被害者ビジネス2・徴用工判決と慰安婦蒸し返し

徴用工判決では国家間の約束と違い市民が裁判するのは自由だと言い、司法の独立という形式論を利用して国際合意無視しても政府に関係がないという立場で一貫しています。
日本の憂慮申し入れに対し韓国政府は知らぬ顔の半兵衛を決め込み日本が憤激するの待ってそれを種にして反日機運を煽って政権維持に利用する姿勢です。
文政権の条約無視、三権分立論等の行動様式は1を知って10を知らないというか、こういう人が法律家出身というのですから、韓国の法律家ってどういうレベルなの?という驚きです。
国際条約を国家承認した以上は、その後に国内の憲法違反だから無効という論理は法的にあり得ないことです。
安保条約の最高裁判所判例でも決着していることですが、こんな恥ずかしい部分的形式論を振りかざす大統領って世界中に一人もいないのではないでしょうか?
どうせ意見が通らない前提の無責任野党が無責任な主張はありますが、そのかわり万年野党です。
国家・民族社会の代表たる責任のある大統領になって仙台または数十年前の政権担当者が合意したことを政権が変わったことを理由に反故にしてしまうなんてまともな社会とはいえまっせん。
人権が!とか国民が納得しない!という「錦の御旗」さえ持ち出せばすべての合意をチャラにできると信じ込んでいる国民集合体レベルがお隣の国だということです。
どこかで書いた記憶ですが、人権侵害には時効がないという意見も同様です。
殺人や傷害、強盗強姦監禁等は人権侵害の最たるものですが、どこの国でも時効制度があります。
刑事犯に至らない程度のことを人権侵害とかプライバシー侵害などと一般的に主張されるのですが、刑事犯に昇格すると時効があって侵害の程度がそこまでいかない・軽い侵害行為には時効がないし国際合意も無効にできるという奇妙奇天烈な主張です。
時効制度の本質はいつまでも蒸し返していると社会が持たないという人類の知恵によるものです。
「千年許さない恨み」は個人の怨念としてはなりたつでしょうが、これを国家代表が公式発言する社会はまだ、「社会」という公的組織を維持するに足る文化度に至らない状態・/動物的状態というべきでないでしょうか?
慰安婦に関する不可逆的合意を今になって、国民に十分な説明をしていなかったのでやり直したいという意見が韓国側からでています。
https://japanese.joins.com/JArticle/235970?servcode=a00§code=a10

チョ・べスク議員など19人の議員が発議した決議案によると、韓日政府間合意が被害当事者の意思を十分に反映しておらず、人間としての尊厳と価値を保証され、国家と外交的に保護されなければならない権利を侵害したため、無効だと宣言した。

