利害調整不全6→(地域エゴ野放し1)

民主主義社会・・自由な言論が際限ない対立を前提にするのではなく冷静な議論を経て結論が決まると挙国一致(企業で言えば企業)の方針が決まり、反対した方(一つの政策決定が自己利害に反する集団も決まればそれに従う)も実行に協力する社会を前提にしています。
経済活動場面・自由主義経済の場合→(見えざる神の手)市場による淘汰が行われ選ばれた企業が成長し、勝ち残った製品サービスが社会に行き渡る仕組みです。
商品の場合には市場規模が大きい場合順位1番から50〜100番までの多様な商品サービス並存可能ですし、多様なサービスが並存している方が消費者には便利です。
だから都会に人が集まるのです。
国家社会のルールや政策決定の場合、社会秩序そのものの決定ですので、商品のように並存可能というわけにはいかない・・・道路交通法でいえば、AB両地点のいずれに信号機設置すべきかどうかの議論でA地点だけと決まった場合、B地点派がA地点の信号設置に反対したんだからと信号無視して良いとなれば社会が混乱します。
制限速度や一方通行、駐車違反場所でも同じで、反対派だった人も決まった以上はそのルールを守るべきですので、集団別ルールが並存するのは不可能です。
民主主義とは統治の原理・統治ルール決定手続きに関するルールであり、自由な言論活動は一定期間内に一つの結論に収斂するための言論の自由です。
一定手続きで決まったこと(法)には反対派も従うことを予定していることになります。一旦決まったことを実行してみる不都合があるなどの修正変更の必要があるので、多数意見が決まったのちにも、少数意見者も「やはりこの方法の方が良い」と言い続ける言論の自由は残りますが、多数で決まったルールに従わない自由はありません。
すなわち民主主義とは意見・利害調整による意見一致を前提にした決定手続きをいうのであって、利害調整・意見一致できないで意見対立のまま終わることを予定していません。
民主主義であろうと、絶対主義であろうと自由主義であろうと一党独裁であろうとすべて社会は生命体同様の統一秩序を求めています。
一つの体で左足は横へ動く右足は前に動くというバラバラ行動は許されません。
幼児や小中学生レベルの場合、完全な自治運営が困難なように、言いたい意見を話し合いの結果合理的に収斂させる能力があってこそ自由な意見交換が成立します。
意見を言うなら議論の結果によっては相手の主張に従う度量が必要です。
年齢基準は年齢に応じてその比率が上がるだけであって、(小学3年生で5年生の能力ある子も2年生の能力しかない子もいます)大人になっても対話能力が育っていない人が一定率いるのですが、(私もそうかな?)そういう人は、自分の能力限界をわきまえて集会参加しても黙って聞いている・論争を聞いて最後にどちらが良いかの挙手をするだけで済ませば世の中が決まって行きます。
旧社会党の場合、議論にならない反対のための反対論(法案に関係ないキャンダル追求先行要求など)を繰り広げ、質疑打ち切りすると委員長不信任案や議長不信任案等を繰り出して最後は牛歩戦術や根拠ない不信任決議案提出で数時間でも採決を遅らせることで議決自体の妨害を図っていたので国民支持が離れました。
このような政治活動は技術革新の早い現在社会で、日本の国際適応を一国でも遅れさせる目的にしかならない・反日国家の意を受けた行動でないか?の疑念を抱かせるようになりました。
こういう疑念が一般化して来て・・革新的系政党支持率が低下一方になったのちは、地方自治体レベルでの抵抗戦術を始めたようです。
国政の場合2〜5%の支持率では何もできないのですが、地域特化し地域固有の問題が起きればその問題が続く限り、その地域限定で抵抗政党が圧倒的支持を得られるようになります。
数%支持でも特定問題・・例えば、放射性物質の特定市町村内廃棄貯蔵地問題が起きれば、その問題に限って過半の支持を得ることが可能です。
福島原発事故の結果、千葉県内で風向きの関係か?柏市中心に放射性物質の降下が多かった・・これの県内処理として原因企業である東電の広大な敷地がある千葉市内の臨海工業地帯・・広大な埋立地立地なので旧市街とかなり距離が開いている・近くに一般住宅街もない・・千葉市に白羽の矢がたったらしいのです。
これまで書いてきましたが、そもそも微量の放射能があった場合、どういう被害があるかの科学的意見を見たことがないのですが、宗教心のようにメデイアが恐怖心を煽り続けてきた結果だと思っていますが・・。
普段与党支持者でもこの問題に限っては、まず反対するしかないという宗教信念みたいな動きが起きます・・自治会等での議論を聴いていると風評被害がおきたらどうするんだ!式の反対で地元結束するようです。
原発問題もそうですが、「不可知な論争に持ち込んだ方が勝ち」というか、反対論者は対話にならないこの方式に頼ることが多いのです。
「〇〇があったらどうする」式の議論では、神ならぬ身、誰も「そんなことはあり得ない」と断言仕切れ無いので黙るしかない・・合理的対話が成り立ちません。
県内どこかで引き受けねばならないとなれば、被害の一番少なそうな場所に決めるしかないのですが、東京電力敷地が広大でしかも周辺と車で移動するほどの距離がある・・それ以上の適地がない・・しかし地元エゴに付き合わないと仕方ないので責任政党の与党系は「知事にかけあって努力する」というだけで腰が引けているので迫力がない・・不利です。
集会での議論を聞いていると「柏市のゴミを千葉市がなぜ引き受けねばならないか?」という一見尤もらしい議論で落ち着いて参加者が自己満足していたようです。
ちょっと考えれば無理筋の論理ですが、誰でも良識というか、良心があるので自分を誤魔化す目先の浅い論理が必要なのでしょう。

