移民願望と受け入れ国減少(韓国9)

昨日引用した井出 弘毅論文紹介続きです。
2000年台に入って、韓国の国際的地位向上によって住みよくなったからか?移民排出が減ってきて逆に一旦移出した人の還流がふえてきているという紹介です。
ネット上飛び交っている「韓国は終わった」系の噂と違い、上記論文は国家統計データ(住民登録数など)を引用しているので正確でしょう。
韓国はもうダメだというネット記事が溢れていますが、ネットやメデイアの煽りだけで反応していると間違うかな?と心配です。
韓国では安倍政権が危機に瀕しているので、嫌韓感情を煽っているという報道があり、何を言ってるのだ!「盗人たけだけしい」と不快感を持つ人が多いでしょうが、お互い変な煽り報道が出回りすぎているのかもしれません。
ただし、上記論文は12年3月であり、引用できるデータは最新でも2年以上前でしょうから、この4〜5年の韓国経済の流れを反映していませんから、出回っているネット記事と矛盾するとも言い切れきれません。
(国勢調査は日本では5年に一回ですし、その集計結果が公表されるのはさらに2年ほど後です・・韓国の17年2月の大卒就職結果が18年末に公表されているのを見てもわかるでしょう)
ネットはこの4〜5年のアップツーデートなほぼリアル的データに基づいているし、研究者の論文は2010年頃までのデータでリーマンショック以降中国の台頭〜チャイナプラスワンの動きが始まってからの韓国経済低迷が視野に入っていない違いでしょうか?
いつも書く事ですが、学者は過去を学ぶ人であって、過去数十年の動きから将来を知るには有用ですが、発表〜半年前のデータを10日前に公表されたデータをもとにする意見はネットが最も早いのです。
この後で紹介する韓国の今年1〜3月のGDPマイナス統計を見てすぐ反応するのがネット報道です・・要は早いのです。
ただし、韓国人の国外脱出願望も韓国の統計あるいは世論調査によるものでしょうし、この実態はずっと前から出ていたものです。
この願望の強さと移民減少の矛盾関係を何故かこの論文は見ずして、韓国経済の好調による自信回復→移民減少という単線的結論を書くのでは、素人目にもおかしく思われます。
自信回復によって移民が減少したならば、そもそも移民願望・国外脱出熱が同率でしぼむのが普通で・現状維持〜増えるわけがないでしょう。
しかも内心の願望の強さだけではなく、実際の英語勉強熱の激しさ(夫を残して母子で留学する?雁家族問題を見ても)と移民出国の減少と移民願望の強さががなぜ同時的に起きているのかについて相応の検討をしないで、移民減少とUターン帰国する数の増加について自国経済に対する自信回復の結果という結論を導けるのでしょうか。
考え方によれば、移民願望・国外脱出熱の調査自体が捏造という論理もあり得ますが、その場合には、そのように検討したことを理由に書くべきでしょう。
移民願望の強さに全く触れないで、自信回復したので移民が減ったと断定するのは無理がないでしょうか?
https://www.excite.co.jp/news/article/Cyzo_201609_203080/

20~30代の「国外脱出願望」は80%超! 韓国の若者たちが海外を目指すワケ
2016年9月9日 22:00
「韓国が嫌で海外に渡る“移民”を計画する20~30代の青年たちが増えている。ウリナラ(韓国)を地獄にたとえた“ヘル朝鮮”と称し、(中略)青年たちが“脱出”を夢見て実行しようとしている」
まるで嫌韓記事のような文章だが、決してそうではない。韓国メディア「世界日報」が報じた内容を、そのまま翻訳したものだ。最近、韓国では若者の国外脱出が社会問題として取り上げられるケースが目立つが、同メディアは、その問題に真正面から切り込んだ形だ。
韓国では、多くの若者が就職活動に必死になっている。しかし、大企業に就職した先輩たちを見ると、40歳になる前に“名誉退職”やクビになることにおびえている。(中略)将来の展望が不透明な韓国より、もっと大きな世界に挑戦するほうがよっぽどいい」
一時期、日本でも注目を浴び、その後、あまり実情が報じられなくなった韓国の大企業だが、若者たちの間では“お先真っ暗”というのが共通認識のようだ。

