新型コロナウイルス対応の巧拙8(軽症者施設の必要性)

致死率の意味に関係しますが、以前から書いているように人口比致死率ではなく感染者と公式把握した総数に対する致死率ですので、検査数拡大に応じて致死率が低下する宿命です。
検査数と検査精度という国別に違う数字に依拠する比率は、あまり意味がないことを周知すべきです。
極端な話、最貧国で死亡者だけ検査すれば致死率100%となる理屈です。
当面は人口比どれだけ死者が出てるかで大雑把な推計を言うべきでしょう。
死亡分類も基礎疾患の多い人の重篤化・致死率が高いので、基礎疾患での死亡にしてしまえばほぼゼロに出来る・・ゼロでは幾ら何でも信用がないので鉛筆なめながらこの程度の数字発表にするか?というデータ操作常習国の数字は全く信用できません。
中国の数字をほとんどの国が信用していないのは、過去の統計発表実績が影響しています。
信用は1日にしてならずです。
日本のように系統的検査・・濃厚接触者や症状発生後検査を求める人中心の検査の場合には重症化率も致死率も高いし、死亡者拡大が始まって手当たり次第?ドライブスルー式の簡易検査(精度も低いので実は陽性ではなかったものが半分程度含まれる?)を急拡大すれば感染者数が急増する割に重症者致死率が低く出ます。
米国の場合、無症状が半分を占めると言われる所以です。
東京や千葉県が収まれば他の都道府県でクラスターがボコボコと発生し、もぐらたたきのような状況がいつまでつづくのか?
ワクチン開発までは収束する時期が見通せないまま、1年以上もずるずる続くのでしょうか?
その間に国民全般に抗体が普及?して新型コロナウイルスが普通の風邪ひき程度のレベルに下がっていくのでしょうか?
中国武漢の感染者や死者激減の秘策は何か?
まさか、統計に載せないだけというのではないでしょうが、どうやって激減させたのかの秘策が聞こえてきません。
2〜3週間厳重隔離していても、治療薬がないので隔離した分拡散を防げるだけで、周辺の感染者がいなくなったわけがないのにいきなり重症者が減り新規感染もゼロ近くになることがあるのでしょうか?
具体的エビデンス・・科学論文の信用性は再現可能な説明ですが、中国はこの説明なしに急激な感染者減少しているという結果の主張だけなので、従来の統計信用性の低さと相俟って国際信用がイマイチです。
日本全体では今後も新たなクラスター発生で一時的に増えることもあるでしょうから、一直線の縮小期待はできませんが、東京の大規模拡大さえ沈静化成功すれば、大きな流れが見えてきます。
昨日のデータでは東京だけで482名もの感染発生ですので、東京を中心にまだまだ増える一方の印象ですので文字通り瀬戸際状態が続いています。
ついに厚労省も軽症者未発症者全員入院ルールを見直す方向ヘカジを切ったようです。
メデイア論調は厚労省の腰の重さ批判イメージが強いですが、法律家視点でみれば法の規定がどうなっているか?政省令マターなのか?法改正マターなのかの問題でしょう。
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
(平成十年法律第百十四号)

(定義等)
第六条 この法律において「感染症」とは、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症をいう。
11〜12号略

13 この法律において「特定感染症指定医療機関」とは、新感染症の所見がある者又は一類感染症、二類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者の入院を担当させる医療機関として厚生労働大臣が指定した病院をいう。

上記を受けて

※ 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第38条第2項の規定に基づく厚生労働大臣の   定める感染症指定医療機関の基準(平成11年3月19日厚生労働省告示第43号)=「指定基準」

があるようです。
この指定病院になるには厚労省によるさじ加減が効いているのでしょうが、その前に指定「医療機関(病院)」である必要があります。

(入院)
第十九条 都道府県知事は、一類感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の患者に対し特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関に入院し、又はその保護者に対し当該患者を入院させるべきことを勧告することができる。ただし、緊急その他やむを得ない理由があるときは、特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関以外の病院若しくは診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院し、又は当該患者を入院させるべきことを勧告することができる。

上記の通り特定感染症判明した場合感染者に対して「都道府県知事は・・勧告することができる」だけであり勧告義務がありません。
知事は症状や医療施設のスペース等に応じて勧告したりしなかったりする裁量権があります。
厚労省の許可不要ですので、知事の政治判断で行うべきことです。
同法の勧告しないで放置した場合の取り扱い・・ホテルなどの中間的な処遇をした方が良いかどうかは知事の政治判断分野ですから、ホテルその他空き施設活用の方が良いと思えば都知事判断でどんどん進めれば良いことです。
ホテルや空き宿舎利用をどんどん利用するについて厚労省が文句いう権利がありません。
報道では「地方自治体が積極的だが厚労省の腰が重い」ようやく全員入院させなくとも良いという通知が出たというようですが(4月4日経新聞朝刊)なぜ厚労省の腰が重いと批判報道されるのでしょうか?