隔離と人格崩壊?

中国の場合、感染の有無を問わず一定地域内住民を包括的に隔離しました。
まだウイルス感染していない人まで逃げられなくなるものの、誰が感染者か特定するのに1ヶ月もかかっているとその間に症状が出ていないが感染した人(自覚症状なし)が域外に逃げて域外に感染を広げてしまうリスクの方が大きいとの理由で十把一絡げで武漢市とその周辺地域に閉じ込めたものですが、閉じ込められたものはどんどん感染するのを放置するしかない・・被害が伴いますが、中国はこれを決断したものです。
こんな大規模な強行策を取れたのは民主主義国家でない強みでもあったでしょう。
人質事件での救出作業と銃撃戦開始問題でも同じですし、大型ビル火災の場合隔壁による煙遮断(逃げ遅れた人がいるかいないか煙モウモウのビル内を捜索している暇がないのも同じでしょう。
日本政府は横浜港に寄港した豪華クルーズ船ダイヤモンドプリンセスの防疫対策で乗客を船内にとどめて感染有無の検査を先行し検査しない乗客乗務員の上陸を認めなかった上で、その検査終了時までは船内を自由に行動せずに自室にとどまるよう要請したのは、民主主義国家におけるできる限度の処置であり武漢のやり方の縮小版・・このセオリーによるもので合理的だったと思われます。
これに対して検査進行中にも感染拡大が続いたことに対するメデイアを通じた批判が主流でしたが、多数感染者が現実に船内にいるのに検査もしないで国内上陸を認めて野放しにする方が、政府として無責任な方法だったというべきでしょう。
どこかで書いた記憶ですが、日本では感染認定しない限り強制力のない「要請」が基本ですので入国を認めてしまうと、2週間待機してくださいとお願いしても外国人の場合2週間待機要請に応じてくれないと野放しになってしまうリスクがありました。
日本人でも沖縄の人が外国から帰国時に待機要請を拒否して自分で自宅に帰ってしまったことが大々的に報道されていましたが、メデイアが非難するだけで終わりました。
埼玉で自粛要請を振り切って、格闘技の大会を強行して大騒ぎになり、最近では緊急事態宣言解除を待ちきれないパチンコ店の強行開店がありました。
外航船であったことからコロナ検査の結果、陽性確認者は入国手続きと同時に横浜の指定病院への強制隔離にベルトコンベアー式に移送し、陽性が出ない人も潜伏期間を経過して再度陰性が確認できるまで入国手続きに応じない技法は苦肉の策とはいえ、上策だったと思います。
自国籍の船から客が上陸するのとは意味が違います。
外航船の場合国際法上旗国主義ですので、この場合は英国籍=英国主権下にあり、英国が船内秩序維持・生命財産保護の責任を負うべきものでしたが、それを日本が頼まれて一種の遭難救助するような関係でした。
野党の国会での政府批判も同じですが、メデイアも政府批判する場合最悪後講釈でも代替策を同時提示すべきです。
精神障害認定に戻ります。
正式な強制入院は措置入院か、医療観察法によるものしかないのですが、重装備の手続きが必要では実務が間に合わないので、精神保健福祉法による入院患者の大多数は20条の本人または(平成25年に保護者同意制度が廃止されるまでは保護者同意)による医療保護入院です。
法律上同意を原則とする制度を取っていますが、医療目的とは言え現在も隔離=監禁中心の医療では、およそこれを好む生き物はいないし、まして人間はなおさらですから、現実には多くの場合本人が嫌々ながら仕方なしの同意によっていることが多いものです。
元は暴れる患者制圧要員が必須施設だったのが、無気力化する薬品発明によりその要員不要になったことが儲かる商売?になったことが宇都宮病院事件の社会的背景だったような解説がありましたので同記事を一部再引用すると以下の通りです。

