アジアのヘゲモニー2

AIIBであれ、TPPであれ、日中のアジア域内における確固として東南アジア諸国に根付いている日本のヘゲモニー・文化支配?に対する中国の挑戦の前哨戦になっているからお互いに引けないのです。
日本の文化力の優位性は明治維新によってイキナリ生じたのではなく昨日紹介したとおり、古代から上回っていたことは明白で,これが平安時代から明白に文書に残る証拠上でも差が付く一方になっていたに過ぎないことが分ります。
中国には唐宋の詩文・水墨画が生まれましたが,日本の古今和歌集や源氏物語に匹敵する内面重視の文化が生まれなかったように見えます。
日本のようの文化が順次発展して行かない不思議・・唐の崩壊後文化が停滞している傾向があるのは,唐の絢爛たる文化は,もしかするとペルシャ文化の輸入だった(・・現在先進国の工場進出で世界の生産基地になっているのと同じで)からではないか?と10年ほど前に書いたことがあります。
煬帝と政府高官が聖徳太子の暗喩を理解出来なかった差が、今の中朝が乱暴・露骨な政治表現するしかない現実に繋がっています。
日本では文化発展が(複雑微妙な内面進化・着物で言えば裏地に凝るなど)・古代からいっときも止まることなく発展し続けて来ました。
戦国時代でも我が国は文化の進展を止めることなく、結果的に安土桃山の豪華絢爛の花を咲かせました。
その後も日本文化は着実に発展するばかり・・芸術面で見ても北斎などの芸術が次々と生まれていますが,唐宋の時代に詩文が発達し,日本も大きな影響を受けましたが,何か日本に追いつくための新しい内面文化が生まれなかったように見えます。
日本と中朝を含むアジア諸国とでは,内面文化の差が付く一方で1000年以上も経過しています。
結果的に今後数百〜1000年以上・・この差が揺るがないと思われますので、中韓は(破れかぶれに?)しきりに慰安婦や南京虐殺などの虚構でっち上げで世界中で日本批判するしかない状態に陥っていると思われます。
ところが世界は直接交流時代入っているので、世界中の人は日本人の優れた文化的資質・・高レベルの道義心を進出した工場の現場の交流やアニメその他を通じて直截知るようになっています・・政府マスコミ宣伝だけではうまく行かない時代です・・。
最初の数年間は噓を聞いた方は「まさか政府まであからさまな噓は言わないだろう」と信じかけていたと思われる諸外国も時間が経過すると本当のことが分って来てうまく行かなくなってきた様子です。
そこで今のところ優位性を持つ暴力挑戦するしかない状態に追い込まれているのが現状です。
日本は,古代から唐や明と戦って来たように勇猛な国柄ですが,アメリカ支配による武力剥奪と戦後憲法の結果、暴力挑戦に対する優位性を失っています。
このチャンスを利用して古代以来果たせなかった夢・・武力制圧しようと目論むのが中朝韓(共産主義か自由主義かに関係なく)の基本戦略ですし、これに呼応して何が何でも非武装論にこだわっている・・社会党から民主・民進党に名称が変わっても・・共産主義か自由主義化以前に日米安保の空洞化を画策する点で一貫しています。
中国の武力的優位性は、たまたま本来日本の持っている力を発揮出来ないようにアメリカが縛って来た結果ですから、(このスキを衝いて韓国は竹島を占領したし,ロシアは北方領土を占領しています・・その代わりアメリカが後ろ盾になるべき道義的義務を果たして来た?ことになります。
アメリカ次期大統領がトランプ氏になって、その役割をやめる代わりに核武装でも何でも自分でやれと言うのは首尾一貫しています。
日本はもしかしたらアメリカの後ろ盾を失うかもしれない状況・・アメリカの存在が縮小するに代わりに日本の軍備増強の動きが起きる点には当然反対してやらせない前提ですが・・中国優位に展開すると感じたのか?日本の民進党は大喜びで,早速外交失態だと24日の国会で安倍総理を追及しています。
旧ソ連贔屓・安保反対論は当時日本を侵略する能力を持っていたのはソ連だけだったことによる便宜上であって、日本を侵略したいクニがあればソ連でも中国でもどこでも良いのが日本の革新系?野党と言う印象です。
上記のとおり社会主義その他の主義主張は便宜上に過ぎないと見れば,社会変革する新しいことや日本独立に資することには何でも反対し日本の武力弱点を補う安保条約強化には何でも反対して来た行動が一貫していたことが分ります。
日本のためになることは何でも反対し,日本が困ればが大喜びする政党って,どこのクニのためにあるのか疑問です。
ソモソモ民主国家において政党があるのは,「クニを良くする」ための方法論が相違することであって、外国の利益のために主張出来るためにあるべきではないでしょう。
政治資金規正法が外国人からの寄付を禁じているのはこの理由によりますし、どこのクニでも同じです。
政治資金規正法
(昭和二十三年七月二十九日法律第百九十四号)