上記には後に触れる4〜50才台の自殺率が、韓国で最も高い要因も出ています。
30代後半〜40代でリストラに遭うと50代で危機が来ます。
日本で言えば、見たこともない割増退職金・大金を手にして舞い上がって家族揃ってハワイ旅行したり子供にパソコンを買ってやりデイズニーへ行ったりしているうちにお金がなくなった家族の相談に乗ったことがあります。
韓国では退職金元手に飲食業などの自営を始めるのが人生サイクルのようですから、退職金を使い果たして倒産・娘が売春婦にする危機・自殺ピークが50台に来るのでしょう。
(新装開店した居酒屋なども10年もすると時代遅れになり、次のリストラによる新規参入組に負けてしまう時期です)
ロス暴動に関する19年4月27日現在のウイキペデイアの記事からです。

ロサンゼルス暴動(ロサンゼルスぼうどう)とは、1992年4月末から5月頭にかけて、アメリカ合衆国・ロサンゼルスで起きた大規模な暴動。
・・・日本の報道によるロサンゼルス暴動はロドニー・キング事件に対する白人警察官への無罪評決をきっかけとして突如起こったかのような印象を与えることが多かったが、その潜在的要因として、ロサンゼルスにおける人種間の緊張の高まりが挙げられる
・・・韓国人商店街への襲撃
もうひとつの主たる襲撃目標となったのが韓国人商店である。襲撃による被害額の半分弱が韓国人商店のものであるともされる。韓国人商店主らが防衛のために拳銃を水平発射しているシーンも幾度となくテレビにおいて放映された。ちなみに彼ら韓国人店主らの多くはベトナム戦争の帰還兵だった。ベトナム戦争に参加した韓国人帰還兵に米国政府が移住許可を与えたため、70年代に韓国系移民が4倍も増えた。彼らは主に競合相手のいない黒人街で商売を始め、従業員には黒人でなくヒスパニック系を雇い、閉店すると店を厳重にガードし、そそくさと韓国人街へ帰るというスタイルで商売していた。黒人の間では「自分達を差別しながら商売する連中」というイメージが定着し、そうした黒人による日頃からの韓国系への鬱憤が、暴動時の韓国人商店襲撃へと結びついたといわれている[2]。

欧米離れとトルコ危機?3

トルコに関する昨日引用グラフの続きです。
https://diamond.jp/articles/-/1843022018.11.6

2018.11.6

西濵 徹:第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト

トルコ、消費者物価上昇率の推移

アルバイラク財務相は年末までを期限に、民間企業に対して10%の値引きを要請する事実上の強制値引きキャンペーンを発表したが、この効果については未知数なところが多い。
なお、これら以上に懸念されるのが、9月の発表直後に消費者物価上昇率が予想外に上振れしたことを理由に責任者の国家統計機構(TUIK)の副局長が突如更迭され、アルバイラク財務相の腹心とされる人物が後任に当たったとされることである。
仮にこの動きによって物価統計が操作される事態となれば、アルゼンチンのクリスティーナ前政権下で行われたことと同じであり、足下のアルゼンチン経済が置かれている状況をみれば、同じ道を辿るリスクも高まる。

10月の消費者上昇率は以下の通りです。
“https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-11-05/PHPOQB6TTDS201”

2018年11月5日 17:48 JST

10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比25.2%上昇。9月の上昇率は24.5%だった

約25%の物価上昇では、国民はまともな生活を送れません。
企業も投資意欲が減退します。

参考までにアルゼンチンの物価上昇率は以下の通りです。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38927770U8A211C1000000/

アルゼンチン、11月のインフレ率年48% ペースは鈍化 中南米
2018/12/14 5:49
サンパウロ=外山尚之】アルゼンチン政府は13日、11月の消費者物価上昇率が前年同月比48.5%だったと発表した。前月比では3.2%で、単月の上昇率は10月から2ポイント以上下落した。足元の通貨ペソは下落が一段落し小康状態にあり、物価上昇のペースは落ち着きつつある。

結局は自国通貨の大幅下落が原因です。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-08-30/PEA49R6TTDSM01