 「・・クロルプロマジンなどの処方箋医薬品で、患者の興奮状態を抑制することができるようになると、少ない病院職員で多数の患者の管理が可能となり・・・」

要するにブタ小屋やブロイラー施設のように、うなぎの寝床みたいに大量収容しておとなしくさせる薬中心で、身体機能が衰えている病人とは違うのに終日ベッドに事実上拘束する・管理中心隔離システムです。
多くの人が見るチャンスのある病院や老人ホームがを例にすれば、大部屋の場合プライバシーがないばかりか、まだ元気で体はピンピンしている人でも施設入院中することがないので事実上ベッドで横になっている時間が増えるのが普通です。
牢獄の場合、夜間は房に戻りますが、昼間は敷地内の工場での刑務作業従事が原則ですし、作業も労働基準法の基準以下に出来ないはずですので、みんなで一緒の休憩時間もあれば、運動場での運動もあります。
ヘクタール単位の広大な刑務所敷地内で仕事その他の変化があっても年単位で過ごすのは辛いものです。
精神病の隔離棟の場合、仮に個室でも一日中どころか無期限にその病棟・・多くは各階ごとに施錠されているところで、歩くのは部屋から出て医療従事者の詰所付近のちょっとした空間でくつろぐ?程度でいつ出られるとも期限不明の収容が待っているのです。
これでは牢獄以上の過酷環境でしょう。
これが精神安定剤?みたいな薬でぼーっとさせられて室内にベッドしかなければ(小さな椅子があっても?)大多数が終日うつらうつらの状態になります。
最近では老人ホーム等では病棟内に談話室みたいな公共?空間を設けていますが、入居者にとってはもホール空間にわざわざ出かけてもすることもないので、何か催し物をしないと滅多にホールに出て行かないようです。
個人経験ですが、リゾートホテルに滞在していて散歩に出る予定がない日に退屈しのぎにホテルロビーに行って土産物を見たり新聞を読んだりして時間つぶしをすることがありますが、せいぜい数十分滞在するのがやっとで部屋に引き上げます。
自宅の場合、庭に出て掃除したり台所で何かしたりすることはいくらでもありますが、
ホテルでは、自分でお茶を入れる程度しかすることがありません。
広々したリゾートホテルでもそんな具合ですから、今回の新型コロナ騒ぎで潜伏期間とされる2週間をめどにクルーズ船に閉じ込められたストレスが報道されていますが、精神病と宣告されて豪華客船と程遠い殺伐な?病棟に期間不明の拘束を受ける辛さは想像を絶する苦痛でしょう。
30年ほど前に息子のシンナー中毒で困っている人がいて、中毒がひどくて倒れた(肝臓障害かな?)か何かで緊急入院はできるが、少し治ると出てきてまたシンナーに溺れる・・その後再入院はきついらしく息子が嫌がって行きたがらないし、やっと入院させても一定期間しか入院させておけないらしくすぐ出てくるので、入退院の繰り返しでどうにもならないという相談?現状説明があったことがあります。

新型コロナウイルス対応の巧拙7(周期的変化2)

新型コロナウイルス対応の巧拙7(周期的変化2)

