マスコミの信用失墜21(情報寡占の崩壊3)

データ・情報をマスコミが一定の思想方向へ誘導するために加工・取捨選択する結果、報道の信頼がなくなるのも、中共政府のように独裁権力による情報統制による国民の信頼喪失も結果は同じです。
誰が加工しようとも、特定の立場に都合の悪い事実が隠蔽されているのだろうという不信感が生じている点は同じです。
マスコミによってあるいは政府によって加工されずに事実・情報はありのまま正確・公平に行き渡ることが信頼社会・・ひいては落ち着いた民主主義社会を基礎付ける重要なインフラと言うべきです。
以前から繰り返し書いているように(米軍占領時に米軍の都合の良いことを報道して都合の悪い米兵の事件等は塗りつぶして来たように)真の中立はあり得ないので、いろんな立場による報道を自由にして報道機関も自己の立場を明らかにして、その立場による取捨選択をしている結果として報道する方が公平です。
中立を装う以上は、客観情報提供をしている信頼によってのみ存在価値が認められるマスコミが、自ら特定立場に立つ取捨選択をし続けて来たことによって国民を裏切り続けて来た結果、発信情報の価値を(疑われるようになって)台無しにして来た罪が大きいと反省して欲しいところです。
特定秘密保護法や集団自衛権問題について、ムード的反対を煽るばかりで具体的な外国事例のデータ紹介がない点を2014/03/13「特定秘密保護法11(適性テスト1)」まで批判してきました。
特定秘密保護法案が国会を通過(成立)したのに対して、マスコミは政府批判一色ですが、他人の批判よりは、マスコミ自身がこれまで偏頗報道を繰り返して来たことによって、国民の支持・・信頼をなくして来た実績こそをマスコミ界は真摯に反省すべきでしょう。
尖閣諸島問題で中国の酔っぱらいが海上保安庁の船に体当たりして来た映像公開に関して、マスコミが受け付けそうもないと彼が判断して・・もしもマスコミに持って行っていけば握りつぶされていたでしょう・・ユーチーブに直接持ち込み掲載したということらしいです。
勿論このときは民主党政権であり、マスコミ論調は例外なく秘密漏洩に関する彼の責任追及論ばかりで、こんな重要なことを隠蔽している政府の方がおかしいという意見はほぼ皆無だったと記憶しています。
今や国益として何を開示し何を秘密にすべきかに関して、多くの国民の価値観とマスコミの価値判断がずれている・・国民の多くがマスコミをまるで信用していない実態が如実に現れています。
少年と分った場合で、氏名公表しないまでも大事件の場合には事件背景の追跡調査をするのが一般的であるように、アンネの日記損傷事件は日本の国際的評判を落とす国家的大事件として報道されていたのですから、精神障害の疑い程度(無罪になるほどの精神障害とも分っていないのに)で直ちに報道が皆無になるのは異常過ぎます。
マスコミの報道姿勢を国民が信用しなくなっているときに、特定秘密保護法が出来るとマスコミが正常な取材が出来なくなる・・国民の知る権利が侵されるという切り口では、マスコミの法案批判論に国民がついて行きません。
国民の知る権利は、マスコミの偏頗報道によってとっくに侵されていると国民が怒っていることを理解していないのです。
マスコミ界一致の大キャンペインにもかかわらず直後の世論調査(この質問表自体に安倍政権が如何に危険かを訴える傾向がありました)では安倍政権支持率に変動がなかったことをマスコミは反省すべきでしょう。
特定秘密保護法の成立直後の世論調査の結果は、マスコミが信用をなくしつつ現状をあますところなく表しています。
安倍政権の消長は右傾化支持か否かではなく、経済政策の成否にかかっています。
巨額貿易赤字の定着→経常収支の赤字が続くようになると、大胆な金融緩和→円安だけではどうにもならないのではないかと言う心配が頭をもたげてきました。
プラザ合意以降長期に及ぶ円高で製造業だけではなく各分野での海外脱出が継続的に行なわれて来たので、円安になったからと言ってイキナリ製造拠点の国内回帰が進む訳ではありません。

マスコミの信用失墜20(アンネの日記損傷)

