マスコミと学者の役割2

中国へ自分が出張して現地調査研究しないで、中国経済の現況を専門家として語る資格があるのか?
アジア諸国へ出張して中韓と対立すると本当に日本が孤立するのか・集団自衛権の閣議決定に対して、アジア諸国が本当に脅威を感じているのか、逆に歓迎している国はどこかなど何の実態調査もしないで、議論をするのって、学者の意見ではなく、私が思いつきで書いているこのコラムと大差ないように思えます。
そんな手抜き仕事で専門の学者が勤まるのかが疑問です。
中国は自由な国ではないから実態調査に行けないとしても、自分で行けないなら中国人の調査研究があるのにそれすら何故利用しないか?
実態調査しないで政府発表統計だけ対象にした意見を書く・・・そんな怠慢なことで「学問の自由」を主張する学者・研究者の誇りが保てますか?と言う疑問です。
政府発表統計の解説する・・あるいはマスコミに気に入られる意見ばかり発表する学者ならば、学問の自由はいらないのではないでしょうか?
それとも中国各地の実態報告を利用研究していて、中国の実態を知っている学者はマスコミから声がかからないから一般人が知るチャンスが少ないだけでしょうか?
そうとすれば、マスコミの偏向性・・一定方向の意見しか乗せない体質こそが糾弾されるべきです。
中韓政府発表と社会実態の矛盾を追及または併記しないで、政府発表どおり国民に広報し続けるマスコミが「報道の自由があるから、報道批判を許さない」と言う意見に対する疑問と同じです。
日本政府発表ならば大方反対することが多いのに、中韓政府発表に限って何故そのとおり報道し続けるかの疑問です。
まして「中韓の言うとおりにしないとアジアで孤立する」と言う中韓の主張は政治判断ですから、これをそのまま国内で強調するのは、統計発表をそのまま報道・紹介するのとは性質が違います。
5月連休中に訪米した安倍総理が米議会で厚遇されたことに対して、旧敵国を厚遇するなと国力をあげての反対活動をしていた中韓政府は困りきっていますが、5月24日の日経新聞朝刊2面・社説の横に大きな囲み記事で遂に以下の記事が出ました。
いわく、米議会の上下両院での演説が戦後初めて旧敵国の日本に許したことをこれまで大騒ぎしていたが、実は小泉総理のときもチャンスがあった・・実は大したことではないと言う趣旨を言いたいらしい内幕的記事が大きく出ています。
小泉氏は大統領との会談の方を優先したからだ・・・如何にも小泉はブッシュと仲良かったが、安倍氏はオバマと個人的親密関係が出来ていないと言いたいような批判記事です。
10年も過ぎた今になってこんな内幕が仮に真実としても・裏でこんなことがあったと言う歴史の「イフ」など書いても、誰も検証出来ません。
この段階で検証不能な内幕を何のために大手マスコミが大きな紙面を割いて書く必要があるのか?です。
火災事故等の大事件報道はありのまま、急いで報道すべきでタイミング目的・意図は原則としていりません。
韓国が安倍総理の議会演説実現に大反対運動しているときに、「そんなに騒ぐ必要がない・大したことではないですよ!」と報道したならば分りますが・・実現が不可避となった頃には、韓国に歩調を合わせて、「どのように反省の弁を述べるかが重要」と同調的雰囲気の意見を乗せていましたが、安倍総理がこれと言った謝罪もなしに成功してしまったあとで、10年ほど前の「小泉総理にも演説の可能性があった」と言う検証不能な内幕報道を、何の目的でしているのかこそが重要です。
これを何の気なしに読むと「安倍訪米は大したことがなかったのかな?」と印象を受けますので、安倍訪米成果の火消し目的が1つの大きな目的だったと想定されますが、これ以外に我が国のために何を伝えたいのかよく分りません。
良く言えば、「日本人が有頂天になるな」と言う自戒のために書いたのでしょうか?
報道タイミングと報道意図を考えると、宮沢訪韓に向けた(でっち上げの)慰安婦報道の過熱ぶりは、朝日新聞慰安婦ねつ造事件第三者委員会でも取り上げられています。
吉田調書ねつ造報道も、韓国セウオール号事件で船長以下が真っ先に逃げたことで、大騒ぎの最中に朝日新聞が、イキナリ福島原発事故時の現場所長であった吉田調書のでっち上げ報道をブッツケて、(福島原発事故時の従業員の持ち場から逃亡したかのような虚偽事件をでっち上げて)大ニュースにして大騒ぎした結果、日本も従業員が先に逃げるのだと言う雰囲気にして韓国の大騒ぎの沈静化に成功したことを思い出します。

マスコミと学者の役割1

昨日紹介した唐成氏の論文では、政府発表統計だけではなく中国国内での研究者によるいろんな地方での実態調査報告書が引用されていますので、中国でも政府発表(これは地方政府報告の積み上げらしいですが・・)だけではない現地調査報告・・フィールドワークしている研究者がいることが分ります。
中国にはいろんな研究者がいるようですからバカには出来ませんが、マスコミは何故政府発表しか報道しないのかふしぎです。
・・うっかり報道するとその人に迷惑がかかるなら、匿名報道も可能です・・元々中国の経済実態の報道は、(研究論文ではないので)誰がどうしたかと言うことではなく、現地レポ程度・・景況感報道では、元々そこまで書く必要がありません。
自分で見て来ることや入手した業界統計資料・・(誰に貰ったかまで書く必要がないでしょう)からみて、この業界はかなり苦しいなどの抽象的意見程度はいくらでも報道出来ます。
明日紹介するインフラ卒業論(内容がなくて「論」と言えませんが)も学者名で発表していますが、何の根拠出典も示していません。
中国の実態や意見に付いては、独裁国家と言う理由で?判で押したような意見しか日本では報道されないのですが、実際には現地で実地調査に従事している地道な研究者が多くいることが分りましたから、中国や韓国を侮るのは危険です。
中韓の歴史認識等の画一的主張ばかり報道されると「北朝鮮は気違い国家」と言う意識が過去に定着したような、風潮が中韓に対しても浸透しつつあります。
交渉相手が複合的社会であること知らないでバカにしてかかると対応を間違ってしまう・失敗する確率が高まるので、画一的報道パターナリズムの害(ヘイトスピーチも同様で画一認識に誘導する危険)は大きいのです。
韓国の場合も判で押したような反日の意見しか報道しませんが、(いくら何でも韓国でもいろんな意見・・歴史関係の学者もいるし調査研究がある筈ですから)もしかしたら日本マスコミが自分で選択して画一的意見しか報道していないだけかも知れません。
何故マスコミは反日一色の意見しか・・別の意見もあるよ!と平行して報道しないのかが謎です。
反日意見一色で報道すれば、「日本人が中韓両国を心から嫌うようになるだろう」と言う深謀深慮・・マスコミ人は真から中韓を嫌っているので、徹底的に日本人が中韓を嫌うように仕向けたいのでしょうか?
それとも、日本を理解する意見は、中韓両国内には皆無だから、日本は中国や韓国に理解を求める・・話し合い解決は無理だ・・諦めて相手の言うとおりにするしかないと言う世論誘導を目指しているのでしょうか?
中韓では国民みんな(気違いかどうかは別として)凝り固まっている以上は、何を話しても無駄だ、言うとおりにしないと対立しか残らない・・中韓と対立=アジアで孤立すると言う宣伝とこの主張は一体化しています。
ただし、アジアで孤立すると言うマスコミ主張は、アジア諸国の意向調査もなしに、これを全く無視していて(中国国内の調査研究資料を全く使わないのと同じです)不思議な宣伝です。
画一的報道の目的は、日本が中韓を相手にしない方が良いとも、相手にしないと大変だとも、どちらにも(善意にも反日意図にも)解釈出来ますが、ソモソモマスコミは圧倒的な宣伝能力を利用して(複雑な相手を紹介しないで)一定方向に世論誘導することが許されるのでしょうか?
他方で、学者・エコノミストがいろんな意見があることを、何故紹介しないのでしょうか?
昨日紹介した論文内で引用の学者・研究者の報告書を読めば、政府発表とはまるで違う中国各地の産業実態が分る筈です。
日本の経済学者は政府発表だけを前提に中国経済を論じないで、これら実態調査を参照した意見を何故書かないのか、不思議と言うか怠慢過ぎる印象を持つのは私だけでしょうか?
もっと欲を言えば、ソモソモ実態調査しないで何故アジアで孤立するとか軍国主義化の疑念を晴らす必要があるなどと一方的な意見を発表出来るのかが疑問です。

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