第二十二条の五  何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織(金融商品取引法第二条第十六項 に規定する金融商品取引所(以下この項において単に「金融商品取引所」という。)に上場されている株式を発行している株式会社のうち定時株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための会社法 (平成十七年法律第八十六号)第百二十四条第一項 に規定する基準日(以下この項において「定時株主総会基準日」という。)を定めた株式会社であつて直近の定時株主総会基準日が一年以内にあつたものにあつては、当該定時株主総会基準日において外国人又は外国法人が発行済株式の総数の過半数に当たる株式を保有していたもの)から、政治活動に関する寄附を受けてはならない。・・以下省略
社共や民進党は勿論この法律をクリアーしているのでしょうが,民進党・蓮舫代表がトランプ氏がTPPが個人的にTPP破棄を明言した途端に欣喜雀躍して・・「これ以上TPPを進めても仕方がない」と安倍総理を国会で追及しているの見れば,「中国追随こそ日本の利益?」だと言う日常の本心を誇示したことになります。
アメリカ・オバマのアジア重視戦略とは、世界の警察官はやれないが成長セクターであるアジアにまだ未練があると言う意思表示でした。
アジア重視路線・・アジアでのアメリカのヘゲモニー維持のためには,急速に台頭して来た中国に対して,一方の雄である日本を先陣に立てて、中国牽制に使おうとしていました。
その枠組みの基礎がTPPでしたから,トランプ氏が次期政策変更のトップ事項としてTPP破棄?をSNSで表明したのは,アジア重視・ヘゲモニー維持もやめると言う意思表示ととるべきです。
「中国の推進する経済枠組みのAIIBやより貿易障壁緩和レベルの低い・・国有企業除外条件や知財保護基準が弱い経済協定スキームにスキなように入って下さい」と言う意思表示にも読めます。
即ち「世界中の警察官・ヘゲモニー維持をアジアでもやめるから世界中の域内大国が好きなように「支配」してください」アメリカは不快感表示として中国の意に反した公海のパトロールなどはしません・・と言う意思表示になります。
そこまで極端ではないにしても、アメリカはオブザーバー程度しか参加しませんので中国が議長になって,自由に運営してくださいと言う意味でもあるでしょう。

アジアのヘゲモニー1

「アジアを中国に任せてアメリカはアジアには何も口出ししない」と言う地域分割交渉・・同じことが、米中、米ロ,米トルコその他世界各地で決まりそうになって、プーチンや中国がトランプ氏当選を歓迎しているのはこの期待によります。
そうは言ってもアメリカはこれまで深くコミットして来た利害関係があるので,元々の顧客を直ぐ切れない・・簡単に手を引く訳に行かない・・イギリスのEU離脱交渉並みの複雑な経過が待っています。
この辺はオバマがアジア重視と言っても、これまでコミットして来た中東や西欧や中東から直ぐに手を引けないで(サウジなど旧与党国が怒っていますし)オタオタして来たのと同じです。
実は戦争と同じで縮小撤退作戦の方が攻める・・支配地拡大より何倍も難しいのですが,国民にはその難しさが理解出来ない面もあります。
23日書いたようにアメリカは世界の覇者の地位は堅苦しくてうまく行かない・・その地位を下りて、ロシア、中国レベルの地域大国程度の格式でお互いに域内で言いたい放題、やりたい放題やろうじゃないか!と言うレベルに戻りたい方向は変わらないと思われます。
中国もロシアも世界の覇者をやるのは「荷が重い」・・割に合わないことが分ってきて地域大国程度で満足する智恵として「域内で無茶苦茶やれる方が良い」それにはアメリカを含めてお互い相手地域のことには干渉しないと言う地域大国間の縄張り(秘密)合意が成り立つ可能性があります。
これが、習近平氏の言う太平洋2分論です。
日本にとって一番困るのはこれで,アジアは中国の勢力圏と勝手に世界分割されると,日本の行き場がなくなります。
韓国の場合にはこれを漏れ聞いていて急いで中国に尻尾を振ったように見えますし、フィリッピンその他の弱小国は誰が域内大国になっても強い方に尻尾を振れば言い・・山内一豊のように逸早く次に覇権を握りそうな陣営に馳せ参じる方に智恵を使えば足りる立場ですが、日本は簡単に中国になびくワケには行きません。
日本は古代聖徳太子の髄の煬帝に宛てた文書に明らかなように対等な「天子」を名乗りアジアで唯一一度も華夷秩序に入った歴史がありませんし、今でも中国よりも明白な文化的先進国です。
(日出処の天子、書を没する処の天子に致す。つつがなきや…)
煬帝は怒ったと言われますが,怒りながらも無視出来ず日本へ公式返礼使を送り出し正式国交が始まりました。
https://kotobank.jp/word/%E8%A3%B4%E4%B8%96%E6%B8%85-112880