市民の理解があ!というのは日本左翼の常套文句ですが、そもそも国民や市民の意思をどうやって決めているのでしょうか?
民主国家においても、いちいちのテーマごとに国民投票ができないので、総選挙によって民意を受けた政権担当者の判断が民意を代表していると見るのが、代議制民主政治の根幹と見るべきではないでしょうか?
要するに韓国歴代政権は政府の煽る国民感情次第で「政府代表者との合意を後でひっくり返しては、蒸し返したい」というだけの勝手な論理・言い換えです。
国民の十分な納得で進めたか国内手続き法違反かどうかは、国内政治上の責任問題で解決すべきであって国際合意破棄の理由になり得ない論理です。
合意を気に入らないと考える国が、自国内の裁判手続きで国内法違反かどうか決めてしまい、国際合意を守らなくて良いと決められるのでは、相手方にとってはいつ無効になるか不明であり、こういう国とは現物取引を除いて将来に渡って信用関係の必要な国際合意を一切できなくなります。
韓国挙げての不満は「日韓不可逆的合意」によって、韓国民は千年使えると思っていた脅しゆすりの材料を失ったのは「国民意思に反する」というだけのことでしょう。
そして反日不買その他の国民運動と称するものも政府がバックになって動員している状態が見え見えです。
こう言う国に限って司法権の独立と主張して人権侵害を堂々とやってのけるのです。
カナダがファーウエイ副会長を検挙したら、中国はすかさずカナダ人をスパイ容疑か
で検挙しました。
この時も司法がやっていることだと言う中国政府の発表でした。
中国の尖閣諸島進入時に日本政府が問題化した時に、中国政府は、中国出張中の日本人を逮捕しました。
韓国では、日韓対立の厳しかったパク大統領の動静について地元新聞の記事を引用し報道しただけのことで、元の発表新聞社にお咎めなく、引用報道した産経新聞特派員を名誉既存で裁判にかけました。
こういうことをしている国に限って民意が納得しないとか、司法権の独立を言いたがるのですが、こういう政府はまともな交渉相手になりません。
こんなことをいう韓国歴代大統領と交渉してどういう合意を成立させても、後で次の政権が国内法違反だったとか、国民の十分な理解を得ていなかったから無効だと言えば良いというのでは、際限ない紛争蒸し返しができるのでは、何の交渉も成り立ちません。
即時同時履行の約束・・いわば即時物々交換レベルの社会に戻るしかないでしょう。
一方が先に履行する契約の場合後で相手の履行段階で「国内反対が多いから・・」と言って約束を守ってくれないと先履行した方が損する関係ですから、現代社会の商談合意は一切成り立ちません。
今年5月頃のG20の時に日本政府は韓国が合意を守ることが先決で、守らない国と首脳会談する意味がないと日韓首脳会談を拒否していたのは論理一貫です。
ホワイト国除外決定も、約束を公然と守らない国と信頼関係を保てないという国家方針の部分アナウンス実施・これ以上無茶なことをするならば、親戚付き合い・・同じ価値観の国とは認められなくなりそうですよ!という予告として理解すれば一貫しています。
これに驚いて少しは身を慎めば良いのですが開き直りに徹する場合、(放蕩息子に勘当予告したら開き直って暴れまくる構図のように)第二弾の矢が放たれても不思議ではありません。

技術移転を求める韓国1(被害者ビジネス・慰安婦)