ペソが最安値更新、アルゼンチン中銀は政策金利を60%に引き上げ
Carolina Millan、Patrick Gillespie、Ignacio Olivera Doll
2018年8月31日 0:24 JST 更新日時 2018年8月31日 7:34 JST
利上げ後もペソの下げ続く-下落率は一時20%に近づく
マクリ大統領は29日にIMFに融資実行の前倒しを要請していた

アルゼンチン中銀が主要政策金利を45%から世界最高水準の60%に引き上げた後も、通貨ペソの下げは続いた。利上げは今月に入り2回目で、通貨下落に歯止めをかけるのが狙いだった。ペソは年初来で50%余り下げている。
Rout Deepens

Argentine peso worst performer versus dollar this year among emerging-market peers
によると対ドル下落率の大きい国の順位は以下の通りです。

アルゼンチン →  53、9%
トルコ    →  43、5%
ブラジル   →  20、2%
南ア     →  16、1
ロシア    →  15、6%
インド    →   9、7%
チリ     →   9、3%

以下省略

通貨下落率53、9%のアルゼンチンが金利を60%にしないと通貨下落を止められないという実態を見るとトルコもロシアも大変です。

米中対決と周辺国への影響2

今日は昨日から書いてきた論文紹介です。
最初はグラフだけ紹介しようと思ったのですが、前提条件ど知りたい方がいるかもしれないので、検討した前提条件等を抜粋して紹介することにしました。
私の要約では微妙に間違うといけないのでそのままの抜粋ですが、そのために今日は引用が長くなってしまいました。
印象を書くと対決する米中が損をし「揉め事を起こしていると喧嘩している双方が体力を消耗し周囲が得する」ということでしょう。
第一次、第二次世界大戦の当事者になった欧州が力を落とし、第一次世界大戦や朝鮮戦争特需の恩恵を受けた日本を見ればわかります。
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/as181226a.pdf

2018年12月26日
   みずほ総合研究所調査本部 アジア調査部
米中貿易摩擦のアジアへの影響
中国以外のアジアはネットでプラスの影響を享受
○米中貿易摩擦のアジアへの影響について、サプライチェーンを通じたマイナスの影響だけでなく、生産代替を通じたプラスの影響についても、国別かつ業種別に試算
○各国別では、いずれもネットでプラスの影響を受けると試算される、その規模は最大のメリットを受けるベトナムで0.5%程度。ただし、当面はマイナスの影響が先行する可能性
○産業別では、多くの国でPC関連と一般機械にプラスの影響が集中するなかで、ベトナムとカンボジアに関してはカバン・帽子・自転車といった低付加価値産業での生産代替が多くなる可能性
1.米中貿易摩擦によるアジアへの波及は、
マイナスとプラスの二つの経路
・・・・
以上のマイナスとプラスの影響の波及経路について、一定の前提を設定し、アジアの各国・各産業への影響を試算することが本稿の狙いである。
2.現状レベルの貿易摩擦を前提し、アジアの国・産業別に影響を試算
(1)前提条件
a.試算の全体に関する前提
・・・中国の対米輸出については2500億ドル相当、
米国の対中輸出については1100億ドル相当が制裁を受ける対象となっており、この部分について分析する(図表2)。
b.サプライチェーンを通じたマイナスの影響試算に関する前提
・・・・現実には、関税率が上昇しても、通貨の下落や製造・流通業者の利益圧縮によって販売価格への転嫁が抑制されたり、たとえ価格に転嫁されても、最終需要者が価格上昇を甘受して購買を続けたりするケースがありうる。試算を単純化するために「価格弾性値=1」としたが、マイナスの影響を大きくする厳格な前提といえる。
c.生産代替を通じたプラスの影響試算に関する前提
第一に、生産代替を通じたプラスの影響試算に関する前提貿易量の減少と同規模だけ、生産代替が行なわれる(完全代替)と前提する。つまり、米国による追加関税で、中国の対米輸出数量が25%減少する場合、それと同規模の生産が米国の追加関税を回避するために中国から第三国(ないし米国)へ代替されると前提する。
なお、代替率は0~100%の間の値を取りうるため、100%の「完全代替」はプラスの効果を最大にする楽観的な前提である。
第二に、生産代替の行先としては、世界の輸出市場における国・地域別のシェアに応じたものになると前提する。
・・・・この前提は、ADBの先行研究と同じであり・・・・世界シェアが
高い国・地域ほど中国を代替するポテンシャルが大きいと思われる。
(2)試算の手法と範囲、データベース
サプライチェーンを通じたマイナスの影響試算については、OECDの国際産業連関表(ICIO)の最新版(2011年)を用いる・・・・・・・の範囲は1次波及までとし、米中および各国・地域の輸出減少や不安心理などが内需を押し下げる二次的な波及効果は対象としない。
3.アジア各国・地域の各産業とも、ネットでプラスの影響を受ける試算結果
(1)国・地域別の影響


