アンケート調査などしなくとも自分の意見を言いたければ、総会で反対意見を述べれば良いのかも知れませんが、繰り返し書くようにムラ社会的人間関係のある集団内で、政治論で面と向かって反対論を展開するのは難しいものです。
一応派閥があれば、その代表として演説をぶつ分にはその派閥が少数であっても割に気楽です。
派閥や政党がこう言う必要から出来て来たのであって、複数政党があってこそ本来の民主主義社会と言える根拠がそこにあります。
1党独裁・・エリートなのだから臆することなく集団をバックにしなくとも個人が堂々と反対意見を言えば良いという形式論では、結果的にいつも全会一致になってしまう共産主義国家で蔓延していた弊害を見ると明らかです。
自分個人意見として主張するのは気が引けるが、あるグループ代表として言う分には「あの人は代表としてして言っているのだから、個人的な恨みっこなし」と言うことでしこりが残らずに後で談笑出来る暗黙の了解があります。
ただ個人でも自分から立ち上がって反対論までは展開しないものの、質問が回って来れば「敢えて言えば反対」とか「賛成」とか言う程度の表明の場合、意思表示の障壁が低くなります。
まして、投票の秘密があれば更に意思表示が簡単です。
投票の秘密は閉鎖的人間関係濃密社会でこそ、重要な制度です。
派閥のない地方単位会では、出身委員会の取り扱うテーマと関係のないテーマに関しては、支持基盤ゼロみたいなところがあって、委員会から上がって来た結論に抵抗するには自己の信念だけ(知り合いに意見を聞くなど個人的感触)を頼りに、一般会員も執行部も孤立して戦うしかない傾向があります。
とりわけ政治的問題はセンシブルですから、しこりを残したくないためにバックアップする集団がない限り大方の個人はひるんでしまい、事なかれ主義で同調・・黙認してしまう傾向になります。
ある町内会で放射性廃棄物保管地になるのに反対署名を集めようと言う人がいて、回覧で署名簿を回したところ、町内人口の3分の1程度しか集まりませんでした。
(政治的効果としてみれば、3分1も集まったと言う人もいるでしょう・・反対者が3割もいるので、市として拒否すると言うか、7割が反対していない→賛成していると見るかの違いです。)
この結果を見れば分るように「我が市に持ってくるなんてとんでもないことだ」と息巻いている人の目の前で「そうかな?」と思っている人がかなりいたことが推定されますが、提案者の目の前で(反対に)反対するのは難しかったことがわかります。
これが複数以上の政党や派閥があって、複数の議論を戦わせてくれれば、一般会員がそのどちらが良いかの投票程度は簡単ですし、アンケートに答え易くなります。
弁護士会こそ、会内の大方の意向を知るために個別テーマごとに・・双方から論者をたてた討論会を開いたりあるいはワンイシューでアンケートをとり、またはネット投票等で意向調査する実益が(判断のよりどころのない)執行部にとって大きいと思われます。
会員数が少ない上に事務所があるので(一般家庭人相手と違い、通信関係はリアルタイムに近くなります)、ファクス、メール等で1〜2週間内に緊急意見を募れば良いことです・・。
アンケートは単純に「◯◯法案反対か否か」の◯×方式で反対の場合、「会の名で反対活動すること」に賛成か否か◯×方式で回答を求めれば簡単です。
選挙と違って拘束力がありませんが、(執行部がこれをどう解釈して行動するかは別です・・)執行部が知り合いにちょこっと意見を打診する程度よりは、裾野が広く有用でしょう。
当面は単なる一般会員意向確認手段に過ぎませんから、厳格な多数意見かどうかまで要求せずに執行部の判断材料とする程度で先ず始めれば良いと思われます。