韓国の場合、経済力学上対日技術移転強制力がないので閣僚の靖国参拝や閣僚発言などコトあるごとに戦後秩序違反・・・米国戦後秩序否定だ!と騒ぎ米国の注意を引いては、日本が折れる(裏取引で収束する)のが戦後基本パターンでした。
安倍政権発足時に国際的に流布していたのは「歴史修正主義者」というレッテルでした。
この系譜を今でも引くのがいわゆる戦犯旗とか戦犯企業という批判の嵐です。
米国がこの手のご注進・・ゆすり手法に取り合わなくなったので、新規に始まったのが植民地被害の発掘でしょうか?
これは日本の米国支配挑戦という米国頼みを脱却して人権問題にすり替えたもので騒ぎを広範化できるし、国内訴訟で済むのでやりたい放題・・無限の可能性があります。
まさに「千年」でも使い続けるツールを手にしたので、交渉の都度これを持ち出せば日本は韓国に対して謝り続けるしかない優位性を確立したという自信を得た結果、この数十年上から目線外交に転じた根拠でしょう。
日本メデイアや人権活動家は韓国の対日姿勢を正当化するために慰安婦問題を史実のように報道宣伝に努めて世界中に日本軍蛮行を広めるのに協力する一方で韓国は日本をすでに追い越しているから威張るようになったと正当化してきましたが、これまで見てきたように韓国経済はまだ経済的に自立できていない状態です。
結果から見れば対日ゆすりツールを入手したので、これに頼ってきた咎めが出てきた印象です。
ゆすりに安住してきたのでダメになったのか?中進国の罠に陥りそうになたのでゆすりを始めたのか?ですが、私は、中進国の罠から脱出するための悪あがきだと思っています。
子供が勉学スポーツ等で友達の進歩についていけなくなって、何かと級友同僚の悪口を言い振らすようになったのに似ています。
今回の慰安婦合意の事実上の破棄や徴用工問題も同様ですが、文化人・メデイアはしきりに大人の対応を求めて安易に韓国への(裏取引で?)果実を与えるように世論を誘導する姿勢が顕著です
この数十年間、大騒ぎの都度鎮静化のために日本は相応の果実を引き出されて来たのですが、韓国は果実を得てしまえば「国民が納得していない」謝罪が足りないという国民感情論を持ち出しては再燃を繰り返してきました。
戦後の韓国の対日外交はいわゆるイチャモン外交にどっぷり浸かっている、と言うイメージが定着してきました。
世に言う被害者ビジネス横行論です。
リーマンショック時に第二次金融危機を逃れるために時の麻生総理に慰安婦騒動を沈静化させる内々の約束によって日本がスワップに応じたので韓国市場での投機筋の売り浴びせが遠のいたという解説がありますが、金融危機を逃れると流石にスワップ懇願した同じ李大統領が慰安婦騒動を起こしかねたのか?テーマを変えて竹島上陸と天皇侮辱発言で反日機運に火を付けました。
次のパク大統領はスワップ懇願して慰安婦騒動沈静化約束したのは前大統領であって自分でないということから再び大々的に慰安婦騒動を激化させた流れのようです。
当然のことながらいろんな歴史の見方がありますので、上記は一つの見方です。
繰り返された結果から見れば裏で果実を得て鎮静化させてはすぐに焼け棒杭に火が付くように、前回以上の激しい反日運動が再燃する流れが数十年繰り替えされた歴史を踏まえて、日本としては解決したいが韓国との合意は意味がないことが多かったので米国立会いでの「不可逆的合意」となったものです。
そこまでやっても大統領が変わるとすぐに文政権は自分のした合意でないので道義的に?拘束されないので全面否定したいと言う基本姿勢で政権が始まりました。
法治国家の外見利用して、韓国は民主国家なので「市民運動自由」の建前論で再び日本領事館の前で慰安婦像設置に動き並行して国際活動を再活発化させ、結果的に不可逆合意に基づく財団を一方的に解散してしまいました。
文政権誕生後徴用工判決に消極的な意見の最高裁判事を罷免?したばかりか刑事責任追求までしている報道ですから、韓国の司法権は政府の意向そのもので動く体制構築が進んでいると見るのが普通でしょう。
政権の方向に従わない最高裁長官を罷免するとすぐに検挙してしまう韓国の実態で司法権の独立がある先進国の仲間入りしていると胸を張れるのか?
政府が前言に反しているのでできないことを市民運動や司法を利用して、二枚舌外交をしている印象を受ける人が多くなったのがこの1〜2年の流れでしょう。
https://www.sankei.com/world/news/190124/wor1901240014-n1.html

韓国前最高裁長官を逮捕、徴用工訴訟介入疑惑で地検
2019.1.24 08:24
韓国最高裁が朴槿恵(パク・クネ)前政権の意向でいわゆる徴用工訴訟の確定判決を故意に先送りしたとされる疑惑で、ソウル中央地検は24日、職権乱用などの疑いで、前最高裁長官の梁承泰(ヤン・スンテ)容疑者(70)を逮捕した。

裁判所の内部固めが進み政権の意向のままの判決になりそうな完成段階を表すのが、以下の法相親族に対する逮捕状が却下された報道です。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191009/k10012118781000.html

チョ法相の弟の逮捕状 裁判所が請求棄却 韓国メディア伝える
2019年10月9日 10時40分

韓国内では従北派の浸透が激しく、ちょっとした発言すら憚られる重苦しい雰囲気のようですが、裁判所だけでなくその先行段階である検察にも従北派の勢力扶植を目指すのが検察改革?らしい印象(本当のところは不明)を受けますが、この総仕上げのために腹心を法相に送り込もうとしてつまづいたのが以下の事件です。
流石にそこまでやられると、国民も怖いので法相就任反対運動が盛りがったのですが大統領は就任強行したばかりでした。
裁判所は政権意向におもねて?法相批判前提の親族逮捕を認めなかったので政権はホッとしたのでしょうが、かえって支持率急低下に負けて就任したばかりの法相の辞任になりました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191014/k10012130901000.html

韓国チョ法相 辞任を発表 ムン大統領の政権運営に打撃か
2019年10月14日 16時21分

このような経過を見ると司法権の独立が本当にあるのかが疑われる外見的民主主義国家であるのに、反日行動に限って司法の判断であって、政府は関与できないという民主国家論の建前論で、文政府は国際合意に違反していないという屁理屈で押し通そうとしています。