(2)産業別の影響
産業別にみると、サプライチェーンを通じたマイナスの影響については、台湾、マレーシア、韓国、フィリピンといったアジア各国・地域のPC関連分野で目立つ試算結果となった(図表4の赤塗りの横棒)。これらの国・地域が、特に中国とのサプライチェーンにおいて、PC関連部品のサプライヤーとして組み込まれているためである。その他の産業については、各国・地域とも目立った影響はなさそうである。
生産代替を通じたプラスの影響については、多くのアジア各国・地域でPC関連および一般機械に集中する(図表4の青塗りの横棒)。例外としては、ベトナムではPC関連と一般機械に集中するのでなく、繊維にもプラスの影響が分散する。
4.ただし、当面はマイナスの影響が先行する可能性に留意

本試算の枠組みでは、マイナスとプラスの影響がいつ現れるのかという時間の概念を示すことはできない。
以下略

韓国・中進国の罠3(企業と国民の出国熱1)

外資を含めた韓国内自動車工場全体の今年9ヶ月の販売数の動きです。
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20191001005100882

韓国完成車5社の9月販売 2.2%減少=1~9月も4%減
1月から9月までの累計では5社の世界販売台数が581万623台で前年同期比4.0%減少した。メーカー別でも5社全てが減少し、現代は3.9%減、起亜は1.5%減、韓国GMは9.5%減、ルノーサムスンは24.4%減、双竜2.4%減となった。代表的業種である自動車の韓国国内生産が減ってきました。
中国経済縮小の影響による減少か?というと以下の通り表題だけ見ておきますと、日本のメーカーの場合そうでもありません。
https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_prod/productionfig_japan_2019
日本の乗用車メーカー8社、9月の自動車生産は3.1%増、輸出は2.6%増

韓国では企業の国外脱出が続いていますが、これは11月6日まで見てきたように米国や日本の大企業も早くから同様の動きでしたが、どう違うのでしょうか?
https://diamond.jp/articles/-/206617

韓国企業が自国から相次いで「海外脱出」している理由
真壁昭夫:法政大学大学院教授 2019.6.25 5:00
韓国企業の海外脱出が加速化
ここへきて、韓国企業の海外脱出が加速化している。
それを如実に示すデータが韓国政府から発表された。企画財政部の発表によると、今年1~3月期、韓国の企業は141億ドルの海外直接投資を行った。これは過去最高だ。産業別にみると製造業の割合が高い。
「国内脱出」を図る韓国企業
1~3月期、韓国経済の“成長のエンジン”というべき製造業の海外直接投資は、前年同期比で140%も増加した。
それは、輸出主導型の韓国経済が、大きな変化に直面していることを意味する。
韓国は資材などを海外から調達(輸入)し、それを国内で加工・生産し、完成品を輸出することで成長してきた。
こうした経済の運営は徐々に難しくなってきた。
その要因の1つには、中国が国家主導で半導体産業の育成などを進めたことがある。中国企業などの技術面でのキャッチアップに直面し、韓国企業は徐々に海外に進出した。その主な目的は、国内生産を海外に移管し、コストを低減することにある。
韓国経済の“地盤沈下”
韓国経済は、サムスン電子を筆頭とする財閥企業の業績に大きく依存している。財閥企業が海外進出を強化するのに従い、韓国の中小企業も生産拠点をベトナムなどに移している。
これまで国内経済を支えてきた産業の基盤が、そのまま海外に移管されているといえる。その分、国内の雇用機会は減少してしまう。
より高い付加価値を生み出す産業を育成できなければ、韓国国内における投資(民間企業による設備投資)も減少するはずだ。
韓国は目立ったイノベーションを発揮することができていない。韓国企業は、半導体市場では存在感を示してきた。ただ、それは完成品の需要に左右される。
自動車の分野で韓国企業は世界的なSUVブームに乗り遅れた。米国によるファーウェイへの制裁はサムスン電子にとってはチャンスだが、開発を急ぎすぎたこともあり折り畳み型スマホの発売が遅れている。加えて、海外進出を進めたにもかかわらず、同社の売り上げは減少している。
自動車や造船業界では、文政権の支持基盤である労働組合がストライキを起こし経営再建がままならない。韓国では財閥企業創業家や労組といった一握りの既得権益層に富が集中してしまっている。この中で、より効率的な資源の再配分を目指すことは難しい。韓国経済は長期低迷に向かっているように見える。