感染症には周期的進行〜収束サイクルがあるので、大邱の方が早く始まってピークがすで来ているとすれば、名古屋や北海道もピークを過ぎ去ってみないと比較が公平でないかもしれません。
合計死者50人としても数ヶ月に一人づつの場合と数ヶ月内に50人死亡・これに比例する重症者大量発生とは社会の受ける打撃が違います。
この違いを分けるのは政策の巧拙・民度です。
昨日引用の井戸端会議の表は感染者や死者等の数字の出典不明で、日本の日々変わる数値をニュースで追いかけて比較しても、統一した日付で比較しないと意味不明になります。
日々数字が動く流動的状態での意見ですので仕方ない面もありますが、約1週間遅れであればデータが出揃うので統一日付けの比較が可能になりそうです。
ヤフーニュースで3月8日現在で統一的に確認します。
https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20200308-00166660/

新型コロナ感染者」が韓国、イタリアと違い、日本はなぜ少ない?
辺真一 | ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

3/8(日) 10:02

世界で2番目に多いコロナウイルス感染者を出している韓国は7日午後4時基準でさらに274人増え、7041人に達した。死亡者も5人増え、49人となった。
日本はどうか。3月7日午後6時の時点で厚生省の発表によると、国内感染者はクルーズ船感染者696人を除くと、前日よりも71人増え、420人。韓国の約16分の1、イタリアの14分の1に過ぎない。
都道府県別別で最も多いのが北海道の82人。続いて首都・東京(52人)、愛知(51人)の順。大阪は15人に留まっている。東京はソウルの約半分、大阪は釜山の約6分の1に留まっている。
日本の死亡者数は6人のままである。これも韓国の約8分の1、イタリアの約38分の1とはるかに少ない。

上記は国内データは厚労省のデータによると書いてあるほか国外分はどういうデータ根拠かいつの日付け分かも書いていませんが、個人ブログと違い、大手ヤフーニュースに出ているので相応の根拠資料に基づいた数字であろうと一応信用して書いています。
(感染者数や死者のデータは累積数がほとんどですので、国内データより国外データが半日〜1日程度遅くても感染者や死者数等が低く出るだけですので、日本の方が少ないという比較においての誤差は、意見の信用性補完にはなっても不信感の根拠にならないでしょう)
GDPや各企業の決算数字などは発表の出揃う期間経過後の比較が正確なのと同じで、日々データ更新される感染者や死亡数は、日付誤差のない1〜2週間程度前のデータ・・政府発表のデータの場合一定期間ごとの発表など区切りがあるので(国家機関の公式データは、厚労書発表はニュースのように日々、あるいは数時間ごとに出るものではありません)10日前1ヶ月前のデータ比較などが有効です。
とはいうものの最新データを見たいものです。
以下厚労省データの通り昨日現在ではなんとイタリアが(高齢化率が高いからか?)死者数で中国を追い越して世界一になっているのは驚くばかりです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10316.htmlに入ってみると3月20日付け発表が出ています。

1.国内の発生状況(3月20日12:00)

3月20日12:00現在、国内で今般の新型コロナウイルスに関連した感染症の感染者は950例となりました。
内訳は、患者841例、無症状病原体保有者107例、陽性確定例(症状有無確認中)2例となります。国内の死亡者は33名となりました。
国内での退院者は、昨日より12名増加し、227名(患者193名、無症状病原体保有者34名)となりました。

【内訳】
・患者841例(国内事例829例、チャーター便帰国者事例11例、空港検疫1例)
・無症状病原体保有者107例
(国内事例97例、チャーター便帰国者事例4例、空港検疫6例)
・陽性確定例2例(国内事例2例)
うち日本国籍692名

 

3.国外の発生状況

・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと3月20日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。

