社会変化=価値観・ルール変化1

社会の仕組みが変われば文化も変わります。
旧文化=価値観に染まったあるいは旧支配層から籠絡された清盛の息子重盛が清盛の新機軸に反発したものの夭逝した結果、旧支配層は内部浸透を諦めてカウンター勢力の源氏を盛り立てて再興させ平家打倒に成功しました。
源氏が勝って見ると旧勢力の期待した旧体制への復帰にならず却って武士の時代への流れが強まり、鎌倉幕府というはっきりした別組織まで出来上がってしまいました。
当時朝廷直属国軍皆無の時代でしたから、平家打倒には武士や僧兵の力が必須であったのですから、武士団や僧兵を朝廷の味方につける必要がありました。
後からかんがえると各地武士団の平家に対する不満は、武士代表であるべき平家一族が、貴族化・公達化してしまった・地下人の期待にそう行動をしなくなったことが反平家勢力盛り返しの基本であったと言われ、旧支配層から見れば平家一族の振る舞いが旧支配層のしきたり・文化を破り新秩序への移行をはらんでいることに対する危機感を基礎にして反平家機運を盛りたてていたのですから反平家の理由が相反していたことになります。
実力組織の一翼を担う僧兵は寺社権益代表ですから旧体制・公卿権益もさらに古層に位置する・・叡山の僧兵撃退に清盛の父忠盛が活躍して後白河院の覚えめでたくなっていく経緯があるように・・ものです。
宗教組織は、世俗の争いから一歩引いている・・直接当事者にならない関係で・・南都焼討や信長の叡山焼き討ちなどもあり、戦国末期には実力組織は完全消滅しましたが・・源平の争乱〜明治維新〜対米敗戦を経た今でも一定の教団を維持しています。
旧政治打倒に成功した場合の政権運営の特徴ですが、一般的には急進的改革を進めるの無理があるので一般的に新旧妥協政策が政権樹立後の運営方法になりますがせっかく革命的動乱に参加したものにとっては、これでは裏切り行為と思い不満です。
平家も「薩摩守忠度都落ち」で知られるように、旧支配層の文化秩序にも参加して和歌を詠み、旧文化に迎合しながらも、一歩一歩武士の地位向上に努力していたと見るべきでしょう。
政治というものは「言い分が100%通るものでないのが原則です」から、武士と貴族層は荘園支配の実利でずっと対立していたのですが、(この対立は実力でとったもの勝ち・中央の裁定ができなくなった戦国時代に入るまで続きます)対貴族の紛争裁定に不満な人はいつもいます。
不満な方・負けた方は貴族寄りだと不満を持つし、貴族の方も負けた時には武士に有利な裁定が多くなったという不満を持ちます。
これが武士層から見れば貴族におもねて貴族化した生活態度は鼻持ちならないとなるし、貴族からすれば「地下人の分際でけしからん」となるのでしょう。
特に八条院領が急速に広がった平安末期では、清盛でさえも後白河法皇の権勢には正面から歯向いにくかったので八条院関連では、武士層の主張が通り難くなっていた不満が蓄積していた可能性があります。
八条院に関するウイキペデイアの本日現在の記述です。

暲子内親王(しょうし/あきこないしんのう、保延3年4月8日(1137年4月29日) – 建暦元年6月26日(1211年8月6日))は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての皇族。初めて后位を経ずに女院となり、八条院(はちじょういん)と号した[1]
・・・彼女自身には特別な政治力は無かったとする説もある[4]。その後も異母兄である後白河法皇の院政を影から支えており、平清盛でさえも彼女の動向を無視することは出来なかった。
八条院の政治閨閥?関係は以下の通りです。

後白河院の異腹の妹・八条院翮子(あきこ)内親王は、美福門院を母として鳥羽天皇の第五皇女として生まれた。彼女は夭折した近衛天皇の後継女帝にとも考えられたほど鳥羽法皇から寵愛され、両親亡き後は二人が残した広大な荘園と近臣の大半を相続し、時の政権から一定の距離を置きながらも、摂関家・源氏・平氏の何れもが無視できない独自の存在感を発揮した。

八条院の経済力は「八条院」に関するウイキペデイアによると以下の通りで、平安時代どころか、後醍醐天皇〜南北朝時代までの政治活動の屋台骨となっていたことがわかります。
政治といっても経済基盤がないと何も出来ません。
上記引用の続きです

・・所領は八条院→春華門院昇子内親王→順徳天皇→後高倉院→安嘉門院→亀山院→後宇多院→昭慶門院憙子内親王→後醍醐天皇に伝わり大覚寺統の主要な経済基盤となった。

源平合戦は革命直後で言えば、革命精神そのままの実現を求めて不満を持つ勢力と反革命・王党派の合体した革命政権打倒運動であり、今で言えば、左右両極支持による現政権打倒運動であったことになります。
新政権打倒に成功して具体的政治に踏み出すと元々の方向性が違うので、文字通り血を血で洗う抗争となる(クロムウエル独裁やジャコバン恐怖政治〜ロシア革命後の抗争など)のが普通です。
日本では新政権発足後の血なまぐさい抗争は起きませんが、それでも民主党政権は方向性の違う集団であったことが(野合と言われ)政権の寿命を縮めました。
朝廷は平家打倒を画策したものの鎌倉府成立により、朝廷権威は逆に低下しましたが、文化による影響力行使・・内部籠絡・・貴族社会価値観浸透を試みたのが、(平家を公達化して骨抜きにしたように)三代実朝の文化的籠絡・取り込みであり、これを拒絶したのが尼将軍政子の(我が子を殺してでもせっかく獲得した武家政権を守ろうとした)英断でしょう。
実朝暗殺は1219年ですから、鎌倉幕府成立後わずか20年あまりのことです。
内部浸透戦略に失敗した朝廷側は、そのわずか2年後の1221年外部から反鎌倉不平武士団を組織して「承久の変」を起こしますが、これは清盛政権を内部から切り崩す重盛籠絡作戦失敗後のカウンター勢力を煽る焼き直しだったことになります。
承久の変(1221年)では、カウンター勢力の棟梁(スター)がいないので二度目の反革命が失敗し、蒙古襲来後の三度目の正直では、(蒙古襲来で活躍した武士の広範な不満を背景にしていた結果騒乱が大きくなり)再び源氏の貴種足利氏担ぎ出しに成功したので、建武の新政となりましたが、政権が始まってみると不満武士に応えることができず、時代錯誤性・貴族有利裁定(広大な八条院領はなお存続していて後醍醐天皇の財政基盤になっていたなど)が命とりで、結局短期間で崩壊しました。
ちなみに「観応の擾乱」の主役・直義の政治も、どちらかというと武士に不利な裁定が多かった(教養が邪魔して?思想が古かったようです)ので短命に終わりました。
応仁の乱以降足利将軍家自体衰微すると、公卿経営荘園の管理料納付争いなど裁く機関すらなくなり、足腰になる公卿の収入源が途絶えると天皇家の収入もなくなります。

日中の制裁合戦6(バブル崩壊7)