国内高度化脱皮努力するより低賃金国へ生産移管しか打開策がないのでは将来性がないという点は、韓国ケミカル業界が大量生産方式から脱皮できていないと10月16日末尾に書いた私の思いつき意見と同じです。
https://japanese.joins.com/JArticle/254844?servcode=300§code=300

海外に「逃避」する企業…「脱韓国」投資が増加
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.06.26 0
「メード・イン・コリア」が魅力を失っている。企業の脱韓国ペースも加速している。
慢性的な韓国の高コスト構造、週52時間勤務制度、最低賃金引き上げなどコスト競争力の低下と革新成長を妨げる規制も企業の背中を海外に強く押す原因だ。
今年1-3月期の韓国大企業の海外直接投資(ODI)規模は102億ドルと過去最高となった。製造業の海外直接投資(57億9000万ドル)は前年同期比140.2%も増えた。一方、今年1-3月期の外国人直接投資(FDI)は前年同期比35.7%(申告基準)も減少した。

サムスンなど大手が国外移転あるいは進出すると関連業界もベトナム等へついていきますが、雇用はそのままついていけないので、人の方は国内に居残って失業に苦しむか、個々人の能力に応じて国外脱出を図るしかないのでしょう。
この先駆現象が雁パパの出現だったでしょう。

キリスト教国の国際条約7(異教徒間でも有効か?3)

アメリカは日本同様に1907年のハーグ条約に参加しているのですが、イザ生死を掛けた戦争・・極限状態になると民度(原爆投下や学童疎開船の撃沈などは民度ではなく政権中枢部が決めていたことです)がモロに現われます。
元々は「キリスト教国内の条約に非白人の日本を入れてたやっただけ」と言う例外の気分もあったと思われる点については、August 27, 2016,キリスト「教国の国際条約2(異教徒除外→ポツダム宣言1)「正戦論」で」紹介しました。
戦争の本番になると、本能的行動に走り勝ちしかも末端兵の場合、その民度にモロに関係します。
日本占領の米軍だけではなく、欧州戦線に派遣された米軍の綱紀の乱れも相当なものでフランス等では、強姦魔になっていたと言われます。
https://ameblo.jp/9023410651/entry-11539375391.html
2013年05月27日(月) 23時34分53秒

隠された負の側面を明らかにした研究書が来月、米国で出版される。 6月に刊行予定の
「What Soldiers Do: Sex and the American GI in World War II France兵士らは何をしたのか:第2次世界大戦中のフランスにおける性と米兵」は
米ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)のメアリー・ルイーズ・ロバーツ
(Mary Louise Roberts)教授(歴史学)が、米仏で膨大な量の第2次大戦中の資料を研究してまとめた著作だ。</p写真ジャーナリズムの草分けである米誌「ライフ(Life)」は、フランスを「快楽主義者4000万人が住む巨大な売春宿」と表現した。

真偽不明ですが、米兵の参戦意欲を高めるための国内キャンペインの様子を上記の通り書いています。

地元には、「ドイツ人を見て隠れるのは男たちだったが、米兵の場合は女たちを
隠さねばならなかった」という話が伝わっているという。
ロバーツ教授が調べた資料によれば「セックスをしている男女を見かけずに街を歩くことは不可能」なほどで、当時のルアーブル市長が米駐留部隊の司令官に改善を求めたと記されていた。
米軍の上官らは兵士たちの行為について公式な非難声明は出したが、改善の努力はしなかったという。
米兵たちの放蕩ぶり、不法行為、さらには組織的な人種差別などもあった。