先進国技術移転を求める中韓(強制移転と米中対決)

企業にとっては儲けられそうなところに投資するという鉄則が働きます。
樹木で言えば元の木が根元から腐り始めて遠くに散らばった種子が新たな森を形成するのは良いことです。
サムスンで言えば韓国内で新鋭工場を作るよりも、日本や米国で作ればフッ化水素等や資材も自由に供給を受けられますし技術導入も容易ですし、他方需要地の中国に工場を持てば商品は売れるものの技術窃取被害どころか強取被害にあいます。
先進国であり需要地でもあるアメリカに工場を持てば、技術移転を受けられるばかりか現地需要もあり競争上有利です。
しかし、新興国企業が先進国への進出する場合には、本国生産→輸出の場合にあった低賃金による競争優位性がなくなります。
隠れ補助金や低賃金等による下駄を履かない裸の競争力が本当にあるかの実力が試されます。
日本進出の場合ほぼ同質産業構造の上に日本に比べての技術優位性もないために低賃金以外に需要面では食い込む余地がないのでサムスンなど多くは研究所設置(何を研究するのか?日本最先端技術品をいち早く取り込みあるいは業界に参加してその動向を探りいち早く自社研究にとり込む情報収集拠点?知財取り込みに励む→ほぼ産業スパイ拠点みたいな仕事かな?)が普通です。
中国は先進国の技術移転絞り込みに対抗して需要地を抱える強み・・一人当たり購買力が高い訳ではありませんが、大量人口だけが取り柄です・・で現地進出企業に対して知財等の技術移転を法制度上強制できるようにしたことが欧米を刺激し米中対決の原因になっています。
https://www.ngb.co.jp/ip_articles/detail/1642.html

2018年米中貿易摩擦の焦点、「強制的技術移転」政策とは — 「自主創新政策」摩擦への遡り
2018/12/20
・・・・米国側が一貫して具体的な論点としているのが中国政府による「強制的技術移転(Forced Technology Transfer: FTT)政策です。USTR(米通商代表部)が2018年3月に公表した通商法301条調査報告書も主要論点の一つとしてFTT政策を明記しています。(*USTRは2018年11月20日付でその後の中国対応状況などを調査した追加報告書を公表)
【Cases and Trends】 中国、政府調達規則の一部廃止 – 米国が警戒・批判する自主創新政策で中国が譲歩? (2011/08/23)
我が国では記録的に早い梅雨明けとなった6月末から7月初めにかけ、欧米のメディア(Reuter, Forbes他)を中心に、「中国が自主創新政策を一部撤回」、「中国が米国の圧力を受け、政府調達規則を緩和」といったニュースが相次いで流れました。別のメディアでは、「北京が、政府調達プロジェクトにおける、強制的知的財産移転(Mandatory IP Transfer)を廃止」(China Briefing 7/4/2011)と報じています。

廃止を訴えていた米国商工会議所、欧州商工会議所などは、中国政府の決定を歓迎しつつも、「今回の決定はあくまで中央政府レベルのもの。さらに地方政府や国有企業レベルでも、早期に同様の措置がとられることを願う」とコメントしています。

法強制を緩和→国法から地方政府条例、規則や要綱等の運用に格下げ?したという報道を見た記憶でしたが、上記によるとすでに既に7年も経過しているようですが、移転強制の実質は同じだから米国が怒り出したのでしょう。
ただし上記の通り名目上の妥協はできても実質的な技術移転強制をやめると中国は中進国の罠にはまるので、文字通り核心的利益として、中国は存亡をかけて絶対に譲れないという強硬的態度を今も崩していません。
米中協議は昨年から決裂したり部分妥協再開きしたりの繰り返しで現在に至っていて実際にはなんの進展もないことは対北朝鮮交渉と同じです。
部分妥協といっても経済制裁圧力の一部解除したり強化したりの繰り返し(中国が反撃材料として買い付けを絞っていた小麦などを買うと表明し、米国は制裁開始を先送りするなど)で肝心の知財移転強制に関する妥結が一切なく時間を空費しているだけで、結果的に中国の時間稼ぎになっています。
この1週間ほど前に再妥協・再交渉のテーブルに乗る宣言をしたばかりです。https://jp.reuters.com/article/us-china-trade-talks-2nd-day-idJPKBN1WQ2JF