ある図書館で書籍の一部が引きちぎられていたのが分ったとしても、多くの図書館での被害共通性があって初めて事件性があるのであって、自分のところで分ったら直ぐその時点で記者会見して発表する性質の事件ではありません。
開架式図書の場合、館員が毎日本をめくってどこか破れていないかを調べている訳ではないので、マスコミ取材で調べてみたら損傷されていたのが分った図書館も多くあったことでしょう。
これら報道に対して、犯人が中韓の回し者・・日本の国際的孤立を計るための日本人成り済ましとマスコミが連携しているのではないかと言うネット批判が当初からありました。
真相を早く知りたいと願っていた人が多いと思いますが、30代男性犯人が検挙され当初は自白しているという報道でしたが、精神障害っぽいということを理由にそれっきり報道から姿を消してしまいました。
あれだけ国際的波紋を呼んだ・・あるいは呼ぶように大々的にマスコミが報道していたのに対して在日系による日本孤立目的行動ではないかと言う疑いが提起されていたのですから、国民が最も知りたい情報が隠蔽されたままです。
犯人が中国系や韓国系であるとかないとか報道すること自体が、ヘイトスピーチを煽るからいけないと言う立場もあるでしょうが、これまで書いているようにアメリカでは、何か事件があると何系人という報道が普通です。
欧米基準を好むマスコミが、中韓に限って何故彼らが犯罪行為すると彼らを保護しなっくてはいけないというのか疑問です。
それを許していると中国人が日本に来て日本を孤立させるために欧米の嫌う事件を日本でドンドン起こさせれば良いことになります。
日本の右翼やヤクザの大半が韓国系であることを主張している人が多くいます。
彼らが右翼を名乗って、韓国人や中国人迫害するフリをすると日本がやっていることにされてしまう危険があります。
せっかく犯人が捕まったのに何故実名報道をしないのか・あるいは当然行なわれるべき背景調査報道すらぱたりとやんでしまったのか不思議に思う人が多いでしょう。
少年事件では実名報道しないことになっていますが、その代わり少年と言う説明がついていますし、アンネ日記事件では精神障害の疑いが濃いから報道をやめたとして一件落着にしないで、事件背景等の掘り下げが必要な気がします。
心神喪失中の行為=無罪と決まっておらず、せいぜい精神障害の可能性があると言うだけです。
事件の緻密な計画性から言って、無罪になるような心神喪失状態下での連続行為とは到底思えないような印象ですが、無罪でなかったらまた報道するのでしょうか?
少年事件でも世間を騒がせた事件の場合、背景事情を掘り下げて報道するのが普通です。
逮捕されて犯人が分かると何もかもイキナリ全く報道しなくなったので、却って犯人が在日系だったからではないかとの憶測が巷を跋扈し易い状況です。
尖閣諸島での漁船体当たり事件の映像を民主党政権が隠していたことが国益に反していたと思う人が多いように、アンネ日記損傷事件をあれだけ騒いでいたのに、犯人が捕まるとイキナリ報道をしなくなるのは不自然ですから、きっちりと結末まで報道すべきです。
精神障害者かもしれないとしても、それと背景調査の必要性は別ですから事件背景を含めてイキナリ報道しなくなったことに対する相応の説明があってしかるべきです。
秋葉原殺傷事件や大阪の池田小学校の殺傷事件も普通でない・・精神障害の疑いのある事件でしたが、相応の報道が続き社会分析が行なわれていました。
アンネの日記事件ではあれだけ国際的に日本国際評判を落とす方向で報道が過熱していたのに、犯人が捕まった途端にマスコミ全部がイキナリだんまりでは右翼ならずとも不思議に思う人が増えるでしょう。
今までの騒ぎ方とは違い過ぎるではないか・・在日系のやらせ犯罪ではないかと言う右翼系ネット批判(思い込みが多いとしても・・)に耐えられない印象を抱く人が増えるのではないでしょうか?
このようにマスコミが(右翼から見ると日本に都合の悪いことばかり海外発信して在日等に都合の悪いことを隠したがるマスコミという批判に答える)客観報道をしないから、結果的にいらぬ憶測を増幅させてヘイトスピーチや在日批判の基を作って拡大させているような印象です。
公教育が自己改革出来ずに私塾の繁盛を批判しているようなものです。

マスコミの信用失墜19(情報寡占の崩壊2)

中韓が困っているときに逆に大成功していると宣伝し、アメリカが日本に対する非人道行為をしたことを隠蔽するために日本がやってもいないことを、米国が世界に宣伝し中韓に協力を求める・・,内政の失敗を隠すために中韓もこれを利用することで相互にメリットを得る・・スクラムを組んでいます。
これが米中韓の主張する戦後秩序です。
日本を何でも悪玉に仕立て上げる戦後秩序維持は、米中韓にとって国内不満をそらすための要石になっています。
戦後日本マスコミは、米軍占領時代に米軍の検閲を受けて唯々諾々と従って来た習慣から独立後も抜け出せずに、これまで米中韓の主張そのまま、国内報道して来たようです。
この延長線上で、米中韓両国を実態以上に持ち上げる報道姿勢(地上の楽園と賞讃されていた北朝鮮の実態は今や明らかですし、・・数千〜5000万人が餓死していたのに大躍進政策の大成功報道・・文化大革命の賛美・・毛沢東語録の賛美・・韓流に対する過剰賛美報道等々)に連なっています。
これらは全て国民の草の根の交流が進んで大手マスコミ経由以外の情報が伝わるようになって来ると、マスコミが宣伝していたアメリカの虚像が早くから剥がされてきましたし、中韓両国の実態もネット媒体の発達で暴露されるようになりました。
今になっても大手マスコミは米中韓に都合の悪いことを隠して良いこと尽くめの報道ばかりをしているので、信用をなくし始めました。
この偏った傾向をネットで批判されても改めないので『おかしいな』と思う国民が増えて来てきて、暴力団幹部氏名の公表事例で言えば、NHK報道直後に英文原文の翻訳がネット報道される時代です。
御陰で私もこれを利用して1月4日にこのコラムで掲載しましたが、一見中立っぽいマスコミの実質的虚偽性がネットによって直ぐに暴露されるようになってきました。
マスコミがデータを加工せずに真実をそのまま伝える本来の使命に戻らない・自覚しないままですと、国民がその反動で実態以上に悪い想像・・それぞれの立場で非合理な想像を逞しく増幅するしかなくなります。
ヘイトスピーチがいけないのは当然ですが、・・デマ報道がいけないと言う抽象的批判以前に、こう言う現象はどう言う社会で起きるかと言う視点の検証こそが必要です。
・・情報不足社会・・例えば大災害時に通信が途絶すると民主国家でも流言蜚語が出回り易いことからして、不信社会でこそ発達するという基本原則に立ち返ることが肝要です。
福島原発被害直後に、せっかく巨額予算を組んで準備していたスピーデイの情報開示が迅速にされなかったことで、避難箇所指定が不合理決定されていたことが問題になっています。
民主党政権は中国漁船の体当たり情報を敢えて隠していたし原発事故時の緊急情報も伏せていたことから、同政党が秘密保護法反対と主張しても説得力がありません。
マスコミ自身が戦前(大本営発表)戦後(占領軍に協力し、その後は米中韓に都合の良い情報)を通じて情報を加工して不正確な情報を意図的に流し続けて来た結果、国民の信頼を失いアングラ的情報の方が信用されてしまう時代が始まっています。
この因果関係(自己改善努力)を無視してヘイトスピーチまがい発信や、デマ報道を批判しても根本解決にはなりません。
この因果関係(客観報道に徹すると言う自己改善努力)を無視してヘイトスピーチまがい発信や、デマ報道を批判しても根本解決にはなりません。
最近では、図書館にあるアンネの日記に対する連続破棄損傷事件が大きく報道されていましたが、犯人が捕まった途端にマスコミ報道が消えてしました。
安倍政権をナチスになぞらえる中韓政府の主張が起きると直ぐにこう言う事件が発生し、マスコミは中韓主張に呼応して(日本右傾化の象徴と)日本で大変な事件が起きていると大騒ぎして海外発信していました。
そもそも大規模災害や傷害・殺人等の事件ではないので、事件があってから動くのではなくマスコミが自発的(あるいはこんな事件が起きているから調べて見なさいというたれ込みがあって)丹念にあちこちの図書館に取材して歩かないとそう言う事件があちこちで起きていること自体が、自動的に大々的社会的関心を呼ぶことがありません。

マスコミの信用失墜18(情報寡占の崩壊1)

