司法と政治の棲み分け2(対外約束と司法審査)

徴用工訴訟の論理構造がもう一つ不明なので、(情報不足が、感情論を拡幅する構造の一例)私自身憶測感情論に陥ったままですがこれを前提に書いていくと、古来から中国からいろんな文物が入ってきても、その基本原理を咀嚼できない民度がここに現れたように思われます。
我が国の場合、古代に律令制を入れても換骨奪胎して行き、硬直しそうになりがちな科挙の制度自体を入れませんでした。
これに対して朝鮮族の場合、中世に勃興した李氏朝鮮は、専制支配体制と科挙制を丸ごと導入して硬直的教条主義的民d属性の骨格を作ってしまい発展から取り残されてしまったのですが、戦後でいえば、北朝鮮は共産主義政権とは言うものの独裁・恐怖政治の副作用のみを取り入れている状態です。
そういう傾向の人も我が国にも一定割合でいますが、我が国の「何でも憲法違反」と言い募る勢力も同じ批判を受けるようになるでしょうが、今のところ思想界もこぞって小児病的傾向ですから、みんなで自己陶酔しているばかりのようで、当面救いがありません。
多分戦後教育で洗脳されて育った我々世代がこの世から卒業して、世代交代が進まない限り現実無視の「立憲」にこだわる古色蒼然たる傾向は変わらないと思われます。
ただ若手弁護士でも平和主義=非武装と図式的に信じ込んでいる人が一定数いるのに驚きますが、よほど育ちが良かったのでしょう。
民進党から希望の党への合流を弾かれそうになった枝野氏を中心にして結成した新党名が古色蒼然たる「立憲民主党」と言うのですから、「憲法違反を許すな」と言いさえすればなんとかなると信じている衆議院政治家がまだ約50名もいることになります。
選挙の洗礼でどのくらい伸びるか、生き残るかで、今の日本の思想状況がわかります。
この辺の原稿は昨年秋の総選挙直前頃に書いておいたものですが、昨秋には選挙結果が出て、さらにその後の支持率変動調査も出ています。
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/09260640/?all=1
2018年9月26日掲載
・・・下落率が極めて激しいのは、ANN(テレビ朝日系列)・「報道ステーション」の世論調査だろう。立憲民主党は2017年の10月3日に結党されたが、11月4・5日の調査で支持率は19.9%に達した。
18年7月では13.1%を保持していたのだが、翌8月18・19日の調査で10.7%と1桁台転落の“崖っぷち”となる。その後も踏ん張れず、9月15・16日の調査では一気に4%を失い、6.7%と最低値を記録してしまった。
安定して12〜10%台をキープしてきた共同通信の世論調査でも、8月25・26日実施で8.8%と1桁台に突入。ちなみに7月は12.4%の支持率だったため、こちらもマイナス3.6%と激しい下落だった。
各社の世論調査で、軒並み急落を示している背景は何か、政治アナリストの伊藤惇夫氏(70)に訊いた。

「立憲民主党が失速した理由に、悪い意味でのリベラル臭が強くなってきたことが挙げられるでしょう。かつての自民党保守本流に存在したような良質なリベラリズムではなく、要するに社会党臭なんですね。立憲民主党には国会議員でも党スタッフでも旧社会党の関係者が散見されます。『民主党の失敗を超えられる新しい政党かと期待していたら、要するに昔の社会党じゃないか』と有権者が失望した可能性はあると思います」(同・伊藤氏)

11月分については以下の通りです。
毎月行っているNHKの世論調査結果です。
http://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu/

11月9日(金)~11日(日)実施
自民党 37.4  立憲民主党 6.2  国民民主党 1.5  公明党 3.7  共産党 2.9 日本維新の会 0.4  自由党 0.4  希望の党 0.1  社民党 0.7

野党あわせても合計10%前後しかありません。
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_politics-support-politicalparty

