技術移転を求める韓国1(被害者ビジネス・慰安婦)

韓国の場合、経済力学上対日技術移転強制力がないので閣僚の靖国参拝や閣僚発言などコトあるごとに戦後秩序違反・・・米国戦後秩序否定だ!と騒ぎ米国の注意を引いては、日本が折れる(裏取引で収束する)のが戦後基本パターンでした。
安倍政権発足時に国際的に流布していたのは「歴史修正主義者」というレッテルでした。
この系譜を今でも引くのがいわゆる戦犯旗とか戦犯企業という批判の嵐です。
米国がこの手のご注進・・ゆすり手法に取り合わなくなったので、新規に始まったのが植民地被害の発掘でしょうか?
これは日本の米国支配挑戦という米国頼みを脱却して人権問題にすり替えたもので騒ぎを広範化できるし、国内訴訟で済むのでやりたい放題・・無限の可能性があります。
まさに「千年」でも使い続けるツールを手にしたので、交渉の都度これを持ち出せば日本は韓国に対して謝り続けるしかない優位性を確立したという自信を得た結果、この数十年上から目線外交に転じた根拠でしょう。
日本メデイアや人権活動家は韓国の対日姿勢を正当化するために慰安婦問題を史実のように報道宣伝に努めて世界中に日本軍蛮行を広めるのに協力する一方で韓国は日本をすでに追い越しているから威張るようになったと正当化してきましたが、これまで見てきたように韓国経済はまだ経済的に自立できていない状態です。
結果から見れば対日ゆすりツールを入手したので、これに頼ってきた咎めが出てきた印象です。
ゆすりに安住してきたのでダメになったのか?中進国の罠に陥りそうになたのでゆすりを始めたのか?ですが、私は、中進国の罠から脱出するための悪あがきだと思っています。
子供が勉学スポーツ等で友達の進歩についていけなくなって、何かと級友同僚の悪口を言い振らすようになったのに似ています。
今回の慰安婦合意の事実上の破棄や徴用工問題も同様ですが、文化人・メデイアはしきりに大人の対応を求めて安易に韓国への(裏取引で?)果実を与えるように世論を誘導する姿勢が顕著です
この数十年間、大騒ぎの都度鎮静化のために日本は相応の果実を引き出されて来たのですが、韓国は果実を得てしまえば「国民が納得していない」謝罪が足りないという国民感情論を持ち出しては再燃を繰り返してきました。
戦後の韓国の対日外交はいわゆるイチャモン外交にどっぷり浸かっている、と言うイメージが定着してきました。
世に言う被害者ビジネス横行論です。
リーマンショック時に第二次金融危機を逃れるために時の麻生総理に慰安婦騒動を沈静化させる内々の約束によって日本がスワップに応じたので韓国市場での投機筋の売り浴びせが遠のいたという解説がありますが、金融危機を逃れると流石にスワップ懇願した同じ李大統領が慰安婦騒動を起こしかねたのか?テーマを変えて竹島上陸と天皇侮辱発言で反日機運に火を付けました。
次のパク大統領はスワップ懇願して慰安婦騒動沈静化約束したのは前大統領であって自分でないということから再び大々的に慰安婦騒動を激化させた流れのようです。
当然のことながらいろんな歴史の見方がありますので、上記は一つの見方です。
繰り返された結果から見れば裏で果実を得て鎮静化させてはすぐに焼け棒杭に火が付くように、前回以上の激しい反日運動が再燃する流れが数十年繰り替えされた歴史を踏まえて、日本としては解決したいが韓国との合意は意味がないことが多かったので米国立会いでの「不可逆的合意」となったものです。
そこまでやっても大統領が変わるとすぐに文政権は自分のした合意でないので道義的に?拘束されないので全面否定したいと言う基本姿勢で政権が始まりました。
法治国家の外見利用して、韓国は民主国家なので「市民運動自由」の建前論で再び日本領事館の前で慰安婦像設置に動き並行して国際活動を再活発化させ、結果的に不可逆合意に基づく財団を一方的に解散してしまいました。
文政権誕生後徴用工判決に消極的な意見の最高裁判事を罷免?したばかりか刑事責任追求までしている報道ですから、韓国の司法権は政府の意向そのもので動く体制構築が進んでいると見るのが普通でしょう。
政権の方向に従わない最高裁長官を罷免するとすぐに検挙してしまう韓国の実態で司法権の独立がある先進国の仲間入りしていると胸を張れるのか?
政府が前言に反しているのでできないことを市民運動や司法を利用して、二枚舌外交をしている印象を受ける人が多くなったのがこの1〜2年の流れでしょう。
https://www.sankei.com/world/news/190124/wor1901240014-n1.html