カエルが腹一杯膨らませて身体を大きく見せかける寓話がありますが、これが破裂して身の丈に戻る過程が始まったのを世界中がバブル破裂近しと見ているのです。
(破裂すれば本来の能力以下に体力消耗します・・中国で言えば経済が希望観測で膨らみ過ぎていた期待による過剰投資・在庫調整期間はマイナス成長になるだけではなく、実体以上の評価を維持するために国土・国民の健康等安全面に過度の負担をかけていた公害・・土壌汚染等のマイナス効果が出て来ます)
中国経済の現状は国土を食い物にして国土の持続可能性を維持するに必要なコスト負担を先送りして来た結果、公害が表面化して来てにっちもさっちもいかなくなり、他方で適正コスト負担を先送りして破格に安く生産していたにも拘らず、東南アジア等との競争に曝されて貿易で稼げなくなって来ました。
昨日の夕刊で政府による7,45%成長発表にもかかわらず同期間の卸売物価が下がり続けている・・3%下がっている様子が報じられています。
企業は在庫の山で呻吟しているのですから、卸売物価(企業間取引価格)は下がるしかない・・この状態で7%以上もプラス成長って本当?とだれもが疑うでしょう。
公害の測定結果をアメリカ大使館が発表しているのを中国政府が内政干渉だと問題にしていましたが、今や測定しなくとも大気の汚れがあまり酷くなったので隠せなくなりました。
言論統制の結果誰も正面から反対できないとしても、政府統計があまり実態からはなれ過ぎると誰もが信じなくなってきます。
先行きの見込みがないとして外資が引き上げ始めると、当然国内資金が足りなくなってきます。
資金連鎖の最も弱いところ・・シャドーバンキングにこの兆候が現れ始めたということでしょう。
2014-5-4「日中の制裁合戦5(バブル崩壊2)」以来バブル崩壊に話がそれましたが、経済制裁の話題に戻ります。
中国の尖閣諸島周辺への領海侵犯行為の繰り返しと対日暴動以来、経済交流の相互縮小・・最大投資国であった日本による新規投資の急減により事実上の経済制裁が始まっていたことになります。
経済制裁とは大規模な連合体で行なう場合を言うのでしょうが、個々の国同士で言えば「制裁」しなくとも個人が喧嘩してお互いに交際をやめたり縮小して行くと、限定された二国間で同じような結果が生じます。
お互い交流を縮小して行く状態になっているのが、現在の日中関係です。
昨日あたりから国際大問題になっている中越の衝突事件でも、(例によって中国の海艦によるベトナム巡視艇への衝突行為)ベトナム政府は怒って中国との交易縮小・停止を主張し始めています。
中国はこうした行為の繰り返しによって周辺国から嫌われ者なって行くしかないですが、このマイナスを気づかない・・暴力団同様の精神構造で「どうだ、俺に逆らうとこんな痛い目にあうぞ!」と粋がっている様子です。
喧嘩ばかりしていて周辺と交流が縮小して行く結果を見ると、片や日本企業は史上最高益更新の決算企業続出の景気状態ですが、中国の方は経済規模が縮小し始めていろんなひずみが吹き出しつつある状態に陥っていることが分ります。
中国が今年の春先の成長率が7、4%成長と発表していますが、資源国が中国の資源需要の急減で困ってる・・資源輸入量を現状維持さえ出来ない・・減少しているローエンド生産国の中国が、何故プラス成長しているかとなりますので、正確には資源輸入量の減少率にほぼ比例して何%減であるのが正しいでしょう。
5月2〜3日のブログで書いた求人の減少・大卒の就職難もこうした実態経済の苦難の何の一端・現れを表しています。
この数年前まで大量に資源輸入してくれる中国になびいていたオーストラリアが、中国の輸入急減に愛想を尽かして親日国に豹変し、1〜2ヶ月前に日豪の貿易協定が成立していることから見ても実態が明らかです。
鉄鉱石その他資源輸入が何割も減少しているのですが、マイナス幅を誤摩化すならばまだ可愛いものですが、マイナスをプラス成長と逆に発表する中国政府の神経は尋常ではありません。
こんな子供でも分るようなまやかしを続けるしかないのが、中国政府の苦しさを表しています。
このやり方を何十年も続けていたので、(年に1割ずつ水まししていると?)本当のGDPは実質的には、公式発表の半分以下の可能性があります。

日中の制裁合戦6(バブル崩壊3)

中国人総体のレベル以上の宣伝・評価によって外資が次々と参入したことによって、実力以上のあぶく銭の所得を得ていた・・バブルと言えば不動産価格ばかりに目がいきますが、国・人民全体に対する評価がバブル(粉飾)だった・・中国の輝かしい未来と言う虚像・バブルがはげ落ち始めました。
内政での手詰まり打開のための軍備拡張と対外威張り散らし行為でしたが、まだ実力差があることと国際関係の制約で戦争に打って出ることが出来ません。
威張り過ぎたので経済面ではジリ貧が進むばかり・・・やることがないので昨年から韓国同様に世界中で対日批判宣伝に精出し始めたと解釈すべきでしょう。
低賃金を売り物に企業を引き入れたので、多くの投資(資金流入)が集まり景気が良かったのです。
例えばトヨタその他の日系企業や台湾半導体受託製造工場等が進出するには、ドルを元に両替した大金を投じて土地を買ったり借りたりして、工場設備工事を行ないますので、ゲンキンが中国国内で溢れ(人民元をドルに変えるために元紙幣の大量発行が起きます)、同時に両替したドルが大量に中央銀行に流入します。
この資金が巨額外貨準備になって行ったのであって、貿易黒字によるばかりではありません。
日本の高度成長期に近郊地主が工場用地等等として土地を貸すときに巨額保証金を預かって預金しているようなもので、中国の外貨準備と言っても言わば他人の金ですから、資金引き上げが始まるとこの外貨準備を取り崩す必要があります。
中国への投資は短期資金が少なく工場設備等資金ですから、日中対立が生じたからと言って日系企業は株式のように叩き売りすることが出来ません。
この辺を中国は有利と読んで対日暴動を仕掛けたのでしょう。
日本は資金を引き上げることが出来なくとも、じっと我慢でじりじりと売上回復を待ちながら新規投資を縮小できます。
これが現今の日系自動車メーカーの売上漸増(この間欧米系や現代自動車などに差を付けられましたが・・)に繋がっています。
その代わり投資先を東南アジアに変更して中国の輸出市場を奪い始めました。
バングラデシュ等では、低賃金の魅力で大規模縫製工場が繁盛して中国輸出産業の打撃になっています。
現在の社会では新規投資=技術革新ですからこれがとどまると負けですから、ファミレスやコンビニであれアパレルであれ、製造業であれ、大手企業は常に新規投資して新陳代謝を計っていますので、既存設備を叩き売りしなくともカントリーリスクの高い地域に新規投資しなければ、その地域の産業は旧モデルのママですからジリ貧になります。
充分に日本に投資させたからもう用がないと言う程度の理解で・・この辺の機微が中国には分っていなかったのではないでしょうか?
中国の場合他国より優れた技術があって世界の工場になったのではなく、低賃金労働者が多数いる・・貧しいことを売り物していたのですから、カントリーリスクが高く低賃金の魅力がなくなれば(この約10年で賃金が約3倍になったと今朝の日経新聞朝刊4ページに出ています)現地消費分の需要以外に外資にとって魅力がありません。
対中紛争を抱える日本に限らず、欧米資本も新規縫製工場としては、中国ではなくバングラデシュ等他のアジア諸国へ新規投資している現実を見れば明らかです。
今後巨大人口を目当てに(賃金が3倍になれば消費力も3倍になります)現地消費用の投資がまだ続くでしょうが、最早世界の輸出工場としての投資は期待出来ません。
ドイツやアメリカからの投資が日本の投資減少に代替していると報道されていますが、主として中国国内市場向けの工場(現地販売用車製造工場やスーパーなど)中心です。
今後急激に国際競争力を失い、貿易収支が悪化し始めると輸出で儲けていたからこそ高級品を買えた・・輸出製造工場で働いていた人が失業者になって来ると今のところ旺盛な内需すらも近いうちに失速する時期が来ます。
従来如何に中国投資が魅力的かの報道を熱心にしていた大手マスコミも、上記記事のとおり最近では実態を無視出来なくなって来たようです。

日中の制裁合戦5(バブル崩壊2)

治安対策として国家命令で不要な人材を多く抱え込めば、国有企業の財務体質が数年で悪化しますので、企業体質悪化の先送りになります。
まして日本の投資が東南アジアにシフトした結果、東南アジアとの関係で急激に対外競争力を失いつつある中国企業にとっては二重苦になります。
バブル崩壊を先延ばしするため・・・シャドーバンキングの連鎖倒産を防ぐために出所不明の(公的?)資金が供給されてはその都度危機回避されていますが、これがシャドーバンキング問題が解決する訳ではなく矛盾激化の先送りにしかならないのと同様に、経済原理に反して国有企業に雇用を命令しても失業率悪化の先送り策にしかなりません。
ちなみに、軍事費拡大・武装警察力強化、ネット検閲強化策は失業対策事業・不満分子の吸収策として一定の合理性があります・・。
ネット時代が来れば言論の自由を制限するのは無理が来ると予想されていましたが、中国の場合膨大で無限と見えるネット書き込みを即時に削除する検閲が健在です。
これを支えているのが大量の大卒未就職者で、かれらの不満吸収対策としてネット検閲要員として大量に低賃金で利用していることが報道されています。
不満分子予備軍が不満分子の摘発に協力し、弾圧するのに利用される構図で中国らしい一石二鳥政策です。
ところで1年経過後の14年春の大卒内定率はどうなっているのでしょうか?
14年5月3日現在の日経ビジネスhttp://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20060406/101059/?n_cid=nbpnbo_leaf_bnlu世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」によれば
「大卒予定者727万人、中国は史上空前の就職難かつて重宝がられた海外留学帰国組は今や見る影なし」の題名で以下のとおり報道されています。
「中国で今年6〜7月に大学を卒業する学生の数は、昨年の699万人より28万人増えて727万人となる見込みである。」
「中国の景気低迷は企業による求人数を大幅に減少させている。727万人もの大学卒業生のみならず、大量に帰国した“海帰族”も加えて、2014年の就職戦線は史上空前の激戦が繰り広げられている。この「就職戦線異状アリ」の状況を改善して、大学卒業生の就職率を高め、失業率を低減しなければ、中国社会の不安定要素はますます増大することになるが、抜本的な改善策は容易には見つからない。」
中国の場合政府統計が元々粉飾ばかりで当てにならない上に、億単位の農民工・出稼ぎで低賃金労働が成り立っているので、そもそも統計不能ですから、失業率自体正確に把握するのは不可能でしょう。
失業率を社会の体温計に利用出来ないとしても、マトモニ就職出来ない大卒だけで毎年何百万人も累積して行く社会って本来崩壊寸前ではないでしょうか?
まだ6月ころにならないと今春の就職率が出て来ないのですが、今のところこの状態で景気低迷が明記されていますので、昨年より厳しいという前提で書いていることは確かです。
仮に政府発表どおり成長率が昨年の約8%から7、4%に下がっただけならば、少なくとも昨年より7、4%の求人が増えていなければ整合しません・・求人が減ることはない筈です。
求人が毎年減っているということは、マイナス成長が続いていることを表しています。
私が書いているようにこの記事も中国の景気低迷・・マイナス成長は当然の前提で書いているのですが、別の記事では何故か政府発表どおりに毎年7〜8%も成長していると書くことが多いのですから不思議です。
(この人が矛盾したことを書いているというのではありません)
日本なんか簡単に屈服させられると散々自慢して敵愾心を煽って来たのに、実際には実力差があって何も出来ない人民軍が、いまさら国民に対して格好がつかなくなっています。
現在の中国の苦境は、全ての分野で実力以上に自慢し過ぎていた・・バブルが弾けるのが目前に迫っていることによります。