そして、性犯罪を放置できなくなった軍が処刑したのは、ほとんどが黒人兵という人種差別に基づくものであったと書いています。

1944年10月の資料によれば、米兵が絡んだ強姦事件152件のうち130件で
黒人兵が訴えられている。
これについてロバーツ教授は、米軍内の根深い差別を示していると指摘した。
フランス人も、すぐに黒人米兵を指さして非難するようになったという。」

証拠など問題にせずに、被害者が、面通しで「この人だった」といえばその通りに認定する仕組み・法廷で、たまたま黒人お弁護士がいたところその弁護士を「この人だった」と証言するほど被害者の被害届も根拠のない無茶苦茶なものであったという実態をどこかで読んだことがあります。
朝鮮戦争でも性犯罪が大きくてその被害を、日本軍慰安婦にすり替えているように見えます。
歴史の浅い新興国・・国民レベルの低さが剥き出しになって「勝てば何をしても良い」と言う気持ちに先祖返りしたらしく、「異教徒に対日戦ではこんなルールなど守る必要がない・・皆殺しでいい」のだと言う気持ちになったのかも知れません。
対日戦争ではルールを破って非戦闘員殺傷目的の数々の蛮行をしてしまい、それどころか武装解除した途端に降伏条件を示したポツダム宣言違反の占領政治・・降伏後のアメリカインデイアンに対する民族精神を腐らせる政策(そのほとんどがある中東で生活保護受給者・被保護民になり下がっています)・浄化策の再現行為の影響がいまだに残っている状態が上記に紹介されています。
この非を隠すために極東軍事裁判をでっち上げ、更には戦後70年にもわたって中韓をけしかけて、なおありもしない南京虐殺や慰安婦騒動をけしかけています。
中国が国際ルール無視で領土拡張に邁進し始めたのは、西欧が近代にやった野蛮行為を真似している・・あるいはやり返しているとも言えます。
だからと言って、中国人の残忍きわまりない歴史を賛美する日本人はいないでしょう・日本には西欧の人権論以前からの美德があるのです。
自分たちは、キリスト教徒専用の条約など関係ないと言うのが、中国のやり方でしょうか。
勿論ISなどの中東のゲリラ勢力は米英主導で作った国際秩序など問題にしていないでしょう。
中国には元々正義の基準がない・・自分がやれるようになった以上は何をやっても良いと言う価値観の国です。
庶民は儒教と関係なく生きて来たと何回も書いて来ましたが、支配層もこの程度の価値観の国です。
・・昔から勝てば相手の武将を辱めるだけ辱めるのが中国のやり方であることを何回も書いてきました。
こう言う価値観の「中華の栄光」復活を掲げる習近平氏には、元は野蛮だった西欧が過去に積み上げて来た経験・・条約など勉強する気持ちはハナからありません。
ところで1907年ハーグ条約には中華民国は加盟していますが当然中華人民共和国は当時存在していないので守る義務がないと言えば言えるのでしょうか。
建国後加盟したのかな?
南シナ海を巡る国際司法裁判所判決など相手にしない態度ですし、国際ルール無視の知財強取?恐喝行為をしているのは、国際条約・欧米価値観など関係ないと言う立場でしょうか?
中国は人類が確立して来た来た(欧米キリスト教徒に都合の良い?ルールなど学びたくないと言う姿勢・・時々本性を表すところが嫌われているのですが、中国としてはそれが脅し・・プラスになると思っている面があるでしょう。
ヤクザが「舐められないようにしている方が得だ」と思っているのと同じ価値観です。
日本の場合は遅れて西欧列強の仲間入り・・参加しても、人道的思想や「人の物を取っては行けない」「約束はままもる」と言うルールは早くから国内的に確立していました。
ウエストファリア条約以来の歴史があると威張られても・・そんな条約を作らないとやっていいことか悪いことかの区別も分らないのか?と日本では逆に驚きます。
「豺狼のごとき」西欧列強の餌食になるのを恐れて幕末に大騒ぎになったのですから西欧よりも人道意識や道徳観が数段・数千年進んでいました。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC