p.reuters.com/article/china-foreign-reserve-idJPKBN15M0OEによると17年1月末に外貨準備が3兆ドルを割ったことが出ています。
[北京 7日 ロイター] – 1月末の中国外貨準備高は2兆9980億ドルとなり、12月末から123億ドル減少し、2011年2月以降初めて3兆ドルを割り込んだ。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は105億ドルの減少だった。
2016年通年では、外貨準備は3200億ドル近く減少。2015年も5130億ドル減と過去最大の落ち込みを記録しており、資本流出懸念が高まっている。」
国際通貨基金(IMF)の指針では中国に求められる外貨準備高の最低水準は2兆6000億ドルとされ・・」
と紹介し、決済資金準備としてはまだ余裕があると言うのですが・・。
紹介の主眼は中国にはまだ余裕があると言うよりは、2兆6000億ドルが限界・・これを割ったら大変・デフォルトリスク野良員を公式宣言している点にあるでしょう・・。
これが正しいとすれば、もしも中国の外貨準備が(俗にいわれているように)実際以上に蒸かしたものとすれば、既に「限界ラインギリギリかそれ以下になっている」かも?と言う含みのある記事です。
中国政府発表のGDPや貿易黒字など経済統計の信用性が低いので、外貨準備額に関しても確かなところではアメリカ財務省証券保有額を外貨準備の指標としてみるしかありません
米政府発表なので正確な米国財務省証券保有額こそは、中国の正真正銘の外貨準備額・・しかも直ぐ換金出来るコア資金です。
本来外貨準備とは直ぐ使える資金・・米ドル・円・ユーロ・ポンドに限るべきそれ以外を含めること自体ルール違反っぽいのです。
例えば最貧国への援助の見返りにそのクニの国債を持っていてもドル換金出来ず貿易決済資金には使えず直ぐにはドルに換金出来ません。
米穀国財務省証券保有額の推移は以下のとおりです。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM16H6D_W6A211C1FF1000/
2016/12/16 20:54【北京=原田逸策】
中国の米国債保有額(10月末時点)が大幅に減り、国別の順位で日本に抜かれて2位になった。中国が対ドルで人民元の急落を防ぐため、ドル売り・元買いの為替介入を繰り返したのが理由。米国債の保有額は中国の為替介入の本当の余力を示すともいえ、減り続ければ元売り圧力がさらに高まる悪循環になりかねない。」
「米財務省によると10月末の中国の保有額は9月末より413億ドル少ない1兆1157億ドル(約132兆円)。日本も45億ドル減の1兆1319億ドルだったが、中国の減少幅が大きく、逆転した。」
11月末残高は以下のとおりで減少幅が半端でありません。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170120/mcb1701200500026-n1.htm
2017.1.20 05:00
「米財務省が18日発表した11月の対米証券投資動向によれば、中国の米国債保有残高は1兆500億ドル(約120兆5925億円)と、前月から664億ドル減った。減少幅は2011年12月以来で最大。日本は233億ドル減の1兆1100億ドルと4カ月連続で減少した。」

政府と国民(信用破壊工作)1

革新系文化人・政党が新しい施策に全て反対してきたのは、日本国の発展しそうなことを妨害するのが目的ではなく、政府と国民が対立しているから搾取し抑圧する政府・資本家から国民防衛のために政府・資本家の施策に全て反対しているとすれば「外国の手先」と言う批判はあたりません。
左翼系は従来から自分たちを「国民」と言わずに人民と称していることをMay 1, 2013, 「中国共産党→中国政府→人民2」前後で紹介したことがあります。
国民と言わずに人民と言えば何が変わるのか分りませんが、中華人民共和国・朝鮮人民共和国の名称を有り難いと言う忠誠心の表明でしょうか。
人民解放軍が人民「解放」に来てくれるのを首を長くして待っている意思表示でしょうか?
ところで、人民解放軍とは国軍ではなく、中国共産党による武力支配を貫徹するための私兵です。
中国や韓国の主張は実際には真逆・・自分が酷いことをしている場合・・歴史改ざんであれほぼすべて・日本がやっているように表現することが多いので、中韓が主張すると自分がやっていることを言ってるのだな・・と理解するのが普通ですが、人民解放と言う名称こそ真逆の世界です。
このネット時代に膨大な人員を使って都合の悪い発信を片っ端から消して行くだけでなく、公安警察を使って国内でやり放題どころか、香港など域外にまで出張して気に入らない言論人を秘密裏に拉致して行く・・・この背後に控えている武力装置が「人民解放軍」です。
これ程、真逆の名称は珍しいし、虚偽で塗り固められた中国の本性・・象徴的表現です。
今朝の日経新聞朝刊10pには習近平氏が、遂に軍用迷彩服でテレビに出て来た背景を書いています。
「銃口から政権が生まれる」と言う毛沢東主席の意見・・中国共産党の党是ではあるものの、開放政策以来経済優先で来た・・対外的宥和・・平和的発展論を示すためにも、ここ何十年も軍服着用は長老の葬儀など内輪でしか着用しておらず最近では背広中心になっていた経緯を紹介して、今になって軍服・しかも現場向きの迷彩服まで着てテレビに出るのはどう言うデモンストレーションかの解説をしています。
経済政策で人民を引きつけるのは無理になったので軍事力で押さえ込む明白な意思表示ではないかと言うものですが、このように中国では人民を抑え込むための兵力であって国防軍ではありません。
菅直人氏が総理大臣のときに自衛隊を暴力装置と発言して物議をかもしましたが、中国の軍を理想とする革新系では当然の理解・・自衛隊も人民抑圧手段の理解なのでしょう。
まして中国の場合、警察は人民監視や抑圧の手先機関でしかないのですから、憲法9条に関する「戸締まりや警察が必要」と言う自衛必要論のたとえ話は、警察などは人民の敵と考えている左翼文化人とまるでかみ合っていません。
革新系文化人は、人民解放軍は人民抑圧のための軍であり警察は秘密警察・・国民の生活安全を守るためはなく政府の都合でいつしょっぴかれるか分らない怖い存在でしかないと良く知っているとすれば、中国人民解放軍が日本人民を救うためにやって来ると期待していると言うのは矛盾していませんか?
日本の軍は武士の系譜を引くものですが、日本の武士団が始まって以来約千年ですが、地元出身で構成される武士団が地元住民を敵に回して戦うことを誰が想定出来るでしょうか?
軍国主義日本を批判していますが、日本国民を弾圧したことがあったでしょうか?
秀才は日本の現実を見ないで西洋の歴史教育で習ったとおりを観念する習性です。
政府は国民の敵だから日本を攻めて来る国は救世主であると切り分けていたのが戦前ソ連崇拝者の行動原理でしたし、その系譜を引く革新系文化人は戦後はアメリカ占領軍崇拝し、今は中国による日本人民解放実現が夢とすれば非武装論は確かに有効です。

指標破壊→民意不明・信用破壊2

統計の正確性に戻りますが、統計とは国民の客観的な動きを把握=客観行動から民意を知る=民意に従う政策に活かすための制度です。
民意などどうでも良い中国の場合、国民の動き・民意を正確に知る必要がありません・・むしろ政府に都合の良いデータだけ公表する・・国民や外部に分っていない方が自由裁量性がありますから、各種データを混乱させる方が有利とする政策でしょう。
ただし、取り締まり対象としては正確なデータは欲しいでしょうし、その前提として不満蓄積前段階の経済の動き・倒産情報その前の不良債権率なども早めにキャッチしたい点は同じです。
政権の外にいる国民や外国に知られないで政権だけが知ることが出来る都合の良いデータはないので、個人企業で言えば脱税用あるいは燃費偽装など対外向けの二重帳簿を作るのが最も原始的で合理的です。
しかし国家全体の二重帳簿を誰にも知られずに作るの不可能ですから、結果的に政府権力者自体が自分の支配している国家の実態を知ることが出来なくなります。
ゴルバチョフの自伝だったかでは最後はどこへ行っても政府の実態不明で政治にならなくなっていたと書いているとおりです。
組織トップが不正をすると末端も不正をするようになるのが北海道警察事件その他で明らかになっていますが、トップだけが出来上がった数字をいじっていると、下位の地方政府もいじる→そのまた下部機関も順にいじるので、訳が分らなくなっているのが現在中国(旧ソ連組織同様)です。
ビッグデータ利用は、現在社会を効率よく運営するための必須作業である筈ですがこれの有用性を認めるものの、政府が収拾するのに反対と言うのは、政府は国民の敵対組織と位置づけているからでしょう。
防犯カメラに反対していた・・・犯罪があれば、犯人像や移動経路把握に反対するのは、国家秩序に反抗するものは全て保護すべきと言う思想によれば一貫しています。
犯罪・・国家秩序破壊から国民を守る国民の利益とスーパー店舗内や道路など公的空間でのプライバシー侵害との兼ね合いと言う視点が抜けているのです。
この立場からすれば、国民支配道具としての情報収集に反対・・収集目的が違うと言うことでしょうが、革新系文化人は中国基準(取締目的)でのデータの必要性を見るから政府のデータ収集をいやがるのでしょうか?
政府は国民の敵と言う意識が強いようですが、国民主権国家では国民のために政府が如何に働くかが重要です。
政府は国民のために働く下部機関ですが、企業で言えば部下にキチンと仕事をして貰うには、仕事の対象に関する正確な情報提供が必須です。
痛いところを治してもらうには出来るだけ多くの情報を医師に与える必要がありますが、会社に降格されたくない基準で言えば、会社には体調をあまり知られたくない方向に働きます。
「何でも反対」と言う革新系の意識に「政府は国民の敵」と言う前提があるのでは、国民国家の時代に前提が合っていないことになります。
国民主権社会では、日本社会のためになることを目指すのが政府の仕事=政府や野党政治家は国民のためになる政策提案を競うものですが、政府の政策は全て国民敵視政策と決めている立場からすれば、その政策が国民のために役に立つかどうかの検討よりも前に国家秩序に組み込まれるかどうかの視点・・組み込まれる恐れのあるものは全て反対となるのは仕方がないことです。
しかし統計や防犯カメラなどに協力すれば統治機構に組み込まれるかも知れませんが、安全社会や統計の正確さによる政治の効率化(ひいては国際競争に生き残る)の恩恵を国民が受けるのです。
革新系文化人は、社会の利便性や恩恵を無視して統治機構に組み込まれること自体が悪と言う19世紀の夜警国家の思想にこだわっているように見えます。
何かと言うと近代法の原理に反すると言うのが彼らの特徴ですが、思想の基礎が違って来ているのです。
現在中国ではまだ人権尊重が未発達・・国民主権国家ではないことから正に妥当する原理ですが、これを日本に持って来て教えてやると言うからおかしなことになるのです。
核実験であれ公害であれ、中国のやることには一切問題にしないで2世紀ほど先に走っている日本で19世紀型思想基準で問題にするのですから(幼稚園児に妥当する行動基準を大学生に強要しているようなもので)適用の場を間違えていないかの疑問です。