韓国前最高裁長官を逮捕、徴用工訴訟介入疑惑で地検
2019.1.24 08:24
韓国最高裁が朴槿恵(パク・クネ)前政権の意向でいわゆる徴用工訴訟の確定判決を故意に先送りしたとされる疑惑で、ソウル中央地検は24日、職権乱用などの疑いで、前最高裁長官の梁承泰(ヤン・スンテ)容疑者(70)を逮捕した。

裁判所の内部固めが進み政権の意向のままの判決になりそうな完成段階を表すのが、以下の法相親族に対する逮捕状が却下された報道です。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191009/k10012118781000.html

チョ法相の弟の逮捕状 裁判所が請求棄却 韓国メディア伝える
2019年10月9日 10時40分

韓国内では従北派の浸透が激しく、ちょっとした発言すら憚られる重苦しい雰囲気のようですが、裁判所だけでなくその先行段階である検察にも従北派の勢力扶植を目指すのが検察改革?らしい印象(本当のところは不明)を受けますが、この総仕上げのために腹心を法相に送り込もうとしてつまづいたのが以下の事件です。
流石にそこまでやられると、国民も怖いので法相就任反対運動が盛りがったのですが大統領は就任強行したばかりでした。
裁判所は政権意向におもねて?法相批判前提の親族逮捕を認めなかったので政権はホッとしたのでしょうが、かえって支持率急低下に負けて就任したばかりの法相の辞任になりました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191014/k10012130901000.html

韓国チョ法相 辞任を発表 ムン大統領の政権運営に打撃か
2019年10月14日 16時21分

このような経過を見ると司法権の独立が本当にあるのかが疑われる外見的民主主義国家であるのに、反日行動に限って司法の判断であって、政府は関与できないという民主国家論の建前論で、文政府は国際合意に違反していないという屁理屈で押し通そうとしています。

先進国技術移転を求める中韓(強制移転と米中対決)

企業にとっては儲けられそうなところに投資するという鉄則が働きます。
樹木で言えば元の木が根元から腐り始めて遠くに散らばった種子が新たな森を形成するのは良いことです。
サムスンで言えば韓国内で新鋭工場を作るよりも、日本や米国で作ればフッ化水素等や資材も自由に供給を受けられますし技術導入も容易ですし、他方需要地の中国に工場を持てば商品は売れるものの技術窃取被害どころか強取被害にあいます。
先進国であり需要地でもあるアメリカに工場を持てば、技術移転を受けられるばかりか現地需要もあり競争上有利です。
しかし、新興国企業が先進国への進出する場合には、本国生産→輸出の場合にあった低賃金による競争優位性がなくなります。
隠れ補助金や低賃金等による下駄を履かない裸の競争力が本当にあるかの実力が試されます。
日本進出の場合ほぼ同質産業構造の上に日本に比べての技術優位性もないために低賃金以外に需要面では食い込む余地がないのでサムスンなど多くは研究所設置(何を研究するのか?日本最先端技術品をいち早く取り込みあるいは業界に参加してその動向を探りいち早く自社研究にとり込む情報収集拠点?知財取り込みに励む→ほぼ産業スパイ拠点みたいな仕事かな?)が普通です。
中国は先進国の技術移転絞り込みに対抗して需要地を抱える強み・・一人当たり購買力が高い訳ではありませんが、大量人口だけが取り柄です・・で現地進出企業に対して知財等の技術移転を法制度上強制できるようにしたことが欧米を刺激し米中対決の原因になっています。
https://www.ngb.co.jp/ip_articles/detail/1642.html

2018年米中貿易摩擦の焦点、「強制的技術移転」政策とは — 「自主創新政策」摩擦への遡り
2018/12/20
・・・・米国側が一貫して具体的な論点としているのが中国政府による「強制的技術移転(Forced Technology Transfer: FTT)政策です。USTR(米通商代表部)が2018年3月に公表した通商法301条調査報告書も主要論点の一つとしてFTT政策を明記しています。(*USTRは2018年11月20日付でその後の中国対応状況などを調査した追加報告書を公表)
【Cases and Trends】 中国、政府調達規則の一部廃止 – 米国が警戒・批判する自主創新政策で中国が譲歩? (2011/08/23)
我が国では記録的に早い梅雨明けとなった6月末から7月初めにかけ、欧米のメディア(Reuter, Forbes他)を中心に、「中国が自主創新政策を一部撤回」、「中国が米国の圧力を受け、政府調達規則を緩和」といったニュースが相次いで流れました。別のメディアでは、「北京が、政府調達プロジェクトにおける、強制的知的財産移転(Mandatory IP Transfer)を廃止」(China Briefing 7/4/2011)と報じています。

廃止を訴えていた米国商工会議所、欧州商工会議所などは、中国政府の決定を歓迎しつつも、「今回の決定はあくまで中央政府レベルのもの。さらに地方政府や国有企業レベルでも、早期に同様の措置がとられることを願う」とコメントしています。

法強制を緩和→国法から地方政府条例、規則や要綱等の運用に格下げ?したという報道を見た記憶でしたが、上記によるとすでに既に7年も経過しているようですが、移転強制の実質は同じだから米国が怒り出したのでしょう。
ただし上記の通り名目上の妥協はできても実質的な技術移転強制をやめると中国は中進国の罠にはまるので、文字通り核心的利益として、中国は存亡をかけて絶対に譲れないという強硬的態度を今も崩していません。
米中協議は昨年から決裂したり部分妥協再開きしたりの繰り返しで現在に至っていて実際にはなんの進展もないことは対北朝鮮交渉と同じです。
部分妥協といっても経済制裁圧力の一部解除したり強化したりの繰り返し(中国が反撃材料として買い付けを絞っていた小麦などを買うと表明し、米国は制裁開始を先送りするなど)で肝心の知財移転強制に関する妥結が一切なく時間を空費しているだけで、結果的に中国の時間稼ぎになっています。
この1週間ほど前に再妥協・再交渉のテーブルに乗る宣言をしたばかりです。https://jp.reuters.com/article/us-china-trade-talks-2nd-day-idJPKBN1WQ2JF

2019年10月12日 / 04:38 / 5日前
米、対中関税見送り 通商協議で部分合意
今回の「第1段階」では中国による米農産品の大規模購入のほか、一部の知的財産権、為替、金融サービスの問題などについて合意。さらに米国は15日に予定していた対中制裁関税引き上げを見送る。

北朝鮮も核開発をやめるのは国や体制の存亡をかけた戦いと位置づけていて、核戦争をも辞さない態度を示しているために決裂しそうな瀬戸際まで行くといきなり「あいつはいい奴だ!などとトランプ氏が言って見たりして、突然再交渉が始まる期待を抱かせるなど後一歩の圧力が効かない交渉を続けている点は同じです。
こういう交渉態度では、北朝鮮は核とその運搬能力の保持開発こそ命綱とする国家方針に自信を持つ一方です。
ただし、対北交渉では経済制裁に対する有効な反撃をされる心配がないのでこれを一切緩めないままですから北の国民が塗炭の苦しみに遭っているのですが、李氏朝鮮以来国民などいない・人民が再貧困下にある点を一切気にしない政体ですので、国民がいくら困窮しようとも政権にとって全く痛痒を感じないようです。
韓国の場合は市場規模が小さいので、(中国のように進出したければ)技術移転しろと強制する訳に行きません。
ちなみに日本車の韓国輸出量は以下の通りです。
https://www.asahi.com/articles/ASM944V8YM94UHBI01J.html
韓国輸入自動車協会が4日発表した8月の日本車の新規登録台数は、前年同月比56・9%減の1398台だった。7月は前年同月比17・2%減だったが、下げ幅が拡大した。韓国経済の停滞から輸入車全体でも5・6%減ったが、日本車の落ち込みが目立つ。
日本はトヨタだけで年間1000万台前後製造しているというのに、韓国では日本車全部で56%減とはいえ、トヨタ、ホンダ、日産、ダイハツスズキ、日野自動車、スバル等々その他全部で月間わずか1398台では、半分になろうと1割になろうと驚かないし、韓国市場に誰も魅力を感じていないでしょう。

企業買収→自国企業に技術移転出来るか?