2019年10月12日 / 04:38 / 5日前
米、対中関税見送り 通商協議で部分合意
今回の「第1段階」では中国による米農産品の大規模購入のほか、一部の知的財産権、為替、金融サービスの問題などについて合意。さらに米国は15日に予定していた対中制裁関税引き上げを見送る。

北朝鮮も核開発をやめるのは国や体制の存亡をかけた戦いと位置づけていて、核戦争をも辞さない態度を示しているために決裂しそうな瀬戸際まで行くといきなり「あいつはいい奴だ!などとトランプ氏が言って見たりして、突然再交渉が始まる期待を抱かせるなど後一歩の圧力が効かない交渉を続けている点は同じです。
こういう交渉態度では、北朝鮮は核とその運搬能力の保持開発こそ命綱とする国家方針に自信を持つ一方です。
ただし、対北交渉では経済制裁に対する有効な反撃をされる心配がないのでこれを一切緩めないままですから北の国民が塗炭の苦しみに遭っているのですが、李氏朝鮮以来国民などいない・人民が再貧困下にある点を一切気にしない政体ですので、国民がいくら困窮しようとも政権にとって全く痛痒を感じないようです。
韓国の場合は市場規模が小さいので、(中国のように進出したければ)技術移転しろと強制する訳に行きません。
ちなみに日本車の韓国輸出量は以下の通りです。
https://www.asahi.com/articles/ASM944V8YM94UHBI01J.html
韓国輸入自動車協会が4日発表した8月の日本車の新規登録台数は、前年同月比56・9%減の1398台だった。7月は前年同月比17・2%減だったが、下げ幅が拡大した。韓国経済の停滞から輸入車全体でも5・6%減ったが、日本車の落ち込みが目立つ。
日本はトヨタだけで年間1000万台前後製造しているというのに、韓国では日本車全部で56%減とはいえ、トヨタ、ホンダ、日産、ダイハツスズキ、日野自動車、スバル等々その他全部で月間わずか1398台では、半分になろうと1割になろうと驚かないし、韓国市場に誰も魅力を感じていないでしょう。

メデイアの中立報道責任2(朝日慰安婦騒動の検証報告書)

慰安婦騒動について朝日新聞がフィクションにすぎない吉田調書記載事実の裏付けを何故かしないまま、これを事実であるかのように大規模報道をはじめた(朝日なら手堅く事実の裏を取っただろうとの信用を利用した)ことにより、他紙も追随報道競争に入ったことから日本でフィーバーしてしまい、韓国でも大問題になってきた経過と記憶しています。
その点ズバリの根拠を今探せませんが、検証委員会報告書を見ると朝日の報道を起点に韓国が追いかける状況が出ています。
朝日新聞に対する独立検証委員会報告の一部です。
朝日報道後これにショックを受け?世界的に慰安婦=性奴隷理解を前提にした国際世論が形成され常識化していった経緯が報告書の10p前後に書かれていますので、その一部と韓国の部分のみ一部引用します。
http://www.seisaku-center.net/sites/default/files/uploaded/dokuritsukensyouiinkai20150219-C20150227.pdf

米国紙の分析の結果、朝日と第三者委員会が認めていない以下の重要な事実が判明した。①「92年1月強制連行プロパガンダ」は、間違いなく米国紙に多大な影響を与えた。なぜなら、主要3紙が慰安婦に関するまとまった記事を書くのはすべて、その直後からだからだ。言い換えると、米国主要3紙は朝日が「92年1月強制連行プロパガンダ」を行う以前は、慰安婦問題をほぼ無視し、取り上げていなかった。