指標破壊→民意不明・信用破壊1

中国、韓国のように指標がいい加減だと本当の指標を絶え間なく自己流に探す・開発して行くしかないので、深読みの意見に頼るしかないので効率がすごく落ちます。
深読みとは、客観データでは分らない裏の情報をキャッチして読む力ですから情報機関の役割の大きい社会です。
中国で言えば、ある会合での歩く順序や座席の位置から力関係の変化を読むのがはやっているのが好例ですが効率が酷く悪い社会になります。
私のマスコミ批判は独自情報を知っているから批判しているのではなく、マイナンバ−であれ、実質賃金であれ「多数国民意見」であれ同じデータの解釈をマスコミがすり替えてあるいは如何にも関係がありそうに誤誘導していることに対する批判です。
我が国のマスコミが当てにならない批判を受けているのはデータが虚偽に満ちている(これはマスコミではなく政府の責任です)からではなく、データを故意に読み違えて「角度」をつけて報道しているキライがあるからです。
たとえば、マイナンバー法に対する否定的イメージ報道として通知開始とともに、まだ何割の人の通知が届いていないと言うキャンペインを張っていましたが、郵便がつかないのは転居したのに住所変更届をしていない人がそれだけ多勢いることが分っただけの話であって、マイナンバー制度に対する国民の否定的意識とは何の関係もありません。
マスコミは客観報道しているだけだと言うのでしょうが、そうならば、マイナンバー通知を国民全部に送ったた結果、おまけとして明らかになったプラス成果として報道すべきことです。
これを、如何にも国民がいやがっているから受取拒否しているかのような印象で報道を繰り返すのはおかしなことですす。
国民はイメージに刷り込みに弱いので、マイナンバー関係で意見を聞くと訳知り顔で、「まだ通知さえ何割も届いていないなど・・」と国民が如何に不安に思っているかを強調して便利かも知れませんが・・・と半身に構えた意見を言う人が結構います。
ところで、今回明らかになった住民登録をしていない後ろ暗い人たち・・アングラ階層にとっては居心地が悪くなります・・。
従来在日の外国人は外国人登録法で住民登録しないでいわゆる通名で生活出来ていたことから、アングラ性が高かったのですが昨年7月頃期限で住民登録が法律上義務づけられています。
日本人に限らず在日その他も今後は住民登録していないと公的給付に限らず準公的サービスが受け難くなりますので、逆にマイナンバー制度が普及すれば、住所移転を正確に登録していないと公的給付どころか各種カード作成すら出来ない時代が来るでしょう。
何もかもガラス張りがイヤと言うのは、客観データがガラス張りになるのがイヤ・・と言うことですが、こう言う人は相手に対しては透明性を要求し、情報公開請求に熱心な勢力でもあります。
マイナンバー法反対論者は防犯カメラ反対論(ここ数年下火になりましたが革新系団体はそう言うシンポジュームを開いていた・・・九州弁連では反対論者を招いたシンポジュームを開いていることを「証拠法則と科学技術3(自白重視3)」Published December 7, 2014で紹介しました)反対論の基礎思考が同じですが、国民の動きを不透明化するのにマスコミや文化人は何故熱心なのでしょうか?
社会全体で見れば、ビッグデータ活用によって、医療や買い物動向など全体の動きを知ることは、より便利で効率的社会になるためにデータ活用が有用な結果が期待されます。
それと個人情報を知られるのが良いかは別の次元だから反対していると言うでしょうが、研究者は個々人の名前などには関心がありません・・・何歳の人あるいはどう言う病歴・薬の服用歴の人がどう言う薬にどのように反応するかなどデータが欲しいだけです。
巨大情報漏洩リスクを言いますが、情報に大金をはたく人は類型情報処理して利用したい・・例えば成人式用あるいは◯◯塾適応年齢向けの勧誘ダイレクト業者にとっては性別、年齢別情報だけに意味があって、(余計な情報は要りません・・キレイに必要情報だけに切り分けられた「商品」を仕入れているのです)知り合いの個別情報が欲しくて大金を払うのではありません。
宛名シール作成業者も個々人が自分の知り合いかどうかに関心がなく1分1秒でも早く大量処理するのが仕事です。
名簿業者がこれを入手していたとしても個々人が何を不安に思うのか意味不明です。
マスコミが不安を煽っているのに反応して「知らないところからダイレクトメールが来るのって怖いね!と便乗しているだけのことではないでしょうか。
宛名シール作成業者も個々人が自分の知り合いかどうかに関心がなく(今は機械化していて個別に手で書くことがないので氏名の個性など全く分らないのが普通です)1分1秒でも早く大量処理するのが仕事です。
名簿業者がこれを入手していたとしても個々人が何を不安に思うのか意味不明です。
マスコミが不安を煽っているのに反応して「知らないところからダイレクトメールが来るのって怖いね!と便乗しているだけのことではないでしょうか。

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