新型コロナウイルス対応の巧拙7(周期的変化3)

感染が始まった以上は一定経過で収束するにしても急拡大させない・・管理・制御可能な形で一定期間経過で収束パターンに持ち込めるかが腕の見せ所です。
周期的変化の過去事例では以下のグラフ2例が出ています。
https://bungeishunju.com/n/n143f2c336728#T852a
新型コロナウイルス「致死率2%」でも“医療崩壊” 最悪のシナリオとは?
2020/03/13 08:00

/文・岡田晴恵(白鷗大学教授・元国立感染症研究所研究員)
大勢の感染で医療崩壊
この数週間、場合によっては、この1〜2週間で(本稿執筆時点=2月28日から見て)、対応を誤れば、新型コロナウイルスがあっという間に各地で大流行し、高齢者を中心に多くの犠牲者が出て、経済的にも大きな損失が生じる可能性があります。
なかでも医療現場が混乱し、流行や院内感染の拠点となり、医療のキャパシティーを超えるほど重症患者が発生し、他疾病患者の診療や治療も麻痺するといった“医療崩壊”すら生じる可能性があります。
・・・「スペインかぜ」です。これは、当時の「新型インフルエンザ」で、世界人口が約20億人であったところ、5000万人以上もの死者を出しました。

致死率2%でも甚大な被害・・略
セントルイス市長の英断
地域の行政機関の対応次第で、被害に天と地ほどの違いが出てきます。現在、中国における新型肺炎の致死率は、武漢だけが突出していますが、スペイン・インフルエンザの際にも大きな違いが見られました。
米国の都市セントルイスとフィラデルフィアの死者数の推移(1918年9月下旬から12月にかけて)を比較したグラフがあります。

使用_本誌4月号_グラフ_スペインかぜ_pages-to-jpg-0001

この間、フィラデルフィアの死亡率が0.73%なのに対し、セントルイスは0.3%で、他の大都市と比較しても、最低水準に抑えられました。これは、セントルイス市長のリスクも伴う英断によるものです。
市中の発症率がまだ2.2%の早期に「集会規制・行動規制」を実施した結果、セントルイスでは、グラフが示すように、大流行のピークが生じず、患者発生数は平坦なカーブを描いて、医療サービスや社会機能の破綻も起こらず、最終的に犠牲者も少なくて済みました。

上記のように医療崩壊が起きて大惨事になったフィラデルフィアの方が収束までの期間が短いのです。
短期間に収束すれば成功したことになるのでなく、地域医療資源対応力範囲内で治るかどうか重要です。21世紀に入って以降グローバル往来の拡大(国内地域間出入りも増えています)が半端でないので、地域内政策の巧拙だけで結果が出るとは限りません。
3月21日の厚労省記事から・・千葉県新規感染部分を千葉県のデータで前日の新感染者の内訳を見ると20日正午基準のデータ・・新規感染者5名のうち、オランダ経由入国者(入国検疫に引っ掛からず約1週間自由に動き回っていた)2名が占め、もう一人は都内居住者が千葉県内医療機関で感染判明ということです。
都内居住者の場合都内感染者と3月8日に接触後19日感染判明→20日正午までの厚労省報告→21日厚労省発表データですから、約11日間自由に動き回っていたことになります。
国際間あるいは地域間移動による感染拡大が始まっていることが分かります。
今回は波状的に海外からの感染者流入→国内感染が発生するので、出入国制限・・あるいは入国後2週間の隔離政策なしに短期収束は難しいでしょう。
2日ほど前に兵庫県と大阪市の移動制限が必要という政府要請がニュースに出ていましたが、国内地域間も移動自粛のギリギリの局面に入っているようです。
千葉県のデータは以下で見られますので関心のある方はご覧ください。
https://www.pref.chiba.lg.jp/shippei/press/2019/ncov20200318.html

新型コロナウイルス対応の巧拙7(周期的変化2)