・・以下国際影響部分省略

主要韓国紙分析で明らかになった朝日の責任

また、韓国紙の分析の結果、やはり以下の事実が判明した。
①「92年1月強制連行プロパガンダ」は、韓国にも影響を及ぼした。韓国では慰安婦問題は日本から提起された、と捉えられていた。
韓国紙が慰安婦問題を集中的に取り上げるのは、92年1月からだ。
1月11日付朝日の「軍関与」資料発見記事と、それに触発された韓国紙が同年1月14日に「12歳の小学生まで慰安婦にした」という誤報をしたことが契機になった。
②92年1月当時、韓国紙は「強制連行」の根拠として吉田清治証言、金学順証言などを挙げていた。
③韓国において慰安婦問題の根拠とされた事柄は、未だに生きている。2012年8月30日付朝鮮日報社説は、朝日が報じた軍関与資料や吉田証言を、強制連行の根拠として挙げている。
④朝日が大々的に報じ、2014年まで取り消さなかった吉田清治氏の数々の「証言」は、韓国人に慰安婦について一定のイメージを植え付け、慰安婦強制連行を裏付ける重要根拠となった。⑤韓国の国定歴史教科書が慰安婦を「挺身隊の名で連行された・・・

(反日に偏った報道?で味噌をつけたメデイアに代わって)最近流行っているのは日本に籍を置くNGOが人権擁護のため?日本企業の海外工場批判等のキャンペインを張る→その国では無視できなくなる構図ですが、いわば慰安婦報道や、中間批判発言を「失言」などとして厳しく批判してきたのと根が同じ・・心情的別働隊みたいなものでしょうか?
ところで、(まだ3週間前後しかたっていないと思いますが)どういう意図か不明ですが?日経新聞で、元ジャイアンツのオーナーだったか?いわゆるナベツネ氏発言「選手の分際で・・」という趣旨の発言の流れが紹介されていました。
当時何気無く読んだので、何月何日の記事か正確な流れを思い出せませんので以下は当時受けた印象を書いています・・。
どこかの記者が球団再編問題が大騒ぎになっていた時期に、そうした業界再編のテーマは重大な影響を受けるが当事者でない選手にとっては蚊帳の外の関係でした。
各種企業の工場や支店の売却問題では、所属従業員には重大な関心のあることですから、節目節目で社内説明会などするでしょうが、交渉当事者でないのが普通です。
いわゆる終身雇用の正規従業員ですらないのですが、国民観衆から見ればなんとなく球団主役のような印象を与える点で外形と実質的地位の乖離の激しい分野です。
昔で言えば、映画会社とスター俳優の関係・現在のテレビ局と常連コメンテーターのような関係ですから、テレビ局同士の合併や買収交渉の当事者でないのと同じでしょう。
多分球団再編に批判的立場の報道機関があって、選手会会長に(野球界で絶大な発言権を誇っていたオーナー・ナベツネに)直接面会希望されますか?というような質問を向けたところ、選手会長が「お会いいただければありがたい」という程度の応答をしたらしいのですが、これを引き継いだ別の記者がナベツネに対し記者会見のような公式の場ではなく何かの時(ぶら下がり取材?)に「選手会会長が、面会要求しているが応じますか!」という趣旨の質問をしたので、(むつとして)「何さまと思ってる!という意味で、不快感を示したのが顛末のようです。
企業で言えば労働組合委員長がM&A問題に関して社長に直接会談要求するような関係ですから、イレギュラーな要求となります。
実務上、労組が交渉当事者になる労働条件交渉であっても、いきなりトップ会談を要求するのはよほどのことがない限り異例のことですから、一瞬「手順が違いすぎるだろう」という反応自体おかしなことではなかったのでしょう。
その記事によると選手は実際交渉当事者ではないものの、内部関係ルートでそれぞれ情報を説明していたようです。
その発言に続いて言いすぎたと気がついて?ナベツネが、選手にも立派な人もるもいるから・・と即時修正したらしいのですが、報道ではそうした部分は出なかったということらしいです。
この騒動で確定寸前であった球団再編成のテーマが横に飛んでしまい、ウヤムヤになって現在に至っているようです。
当時球団再編成した方が良かったかどうかは別として、メデイアが持って行きたい方向へ編集報道するのが当時も常態化していたことがこの例でもわかります。
今になって経緯・真相を書いても、一旦しぼんでしまった球団再編の機運は元に戻らない・・今の基準で言えば一種のフェイク報道だったでしょうか?
慰安婦騒動は時流?を読んだ各メデイアが、競って日本政府の責任になるような情報を探し、根拠のない情報でも新事実発見のようなセンセーショナルな、報道競争にうつつを抜かし、他方で否定的証拠には見向きもしない報道傾向があのような狂想曲状態になってしまったようです。
メデイアは韓国贔屓報道が批判されると、今度は掌返しで、嫌韓方向ならいいだろうと、また偏った報道に精出しているように危惧されます。
戦前好戦的主張してきたメデイア界が戦後GHQのお先棒担ぎに転じ、その延長で日本批判(の地位低下を目指し)ばかりの角度での報道に徹して慰安婦騒動のタネをまいてきたように思えます。
親中韓報道を批判されると今度は嫌韓?というトレンドで一方的報道をしているように見えるのは、トレンドの読み違いの反省に過ぎず、「報道の中立客観性の重要性に思いをいたすべき」という真の反省を欠いている・・反省する方向が間違っているように思われます。
報道傾向が一方に偏っていないかの私の意見は、埋もれている事実があるかないかすら報道がないので分からない=危惧にすぎませんが、なんとなく嫌韓感情を刺激する方向の一方的報道が多すぎる印象の危うさを書いています。