国・地域感染者死亡者
中国809673248
香港2084
マカオ170
韓国865294
台湾1081
シンガポール3450
ネパール10
タイ2721
ベトナム850
マレーシア9002
豪州6816
米国14250176
カナダ7369
フランス10995372
ドイツ1099920
カンボジア370
スリランカ600
アラブ首長国連邦1400
フィンランド4000
フィリピン21717
インド1944
イタリア410353405
英国3269144
ロシア1990
スウェーデン142310
スペイン17147767
ベルギー179521
エジプト2566
イラン184071284
イスラエル6770
レバノン1573
クウェート1480
バーレーン2781
オマーン480
アフガニスタン220
イラク19213
アルジェリア879
オーストリア20136
スイス310329
クロアチア1051
ブラジル6216
ジョージア400
パキスタン4542
北マケドニア480
ギリシア4186
ノルウェー15526
ルーマニア2770
デンマーク12256
エストニア2670
オランダ246076
サンマリノ11911
リトアニア360
ナイジェリア80
アイスランド3300
アゼルバイジャン441
ベラルーシ510
ニュージーランド280
メキシコ1181
カタール4600
ルクセンブルク3354
モナコ70
エクアドル1993
アイルランド5573
チェコ6940
アルメニア1150
ドミニカ共和国342
インドネシア31125
アンドラ530
ポルトガル7853
ラトビア860
セネガル310
サウジアラビア2740
ヨルダン690
アルゼンチン973
チリ2380
ウクライナ162
モロッコ632
チュニジア391
ハンガリー731
リヒテンシュタイン280
ポーランド3555
スロベニア2861
パレスチナ440
ボスニア・ヘルツェゴビナ630
南アフリカ1500
ジブラルタル(英領)30
ブータン10
カメルーン130
トーゴ10
セルビア1030
スロバキア1230
バチカン10
コロンビア1020
ペルー2340
コスタリカ690
マルタ530
パラグアイ110
バングラデシュ171
モルドバ491
ブルガリア943
モルディブ130
ブルネイ750
キプロス670
アルバニア642
ブルキナファソ331
チャンネル諸島(英王室属領)10
モンゴル60
パナマ1091
ボリビア120
ホンジュラス120
コンゴ民主共和国140
ジャマイカ151
トルコ1923
コートジボワール90
ガイアナ71
ガーンジー(英領)10
ジャージー(英領)50
ケイマン諸島(英領)10
キューバ111
トリニダード・トバゴ90
スーダン21
ギニア10
エチオピア60
ケニア70
グアテマラ91
ベネズエラ420
ガボン10
ガーナ110
アンティグア・バーブーダ10
カザフスタン440
ウルグアイ790
アルバ40
ナミビア30
セーシェル60
セントルシア20
ルワンダ80
エスワティニ10
キュラソー30
スリナム10
モーリタニア20
コソボ20
コンゴ共和国30
セントビンセント及びクレナディーン諸島10
中央アフリカ10
ウズベキスタン230
赤道ギニア60
プエルトリコ50
リベリア20
タンザニア60
グリーンランド20
ソマリア10
ベナン20
バハマ30
モンテネグロ30
バルバドス(英領)50
キルギス30
ザンビア20
ジブチ10
ガンビア10
モーリシャス30
フィジー10
エルサルバドル10
チャド10
ニカラグア10
モントセラト(英領)11

新型コロナウイルス対応の巧拙6(周期的変化1)

昨日紹介のhttp://vox.hatenablog.com/entry/2020/03/13/174636
の続きです。

画像:人口100万人あたりの新型コロナウイルスによる死者数

韓国(全土): 1.31人
テグ(大邱): 19.7人
韓国(テグを除く): 0.39人
韓国(テグと慶北を除く): 0.06人
日本: 0.12人
イタリア: 16.8人
韓国の新型コロナによる死者数はテグの死者数によって全体的に大きく引き上げられています。テグ広域市と慶尚北道での死者数を除外した韓国の人口100万人あたりの新型コロナによる死者数は 0.06 人です。
この数値は3月9日時点の日本と同じですから、ムン・ジェイン大統領が強気な姿勢を示す理由も理解できなくはないと言えるでしょう。
イタリアは3月6日の時点で「人口100万人あたりの新型コロナによる死者数」は 3.25 人でした。それが1週間ほどでテグの水準にまで達してしまったのですから、医療崩壊が起きているのは確実です。
新型コロナウイルス感染者への対応に医療リソース(人員・病床・機材など)が取られたことで他の疾患への治療に支障が生じるのが医療崩壊です。

人口比死亡率を見るのが合理的という意味では上記グラフの提示は合理的で、私の考え方にもあっていて目についたので引用したのですが、グラフ表示と文字解説・主張が一致していないような気がするのは残念です。
点線グラフが大邱の死亡率と表示されているにもかかわらず、韓国全体のグラフより低い数値を表すグラフになっている不合理性で頭がついていけない点と図面に19、7の数値表示場所さえないので、韓国全体と大邱のグラフ表記が入れ替わった単純ミスでもなさそうです。
そこで19、7がどこから出た数字か気になったものの、グラフ作成をどの資料に基づいてしたかの説明がついていません。
読者・私のような素人には大邱の人口と日々の死者数データを簡単入手できないので何と何を組み合わせて19、7になっているか、何月何日時点の数字かも検証不能です。
結果的に残念ながら、グラフに基づく解説あるいは主張としては意味不明になっています。
それらを措いて・・グラフでなく文字意見を前提にするとしても、論旨には以下の通り疑問があります。
井戸端会議の筆者は、韓国のデータからテグと慶北を除けば日本と比率が同じだから韓国全体では問題がないかのような説明ですが、日本でもっとも感染者の多い北海道を除けばとか言い出せばきりがないので、比較するなら同じ基礎条件・・日本全体との比較の場合は大邱周辺を含めた韓国全体数字で比較すべきでしょう。
日本全土対韓国全土で言えば、上記主張・解説によっても韓国の死亡率は日本の約10倍以上ですし、都市間比較ならば同規模都市同士で日本の最大感染率の都市と大邱市を比較するのが妥当でしょう。
国内最大感染率かどうか不明ですが、同規模都市として名古屋市・愛知県の感染報道が多いのでこれを比べてみます。
名古屋市の感染関連では、たまたま3月8日のニュースが出ていました。https://www.asahi.com/articles/ASN383FRRN38OIPE008.html

名古屋市は8日、市内在住の80代男性が7日に死亡し、直後の検査で新型コロナウイルスの感染が判明したと発表した。男性は別の感染者との接触があり、6日夕まで目立った症状がなかったが容体が急変したという。愛知県内で感染者の死亡が明らかになったのは初めて。
男性は7日午前8時ごろに県内の病院に救急搬送され、救急隊の到着時は心肺停止状態だった。離れて暮らす遺族からの聞き取りでは、6日夕の段階では発熱はなく、食事もとっていたという。

上記によれば日本国内で感染者数が伸びていて要注意になっている名古屋市でも、3月8日時点で初の死者が出た状態です。
14日時点では、以下の通り愛知県では増えています・このようにいつの時点かの特定がないと比較になりません。hhttps://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3929338.html

新型コロナウイルス、名古屋市で男性2人死亡
名古屋市は、これまでに新型コロナウイルスに感染していることが確認されていた男性2人が死亡したと発表しました。
名古屋市によりますと、1人は今月10日に感染が判明した90代の男性で、新型コロナウイルス肺炎で死亡。さらに、これまでに感染が判明した高齢の男性が死亡しましたが、年代や死因は明らかにされませんでした。
・・・愛知県では感染者が114人、死者は10人となりました

これらのニュースが正しければ、冒頭引用した井戸端会議が、なぜ大邱のデータと名古屋市あるいは愛知県とを比較しないかの疑問が膨らみます。
しかも3月8日の死亡者は前夜まで自宅で元気だったのに一晩でいきなり急変したものですから、仮に日本で希望さえあれば無制限検査できるようにしていても防げなかった事例です。
次に札幌で見てみると札幌の数字が直接出ないので北海道で見ると以下の通りです。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/402615

新型コロナ、札幌の80代女性死亡 道内死者5人目 感染4人増の148人に
03/16 11:36 更新

3月16日現在でも北海道全部で死者5人にすぎません。

新型コロナウイルス対応の巧拙5(医療崩壊3)

一般重症患者・ガン患者、脳梗塞や心疾患その他の病気で、急性期脱却後(手術後1週間前後で)一旦退院して、術後のデータチェックのためなどで通院・・自宅療養となり、通院予定外の日でも「急変したらいつでも連絡してください」というのが現在の医療方式です。
こうして一定比率で病院に戻って来り退院する患者比率を前提に、集中治療室の規模や一般病棟や機器医療スタッフ等のローテーションがなり立っているので、ここに一挙に大量の患者が殺到するとどうなるかの問題です。
通常の通行量前提の道路に一斉に避難民が殺到すると生活道路がパンク状態になるのと同じで秩序立って避難した方が結果的に多くの人が早く避難できます。
一般の病気療養中の人が自宅で容態急変してイザ病院に連絡したところ、(大病院の場合一定率で日々こういう人が発生しているからこそ、一定数の看護師や酸素吸入器などの利用率が上りペイしているものです。
電話するとコロナ型患者殺到により病床が満杯で、担当医師も手一杯で往診にいけないと言われるとどうなるかの問題・・これこそが地域医療崩壊と称すべき状態でしょう
大多数の重症患者の急変事態には、バイタルサイン悪化の最後は呼吸困難になる人が多い・・呼吸困難等の集中管理室対応症状が一般的ですが、イタリアの場合人工呼吸器不足で対応できなくなる現象も報告されているなどから分かるように救急医療と機器的に競合する面があります。
コロナ型患者も本当に酸素吸入が必要な患者の場合、一般患者を優先にする必要はないでしょうから、病院としては受付順対応になりますが、不要不急の患者が押しかけて本来の救急患者の救急治療を妨害しているかどうかです。
救急治療室の空きあるいは、酸素吸入機の余裕がある場合、いずれも緊急にするほどでなくとも患者の強い希望があれば、「マアいいでしょう」と拒否しきれない場合も出てきます。
本来の救急患者(と言っても退院後再入院の場合は救急車でなく家族の送迎中心)は、前もって並ぶ余地がないので大挙押し掛けて並んでいる人がいるとこの人たちが事実上優先権を確保してしまいます。
公共施設・・コミュニテイセンターなどの利用申し込みで団体枠とフリー枠を別に設けないと半年〜1年前から予定の決まっている団体が1年先まで全部申込んでしまうので、一般市民がふらっと、ピンポンやテニスなどしたいと思って立ち寄ってもいつも予約済みで利用できないのと同じです。
検査機器の感度と的中率が問題になっていますが、陽性を見落とすリスクよりも陰性を間違って陽性という結果にして念のため丁寧対応しておいて悪いことはないという方向になりがちです。
パニック状況に押されて行う全量検査の場合、本来の機器精度が低い問題だけでなく、擬似陽性を皆陽性扱いする問題と言っても良いかもしれません。
大事を取る分には問題がないという日常の姿勢が医療関係者の気持ちに染み込んでいるので、いわゆる濃厚・過剰診療の問題が競合してきます。
この倫理観というか保身術自体は医療システムのキャパに余裕あるときには合理的ですが、大災害等で一時的に医療施設不足が起きた時点では、悪しき倫理になります。
事故や脳梗塞等で救急で運ばれて来る人あるいは退院後自宅で療養中の人の容体悪化で再入院する人は救急車でなくマイカーでの入院が多いですが、いずれも寸刻を争う本当に緊急治療必要な人たちです。こういう人と、大事をとって三sの吸入しますか?と医師が仕方なしにやる場合が一緒に並べば、医師は本当に緊急性のある方を優先するでしょうが、先に病床を埋めてしまっていると、病室を追い出したり始めたばかりの酸素吸入機を外す勇気まではないでしょう。
昨日紹介した韓国の記事
「・・もともと疾患を持つ高齢者らが自宅で亡くなるケースも続出している。
という報道はまさにコロナ型以外のその地域で日常的に一定率で発生している救急患者等の一般病人が行き場を失って、そのまま自宅で息を引きとることになっている状態・いわゆる医療崩壊現象が出ているようです。
交通事故や脳血栓その他緊急治療すれば助かる人がせっかく救急車に乗っても引き受ける病院がなくなれば落命することになります。
こういうことによる死亡者は新型コロナウイルスによる致死者に含まれませんが、新型コロナ型ウイルスが検出されると重症者限定せずにドシドシ入院させることによる被害です。
コロナ型ウイルス騒動の収束後に、コロナ型ウイルスの出た死亡者に限定せずにその時期の人口比の死亡率がその前後で上がり平均寿命が下がったかなど疫学的統計で国・地域ごとの成績を決めるのが合理的です。
以下によると大邱周辺で医療崩壊が起きているだけで韓国全体平均すると感染率が日本と大差ないという主張か?が出ています。
東北大震災が日本全体で起きていないから問題がないというような意見かな?

井戸端会議・瓦版

2020-03-13
新型コロナウイルス(covid-19)への対応で「積極的な『PCR 検査』の実施」をした韓国で医療崩壊が発生しました。ただ、それはテグ(大邱)での話あり、韓国全土で医療崩壊が起きたのではありません。
しかし、大阪市(人口274万人)や名古屋市(人口232万人)と同規模を人口を持つ都市で医療崩壊が起きたのです。この点は「問題ない」とは言えないでしょう。
「人口100万人あたりの死者数」で見ると、韓国・テグ(大邱)の深刻度が浮き彫りになる

グラフと筆者の解説は明日の引用とします。

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