新型コロナウイルス対応の巧拙7(周期的変化2)

感染症には周期的進行〜収束サイクルがあるので、大邱の方が早く始まってピークがすで来ているとすれば、名古屋や北海道もピークを過ぎ去ってみないと比較が公平でないかもしれません。
合計死者50人としても数ヶ月に一人づつの場合と数ヶ月内に50人死亡・これに比例する重症者大量発生とは社会の受ける打撃が違います。
この違いを分けるのは政策の巧拙・民度です。
昨日引用の井戸端会議の表は感染者や死者等の数字の出典不明で、日本の日々変わる数値をニュースで追いかけて比較しても、統一した日付で比較しないと意味不明になります。
日々数字が動く流動的状態での意見ですので仕方ない面もありますが、約1週間遅れであればデータが出揃うので統一日付けの比較が可能になりそうです。
ヤフーニュースで3月8日現在で統一的に確認します。
https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20200308-00166660/

新型コロナ感染者」が韓国、イタリアと違い、日本はなぜ少ない?
辺真一 | ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

3/8(日) 10:02

世界で2番目に多いコロナウイルス感染者を出している韓国は7日午後4時基準でさらに274人増え、7041人に達した。死亡者も5人増え、49人となった。
日本はどうか。3月7日午後6時の時点で厚生省の発表によると、国内感染者はクルーズ船感染者696人を除くと、前日よりも71人増え、420人。韓国の約16分の1、イタリアの14分の1に過ぎない。
都道府県別別で最も多いのが北海道の82人。続いて首都・東京(52人)、愛知(51人)の順。大阪は15人に留まっている。東京はソウルの約半分、大阪は釜山の約6分の1に留まっている。
日本の死亡者数は6人のままである。これも韓国の約8分の1、イタリアの約38分の1とはるかに少ない。

上記は国内データは厚労省のデータによると書いてあるほか国外分はどういうデータ根拠かいつの日付け分かも書いていませんが、個人ブログと違い、大手ヤフーニュースに出ているので相応の根拠資料に基づいた数字であろうと一応信用して書いています。
(感染者数や死者のデータは累積数がほとんどですので、国内データより国外データが半日〜1日程度遅くても感染者や死者数等が低く出るだけですので、日本の方が少ないという比較においての誤差は、意見の信用性補完にはなっても不信感の根拠にならないでしょう)
GDPや各企業の決算数字などは発表の出揃う期間経過後の比較が正確なのと同じで、日々データ更新される感染者や死亡数は、日付誤差のない1〜2週間程度前のデータ・・政府発表のデータの場合一定期間ごとの発表など区切りがあるので(国家機関の公式データは、厚労書発表はニュースのように日々、あるいは数時間ごとに出るものではありません)10日前1ヶ月前のデータ比較などが有効です。
とはいうものの最新データを見たいものです。
以下厚労省データの通り昨日現在ではなんとイタリアが(高齢化率が高いからか?)死者数で中国を追い越して世界一になっているのは驚くばかりです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10316.htmlに入ってみると3月20日付け発表が出ています。

1.国内の発生状況(3月20日12:00)

3月20日12:00現在、国内で今般の新型コロナウイルスに関連した感染症の感染者は950例となりました。
内訳は、患者841例、無症状病原体保有者107例、陽性確定例(症状有無確認中)2例となります。国内の死亡者は33名となりました。
国内での退院者は、昨日より12名増加し、227名(患者193名、無症状病原体保有者34名)となりました。

【内訳】
・患者841例(国内事例829例、チャーター便帰国者事例11例、空港検疫1例)
・無症状病原体保有者107例
(国内事例97例、チャーター便帰国者事例4例、空港検疫6例)
・陽性確定例2例(国内事例2例)
うち日本国籍692名

 

3.国外の発生状況

・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと3月20日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。

国・地域感染者死亡者
中国809673248
香港2084
マカオ170
韓国865294
台湾1081
シンガポール3450
ネパール10
タイ2721
ベトナム850
マレーシア9002
豪州6816
米国14250176
カナダ7369
フランス10995372
ドイツ1099920
カンボジア370
スリランカ600
アラブ首長国連邦1400
フィンランド4000
フィリピン21717
インド1944
イタリア410353405
英国3269144
ロシア1990
スウェーデン142310
スペイン17147767
ベルギー179521
エジプト2566
イラン184071284
イスラエル6770
レバノン1573
クウェート1480
バーレーン2781
オマーン480
アフガニスタン220
イラク19213
アルジェリア879
オーストリア20136
スイス310329
クロアチア1051
ブラジル6216
ジョージア400
パキスタン4542
北マケドニア480
ギリシア4186
ノルウェー15526
ルーマニア2770
デンマーク12256
エストニア2670
オランダ246076
サンマリノ11911
リトアニア360
ナイジェリア80
アイスランド3300
アゼルバイジャン441
ベラルーシ510
ニュージーランド280
メキシコ1181
カタール4600
ルクセンブルク3354
モナコ70
エクアドル1993
アイルランド5573
チェコ6940
アルメニア1150
ドミニカ共和国342
インドネシア31125
アンドラ530
ポルトガル7853
ラトビア860
セネガル310
サウジアラビア2740
ヨルダン690
アルゼンチン973
チリ2380
ウクライナ162
モロッコ632
チュニジア391
ハンガリー731
リヒテンシュタイン280
ポーランド3555
スロベニア2861
パレスチナ440
ボスニア・ヘルツェゴビナ630
南アフリカ1500
ジブラルタル(英領)30
ブータン10
カメルーン130
トーゴ10
セルビア1030
スロバキア1230
バチカン10
コロンビア1020
ペルー2340
コスタリカ690
マルタ530
パラグアイ110
バングラデシュ171
モルドバ491
ブルガリア943
モルディブ130
ブルネイ750
キプロス670
アルバニア642
ブルキナファソ331
チャンネル諸島(英王室属領)10
モンゴル60
パナマ1091
ボリビア120
ホンジュラス120
コンゴ民主共和国140
ジャマイカ151
トルコ1923
コートジボワール90
ガイアナ71
ガーンジー(英領)10
ジャージー(英領)50
ケイマン諸島(英領)10
キューバ111
トリニダード・トバゴ90
スーダン21
ギニア10
エチオピア60
ケニア70
グアテマラ91
ベネズエラ420
ガボン10
ガーナ110
アンティグア・バーブーダ10
カザフスタン440
ウルグアイ790
アルバ40
ナミビア30
セーシェル60
セントルシア20
ルワンダ80
エスワティニ10
キュラソー30
スリナム10
モーリタニア20
コソボ20
コンゴ共和国30
セントビンセント及びクレナディーン諸島10
中央アフリカ10
ウズベキスタン230
赤道ギニア60
プエルトリコ50
リベリア20
タンザニア60
グリーンランド20
ソマリア10
ベナン20
バハマ30
モンテネグロ30
バルバドス(英領)50
キルギス30
ザンビア20
ジブチ10
ガンビア10
モーリシャス30
フィジー10
エルサルバドル10
チャド10
ニカラグア10
モントセラト(英領)11

新型コロナウイルス対応の巧拙6(周期的変化1)

昨日紹介のhttp://vox.hatenablog.com/entry/2020/03/13/174636
の続きです。

画像:人口100万人あたりの新型コロナウイルスによる死者数

韓国(全土): 1.31人
テグ(大邱): 19.7人
韓国(テグを除く): 0.39人
韓国(テグと慶北を除く): 0.06人
日本: 0.12人
イタリア: 16.8人
韓国の新型コロナによる死者数はテグの死者数によって全体的に大きく引き上げられています。テグ広域市と慶尚北道での死者数を除外した韓国の人口100万人あたりの新型コロナによる死者数は 0.06 人です。
この数値は3月9日時点の日本と同じですから、ムン・ジェイン大統領が強気な姿勢を示す理由も理解できなくはないと言えるでしょう。
イタリアは3月6日の時点で「人口100万人あたりの新型コロナによる死者数」は 3.25 人でした。それが1週間ほどでテグの水準にまで達してしまったのですから、医療崩壊が起きているのは確実です。
新型コロナウイルス感染者への対応に医療リソース(人員・病床・機材など)が取られたことで他の疾患への治療に支障が生じるのが医療崩壊です。