日中の制裁合戦4(バブル崩壊1)

韓国では世界ニュースになった4月中旬の船舶事故(フェリー転覆)に続いて1昨日発生したソウル地下鉄事故によって安全面を軽視して・違法でも何でも稼いだ方が勝ち・・結果が全ての風潮・・価値観が漸く韓国国内でも批判されるようになってきた様子です。
能力があって急成長すれば良いのですが、日本で言えばブラック企業・・安全教育や設備/手順あるいは労働基準を守らない・・企業秘密を盗んでぼろ儲け・急成長している企業があります。
急成長する新興国の場合、必要なコストを手順やコストをケチって(設計図を盗んで来ても安く作りさえすれば勝ちみたいな)生産だけに特化するから成り立っている面があります。
このやり方がそろそろ限界にきたのが、北京を中心とする公害問題であり、韓国の事故多発社会でしょう。
韓国では、もっとも安全性を要請される原子力発電の規格部品でさえ不適格な適当な製品であったことが昨年バレたばかりです。
言わばブラック企業中心で設計もデタラメで、低コストを売り物に世界に進出していた咎めがこれから出て来ます。
中国が低賃金輸出や公害垂れ流し、知財剽窃等々非合法行為をやりたい放題にすることによって支えられていた外貨獲得が今後減少して行くと、離陸し切れていない巨大人口をどうやって養って行くかの課題に直面して行かざるを得ません。
改革解放前の貧しいままならば、今の北朝鮮同様に国民は我慢できたでしょう。
解放後上海等で目の前に豊かな都市住民を作り出して来たうえで、実態に合わない統計を発表しては・・国民に輝かしい未来を煽って来たので、国民はその気になってしまっています。
この状態で倒産続出・失業の嵐→国内生活レベルダウンに見舞われると、共産党政権に対する人民の不満が嵩じて行き国内政治が危機に直面して行くでしょう。
生活向上を夢見て(田舎の親が借金して)苦労して大学を出て見れば地下室で寝泊まりするアリ族の生活が待っているのでは、若者を中心に不満が蓄積して行くのは当然です。
ちなみに中国大卒の就職率は僅か35%でしかありません。
5月3日日経新聞ウエブ刊(2013/6/1220:48http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1000E_S3A610C1EA1000/)
によると「中国の大卒就職内定率35%に低下 13年春、ミスマッチなど響く」とあります。
記事内容は以下のとおりです。
「中国では大学などへの進学者が急拡大。今年の卒業生は約700万人に増える見込みだ。だが中国の労働集約型の経済構造は変わっておらず、国内総生産(GDP)に占める3次産業の割合は10年間で3ポイントしか上昇していない。大学生が希望する仕事はもともと少なく、最近の景気減速で求人数がさらに減少した。」
このニュースの何年も前からマトモな就職ができないアリ族が報道されていましたので、13年は12年より就職率が少し下がった程度でこの有様です。
700万人の約7割前後が毎年就職出来ない社会・・これが毎年累積して行くのですから・・多くはネズミ・蟻族として不本意な現場労働者等として食いつないでいます・・大変な事態が待っています。
日本のように親世代が裕福ではありませんから、韓国ではこのマイナス・・学費等の借金を解決するために売春婦になって世界を横行していますが、中国の場合まだ男子中心の進学ですから親が借金して息子を進学させて就職出来ないと親の家に戻る訳にも行かず、政情不安に直結します。
同記事では以下のように書いています。
『このまま内定率が上がらなければ、就職できない大学生らが共産党体制に不満を持ち、社会不安が急速に高まる恐れもある。地元経済紙によると、中国政府は今月に入って、国有企業に「社会的な責任を積極的に果たす」ために大卒者の採用を拡大するよう要求した。」

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