日本企業を買収しても高度製品は日本でつくるしかないとした場合、折角日本に資本進出・企業買収しても中国人労働者がローエンド製品しか関与出来ない・・アメリカがアップルの生産を中国工場にほぼ100%取られているのと同じで・・国家的には資本所得しか増えません。
中国の資本進出パターンが成功した場合中国社会・労働の質がどうなるかの疑問です。
資本参加すれば高度企業秘密を取り込めるかも知れませんが、文字化出来ない現場のスキルを取り込めるかは別問題です。
日本の場合、高度技術を前提に後進国への合弁進出・指導ですから、後進国に日本が技術移転しても現地生産分だけ国内生産が減る程度に過ぎないうえに、なお(15日紹介した中国人のように日本本国生産品にこだわる高レベル消費者が一定量いる結果)一定のメイドインジャパンの輸出が残る・・貿易黒字が残ります。
アメリカでの日系自動車の現地生産車が400万台に迫ると報道されていることを紹介しましたが、それでもメイドインジャパンにこだわるユーザーがいるので対米輸出が残っています。
これが11日紹介した16年度の国際収支で(巨大な資源輸入した結果でも)なお2兆円に上るサービス・貿易黒字が残っている原因です。
中国の場合国内では、ローエンド〜セカンド製品しか作れないままで、買収によって資本所得だけ増やして行くとまさにアメリカのアップル現象に似て来ます。
アップルのように独自開発でさえ組み立て生産の99%をローエンド国にたよるしかない・・多数労働者を養えない結果、格差拡大でアメリカが困っているのに、独自開発したわけでもなく資金力に任せて買収しただけの中国資本が、どうやって本国の労働レベルの底上げに結びつけることが出来るかです。
アメリカよりも比較にならないほどの巨大人口を抱えている中国が、折角買収した日本企業自身が普及品生産をもっと人件費の安いチャイナプラスワンに工場を移して行くとどうにもなりません。
せいぜい資本所得で儲けられた人だけが、高所得を満喫出来るだけ・・アメリカ以上の格差拡大になるだけでしょう。
これが民間企業家ならばアメリカ同様の能力差によるものですが、国営企業関連の日本投資となれば、結局は共産党幹部の不当・・不明朗収入源にしかなりません。
人民の職場創出のために折角日本企業を買収した以上は・・と、経済原理に合わない割高な中国現地生産を続けると、中長期的には中国資本の入っていない競合他社に負けてしまいます。
日本の民族企業が、已むなく現地生産・後進国に進出しているのと同じで日本資本か外資によるかの違いは、進んで海外進出するか仕方なしにやるかの違いでしかありません。
国際競争に生き残るには工場労働者のレベルをローエンドからセコンド〜ハイエンドレベルに高めて行き、買収企業製品の中の高級品生産を中国へ少しでも移管して行くしかありません。
日本企業を買収した方が中国人を日本本社に送り込んで訓練させるチャンスがあるのでレベル引き上げに資するとは思いますが、全国民をハイエンド向けに引き上げるのは無理なので、どの比率まで引き上げられるかに掛かります。
中国資本が買収したボルボ自動車が中国向け現地生産だけでなく、輸出用高級品生産を始めると出ています・このためスエーデンから技術者を中国勤務を命じて?中国人指導に精出させているとも言われます。
高級路線化に成功すれば、中国にとって画期的なことになりそうです。
シャープ・東芝であれ、その他企業であれ、チャンスさえあれば買収して10に1でも技術移転に成功すれば儲けものでしょうが、(日本人の場合そうなれば、やめる人の方が多いでしょうが・・それでも10人に一人協力する人が出るでしょう)これがうまく行かない場合のこです。