慰安婦像訴訟(スラップ訴訟と法原理3)

カリフォルニア州といえば、グレンデール市の慰安婦像設置→日系人の起こした訴訟がスラップ訴訟として排斥されたことが知られていますが、公園への設置許可と報道されていますから、文字通り市の権限・・「所有者としての機能」・私有財産管理権限行使という位置付けでしょうか?
この機会にグレンデール市の慰安婦像設置可否の議論を見直してみると、本日現在のウイキペデイアの記事によると人口は約20万人弱ですから、日本的レベルの自治権があるとすれば夕方ちょっと集まって議論するボランテイアで行える政治規模を超えています。
ウイキペデイアによれば以下の通りです。

政治
グレンデールの市議会は5名の議員からなり、5名全員が得票数順に選出される。議員の任期は4年である。市長は5名の議員が持ち回りで務める[4]。なお、グレンデールはシティー・マネージャー制を採っているため、市の行政を執行し、責任を負うのは市議会から選出されたシティー・マネージャーであり、市長は市議員としての通常の業務のほかには、市議会の議長や各種の儀礼的な職務を遂行するにとどまる。

上記シティマネージャー制については、17年10月13日に紹介した、「弱市長制」のことのように見えます。
慰安婦像設置の決定をした同市の市議会・市民集会がどのように運営されたか、どういう経緯で決まったか私には明らかではありませんが、「所有者としての機能」程度の権限・・「公園敷地利用許可」・・のテーマがあった場合、私の自宅付近にある町内会管理の小公園にブランコを設置するかどうかの議論みたいなものでしょうから、町内会の会議にいちいち近所の人は集まりません。
サイレントマジョリティー・多くの市民にとって、慰安婦像設置の可否かどうかすら気がつかないし、あまり関心のない人は公園内に銅像を一つ置くかどうかについて設置反対論を言うために出かけないことが想像できます・・。
日本の場合、自分が出かけて行って口角泡を飛ばして自己主張しなくとも、任せた役員が無茶なことをするわけがないという信頼があるので行かないのですが、アメリカの場合は違うでしょうが・・。
慰安婦像設置許可取り消し?訴訟では、市議会議論の実際・けんけんがくがくの議論をしたか、しないかの証拠調べに踏み込んだ判決かどうかしりませんが、結果が早すぎたのでそのような実態審理にまで入らなかった印象です。
そもそも司法権は、議会審議経過に立ち入らないのが我が国でも原則です。
法律の勉強で習った事例をウィキペデアで調べてみると以下のとおりです。

苫米地事件(とまべちじけん)とは、衆議院の解散により衆議院議員の職を失った原告・苫米地義三(とまべちぎぞう)が、任期満了までの職の確認と歳費の支給を訴えて争った事件[最高裁判所昭和35年6月8日大法廷判決は、衆議院解散に高度の政治性を認め、違法の審査は裁判所の権限の外にあるとする「統治行為論」(多数意見はこの用語を用いていない)を採用して違法性の判断を回避、上告を棄却した。」