人口比死亡率を見るのが合理的という意味では上記グラフの提示は合理的で、私の考え方にもあっていて目についたので引用したのですが、グラフ表示と文字解説・主張が一致していないような気がするのは残念です。
点線グラフが大邱の死亡率と表示されているにもかかわらず、韓国全体のグラフより低い数値を表すグラフになっている不合理性で頭がついていけない点と図面に19、7の数値表示場所さえないので、韓国全体と大邱のグラフ表記が入れ替わった単純ミスでもなさそうです。
そこで19、7がどこから出た数字か気になったものの、グラフ作成をどの資料に基づいてしたかの説明がついていません。
読者・私のような素人には大邱の人口と日々の死者数データを簡単入手できないので何と何を組み合わせて19、7になっているか、何月何日時点の数字かも検証不能です。
結果的に残念ながら、グラフに基づく解説あるいは主張としては意味不明になっています。
それらを措いて・・グラフでなく文字意見を前提にするとしても、論旨には以下の通り疑問があります。
井戸端会議の筆者は、韓国のデータからテグと慶北を除けば日本と比率が同じだから韓国全体では問題がないかのような説明ですが、日本でもっとも感染者の多い北海道を除けばとか言い出せばきりがないので、比較するなら同じ基礎条件・・日本全体との比較の場合は大邱周辺を含めた韓国全体数字で比較すべきでしょう。
日本全土対韓国全土で言えば、上記主張・解説によっても韓国の死亡率は日本の約10倍以上ですし、都市間比較ならば同規模都市同士で日本の最大感染率の都市と大邱市を比較するのが妥当でしょう。
国内最大感染率かどうか不明ですが、同規模都市として名古屋市・愛知県の感染報道が多いのでこれを比べてみます。
名古屋市の感染関連では、たまたま3月8日のニュースが出ていました。https://www.asahi.com/articles/ASN383FRRN38OIPE008.html

名古屋市は8日、市内在住の80代男性が7日に死亡し、直後の検査で新型コロナウイルスの感染が判明したと発表した。男性は別の感染者との接触があり、6日夕まで目立った症状がなかったが容体が急変したという。愛知県内で感染者の死亡が明らかになったのは初めて。
男性は7日午前8時ごろに県内の病院に救急搬送され、救急隊の到着時は心肺停止状態だった。離れて暮らす遺族からの聞き取りでは、6日夕の段階では発熱はなく、食事もとっていたという。

上記によれば日本国内で感染者数が伸びていて要注意になっている名古屋市でも、3月8日時点で初の死者が出た状態です。
14日時点では、以下の通り愛知県では増えています・このようにいつの時点かの特定がないと比較になりません。hhttps://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3929338.html

新型コロナウイルス、名古屋市で男性2人死亡
名古屋市は、これまでに新型コロナウイルスに感染していることが確認されていた男性2人が死亡したと発表しました。
名古屋市によりますと、1人は今月10日に感染が判明した90代の男性で、新型コロナウイルス肺炎で死亡。さらに、これまでに感染が判明した高齢の男性が死亡しましたが、年代や死因は明らかにされませんでした。
・・・愛知県では感染者が114人、死者は10人となりました

これらのニュースが正しければ、冒頭引用した井戸端会議が、なぜ大邱のデータと名古屋市あるいは愛知県とを比較しないかの疑問が膨らみます。
しかも3月8日の死亡者は前夜まで自宅で元気だったのに一晩でいきなり急変したものですから、仮に日本で希望さえあれば無制限検査できるようにしていても防げなかった事例です。
次に札幌で見てみると札幌の数字が直接出ないので北海道で見ると以下の通りです。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/402615

新型コロナ、札幌の80代女性死亡 道内死者5人目 感染4人増の148人に
03/16 11:36 更新

3月16日現在でも北海道全部で死者5人にすぎません。

新型コロナウイルス対応の巧拙5(医療崩壊3)

