昨年は米国の金利上げ局面で世界中の新興国市場からの資金引き上げが進み(韓国市場は新興国市場に分類されます)ましたが、今年に入って米国の金利引き上げが止まり逆に下げる方向になってきたので新興国市場の相場が、昨年実力以上に下がった割安感から ・資金の戻りが始まっていますので、日系金融機関の資金引き上げにはびくともしない?かも知れません。
韓国にとっても経済混乱なしに日本の存在が縮小するのは願ってもないことでしょうから相互にウインウインの関係です。
お隣だからと関係が深くなり過ぎていたのですから、今後は都会の近所づきあい程度に止めるのが合理的です。
日本の対韓国与信残高の対外与信に占める比率は以下の通りです。
昨日https://www.financepensionrealestate.work/entry/2019/08/01/210027引用続きです。
以下の数値は「BIS国際与信統計の日本分集計結果」として日本銀行が集計したものです。2019年3月基準となります。
BIS国際与信統計(所在地ベース)>
韓国向け 29,867百万米ドル
全世界向け 3,546,626百万米ドル
韓国向け与信は全体の0.8%であり、邦銀の全世界向け与信に比較して韓国向けの割合は小さいと言えます。
最終リスクベースでも、韓国向け与信は全体の1.3%であり、邦銀の全世界向け与信に比較して韓国向けの割合は小さいと言えます。
上記によると、昨日見たように韓国市場では日本の対韓与信シェアーは14%ですが、日本の対外与信比率の1%に満たないので、韓国で金融危機騒ぎが起きて債権の目減り・・損害率は0、何%前後しかないことになります。
金融危機があっても資産価値が100%ゼロになるのではなく、一定期間ぐずつくことと、ある程度回収率が下がるだけのことですから、0、何%たらずの資金が滞留しても日本金融界に与える影響は微々たるもの・業績の集計誤差程度となりそうです。
まして昨日見た中央日報記事によると、みずほ銀行も三菱も「1年前に比べて」約1割づつ貸付を縮小中の様子ですから、BIS3月発表数字は前年末?集計結果とすれば足元中央日報集計とかなりの誤差がある可能性がありますので、現在ではさらに比率が小さくなっているはずです。
上記は与信であって、日本市場での韓国系社債(サムライ債)発行残高の統計ではありませんが、韓国のデフォルト危機が迫る前に日本としては少しでも金融および株式や社債保有のシェアーを落としておく必要があります。
日本での韓国企業債発行は与信の定義に入らないのでしょうが、反日不買の影響で日本現地企業の縮小・撤収が相次げば、日系企業向け現地通貨供給の必要性が薄れます。
円建債(サムライ債)の場合、購入者のほとんどが日本人ですから今の日韓関係を前提にすればデフォルト可能性の有無にかかわらず、早く手仕舞いしたい人がほとんどでしょう。
借換債の発行に別の日本人が応じると期待して準備していたハンファや受託証券会社の読み?は誤算だったようです。
日韓国交によって日本の行った援助は全く無視、過去の約束事は全部無視・・社債は一旦買えば終わり、「あとは借りた方が何をしようと勝手だ」という韓国流の仁義のないのやり方・仁義を守らなければどうなる?という態度に対する日本人個人投資家の示した態度です。
日本人は韓国人のように口角泡を飛ばして口汚く罵りしったり不買運動のような表面だったことはしませんが、内心の怒りが民族意思としてこういう形で現れてきたようです。
ハンファは米国で起債すると発表していますが、あと数ヶ月しかなくてそんな芸当ができるのか(数ヶ月前から日本でダメな場合に備えて平行準備してきたのでしょうが・・)不思議ですが、うまく行くように日本人としては祈るしかありません。
この年末にいきなりデフォルトされると日本人投資家も大被害ですが、冒頭に書いたように新興国市場は今年に入って外資の戻りで一息ついている状態ですので韓国も何とか年を越せるでしょう。
サムライ債が細切れに満期のくる都度、米英資本が借換債を引き受けてくれて少しでも日本の対韓債権残高を減らして行き、韓国のデフォルト騒ぎを数年先送りできれば、日本の被害率がかなり下がります。
日系金融機関貸し付け残高はこの後で紹介するように日銀統計で出ますが、サムライ債発行残高については検索しても何故かネットでは出ません。
銀行はプロですから、貸した焦げ付きリスクはプロとして甘受すべきリスクの一種ですが、社債は個人・素人の年金生活者等がが証券会社の勧誘で買うものですから個人被害が大きくなります。
サムライ債の発行残高がいくらあるのかいつ頃満期が来るのか知りたいところです。
残高がいくらあろうとも社債満期次第ですから、満期ピークがいつごろか?ということでしょうか?
ハンファのサムライ債発行中止を報道する中央日報の記事では、以下の通り来年末まで償還期限のくる残高を部分的に紹介していますので参考にしてください。
https://japanese.joins.com/JArticle/257983からの再々引用です。
サムライ債は韓国企業がドルを安く手に入れることができる補完材の役割をしてきた。米国の金利引き上げでドル建て債券金利とドル相場が同時に沸き上がった昨年下半期が代表的だ。昨年6月から産業銀行、輸出入銀行、現代キャピタル、KTの4社が合計2420億円分のサムライ債を発行した。韓国石油公社(700億円)と大韓航空(300億円)も加わり今年1~2月に大規模資金調達に成功した。
専門家らは韓日関係悪化によりサムライ債発行市場の雰囲気が沈めば企業がこうした利子費用削減効果を享受するのが難しくなるとみている。今年末までに償還するサムライ債規模は950億円だ。
上記を見ると中国が香港の自由市場を利用して資本調達してきたのと同じ構図で日本市場は、韓国が割安で資本調達してきた便利な市場であったことがわかります。
今年末期限だけで950億円もあるというのですから、この全部が日本での借り換え債発行断念に追い込まれる場合、米英資本がこの穴埋めに応じてくれるかが年末の勝負どころです。
年末の勝負というより数ヶ月前に起債可能性がわかるでしょうから、現場では既に見通しがついている時期です。
先進国市場での調達が困難となれば自国市場ですが、冒頭紹介したように新興国全般としては昨年急激に資金逃避が始まった反動で今年に入って資金の戻り基調が鮮明ですのでそれほどの切迫感はないでしょうが、個別的には企業の成長度合いに左右されます。