【図解・政治】政党支持率の推移

政党支持率の推移

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20181125-OYT1T50099.html

内閣支持率、4ポイント上昇53percent…読売調査/ar-BBQ4n3m読売新聞社が23~25日に実施した全国世論調査で、安倍内閣の支持率は53%となり、前回10月26~28日調査の49%から4ポイント上昇した。不支持率は36%(前回41%)。政党支持率は自民党41%(前回37%)、立憲民主党7%(同5%)などの順。無党派層は42%(同46%)となった

調査機関によって支持率が大幅に違っていますが、自民党と立憲民主の比率で見ると概ね6対1で同じです。
読売に限らず、NHKでも内閣支持率と自民党支持率を比較すると概ね内閣支持率が上回っているようです。(上記の通りNHKでも自民党支持率は37%ですから、)
http://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu/
2018年11月(11月13日更新)
安倍内閣 支持46% 不支持37%(NHK世論調査)

そうすると、日頃から喧伝されている法案や政策に対する世論調査?で、「法案や政策に反対ではないが、安倍内閣が嫌いだから・・信用できないから」とか、「安倍内閣での改憲反対」とかいう意味不明の報道が実態無視であったことがわかります。

 

司法と政治の棲み分け1・徴用工判決

韓国では、徴用工問題で日韓条約無視の判決が相次ぎ(29日に三菱重工を被告とする判決がある)そうですが、政治の世界で決めたことを司法権が蒸し返しを認めること自体が西洋法の原理に反した行為です。
今朝のMSNニュースからの引用です。
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/

韓国・文政権の目に余る「背信行為」で米韓に亀裂/ar-BBQagqE#page=2
古森 義久 2018/11/28 06:00
(古森 義久:ジャーナリスト、産経新聞ワシントン駐在客員特派員)
トランプ政権にきわめて近い国際戦略問題の権威のエドワード・ルトワック氏は筆者のインタビューに応じた際、韓国の安全保障政策における一貫性の欠如を取り上げて「無責任国家」と断じた。
韓国が日本に対して慰安婦問題での外相合意を反故にしたり、徴用工問題で本来、政府同士で解決済みの補償要求をまた持ち出してくることを、「情緒的な未成熟民主主義」(米外交雑誌『フォーリン・ポリシー』のエリアス・グラル記者)と酷評する向きもある。

日本司法界は最高裁まで行くと三権分立の基本原理・・常識範囲にとどまって来たのに対して、韓国の裁判所は小賢しい法解釈は出来るものの基本法原理を理解できない・・この限度を弁えないと言うことでしょうか。
もちろん立場によって、韓国の判決を擁護する意見もありますから私の意見は一つの立場です。
一見国と国の協定無視のように見えますが、国と国の協定によって個々の国民の損害賠償請求権がなくなるわけがないという論理もあるでしょうし、その他の色な論理がありうるのでしょう。例えば原発訴訟のように設置運営基準にはしてるかどうかの裁判が許されるのと同じで立場によれば、考え方が違います。
結局法の裁きと言っても、その当時の国際システムがあっているかどうかです。
戦乱等による人的物的被害に対して個々人が相手国に請求すればいいといっても、実際上無理があるので、戦争終了時の条約で賠償金等で解決するのが普通でした。
賠償金等を得た資金を政府が国内還流して間接的に国民が潤う関係・・ファジーな関係で解決してきた歴史でした。
負けた方は被害に遭いっぱなしで泣き寝入りですが、それでも仕方ないという国際常識でやってきました。
国と国の協定は個人に関係がないと言えるならば、日本人も韓国や中国での投資金の返還請求や損害賠償あるいは、米国の空襲等によって殺された大量の人々が損害賠償請求できるようになりそうです。
そもそも徴用工問題で不思議なのは、日本でも学徒勤労動員で知られるように多くが無償または低賃金で?強制的に労働参加してきました。
(無償だったかどうかも具体的に知りませんし、徴用工訴訟が、賃金が安すぎたという訴訟かすら知りません。)
学徒勤労動員に関するウイキペデイアの記事を以下に部分紹介しますが、賃金の記述がありません。

1938年(昭和13年)国家総動員法が制定された
翌1939年(昭和14年)に国民徴用令が制定された。
1941年8月には学校報国隊が結成された[1]。10月16日、勅令で大学・高等学校・専門学校の修業年限の短縮が通達され、文部省は省令「大学学部等ノ在学年限又ハ修業年限ノ昭和十六年度臨時短縮ニ関スル件」を公布し、大学・専門学校・実業専門学校の修業年限を三か月短縮した。。[1]。
1943年(昭和18年)6月に東条内閣は「学徒戦時動員体制確立要綱」を閣議決定し、学校報国隊を強化し、戦技・特技・防空訓練を図り、女子は救護訓練を行った[1]。
1944年(昭和19年)1月、政府は「緊急国民勤労動員方策要綱」と「緊急学徒勤労動員方策要綱」を閣議決定した[1]
4月には全国学徒は軍需工場へ動員された[1]。文部省は「学徒勤労動員実施要領ニ関スル件」を発令した[1]。
1945年(昭和20年)8月15日の終戦の詔勅を聞いた動員学徒は340万人であった[1]。

以下は女子挺身隊に関するウイキペデイアの記事からです

1944年8月8日、内地に限定されていた国民徴用令が免除されていた外地の朝鮮の男子にも適用するとする「半島人労務者ノ移入ニ関スル件」の閣議決定がなされた[31]。

賃金という名目があろうとなかろうと労働者.兵士が生きていくには、生活費が必要です。
アメリカの奴隷制が崩壊したのは、「丸抱えの奴隷(働けない子供も病人も仕事のない時も養っていなければならない)よりは、労賃を払う労働者形態の方が安上がりであったからだ」・・現在流に言えば終身雇用よりも非正規の方がお互い合理的というのに通じる面があるようです・・という意見があります。
朝鮮人も当時日本国民であり日本の法に従って徴用された(法的根拠があり違法ではない)のに、朝鮮人だけ何故損害賠償請求できるか不明です。
日本人を後回しにして朝鮮人だけ優先徴用されたのではなく、上記によれば朝鮮人の方が最後まで徴用されなかったようです。
強制=奴隷労働・人権侵害だから実質違法というのであれば、当時の世界水準で判断すべきであって、現在の法基準で賃金が安すぎると言うのでは無理があります。
当時ほとんどの国民は衣食住でほぼ使い切ってしまうのが普通の時代に、現在の生活水準で手取り可処分所得が少なすぎると言う基準であれば極端でしょう。
賃金ではなく強制性が強いといえば徴兵の方が死に直面する過酷強制ですが、徴兵されたことに対して世界中で徴兵制が憲法違反だと過去に遡って国家相手に賠償請求しないのが普通ですが、工場労働だけなぜ賠償請求できるかも不明です。
新日鉄その他企業は、無償又は低廉な学徒動員による代わりに、政府に軍需品を低廉な価格で納入していたとすれば、今になって賠償請求されるとその差額の損害を国に請求できるのでしょうか?
日本人も損害賠償請求すれば良いのにしないだけのことと言うのでしょうか?
日本の場合ソ連軍による女子暴行・朝鮮に残してきた資産の横領など相手の特定ができないこととが多いので、泣き寝入りしているだけとも言えます。
韓国人だって新日鉄や三菱など企業だけ相手にするしかない点では同じというのかもしれません。
いろいろと素人としての疑問を書き連ねましたが、みんな頭の整理がつかない結果、不当な国だという感情論だけが渦巻くしかないのでしょう。
大手メデイアが意味もなく韓国の肩を持つ洗脳教育するのは困りますが、客観的説明はすべきでしょう・・こういう時こそ韓国の論理を整理して報道する義務があるのではないでしょうか?
徴用工訴訟の論理構造がもう一つ不明なので、憶測感情論に陥ったままですがこれを前提に書いていくと、古来から中国からいろんな文物が入ってきても、その基本原理を咀嚼できない民度がここに現れたように思われます。
戦後でいえば、北朝鮮は共産主義政権とは言うものの独裁・恐怖政治の副作用のみを取り入れているのと同じです。
そういう傾向の人も我が国にも一定割合でいますが、我が国の「何でも憲法違反」と言い募る勢力も同じ批判を受けるようになるでしょうが、今のところ思想界もこぞって小児病的傾向ですから、みんなで自己陶酔しているばかりのようで、当面救いがありません。
多分戦後教育で洗脳されて育った我々世代がこの世から卒業して、世代交代が進まない限り現実無視の「立憲」にこだわる古色蒼然たる傾向は変わらないと思われます。
ただ若手弁護士でも平和主義=非武装と図式的に信じ込んでいる人が一定数いるのに驚きますが、よほど育ちが良かったのでしょう。

スラップ訴訟と法原理4(議会と司法審査)

この機会に議会と司法の審査の関係を日本の判例の流れで見ておきます。
昨日苫米地事件を見ましたが、その前の米内山事件とその後・・現在の到達点を見ておくには、以下の論文が簡潔です。
https://www.westlawjapan.com/pdf/column_law/20180524.pdf

《W L J判例コラム臨時号》第133号
地方議会の内部規律と部分社会の法理~平成30年4月26日最高裁判決1~
文献番号2018WLJCC009桃山学院大学教授田中祥貴

以下要旨を紹介しますが、昨日書いたように、人権保障的分野の憲法問題を除いて議会の自主性が最大限尊重されるというのが大方の意見(学者の方は私がなんとなく理解していたのと詳細論拠は緻密ですが志向性はほぼ同じ)のように見えます。

1.判例の経緯
本判決で採用された判断枠組は、一般に、部分社会の法理と呼称される。すなわち、自律的な法規範をもつ社会ないし団体内部の紛争に関しては、その内部規律の問題にとどまる限りその自治的措置に任せ、それについては司法審査が及ばないという法理である。当該法理形成の嚆矢は、県議会での議員除名処分の取消しを争った昭和28年米内山事件最高裁決定で展開された田中耕太郎裁判官の少数意見に看取される4。すなわち、多元的社会の内部規律問題については、その社会の特殊的法秩序による自主的決定に委ね、司法権の埒外とする「法秩序の多元性」論である。
その後、かかる見解は、昭和35年村議会懲罰決議等取消請求事件最高裁判決で多数意見を形成する5。ここで最高裁は、「一切の法律上の争訟とはあらゆる法律上の係争という意味ではない」、「その中には事柄の特質上司法裁判権の対象の外におくを相当とするものがあ」り「自律的な法規範をもつ社会ないしは団体に在つては、当該規範の実現を内部規律の問題として自治的措置に任せ」るべきものとして、司法審査の対象を限界付けた。
さらに、昭和52年富山大学単位不認定等違法確認事件最高裁判決6では、昭和35年判決を踏襲しつつ、「一般市民社会の中にあつてこれとは別個に自律的な法規範を有する特殊な部分社会における法律上の係争ごときは、それが一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、その自主的、自律的な解釈に委ねるのを適当とし、裁判所の司法審査の対象にはならない」と解し、部分社会の法理を判例理論として確立させた。
2.部分社会からの自由
従来、我が国の司法府が展開してきた当該法理は、重大な課題を抱えている。すなわち、部分社会の法理は、国民の裁判を受ける権利と高い緊張関係に立たざるを得ない。就中、裁判を受ける権利は「基本権を確保するための基本権7」であり、個人の人権保障という文脈において非常に重要な位置付けを有する。そして、裁判所はその権利を担保すべき憲法上の責務を負う。それにも拘わらず、特殊な部分社会内部の係争は司法的救済の外に放逐されるという論理は、最高裁が仮託する「法秩序の多元性」論のみで十分な理論的基礎を形成し得るものではない。
何より、部分社会の法理は、それが射程として内包する範囲及び外延の不明確性という致命的な問題に必然的に逢着する。この点、判例上、かかる境界の指標として「一般市民法秩序」との接点を手がかりに「除名処分」と「出席停止処分」の区別が提示されているが8、例えば、任期満了までの出席停止処分という可能性を想定すれば、判例のカテゴライズに基づいた峻別論は理論構成として十分ではないことは明らかである。
・・・結局、司法審査の可否は、団体自治の憲法的要請と裁判を受ける権利との調整をめぐる利益衡量に拠ることとなろう。
この点、昭和35年判決以来、我が国の司法では、部分社会の法理によって司法審査を回避する傾向が看取され、それは「部分社会の自由」に傾倒した感が否めなかった。しかし近年、かかる傾向をいわば「部分社会からの自由13」という視座から再考し、司法審査の対象の再構成を試みる下級審判例が注目される。
・・・従前の最高裁判例が指標とする「除名」等の身分喪失といった「重大事項」性で
はなく、一般市民法秩序において保障される権利への侵害状況が看取されるとき、一般市民法秩序との直接的関係性を認め、「法律上の争訟」性を肯定するのである。
・・・・「一般市民法秩序との直接的関係性」の内実を敷衍するに際して、「一般市民法秩序において保障されている権利利益を侵害する場合や明白な法令違反がある場合」を「法律上の争訟」に該当するとした高裁判決15等を挙げることができる。

3.本判決の妥当性
本判決は、明らかにかかる下級審判決とは異なるコンテクストを有する。
・・・かかる議員の発言が名誉毀損等の不法行為を構成する場合は別論であるが、そうではない場合に、少なくとも、憲法上の基本的人権に対する具体的侵害状況が看取されるにも拘わらず、地方議会の内部規律を優位させ、Xの請求に対して何らの司法審査すら行わず一蹴した本判決は、妥当性を有するとは言い難い。・・・

30年判決(県知事批判意見の議事録削除に対する司法審査拒否結論)の批判が結論されます。
たまたま私の価値観と同じ方向性のようです。
アメリカの判例法理の詳細を知りませんが、日本の法理で言ってもグレンデール市議会の決議内容の不当性を鳴らして訴訟することの無謀さ・非常識さが分かるでしょう。
アメリカでは、「猫を電子レンジで温めて死んだ」と損害賠償請求するなどなんでも訴訟する社会のように揶揄する報道が多いので日本では呆れている人が多い・・じゃ自分たちも訴訟してみようとするのは無謀です。
メデイアは一定の角度でアメリカ社会を揶揄しているだけで、(逆に「アメリカはすごい」と持ち上げる方向で特別な場合を一般化して報道する事例も多い)実はどこの国でも無茶なことはないのです・・アメリカはきちんとルールに基づいて訴訟していることを知るべきです。
グレンデール市の慰安婦像関連訴訟で完敗したのでアメリカでは韓国の主張が支持されているかのように誤解してがっかりしている人が多いでしょうが、司法審査に乗らないテーマで訴訟する方が間違っていたのです。
裁判するのは自由ですが、アメリカでもやりすぎると逆にスラップ訴訟として賠償金が課せられます。
自由には責任が伴うということでしょうか?

名誉毀損成立と政治効果6(司法の信頼5)

共謀罪反対でも秘密保護保護法反対でも「諸外国の例とここが違うという具体的主張を出すべき」と、このコラムで繰り返し書いてきましたが、これまで聞いたことがありません。
毎回初心者に説明していられないとしても、その都度「よその国の条文とここがこのように違うので危険だ」という根拠文献ぐらいあげるべきではないでしょうか?
事実など問題にしない・・「私はこう思う」と言い張るだけの人とは、右であれ左であれ、まともな議論になりません。
BPOの決定には応じられないという・・MXに番組提供したDHC会長の独占手記が報道されています。
http://news.livedoor.com/article/detail/14650432/

DHC会長独占手記】「ニュース女子」騒動、BPOは正気か

にDHCの主張が出ていますのでちょっと読むと「どの様な事実に基づく」かの主張がなく「報道の偏り」という主観的意見?に終始しているイメージで参考になりません。
決定が出てからでもこの程度の反論しかできないのでは、BPOの審査段階でも、あまり合理的反論がないママで審査が進んだように見えます。
同じ検索でhttps://www.sankei.com/entertainments/news/180501/ent1805010002-n1.htmlにも会長独占手記の報道があります。
産経の方には、関連記事・意見が出ており、たまたまその中の文筆家・古谷経衡氏のコメントを読んでみると、(そこに書いている事実が真実か否かまでは不明ですが)事実とすれば事実に基づくなかなか説得力のある意見です。
話題がだいぶ逸れましたが、これまで紹介した例では、草分け・主役と言われる間は良いが、黒幕と言われるようになるといきなり名誉毀損で訴える=「社会的地位が下がる」という主張に変わるような印象を受ける人が多くないのでしょうか?
関係していることや自分がそのような事態を引き起こした責任者と知られると社会的地位低下するというならば、
「彼らは自分のしていることが正しくないことを前提にこれまで国民をイメージ操作してきたのかな?」
長年イメージ操作に慣れさせられている(私を含めた国民は、ニュースをちらっと見た印象だけでは、沖縄基地反対運動の黒幕・中心的に応援している人と言われるのは名誉ではないのか?なぜ社会的地位低下になるのか不思議という受けとめ方になります。
「沖縄基地反対運動は、国民支持を受けていない・・正義ではない」という自白のような印象を受けた人が多いでしょう。
名誉毀損で訴えれば訴訟では勝てるとしても、問題が大きくなればなるほど、政治的には敗北宣言と同じ効果がありそうです。
ただし、この件についてはこれまで書いてきたように念のために決定概要を具体的に見たので、法的には違うテーマであったこと・・「沖縄基地反対運動の黒幕」ではなく、「違法行為の黒幕」という名指しを社会的地位下落するとして名誉毀損の理由としたのであって、沖縄基地反対運動に関与していることを名誉毀損として申立したのでないことがわかりました。
多くの人は決定概要まで見ないので誤解したままでしょうから、訴訟をした→勝ったという宣伝自体が「沖縄基地移設反対騒動には大義がない」のか?というイメージ効果が逆に広がり政治的には大きなマイナスになった印象です。
同じく児童売買春の広がりを批判「的」に国際社会で訴えていた→国際的運動の主役?的活動家(例えば、「国連委員会で発言しました」というツイッターかホームページでの報告があった場合(私は国連で発表したという活動報告を見つけていませんので、実はどういう主張をしたか不明ですが、ツイッターなどでの発信傾向を印象だけで読むと→いかにも大層な影響力を発揮していたように理解するのが普通です。
(ただし全部削除してしまったようなので、今では再アクセスできないので記憶しかありません)
ところが、イザとなれば一転して「私が何をしたというの!」と名誉毀損で訴えるのは、言葉の端々で具体的にどのような単語を使ったかの相違があるとしても、
「日頃主張態度イメージ宣伝との整合性はどうなっているの?」
という印象を持った人の方が多いのではないでしょうか?
いずれにせよ同弁護士が児童売買春関連の活動報告を一切あげなくなったとすれば、児童売買春反対運動体としては、マイナス効果があったということ・・・国民の支持がなかったということになると思われます。
京都朝鮮人学校が訴訟に勝ったものの学校の移転を余儀なくされたとヘイトスピーチ関連で紹介した学者が書いていた記憶ですが・・。
目的が正しくとも方法が悪ければ違法・許されないというのが、法治国家においては確立された法理論ですが、それと政治効果・社会の評価は違います。
窃盗グループに対するGPS捜査の違法性について3月はじめ頃に紹介しましたが、仮に自分の息子が違法なGPS捜査被害?にあって逮捕され裁判で無罪になったとしても、それを近所に言いふらしたい親がいるでしょうか?
あるいは違法収集証拠排除排除決定の結果無罪になった場合、そんなことを自慢するのは担当弁護士くらいでしょう。
非難方法がどぎつ過ぎて礼儀にかなっていないとして名誉毀損になるとしても、名誉毀損される方にまず責任がないの?という結果評価を受けるのが普通です。
暴力被害を受けた場合でさえ、・・「あの人はそのうち被害を受ける思ってたよ!」の評価が怖くて、できるだけ口外しません。
法的には被害者で強い立場のはずですが、被害を自慢したい人が滅多にいないのが現実でしょう。
沖縄基地反対運動では誰がスポンサーかではなく、地元民が中心か、よそ者中心の運動なのか・違法行為が横行しているのかを国民が知りたいのではないでしょうか?
辛氏が「自分がその黒幕ではない」というだけの訴えでは、却って違法行為横行を前提としているように見えます。
普天間基地移設問題は、(少なくとも県外へ」という主張は、実際上無理がある以上(基地負担を集中的に押し付けている沖縄県民には申し訳ないとしても)当面少しでも被害の少ない場所・県内移設しか解決方法がないというイメージが一般的です。
詳しい経緯を知りませんが、今までの一般的報道から受けていた印象では(このように多くの意見は報道によって事実上方向付けられています)「普天間基地がこのままでは沖縄の人たちが困るから巨額コストをかけて人口密集地から移設しましょう」となったはずなのに、それに反対では地元民はどうしたいのかが見えません。
高江ヘリパッド工事は、普天間基地の縮小工事関連だと思いますが、それの妨害ですからなおさら第三者には意味不明です。
こういう行動が続くと沖縄基地移設反対運動を地元民が本当に望んでやっていることなのか?
「反対のための反対」かが最大関心になってきたし、県外からの応援組の違法行為が連続していることから、移設反対闘争と地元民の関係が不明になって来たように国民が思うようになってきたところでのニュース女子事件でした。
こういう政治状況下で辛氏が名誉棄損訴訟で仮に勝っても国民の方は「変な言いがかりで勝った」だけ・・?と理解してしまい、「沖縄基地移設反対運動がお墨付きを得たと盛り上がる」とは思えません。
ただし、上記は現在のメデイアの主流的報道による洗脳効果によるもので、いまになって記憶を喚起してみると10年ほど前に米軍の沖縄基地からグアムへの大規模移転計画が報道されていたことがありました。
それがどうなったのかそれとの関係がどうだったのかの関心が持ち上がってきました。

