原発は過疎地中心に立地していて、1カ所でも停止が命じられると、全国原発は同じ基準で操業していることから、重大影響を及ぼします。
却って独断的傾向のある人は過疎地ではなく、大規模庁で監督の効く「部長に栄転」させた方が良いのではないでしょうか?
神奈川県の踏切事故でも千葉県の電車が遅れるように現在社会はネットワーク社会ですから、ゲリラ対象は首都中枢部である必要がありません。
異物混入を群馬の末端工場の非正規雇用者が起こしても、企業が大損害を受けることが知られています。
あるいはベネッセの情報漏洩事故も同じです。
従来のように5〜6%くらいの不良従業員・・その程度の電車事故率くらい仕方がないと言える時代ではありません。
司法権文字孤立を減らず外事故が起きたときのバックアップ体制がないとどうなるのででしょうか?
過去の裁判が間違っていたことが分っても責任をとらない仕組みですから、結果的に国家=国民が賠償することになるのでしょうか?
再審無罪等では、国家賠償しています。
無罪者に対する金銭賠償は国家の命運を揺るがすほどの損害ではないので、一定率で交通事故が起きる程度の予想されたミス・許容範囲です。
原子力発電所そのものを許さない・・発電所や製鉄所等基幹産業に対する生産停止命令等の仮処分が続いた場合・・特定地域に留まらず日本全体の国力が疲弊して行きます。
数十年後にその仮処分が間違いだったとなった場合、その間に地域経済を疲弊させてしまったり国際競争力に大きな差を付けられてしまった国家規模の大損失を引き起こした場合・・その責任を誰がとるのか?
・・国家の大損失を次世代に残しておいて、次世代に借金を残す・・国家賠償するのでは漫画です。
このように考えると数年後に別の判断が出てからでは取り返しのつかないような重大事件では、軽易な手続による仮処分では決められないとする制度設計にするか、あるいは異議申し立てがあれば、別の合議体で審理して場合によっては迅速に効力停止出来る制度設計の検討が必要でしょう。
従来この区別・・断行仮処分を認めるかの区別は裁判官の裁量(建物撤去など実害のお大きい事件では滅多に認めないなど)・・謙抑性の期待で行なわれてきました。
実際には断行の仮処分は充分な審尋をしていますが、法的には重厚な本案訴訟とはちがう仮の決定ですし、結果が出るのが早いです。
金銭支払以外の事件(原発を含めて・・建物撤去その他)では、むしろ仮の執行力を決めてしまう弊害の方が大きいように思えます。
仮処分制度が必要な場合があると思いますので、類型別一律禁止ではなくイザとなればブレーキをかけられるような制度が必要です。
自信過剰裁判官が一人でも出ると大規模な影響が出る・・人格の信用に頼り緊急ブレーキのない制度では民族的リスクが大き過ぎます。
・・クルマ運転中の突発的病気による危険運転防止のために、自動運転・・自動制御システム開発が期待されるようになったのと同じで何らかのブレーキ装着が必要です。
その前提として司法が政治に介入することが許されるかの大きなテーマがありますが、これは3審制の結果砂川事件最高裁判決のように・最近で破壊誤責任判決のように最後には、是正されて行くのが期待されます。
過疎地の仮処分には、即時効が出るためにこの是正効が働き難いのが難点です。