技術導入するにしても高度技術者はそんなに多くいりません・・人口数が多いことは消費大国としての発言力があるとは言え、生産国としてはメリットではない・・人材レベルが重要な時代になって来ましたので、19世紀の延長でヤミクモに人口を増やして来た米中が困っている筈ですが、その原因に気が付いていないようです。
米中共に5月13日に書いたようにシンガポールのように社会組織を適正規模に作り直して独立させて、それぞれのレベルにあった生き方にすれば良いのですがそこが分らない・・分りたくない。
大きな田舎の屋敷よりは、都会のマンションの方が機能的で住み易いのですが、過去の栄光にこだわって大きな屋敷を棄てられない状態・・・「中華の栄光の回復」も同じ発想です。
アメリカは、January 22, 2017「新興国台頭と日本の進むべき道2」前後で書いたように流れ作業の発明で熟練工を不要化する方向へ舵を切るなど食品であれ衣料品であれ、質より量・・粗放・大量生産に特化して来た・・人材も質よりも量・・移民流入奨励が国是でした。
西欧のEUの拡大政策も戦争をなくすなどのきれいごとを言うものの、その本音は米中同様に規模の利益を追うものであって、時代錯誤だと言う批判意見をJuly 3, 2016,「欧米と日本の対応2(EU→一体化・対外障壁) 前後で書いて来ました。
質より量の19〜20世紀型に特化し過ぎた点で、アメリカも中国も困っている点は同じです。
アメリカの場合、資本進出(海外進出・・例えばGMは中国での製造販売が利益の殆どと言われています・・)による国外からの利子配当収益が大きいメリットがありますが、中国の場合まだ所得収支は(クルマその他まだ多くは外資中心社会ですから)大赤字のママとの違いがあります。
アメリカの場合国外からの資本収益だけでは飽き足らず・・と言うより、13日に書いたように資本収益に頼ると国内で資本収益に関係しない階層との格差拡大するので)国内生産回帰を言い出したのですが、中国の場合はまだそこまでも行っていません。
中国の格差発生の主な原因は、海外収益に関与出来るかどうかではなく、共産党幹部・高官による天文学的な賄賂収益によるものでしょう。
国内生産が細って行くと巨大人口を抱える米中両国が困り・・そのストレスを諸外国にぶつけているのが中国の近隣国威嚇であり、トランプのアメリカ中心主義宣言でしょう。
時代遅れの国家形態・・巨大人口を抱えた米中両国が、「大き過ぎて潰せない」を絵に描いたような世界の波乱要因になって来たことになります。
アメリカ中心主義・・国内生産に合理性があればアメリカ企業がトランプに言われるまでもなくそうしています。
どこの企業も自国から出て行って、制度習慣の違う国外でそこの権力に気兼ねしながら生産したい企業はありません。
ローエンド品を作るにはアメリカでは人件費が高過ぎるからローエンド生産をアジアに移転し・直接投資による資本収益構造に切り替えて来たのはアメリカ企業自身の選択でした。
誰でも本質は自己中心主義ですが、相手のある相互関係ですから身勝手なことは出来ないと悟るのが、社会性の問題です。
「アメリカ中心主義」と怒鳴られ・高関税をかけると言われるとさらにどんな嫌がらせがあるかもしれないので経営者は一応恭順の意を示しますが、経済合理性に反した保護主義・自分勝手主義は中期的には無理があります。
保護主義が仮に成功すると国際競争力のない企業温存に繋がり、(国民は世界先端ではない劣化版の商品サービスを買わされるので)結果的にアメリカの消費水準を落とします。
巨額貿易赤字(資本収益等による還流による穴埋めで)・・消費水準の高さがアップルのような新しい産業創出の原動力ですから、消費レベルが下がると開発力も下がり、単に消費するだけの国になります。
トランプ政権の保護主義政策が成功すると国際競争力の低下を招く一方になり、輸入が減れば国際的発言力が下がります。
それが我慢出来なくなると、時々ヒステリー的武力に訴える威嚇外交に戻るのでしょうか?

