暫定的隔離の必要性2(岩田氏の豪華クルーズ船対応批判1)

話がそれましたが、社会防衛の必要性から一定の合理的疑念があれば、検査に必要な期間の拘束(ゆるい隔離)も許されるという法律ができても憲法違反ではないでしょう。
隣で咳をすれば、嫌な顔をして席を移ったり避けるだけなら社会問題ですみますが、精神病や法定伝染病の場合強制隔離する点で国家強制になるのでその折り合いが難しいところです。
今回のクルーズ船対応でも、感染しているか不明の人(潜伏期間とされる2週間経過まで)を下船させない政府対応を非難していた専門家やメデイアが主流?・・批判論が具体的でなく外国で評判が悪いというだけだったようですが、すでに書いた様に日本は入国を認める前に検査をしていただけで、入国後法的根拠なく拘束していたのではありません。
何事も批判さえすれば解決できるものではありません。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-02-19/Q5XSCEDWLU6Q01

2020年2月19日 18:17 JST
「船内な悲惨な状態」と国内専門家
国内の専門家からも批判
船内の感染拡大防止に向けた政府の対応については、日本国内の感染症対策の専門家からも疑問の声が上がっている。
神戸大学の岩田健太郎教授(感染治療学)は医療従事者らへの二次感染を防ぐ管理が不十分だったと18日に公開した動画の中で批判。専門家の視点から見ると「超非常識なことを平気でやっている」と述べた。
厚生労働省は14日間の健康観察を終えたとして症状がなく、陰性が確認された乗客の下船を認め、19日は約500人が下船。共同通信によると、下船した乗客はバスで横浜駅など複数のターミナル駅に移動、帰宅の途に就いた。感染者と同室だった人などは、健康観察期間が継続する。

日本メデイアはNHK初め先ずは、政府批判・・いかにブザマな対応かの材料探し一色だったのかな?
日本では上記のような引用を見るだけでは、何が批判されているかの事実指摘がなく抽象的批判ばかりで、NHKやライブドアーを見ても以下のとおり何が後手なのかの具体的事実記載がなく誰それが批判しているという誹謗中傷に類する引用だけの記事です。
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/31092.html

政府の対応が「後手」に回ったと、国内外から厳しい批判にさらされている。
クルーズ船で何が起きていたのか。政府関係者や専門家に取材した。

https://news.livedoor.com/article/detail/17832997/

海外の複数のメディアが日本政府のクルーズ船対応を痛烈に批判している
一連の報道からは、日本政府に対する不信感が伝わってくると筆者は綴った
危機管理能力のない政府の対応に乗客や乗務員も苦しんでいるという
今、アメリカのメディアは、こんな見出しで、ダイヤモンド・プリンセス号の感染の惨状を報じている。
日本政府にはいったい危機管理能力があるのだろうか? アメリカのメディアはそんな疑問を抱いているに違いない。彼らの報道からは、日本政府に対する不信感がありありと伝わってくる。

と、いかにも日本政府のブザマな対応といわんかのような政府批判を海外報道引用の形式で日本のメデイアは散々批判してきました。
しかし後講釈は誰でもできると言われますが、批判論を見る限り日本政府はどうすべきであったという後講釈さえ紹介がないまま、国外批判があるという根拠だけでメデイアは煽りに煽っている様子です。
こんな主張方式が許されるならば、メデイア界でタッグを組み、1社が根拠ない批判をすると他社が、X社でこう言う批判がしていると大々的に報道し、これをさらに他社が報じる連鎖で世界世論?なっていく仕組みになります。
これを狙ったのが韓国による慰安婦騒動の手口でした。
朝日新聞の検証委員会報告書は、朝日新聞を引用したメデイアの数は少ないという証拠に基づいて責任はそれほど重くないかのような結論だった記憶(正確な記憶ないので誤解のないように読者の方でご確認お願い)ですが、お互い順次引用して行けば良いので噂の大モトの直接引用数を問題にすること自体、当初から朝日の責任を小さく見せようとする調査方法であったとの批判がありうるでしょう。
批判論の大元として報道されている上記岩田氏が誰かの説得を受けてブログか?ツイッターを消してしまったので本当にどういう不手際があったのか不明でしたが、約1ヶ月後のインタビュー?記事が出ていることが分かりましたので「見出し」につられてクルーズ船の何が問題だったかを知りたくて読んで見ました。
読むとクルーズ船のことはお義理にちょっと(具体論がなく)触れるのみで?全般的に抑制されているというか、当たり障りのない意見中心で何が問題であり約1ヶ月経過して時点で彼の批判が正しかったと言えるかの論証が一切ありません。
メデイア界としては、「クルーズ船対応が失敗だった」と既成事実化したい意図が先走って以下の見出しになったのでしょうか。
https://toyokeizai.net/articles/-/335971?page=7

岩田健太郎「非科学的なコロナ対策が危ない」
クルーズ船の失敗を繰り返してはならない  2020/03/12 5:30
クルーズ船での対応は失敗した
――日本政府は3月9日から、中国と韓国からの入国者に対する入国制限を強化し、2週間の検疫を開始しました。
流行している国からの入国を拒むというのは現段階でも有効だ。ただ、流行していない地域や、流行が終わりつつある地域からの入国も拒むのは有効性としてどうかと思う。現段階では、対象の国や地域に合理的な整合性がとれているのか、それとも政治的な思惑で入国制限が決まっているかが不明確だ。

表題「クルーズ船の失敗を繰り返してはならない」は、クルーズ船対策失敗論の説明ではなく、自分のした批判がメデイア界で流布したので、それの立証をする必要がないと既成事実化した上で?さらにこういう不手際があるという上乗せ主張のようです。

新型コロナウイルス対応の巧拙13(民度2)

緊急事態宣言改正に反対する意見が別のネット記事では出ていますが、山尾氏がこういう主張を本音で持っているとしても国会でするのは無理があるから正面に出ないのでしょうか。
https://kosugihara.exblog.jp/i3/

【要請書】参議院議員へ:「新型インフル特措法」改定案に賛成しないでください!
※3月12日深夜に参議院議員の一部にFAXした要請書です。
安倍首相の強権を拡大する
「新型インフル等対策特措法」改定案に「賛成」しないでください!
安倍政権による危険な「緊急事態宣言」に道を開く「新型インフルエンザ等対策特措法」改定案が、3月12日の衆議院本会議で共産党以外の賛成多数で可決されました。

集団自衛権法案や共謀罪法案では特定勢力による「安倍政権による〇〇反対」運動が盛んだった記憶(正確か不明)ですが、安倍政権だから法案の内容の当否にかかわらず反対するというならば、相手が気に食わなければ内容いかんにかかわらず反対するというならば、国会制度が成り立ちませんので国会の存在意義を否定する政党となります。
そういう集団に限って護憲勢力とも言いますが、憲法破壊運動ではないでしょうか?
以上の通り山尾氏の論旨は執行部の説明失敗に対する揚げ足取り批判に過ぎないことが明らかですが、これを輝かしい功績のように詳しい議論を掲載している・・担当記者や編集部としては「スゴイ!」と感心したので詳細をあげたのでしょうか?
今のところ私が見たところ(検索能力不足な面もありますが)ではネットでは朝日新聞ニュースだけのようです。
3月13日仕事に行く前に読んだ13日日経新聞朝刊には単に「山尾氏が反対」という程度のニュース(紙媒体なので発言自体の記載不能のせいもあって?)です。
日本の場合、緊急事態宣言したからといって1昨日紹介したようにイベント中止要請や指示に応じない企業に対する罰則すらありません。
私権制限の危機感を煽るより「緊急に必要なことは緊急にやれる」ように先ずはハードルを下げるべきではないでしょうか?
米国では感染が広がり始めると直ぐに非常事態宣言したようですし、その場合の大統領令の強権措置発動も簡単なようですが、日本と比べて憲法秩序停止のハードルが高くないようです。
https://www.tv-tokyo.co.jp/news/txn/2020/03/14/010096.html
2020.03.14 11:00

新型コロナでアメリカ非常事態宣言
アメリカのトランプ大統領は13日、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していることを受け、国家非常事態を宣言しました。
フィリッピンでは集会禁止に反して抵抗者がいたら現場射殺しても良いと命令しているようです。

https://www.afpbb.com/articles/-/3276841

封鎖中に問題起こす者は「射殺」を、比大統領が発言
2020年4月2日 19:01

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00118/040800011/

ルール破れば射殺に殴打、禁錮刑 「緊急事態」めぐるアジアの現実
2020年4月9日
射殺も辞さないフィリピン、棒で国民を打つインド
安倍晋三首相は4月7日、7都府県に対して緊急事態宣言を出した。同日の記者会見では「(人の接触の)7割から8割削減を目指し外出自粛をお願いする」と求めつつ「今回の緊急事態宣言は、海外で見られるような都市封鎖、ロックダウンを行うものではまったくない」「罰則があるようなものではない」「警察が取り締まるということはない」と、あくまで国民の自主的な行動変容を求めるものであることを強調した。
対照的なのはインドネシアだ。同日、インドネシア政府は首都ジャカルタの州知事が求めていた行動制限措置について政府が承認した。こちらは制限を破った人に対し罰則がつく可能性が極めて高い。現地報道によれば、インドネシアの与党幹部は「抑止効果を持たせるため、治安部隊が活動できるようにしなければならない」と話し、国家災害対策庁の長官も違反者に制裁を科すことを明らかにしている。
東南アジアや南アジアの多くの国は、日本よりも感染者数が少ない段階から既に国全体や一部地域、施設の封鎖に乗り出している。その制限内容については様々だが、軍や警察が規制の徹底に乗り出していることや、違反者に何らかの罰則がつく点は共通している

死刑廃止する代わり?現場射殺をどんどんやっても社会が問題視しない欧米諸国のあり方とどこか共通です。
日本の場合宣言自体が簡単にできない上に、宣言しても対策本部などを立ち上げるだけで実際の具体策は地方自治体首長が行う仕組みで実効性が緩慢です。
その上で私権制限のやりすぎにならないか、緊急事態宣言が正当であったとしても経済損失に対する正当な補償をどうやって確保するか、私権制限が許されるとしてもやりすぎの部分がなかったかの後日検証(将来のための知見になるように)システム構築等のについての議論が必要ではないでしょうか?

新型コロナウイルス対応の巧拙12(民族の知恵)

日韓の場合中国から観光客が大量に来ているし経済的にも密接な関係がある関係で早く大量感染が始まりましたが、早かった分試行錯誤的対応になったのは仕方ないところです。
後追いで日本の真似をしてさらに工夫できる他国(後進国の場合基礎的な医療資源の乏しさもあるでしょうが)・・サースやマースの洗礼を受けていない点では日本は欧米先進国同様の初体験でのコロナ禍遭遇状態でしたが、未経験者同士とすれば、欧米諸国に比べて破壊的拡大にならずに済んでいる点では、最優秀対応だったという評価になりそうです。
日本はまだ収束とは言えないまでも欧米諸国のような大規模膨張を抑えていますので医療対応能力内で推移している・・きわどいとは言え、徳俵で踏みとどまったいわば理想的な対応です。
日本が急激なウイルス拡散リスクの押さえ込みにある程度成功?しているのは、これはもともとの医療システム充実と国民の協力・・民度の高さが功を奏したものであるともいえるでしょう。
山尾氏の緊急事態宣言要件の国会事前承認要求は、この程度のことは緊急事態でなかった・日本の民度から見て事実上の協力要請で足りる、米国やフランスのような民度の低い国?(エリートはレベルが高いでしょうが・・国民の大多数は底辺層です)とは違うので、緊急事態宣言は不要という意見ならば、私から見ても正論(当否は別として一応の論点です)ですので、それを堂々と主張すべきでしょう。
ただその後の展開を見ると緊急事態宣言がないと自粛要請の自粛レベルが不明となり混乱するので緊急事態を求める声が強くなることがわかってきました。
私の関係するある委員会でも、(規模の小さな委員会ですので3月は予定通り開催しましたが)4月に緊急事態宣言が出た直後ほぼ異論なく予定していた期日を開かないで先送り決定しましたが、5月6日に緊急事態宣言が延長されれば5月の委員会も議論の幅がなく延期するか?・・緊急事態宣言が終了し「気を緩めることなく外出しないように協力ください」程度だと、再度開催延期か議論が分かれるイメージで進行に関する議論が4月末頃から意見集約が進みました。
混乱時には百家争鳴・・いろんな意見が出ますが、本当の具体的データを知って意見を言っているのか、どれが正しいかも不明では、国民はどの意見に従うのが良いかの基準不明で混乱します。
臨床現場にも近く、感染症対策の専門家の知見を総合した政府の緊急事態宣言には相応の重みがあります。
これといった強制力がなくとも、専門家の英知を結集した結論である以上、これを尊重する基準になりますので、緊急事態宣言があるかないかでは、各自治体や公的機関・これを尊重する民間や国民の行動基準が大きく変わります。
諸外国のように罰則付外出禁止令がついているかどうかではなく、日本では納得が重要です。
国民の信頼に比例して政府の基本方針決断には慎重さが求められる社会です。
中国は武漢や北京等の閉鎖に厳重装備の軍が要所要所に展開していましたし、アメリカでは洪水など大規模災害がある都度軍が出動して治安確保にあたるのが普通の社会です。
日本の場合大規模災害があって中央の指令が切断されるとミミズのように地元民が自発的に一致団結して共同活動が始まる社会ですから、中央から軍の出動必要がありません。
中央の集落統制は明治以来の百数十年余りでしかない・・歴史的に見てほんの一時的なもの・・縄文以来の何千年の自然集落の伝統が残っていて、いつでも必要に応じて縄文の昔からの自然集落運営の本能が復活する社会です。
政府が民族の危機に際して一致団結する必要を理解し国民にお願いさえすれば見事な対応能力を持っているのです。
休校措置の要請を発表した時の総理大臣の記者会見発言一部です。
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0229kaiken.html

令和2年2月29日
安倍内閣総理大臣記者会見
・・・・
今回のウイルスについては、いまだ未知の部分がたくさんあります。よく見えない、よく分からない敵との闘いは容易なものではありません。率直に申し上げて、政府の力だけでこの闘いに勝利を収めることはできません。最終的な終息に向けては、医療機関、御家庭、企業、自治体を始め、一人一人の国民の皆さんの御理解と御協力が欠かせません。
皆さんの暮らしに直結する決断には、当然、様々な御意見、御批判が伴います。内閣総理大臣として、そうした声に真摯に耳を傾けるべきは当然です。しかし、それでもなお内閣総理大臣として国民の命と暮らしを守る。その大きな責任を果たすため、これからも先頭に立って、為すべきことは決断していく。その決意であります。
終息への道のりは予断を許しません。険しく厳しい闘いが続いていく。そのことも覚悟しなければなりません。本当に大変な御苦労を国民の皆様にはおかけしますが、改めてお一人お一人の御協力を、深く深くお願いする次第であります。しかし、私たちは必ず乗り越えることができる。そう確信しています。・・・・

昭和天皇の敗戦時の「忍び難きを忍び耐え難きをたえ・」の心打つ詔勅の再現です。
国民同胞の一致団結を求めた点が重要であったと考えています。
日本人にも、何でも反対の材料を探す人もいますが、国民多くが正面から素直に受け止めて国難対応する能力の高さ・・見えない敵ウイルスの侵攻を防ぎ克服に成功しつつあると言えるでしょう。
山尾氏の議論のパターンは従来の野党行動の延長のように見えます。
本来議論すべきことを議論しないで、揚げ足取り的議論で自己満足している・「どうだ頭いいでしょう」という誇示になりますが、こういう繰り返しを喝采しているようではその政党から民意がどんどん離れます。
野党には高学歴者が多い所以です。

緊急時対応法令(流言飛語1)

新型コロナ特効薬がまだない・・科学的に不明・・大災害の最中=真相不明のパニック時に・トイレットペーパー不足のような流言飛語が飛び交うのと似ている状態です。
・・関東大震災時に不逞鮮人が何をするかしれないという噂が広がったと言われる・事実かどうか不明ですが・・この一種でした。
メデイアは、流言飛語を慎むべきという強化宣伝する役割を果たす一方で、「自分の方だけは格別の扱い」としてお得意の政治批判のチャンスとばかりに精出します。
政府が何か決めると一波万波の波及効果が起きるので、相応の準備がいることをホテルでの受け入れに関連して説明してきましたが、これを無視して決断が遅すぎると批判し、ある程度の準備をして政権が決断すると今度は準備不足でその被害を受ける方の手当がお粗末だ、遅すぎると批判します。
政権批判のできない中国の場合、自画自賛・・「独裁政権の方がうまくやれたお手本だ」これがこれから求められる政治体制と自慢し国際標準化を露骨に主張し始めました。
緊急時には平時のルールそのままでは動きが取れないのは明らかですが、新薬承認手続き一つとっても治験作業に数年かかる手順を踏んでいるのでは緊急時に間に合わないのは明白ですしこの種のことは無限にありますが、いわゆるPC主張の行き過ぎで政府要人も医学界あるいは医薬品業界〜厚労省も怖くて思い切った決断が何もできない弱点が表面化しています。
政権が想定外のコロナ災害に対応するために新機軸で対応しようとすると、官僚組織はに既存法令の運用枠内でどこまでできるかの作業が先に立つ・もともと既存法令制定時の目的の枠を超えた運用を求めるものである以上は、既存の法令の従来解釈では無理な運用の要求になるのが原則です。
慎重な手続き枠を突き破った思い切った策の必要性ですので、概ね抵触するに決まっているので、こういう具合に捻ればなんとかなりますという知恵にある官僚のひねり出しに頼るしかないのが現実です。
そいう場合運用の微修正が限度ですので抜本的大胆な施策を展開するのは無理があります。
こういう矛盾というか、日本の硬直性がイラク特措法やソマリア特措法(正確な記憶がないのでうろ覚えの命名です)その他でいつも元の基本法の目的変更を主目的にしながらも元の法律と矛盾しないように特措法で処理するので、特措法の使い勝手が悪いのが原則です。
国外派兵反対の野党の主張に押されて、危険地域に行かないという変な縛りをつけたソマリア派遣だったかで、緊迫事態があったかなかったか?と言う、枝葉末節?の国会追求が延々と続き当時の稲田防衛相の辞任につながりました。
本来軍を派遣する必要があるのは、危険だからであって物見遊山に行ったのではありません。
こういう馬鹿げた議論にうつつを抜かすしかない国会の現状は憂うべきです。
自衛隊派遣必要性を認めるかどうかは「人命を賭しても国際協調する必要があるかどうかの判断」が本来でしたが、国外派兵は憲法の平和主義精神違反という教条主義論に負けてこういう変な海外派兵法が成立するしかなかったのです。
イラク派兵も自衛隊自体が攻撃されないと近くにいる多国籍軍の防衛に協力できないなどの不都合が指摘されていましたし、直近ではイランとサウジ(バックの米国)間の緊迫によるオマーン沖シーレーン確保のための米国主導の国際共同歩調では海賊対策の法律の流用?による特措法?での自衛隊艦船派遣のために海賊でないイラン政府軍の正式な攻撃があった場合どう対応できるかの基本が詰められないママの船出でした。
教条主義的主張がなぜ現実無視の力を持つか不明ですが、選挙結果によると野党の支持率は微々たるものなのに憲法論になると野党の影響力が支持率以上に強いのは、憲法学者や、これを大規模宣伝するメデイア界の政治的立場の偏りが原因でないかという主張は、結果から見ると合っているのかも知れません。
今回の新型肺炎・・いわゆる超国難に際しても、抜本的法令改正や非常時の憲法停止が諸外国のようにできないので、解釈変更しか打つ手がない後日の国家賠償や責任者の民事・刑事責任追及が待っている仕組みでは誰も思い切った手(法改正さえも憲法違反で後日追求され個人責任追求が怖く)を打てません。
たとえば輸血製剤事件で刑事処罰請求を受けた関連省庁や学者は怖くて治験手続き簡略化承認・・新薬に手を出せない状況らしいです。
今回の緊急事態を宣言しても、要請しかできないし、要請対象すら政令?か規則等で厳しく縛られている・・補償が前提になるのは憲法秩序一時停止を前提しないことから、何をするにも憲法違反・国家賠償等の恐れ検討が先に立つからです。
諸外国の果断な施策に比べて安倍政権は・という批判的メデイア論調が多いですが、一方で緊急時の憲法一時停止の憲法改正反対の野党支持の立場がかなりはっきりしていますので、ただ現政権の対応能力不足を滲ませ、それとなく安倍政権の迷走ぶりを浮き彫りにする戦略のように見えます。
上記の通り憲法制約を厳しく主張しながら諸外国のような果敢な政策断行を求める矛盾を隠してメデイアが政権の迷走イメージを膨らませるのは、一種の流言飛語の類ではないかの疑問で書いています。
トランプ氏はコロナ感染が米国で拡大始めると真っ先に(3月19日)戦時下発言をして昨年から続く対中対決の延長図式に持ち込み、戦争時は国防の必要があれば民間企業に対して特定品の生産命令できるという古い法律を引っ張り出してGMに医療機器緊急生産を命じました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57369910Y0A320C2000000/

トランプ氏、GMに人工呼吸器生産命令 国防生産法適用
2020/3/28 1:21 (2020/3/28 6:42更新)
トランプ氏は18日、呼吸器やマスクなど新型コロナへの対応に必要な医療品を確保するため、1950年の朝鮮戦争下に成立した国防生産法を発動した。ただ実際に企業に具体的な命令を出すのはためらっていた。

トランプ氏は選挙対策もあって?国内対決棚上げ・・いつも標的の必要なアメリカ的発想で3月19日には戦時下発言をして昨年から続く米中経済対決を格上げして対中悪感情をそれとなく煽ってきました。
上記マスク等を中国に頼っている状態は危険が大きいアッピールの他に・経営苦境にあるGM救済・製造業国内回帰にもつながるというアッピールの一環でしょう。

新型コロナウイルス対応の巧拙11

新型コロナウイルスとわかっても、今のところ治療法がわかっていないので、熱が出れば解熱剤、咳や痰が出ればその対処、呼吸困難の症状が出てから対症療法的に酸素吸入等の対応をするようですから、腎臓であれ癌患者であれ死期が近づき入院患者が呼吸困難になれば全員検査で前もって病名がわかっていても集中治療室その他の対処法がほとんど変わりません。
ただし3月18日日経新聞夕刊3pによれば、中国政府が17日日本の富士フィルム系企業のアビガンについて武漢での臨床研究の結果、効果を確認したと発表したとのニュースが出ています。
(日本の富士フィルム系企業のアビガンを武漢で200人に投与したところ、投与しなかったグループより早く陰性になったという成果らしいです)
今後治療薬がどんどん出てくるでしょうが、今まで不明だったということです。
事前検査で判明後の対症療法でも重症化を防ぎ回復できる場合があるとすれば人口比死亡率が日本より下がっているはずですが、3月末に東京で急激に拡大するまでは死亡者数が日本より人口比6、8倍になっていたし、現在でも死亡者数で日本の2倍、人口比で4倍以上のままになっている点をどう見るかの疑問です。
韓国は感染拡大による国民パニックを受けて大規模クラスターになった南東部大邱市周辺地域の全量検査を進め国民向けに日本より検査体制が進んでいると自画自賛していたようですが、中国が武漢住民1100万を閉じ込めて成功したと自慢しているのを誰も相手にしないのと同じ宣伝イメージです。
韓国は大邱周辺地域を閉鎖しないでなんとか落ち着いているだけでも、民度レベルが中国より成熟してきたことを証明したことになります。
3月6〜8日前後?大邱市地域周辺での新規感染者数が減ってきたので全量検査の成果だと韓国は自慢したいようですが、全量検査結果というより元々この種のインフルにある数週間経過・・一定期間経過で落ち着いてきたパターンのように思えます。
暴威を振るった?イタリアの感染拡大の勢いが4月第二週くらいから上昇率低下に向かうの予想が3月末頃から出ていましたが、現在なんとなく前日比現在凸凹状態に入ってきたようで今やスペインの感染増加数がイタリアを追い越す様相を示しているようです。
これらの観測は政府施策が効果をあげたのではなく、一定周期で収まる循環に入ったということではないでしょうか。
ある地域に一定率蔓延すれば、免疫者が増えるので自然収束するし、治療薬開発成功前にいつもピークが収束するのがこれまでの経験則・・一般的理解です。
大邱市での大量発生は2月18〜9日頃のニュースでしたから、3月上旬頃にピークを打ったとしても(検査してもしなくとも)通常のパターンでしょう。
政策の巧拙はピークの波をいかに低く抑えるかにあるというべきです。アメリカの場合、3月中旬頃から感染が急増してあっという間に拡大し1日に2000人を超える死亡数ですが、それでも新規感染数が下がってきてピークを打ちそうな観測が出ています。
4月9日の日経新聞夕刊1面には、

「死者、米で1日最多2000人」

という見出しで内容は、

ジョン・ホプキンズ大の集計によると40万人超と最大の感染者を抱える米国では深刻な状況が続く。7日に1日あたり1939人死亡。ニューヨーク州では1日で死者779名。「同州の入院患者は586名と4日連続で1000名を大きく下回った」
と、ピークを打ちそうな気配を報道しています。
2週間前に入院した患者が多く症状が改善せず死に至ったケースが多いとみられる

https://www.msn.com/ja-jp/news/coronavirus/

産経新聞  2020/04/09 17:10
新型コロナ、nyのウイルスは中国ではなく欧州由来か-研究チーム/ar-BB12mX25
ニューヨーク州では3月1日に初めて感染が確認されたが、研究チームは、数週間前2月中旬までにニューヨーク市内で感染が広まっていた可能性があると指摘
米トランプ政権は1月31日に中国からの入国制限措置を発表。大半の欧州諸国からの入国制限を表明したのは3月11日で、こうした措置は手遅れだった可能性が出てきている。

上記のように米国で拡大が始まったのは3月でした。
世界中の政府がイベント禁止など国民に多大な負担を求める感染症対策を何のためにしているかといえば、感染して医療感受診する人でも8割が軽症/普通の風邪ひき程度と言われているので実はそれほど大騒ぎする必要のないものですから、大騒ぎしているのは重症者や死者をへらす目的と急膨張の場合医療崩壊を招くからではないでしょうか?
感染しても無症状の人が多いと言われますので、そういう人を減らす直接の必要はありませんが高齢者等に感染させるリスクあるので無症状感染者が少ない方が良いので大騒ぎしていることになるのでしょうか。
この考え方からすれば、感染者数の急拡大が始まって3週間前後で沈静化始まるのは一定地域に限れば放っておいてもこのような周期パターンのようですから対策成功でなく、急拡大→医療崩壊させないで済んだかが、問われるべきではないでしょうか?
例えば約3週間でピークを打ちその後2〜3週間で徐々に新規感染者数が減っていく(ピークから約1ヶ月半前後で収束)とした場合、医療崩壊するとほぼ同期間でも従来型一般病人も医師や医療機器不足で満足な治療を受けられないことによる寿命の大幅低下という社会的大損害に見舞われます。
川の水も平均して流れると恵の水ですが、半年分一度に流れると大洪水被害になります。
したがって医療崩壊にならないように、新型コロナウイルス感染を急拡大させない秩序ある蔓延・管理できたかどうかこそが、対新型コロナ政策の成否を決する基準ではないでしょうか。
新型感染症自体は中国であれどこかで一旦爆発的に発生した以上は、経済文化その他の国際交流の盛んな現在、ウイルスを全面撃退あるいは、全く感染しないで終わらせるのは不可能ですから民族的にいち早く一定の免疫力をつけることが民族生き残りの知恵です。
中南米が民族絶滅に近い打撃を受けたのはスペイン人が残虐だっただけでなく、西欧人によって持ち込まれた病原菌に対する体制がなかったからと言われます。
未知のウイルスの侵入を全面的に防ぐのに成功することは滅多にないし、仮に撃退成功しても日本だけ免疫がないのは長期的にリスクが大きいので、緩やかに受け入れて民族として抗体・・抵抗力を徐々につけて爆発的蔓延を防ぐことが重要です。

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