一般重症患者・ガン患者、脳梗塞や心疾患その他の病気で、急性期脱却後(手術後1週間前後で)一旦退院して、術後のデータチェックのためなどで通院・・自宅療養となり、通院予定外の日でも「急変したらいつでも連絡してください」というのが現在の医療方式です。
こうして一定比率で病院に戻って来り退院する患者比率を前提に、集中治療室の規模や一般病棟や機器医療スタッフ等のローテーションがなり立っているので、ここに一挙に大量の患者が殺到するとどうなるかの問題です。
通常の通行量前提の道路に一斉に避難民が殺到すると生活道路がパンク状態になるのと同じで秩序立って避難した方が結果的に多くの人が早く避難できます。
一般の病気療養中の人が自宅で容態急変してイザ病院に連絡したところ、(大病院の場合一定率で日々こういう人が発生しているからこそ、一定数の看護師や酸素吸入器などの利用率が上りペイしているものです。
電話するとコロナ型患者殺到により病床が満杯で、担当医師も手一杯で往診にいけないと言われるとどうなるかの問題・・これこそが地域医療崩壊と称すべき状態でしょう
大多数の重症患者の急変事態には、バイタルサイン悪化の最後は呼吸困難になる人が多い・・呼吸困難等の集中管理室対応症状が一般的ですが、イタリアの場合人工呼吸器不足で対応できなくなる現象も報告されているなどから分かるように救急医療と機器的に競合する面があります。
コロナ型患者も本当に酸素吸入が必要な患者の場合、一般患者を優先にする必要はないでしょうから、病院としては受付順対応になりますが、不要不急の患者が押しかけて本来の救急患者の救急治療を妨害しているかどうかです。
救急治療室の空きあるいは、酸素吸入機の余裕がある場合、いずれも緊急にするほどでなくとも患者の強い希望があれば、「マアいいでしょう」と拒否しきれない場合も出てきます。
本来の救急患者(と言っても退院後再入院の場合は救急車でなく家族の送迎中心)は、前もって並ぶ余地がないので大挙押し掛けて並んでいる人がいるとこの人たちが事実上優先権を確保してしまいます。
公共施設・・コミュニテイセンターなどの利用申し込みで団体枠とフリー枠を別に設けないと半年〜1年前から予定の決まっている団体が1年先まで全部申込んでしまうので、一般市民がふらっと、ピンポンやテニスなどしたいと思って立ち寄ってもいつも予約済みで利用できないのと同じです。
検査機器の感度と的中率が問題になっていますが、陽性を見落とすリスクよりも陰性を間違って陽性という結果にして念のため丁寧対応しておいて悪いことはないという方向になりがちです。
パニック状況に押されて行う全量検査の場合、本来の機器精度が低い問題だけでなく、擬似陽性を皆陽性扱いする問題と言っても良いかもしれません。
大事を取る分には問題がないという日常の姿勢が医療関係者の気持ちに染み込んでいるので、いわゆる濃厚・過剰診療の問題が競合してきます。
この倫理観というか保身術自体は医療システムのキャパに余裕あるときには合理的ですが、大災害等で一時的に医療施設不足が起きた時点では、悪しき倫理になります。
事故や脳梗塞等で救急で運ばれて来る人あるいは退院後自宅で療養中の人の容体悪化で再入院する人は救急車でなくマイカーでの入院が多いですが、いずれも寸刻を争う本当に緊急治療必要な人たちです。こういう人と、大事をとって三sの吸入しますか?と医師が仕方なしにやる場合が一緒に並べば、医師は本当に緊急性のある方を優先するでしょうが、先に病床を埋めてしまっていると、病室を追い出したり始めたばかりの酸素吸入機を外す勇気まではないでしょう。
昨日紹介した韓国の記事
「・・もともと疾患を持つ高齢者らが自宅で亡くなるケースも続出している。
という報道はまさにコロナ型以外のその地域で日常的に一定率で発生している救急患者等の一般病人が行き場を失って、そのまま自宅で息を引きとることになっている状態・いわゆる医療崩壊現象が出ているようです。
交通事故や脳血栓その他緊急治療すれば助かる人がせっかく救急車に乗っても引き受ける病院がなくなれば落命することになります。
こういうことによる死亡者は新型コロナウイルスによる致死者に含まれませんが、新型コロナ型ウイルスが検出されると重症者限定せずにドシドシ入院させることによる被害です。
コロナ型ウイルス騒動の収束後に、コロナ型ウイルスの出た死亡者に限定せずにその時期の人口比の死亡率がその前後で上がり平均寿命が下がったかなど疫学的統計で国・地域ごとの成績を決めるのが合理的です。
以下によると大邱周辺で医療崩壊が起きているだけで韓国全体平均すると感染率が日本と大差ないという主張か?が出ています。
東北大震災が日本全体で起きていないから問題がないというような意見かな?

井戸端会議・瓦版

2020-03-13
新型コロナウイルス(covid-19)への対応で「積極的な『PCR 検査』の実施」をした韓国で医療崩壊が発生しました。ただ、それはテグ(大邱)での話あり、韓国全土で医療崩壊が起きたのではありません。
しかし、大阪市(人口274万人)や名古屋市(人口232万人)と同規模を人口を持つ都市で医療崩壊が起きたのです。この点は「問題ない」とは言えないでしょう。
「人口100万人あたりの死者数」で見ると、韓国・テグ(大邱)の深刻度が浮き彫りになる

グラフと筆者の解説は明日の引用とします。

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