中韓の反日行動と技術移転3

消費財の場合にはその国の購買レベルに合わせて、顧客対象10万人に1人しか売れないところから始めて1万人に1人、8000人に1人6000人に1人と順次拡大→現地生産開始できますが、国家的事業になるとゼロかすべての関係になるので,日本のインフラ輸出の敗退が続くのはやむを得ない面があります。
最初は安いものでないと買えない・・・新幹線も日本製が良いのが分っているが高過ぎて手が出ない・・うちはまがい物でも・・「新幹線みたいなものが欲しい」のですと言うのが新興国の本音ですから、最高級完璧仕様の新幹線や原発輸出は無理があります。
ABC〜lMクラスの多様な商品構成を作らないと無理でしょう。
いい材料を使った家に住みたいが内は当面新建材等のまがい物で我慢すると言うように、客にはいろんなランクがあります。
中国への新幹線輸出を23日紹介しましたが、中国は「車両のみ売ってくれたらいい」と言う条件であり日本側はシステム全体の輸出でないから事故の責任を負えないと申し入れて合意書を交わしたことをその紹介記事の続きに書いてあって、中国は酷い国だと言う書きぶりです。
資金力のない国、安全性など二の次,三の次の(人命や健康被害などあまり問題にならない)社会では、50年間1回も人身事故がなくて何兆円するシステムより数年に1〜2回事故があっても何十億円でも安い方が有り難い・・冷暖房完備でなくとも良い・・公害防止装置を外して安くして欲しいなどレベルに応じた選択も合理性があります。
日本でも車が普及始めの頃に冷房までは要らないと言う人が一杯いましたし、数十年前で考えれば、エアバックのオプションが仮にあっても自発的につける人は少なかったでしょう。 
貧しい庶民にまで電気製品が普及して来た中国では、電気釜や空気清浄機や日用品にまで上質の日本製を買いあさるようになりました。
さすがの中国でも国民意識が変わって来ていますが、環境その他の高度技術は日本に頼るしかない現実があって、中国が昨年秋から対日態度を豹変して来た背景です。
中国の方は日本技術を韓国のように真似するだけならばすぐに自国技術が上がってしまったので、韓国からその先の高度技術移転(ご飯が炊ければ良いのではなくおいしく出来るもの)が望めないので、技術的には韓国製と競合するようになりました。
韓国を利用するだけ利用して技術力アップした民族系と競合敵対関係になって、(例えば韓国車だけ恩恵のない狙い撃ちのエコカー補助金制度で昨日紹介したように韓国車だけ大幅売上減になっています)今ではドイツその他西欧諸国に頼るようになっています。
韓国は、長年日本の何世代か遅れた技術導入(日本人社員を雇って?)して、レベルが下がるがちょっと安いと言うコンセプトで欧米の(貧者)低級品市場に食い込んでで販売を伸ばす商法でした.
同じやり方で中国現地企業が韓国得意の低中級品市場に参入するようになると、中国国内で競り負けるだけではなく、世界的に中国系企業とあらゆる商品で競合して行くので商法の基本を変えて行かないと(全産業が)中進国(の罠どころではなく)としても生き残れません。
韓国が今までの先進国技術の早取りパターンのママの場合、綿製品・綿糸市場を支配していたインド商人・職人へ産業革命を経たイギリス製品の進出でインド商人・綿製品業者が「死屍累々」になってしまった轍(・・被植民地化して行った背景です)を踏むことになるでしょう。
中国を振り切って高級品市場にレベルアップ出来ない・・自分で新規開発能力がないまま・・他社の技術剽窃・後追い力・早耳勝負では中国の馬力に叶いません。
医薬品開発会社とジェネリック会社の違い・・あるいは受託製造会社がいくら大きくなってもその先がないのと同じ・・この危機感から台湾ホンハイがシャープ買収に必死になっていた原因です。
反日を鮮明にしてしまった韓国が日本企業買収で開発力を入手しようとして・・仮にシャープ買収に名乗りを上げたくても・・日本国民のブーイングが激しくて無理がある・・名乗りを上げることすら困難・・企業買収の芽は皆無に近いでしょう。
日本人技術者引き抜きあるいは内密利用は、パク大統領になってからの慰安婦騒動前には、企業利益を守るか倫理違反かどうかの基準だけでしたので、世話になった企業を裏切っても韓国の人を助けたいと言う人(日本人価値観から言えば、異端の人ですが・・)がいても一応の名分がありましたが、ここまで嫌韓感情が進むとそう言う価値観で自分を納得せられる人の比率が大幅に下がっています。
日本の大手電気産業拠点近くに(引き抜き目的の?)研究所がありますが、引き抜ける人材が劣化します。

中韓の反日行動と技術移転2

進出済みの工場を守るために中韓に対し裏で協力する企業がいたので中国や韓国は反日騒動が成功したと思っているのかも知れません。
充分な成果を得たのでこの辺で収めてやることになったと昨年末の日韓合意も株価下落後の中国の対日軟化も国内的には説明しているでしょう。
日本が韓国には併合支配中に、中国には戦時中迷惑をかけたと言う思いによって従来積極的に協力して来たのとは違い、日本企業は脅されたり、国民反発を恐れて裏からでないと技術移転出来ないようになったことで全体としては、自分の首を絞めていくことになります。
良い人だと思って付き合っていたら実はヤクザもので、イザとなったときに言いがかりつけられて仕方なしにお金を払ったとしても、その後の付き合いは恐怖によるものですから却って損してしまいます。
日本人は長い付き合いを重んじるので、(コワモテで一時的にかつあげするより信頼関係の方が得だと知っているので)イザと言うときに乱暴な本性を表さないように気を付けますし、災害時に略奪をしないどころか弱者のために粉骨砕身します。
(もめ事や緊急時にその人の本性が出易いので気をつける習慣です)
日本では、自然災害がしょっ中あって自分がいつ弱者になるかもしれないと言う入れ替わりの可能性もあって、現在弱者でなくとも自分との一体感を持つ人は一杯いますので、弱者に対して思いやりのないことをすると(共通価値観で生活している)その土地に住めなくなります。
ましてや、相手の弱みに積極的・故意的につけ込むようなひとは、「恐ろしい人」・・「共通価値観を持たない人」として認識される社会ですから、積極的に弱者を苛める・・略奪などは論外です。
中国は反日暴動以降日本が気持ちよく技術移転に応じなくても、日本技術を先行習得している韓国からの部材輸入に頼れば良いと言う判断だった・この話し合いがあって、これが韓国の対中貿易比率急上昇・・パク大統領が舞い上がってしまった原因でしょう。
韓国からの輸入比率アップは短期的には合理的としても、導入元の韓国自体が日本から技術導入に頼っている以上・・反日運動の結果、韓国への日本からの技術導入が止まると(已むなくサムスンは日本に大規模研究所を作ると発表しています)中韓共に順次干上がって行きます。
中国は韓国の習得済みの中級技術の吸い上げにより当面自国技術底上げして行けるので一定期間メリットがありますが、韓国の方は中国に技術を吸い上げられるばかりで自国技術の上乗せ用の日本からの技術導入パイプが細くなると、(仕入れが細って在庫がなくなる事態)韓国の方が先に参ってしまいます。
現在の技術革新サイクルは短く、1〜2年サイクルで大きく変わりますので、(日本では事業モデルがBTOBに移行しています)韓国の修得済み技術はホンの僅かな期間で陳腐化してしまいます。
これが最近韓国の対中貿易黒字激減・・スマホ・造船・クルマいろんな分野で中国の追い上げにやられっぱなしになっている原因です。
造船受注減については数日前に紹介しましたので今回はクルマについて以下の記事を紹介します。https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_china_2016

国別ブランド乗用車販売シェア (工場出荷台数)

2016年4月 2016年1-4月累計
台数

(万台)

シェア(%) 前年

同月比(%)

台数

(万台)

シェア(%) 前年

同期比(%)

民族系 74.76 42.0 8.7 330.09 44.3 10.5
日系 28.64 16.1 4.2 106.78 14.3 15.1
独系 34.62 19.5 11.4 146.31 19.6 4.9
米国系 19.72 11.1 9.0 88.62 11.9 8.1
韓国系 14.69 8.3 0.5 51.57 6.9 -12.1
仏系 5.25 3.0 -20.6 20.71 2.8 -17.6

資料:中国汽車工業協会発表、各種報道より

以上によると韓国とフランス系が大負けです。
民族系が急伸していることから見て中国にとっては2級レベルの韓国とフランスから取るべき技術は取り尽くし競合敵対関係の扱い・今後民族系が伸びる一方ですからその分韓国、フランス系は今後もジリ貧になる傾向が見えます。
東南アジア戦略でも当初は不良品は韓国などに任せておいて、ある程度行き渡ったところで高級品で進出して行く方が効率がいいと言う流れがあります。
シャープペンやオートバイ、自転車も一定数行き渡ってから、もう少し良いものが欲しくなって、日本製の良さが分ってから売れるようになると言います。

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