裴世清
隋の煬帝の使者。推古 16 (608) 年6月第1回遣隋使小野妹子の帰国に伴われて来朝。日本の威信を示すために難波の鴻臚館に盛大に迎えられ,隋の国書,進物を朝廷に届けた。同年9月第2回遣隋使とともに帰国。
2回目以降の国書からは「天皇」と言う名称を使用するようになります。
 「東の天皇,敬(つつ)しみて,西の皇帝に白(もう)す」
対等どころか,モノ「白(もう)す」とは、上位者から目下に言うような表現ですし、東の天皇が西の皇帝に・・と言うのも地位の上下を表しています。
中国では古代から正規皇太子を「東宮(春宮)」と言い、約千数百年後の清朝末期にもこの習慣で「西太后」が有名ですが,本来東太后が正規皇后であり「西」は次順位を表しています。
日本の大相撲で見ても,東の横綱が正であり西は副の地位です。
随は高句麗との戦争のために当時日本を敵に回せなかった国際情勢があったので,この機微をついて国交開始の最初の国書冒頭に「日没する処の天子へ」と一発かました聖徳太子(実在かどうかの議論は別として日本政府レベル)の外交勝利です。
随はこれを受入れ正規に返礼使裴世清を送り国交開始したので,2回目以降は「天皇」の名称が公式に定着しました。
その後663年)日本は白村江の戦いで唐新羅連合軍に敗れて朝鮮半島での拠点を失いますが,このとき体制一新して防備を固めたので(唐は攻め寄せることが出来ず)唐は対等者としての日本の国使・遣唐使を受入れるしかなかったのです。
現在社会用語の大多数が明治以降に日本で考案した熟語をそのまま使っている状況になっていることから分るように、近代では日本上位期間にはいっています。
習近平氏は中華の栄華復興を言いますが,この地域にあった王朝が日本よりも上位に立ったことはなく元々対等関係だった日中関係が、近代以降日本がアジア諸国に対して樹立して来たヘゲモニーに対する挑戦者でしかないのですから,言わば「復活」とは歴史の改ざんをしていることになります。
日本と髄の文化的格差を比較すると以下のとおりです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A3%E9%9A%8B%E4%BD%BF
「開皇二十年 俀王姓阿毎 字多利思北孤 號阿輩雞彌 遣使詣闕 上令所司訪其風俗 使者言俀王以天爲兄 以日爲弟 天未明時出聽政 跏趺坐 日出便停理務 云委我弟 高祖曰 此太無義理 於是訓令改之」
開皇二十年、俀王、姓は阿毎、字は多利思北孤、阿輩雞弥と号(な)づく。使いを遣わして闕(けつ)に詣(いた)る。上、所司(しょし)をしてその風俗を問わしむ。使者言う、俀王は天を以て兄と為し、日を以て弟と為す。天未(いま)だ明けざる時、出でて政(まつりごと)を聴く。日出ずれば、すなわち理務を停(とど)めて云う、我が弟に委(ゆだ)ぬと。高祖曰く、此れ大いに義理なし。是に於て訓(おし)えて之を改めしむ。
・・・・・解釈
「倭王は、天を以て兄と為し、日を以て弟と為す。天未だ明けざる時、出でて政を聴く。日出ずれば、すなわち理務を停めて弟に委ぬ」
これは、これで一つの文章であり、倭国の大王による、隋の皇帝に対する謎かけなのである。
この答えは「明けの明星」である。天は常にあるから一番目の「兄」であり、夜明け前に輝く金星(明けの明星)は二番目であり、三番目の「弟」である太陽が昇ると、金星(明けの明星)は見えなくなって(=理務を停めて)しまう。
つまり倭国の大王は隋の皇帝に対し、「あなたが天子=天の子なら、私は明けの明星ですよ」と、隠喩で述べているのである。
結局、この謎かけは隋の皇帝には理解されず、第二回遣隋使での直接的表現へとつながるのである。[独自研究?]」
太田道灌が,雨にあって「みの傘」を借りたくて立ち寄った先で、若い娘がみの傘の代わりに山吹の枝を差し出したの対して,立腹した話が有名です。
 七重八重ハナは咲けども山吹の実のひとつだになきぞかなしき
と言う古歌をもじった娘の気持ちを理解出来なかったことを羞じて太田道灌が多いに反省したと言うお話です。
上記解釈(定説かどうか知りませんが)によれば聖徳太子の時代から直接的表現しない都会的洗練が発達していて、中華地域の民度レベルと我が国の文化度にこのような差があったのです。
幕末に来たペリー提督の文化度の低さに日本側が驚いたのと同じコトが西暦608年に既に起きていることが分ります。
平安時代に和風文化がイキナリ生まれたのではなく,(気持ちを表現するのにひらがな表記出来るようになったことが大きいだけ)その前に万葉集の時代(漢字を日本の発音に応用して漢字を(万葉仮名)利用出来るようになってから蒐集したに過ぎないのでどのクライ前からあったか不明・・から独特の深い人間理解の文化が生まれていたのです。

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