町内会の議題でも、自宅付近のポストやバス停の移動は気になりますが、出来上がっている公園敷地内にどのような銅像が立つかについてあまり関心がないのが普通でしょう。
近くの公園に銅像を立てる予定について、賛否を聞きたいというテーマで開催通知が回ってくれば、多くの人はいくら金がかるのかの関心があっても、(建造費を含めて寄付となれば)どういう種類の銅像を建てるかについてまでの関心はないように思われます・・やりかけの仕事・職場を早引きしてまで急いで帰って参加しかないでしょう。
仮に慰安婦像設置の可否と書いてあっても、ほとんどの市民は関心がないので党派的設置運動をしてきたループの動員力次第になります。
日系人がボヤーっとしていて一旦決まってから、驚いて反対運動しても後の祭りです。
それが市長の裁量で行ったのであれば行政訴訟の対象として実態審理に入れたのでしょうが、議会の論争へて(実際に反対論があったかまで知りませんが、とも角民主的決議があって決着がついたということで)設置を決めたということであれば、訴訟になじまない・スラップ訴訟認定という不名誉な形で入り口で負けてしまったようです。
グレンデール市の裁判結果を聞くと日本人としては残念ですが、敗因を読むとムベなるかなという気がしない訳ではありません。
https://synodos.jp/international/13150によると以下のようです。

「カリフォルニア州の反SLAPP法が適用されるには、二つの段階がある。まず第一に、SLAPP認定を求める被告の側が、「公の問題について政治参加や言論の自由を行使した結果」訴えられたのだ、と証明する必要がある。」
実際の裁判において、「この問題について政治参加や言論の自由を行使した結果」訴えられたと証明するには、訴えの対象となった行為――この場合はグレンデール市による「慰安婦」像の設置――が次の四つの要素の最低一つに当てはまることを示す必要がある。
1)立法・行政・司法もしくはその他の法に基づく公式な会合における、口頭もしくは文書による意見表明。
2)立法・行政・司法もしくはその他の法に基づく公式な会合で議論されている件についての、口頭もしくは文書による意見表明。
3)公共の問題について、公共の空間で行われた、口頭もしくは文書による意見表明。
4)その他、公共
被告グレンデール市は、像の設置は議会の内外で議論され、市議会という公式な立法の場で議決されたことであるから1から3の要件を満たし、また、像の設置そのものは口頭や文書ではないものの市による言論の自由に基づく行為であるから4の要件にも該当する、と主張した。
裁判では、これが採用されたということです。」

アメリカで訴訟するには、当然アメリカの判例動向や法令を知っている弁護士に頼んだはずですが、実質審理にさえ入れないで完敗したのは、アメリカの裁判に対する不信感ではなく「訴訟提起する方の訴訟準備が拙劣すぎないか?」という意味で不思議です。
苫米地事件の判例を上記紹介した通り、若干の違いがあっても日本でも基本的には同様で、議会決議内容を司法は憲法違反以外にチェックできないので、訴訟テーマは議決無効と認定されるほどの手続き違背があったかどうか「だけ」ですから・・。
日本では革新系によって、政治で負けたことの蒸し返しのための訴訟提起の頻発・・司法が政治に介入しすぎないかの不満・イメージが増幅されてきました。
しかし、厳密に言えば、国会や市議会等で政治で決めたことの蒸し返しではなく、議会等で決めたルール違反を指摘する・司法はその有無を認定しているに過ぎないのであって左翼系に対する批判が当たりません。
(ネット等では司法・法律家の左傾化などを煽っていますが、非合理な感情的批判をあおっているにすぎないように見えます。)
例えば、原発の運転再開訴訟その他では多くが政治決定に不満な勢力中心に粗探し的に訴訟提起する印象ですので、結果からみると政治決定に司法が介入しているような印象ですが、訴訟テーマは政治で決めた運転基準に違反していないかのチェック訴訟です。
イラク派兵問題では国会で決まったことの蒸し返しではなく、特措法の適用範囲であったかどうか・・戦闘地域であったかどうか・現地実態はどうであったかの審議のための日誌の開示を国会で問題にしていたにすぎません。
沖縄基地の政府と県との訴訟は、埋め立て許可基準に合致しているかどうかの争いです。

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