2014/03/07「マスコミの信用失墜17と特定秘密保護法5」から特定秘密保護法関連に話がそれていましたが、マスコミ問題に戻ります。
米英の世界規模でのマスコミ支配・・情報管理がネットの普及によって崩壊し始めるだろうと以前から書いてきましたが、この効果が最も劇的に現れたのが日本でした。
日本は世界で最も識字率が高い(文字が読めるという最低能力ではなく、自分で文字化して発信する能力が高い)のでネットの影響力が最も高く出易いのです。
ネットの効用発揮能力から見ても、これまでのマスコミのでっち上げ発信による虚像支配からネットで多数のいろんな意見・客観データを元にした議論を戦わせて行く時代が来ると、正しいことをこつこつと実践している日本が正当に評価される時代が来ることは間違いがないでしょう。
今後数百年単位で世界で尊敬を受け、リーダーシップを発揮出来るのは、日本人になる可能性が高いと予想出来ます。
戦後テレビを中心とするマス支配の時代には、ぼんやりした受け身の視聴者相手でしたので、民度の低い国民相手にマスコミによる一方的宣伝の効果が高かった・・いわゆる洗脳教育が簡単な時代でした。
これを利用した米英が世界のマスコミ界を支配し・・これに我が国マスコミが支配されていたし、これに乗っかった中韓の反日宣伝が威力を持っていたのです。
ネットの普及で米英ひいてはこれを悪用し悪乗りする中韓両政府寄りの報道に徹して来た日本マスコミの信用が大幅に低下したのはその先触れと言うべきでしょう。
特定秘密保護法案が国会に上程されたのに対する、マスコミによる「知る権利・反対論」ナチス同様という中韓並みの宣伝が裏付け・国民支持を欠いていて勢いがありませんでした。
このチャンスを活かした安倍政権の政策選択能力・作戦勝ちと言うところです。
話を戻しますと、今までのマスコミはアメリカによる反日政策の意を受けて中韓両国に関しては特別扱いしてきました。
その一環として中韓に都合の悪いことは一切報道しない姿勢に徹していましたし、中国の大躍進の大成功に始まって紅衛兵運動・文化大革命という文化破壊活動でさえ美化して報じていました。
今でも中韓の虚偽報道・・威勢のいい政府発表ばかり報道していて、各種統計発表のいい加減さについても一切報道しないのが彼らマスコミの姿勢です。
彼らマスコミ人の基本スタンスは、アメリカに都合の悪いことは一切報道しない・・ひいてはアメリカのお先棒担ぎ/代弁をしている中韓に都合悪いことも一切報道しないという自己規制です。
これが1月4日のブログに掲載したご本尊のアメリカ政府が発表しているのに、ヤクザ幹部の韓国人氏名を伏せて報道する姿勢に現れています。
中国や韓国の実態を現地で見て来た人が不都合な真実を報告してもマスコミが相手にしない状態が続いていたのですが、相手にされなくとも個人的に黙々とデータ取材をして頑張って来た孤高の経済人・ジャーナリスト等が今やネットを通じて自由に発表出来るようになったので漸く実態情報が国民に伝わる状況になってきました。
マスコミの姿勢を善意に解釈すると国民は愚昧なものであるから、(マスコミ人だけ一般人よりも何故優秀と誤解しているのか不明ですが・・)むやみに事実をありのまま公表すると民族差別を助長するのではないかと、心配して中韓に対するマイナス評価に連なる報道は何もかも隠す社内ドクトリンがあるかのようです。
中国や韓国では泥棒が身を守るために、自分からその場にいた人を泥棒扱いして大騒ぎしてその間に逃げてしまう社会だと言われていますが、昨今の中韓両政府の日本に対する口汚い主張はそのまま自分のことを言っているような印象を受けるのはこうした歴史によります。
嘘でも何でもその場で大声で叫んでいる方が勝つと言う変な道徳社会で来た経験から、これを世界大に拡大して宣伝しています。
日本のマスコミはこれをそのまま報じて「日本が世界で孤立しているから早く中韓の言うとおりにした方が良い」としきりに国民の洗脳に努めている状態に見えます。

特定秘密保護法6

人工衛星・・戦闘機等の兵器技術・原子力等の高度技術や政治指導者等政府要人などをテロから守るためには、特定秘密に限定して法で守るべき・・特定秘密漏洩罪を設けるべきだと言う点に関して、国民コンセンサスがあると言えると思いますが、如何でしょうか?
今どき国民主権だから国民が全部知る権利がある→結果的に全て世界中に伝播して良いと言う粗い立論に賛成する人の方が少ないと思います。
期間に関しても試験問題は終了後直ぐに開示すべきですが、原子力や戦闘機の設計図等は、40年経っても稼働中の原子炉があるし、同型の別の原子炉が後まだ30年以上も稼働予定であるなどの場合、特定原子炉を廃炉したからその図面はどうなっても良いとは言えません。
そもそも、詳細な技術情報まで国民が知らなくとも、一般知識として普及している程度まで簡略化した情報開示程度で、民主的議論が出来るのではないでしょうか?
どの程度までの開示なら一定水準の技術者が誰でも知っているから国防やテロ対策のために秘密にする必要がないどうかも、その道のプロでないと分りません。
一定レベル以上の人は既に知っているから、公開してもテロの対象にならないし、国防上問題がないというレベルの概略図程度の公開で民主的チェックには充分です。
放射能濃度や汚染水漏れ等外形事実や、現在復旧がどうなっているか、その見通しの合理性等の大雑把な組織図/略図/コスト計算等の外形的事実の公開程度で足り、その程度で自由な議論・・民主的チェック出来るのではないでしょうか?
自由な議論をするためとしても、ナマの詳細設計図や計算書をそのまま開示する必要がないと思います。
一般の住宅建築で言えば、購入予定者が間取り・レイアウト等とその関連のコストを知らないと購入して良いかどうかの話になりませんが、タワーマンションの構造計算書や鉄骨量等の詳細計算書を見なくとも商談は出来ます。
地盤調査をした場合、調査した結果を示してくれれば良くて、その分析資料の実験の詳細まで・・如何に正しく実験したかその実験のやり方が現在科学水準に適しているかなど説明されても素人には分りません。
むしろ膨大な原資料を(計算式・・どのコンピューター利用だから計算が正しいという根拠・・コンピューターの性能比較など実験して見せられて)何十時間も説明されるといらだつのではないでしょうか?
ロケットや原子力施設その他高度技術の設計図書その他は、専門家の間でだけ開示すれば科学の発展に資することになりますが、詳細設計図書自体を一般国民が見ないと原子力発電やロケット事業を推進すべきか否かの民主的議論が出来ない訳ではありません。
国民が知りたいのは長年の経過・・どの程度のコストがかかっていてどの程度成功しそのことが日本の将来にどう言うメリットがあるのかなどの外形事実です。
戦闘機購入の是非について、国会や国民は予算額とこれに関連する従来機との性能比較の議論をする場合も、新型機の方が航続距離が長いとかスピードが速いとかの結果等に関心があるのであって、何故航続距離が長くなっているのかについても簡略な説明で満足するのが普通です。
説明の根拠である設計図やスパコンでしか出来ないような超複雑な計算書や使用部品の材質まで見ないと(検証するための専門家にはそこまで必要としても)議論出来ないことはありません。
国会が特別なテーマについて知りたい場合には、国会の特別委員会所属議員だけには、(秘密保持義務を定めた上で)詳細図面を開示してインカメラ審議するとかいろんな方法があります。
しかし、インカメラ論は観念論であって、専門家ではない国会議員(仮に若い頃理工系の仕事をしたことがあっても専門分野が分かれているので、分野外のことでは素人と変わりませんし,20年前の経験では技術は日進月歩ですから)が細部にわたるトラック何台分もある資料を見ても検証できる訳ではなく、こうした資料の開示は時間の無駄でしょう。
微細なこと・・計算が合っているのかなどのチェックは専門家に委ねて国会議員はもっと高所からの議論をすべきです。
各分野ごとに民主的議論に必要な範囲でどこまで開示するかは、モノゴトの程度に合わせて個別に決めるべきです。
この決め方は・・分野別専門家(ロケットや原子力やサイバーテロや新型ウイルス対策等それぞれのプロ)の意見に従って議論すべきことです。
科学技術の素人集団である国会が多様な専門分野の詳細図書を見て、どこまでがちょっと優秀な大学生レベルでも作れる技術であるか、まだ公開するには危険かを決めるのは無理があります。
仮に政治家にその能力があっても、全ての分野で詳細にまで目を通すとなれば肝腎の政治をするヒマがなくなってしまいます。
何もかも詳細に至るまで国会で決めないとナチス政治だというのは、論理飛躍があります。

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