国連勧告の価値と司法の信頼4

これまでBPO関連で書いて来た意見は辛氏が「実質亡命」に迫られるような脅迫されていたのかを知りたくてBPO「決定概要」を見ただけの意見ですので、概要にあらわれない詳細事実認定によれば、私が疑問に感じる点についても丁寧に議論を尽くした結果かもしれませんので、今まで書いてきた意見方向性が変わる可能性があります。
歴史観を含めて「意見」や論争は参照・引用事実次第で優劣が決まるのですから、論争の自由競争とは、事実提示の自由競争です。
事実を提示するためには、情報開示がないと事実入手できません。
司法の信頼を維持するには文書中心時代の開示方法ではなく、ネット検索で簡単開示できるようにすべきです。
プライバシーはどうする?という意見がありますが、できない・したくない方から考えると前に進みませんが、一部マスキングの手間暇問題も、本気で開示が必要となれば自動化ソフトが発達するでしょう。
過去記録・・の開示請求で印刷物の一部マスキング作業は一旦コピーしてからの手作業になるので大変でしょうが、最近の文書作成はすべて、パソコン等の電子機器によるものばかりですから、印刷前の段階で公開用の加工・・固有名詞をABCD・・に自動変換したり、住所生年月日の簡略化などは容易です。
市会議員の政務調査費に関してもネット開示すべきという議論が進んでいますが、市会議員の場合、関係者が少ないので、匿名化しても個人名(秘書が一人しかいないとその人の給与が丸見え)や出入り業者の単価などの特定が簡単だという点が問題になっています。
それでも公人と関係する以上は仕方ない・・採用段階(市議の配偶者や身内が秘書・事務手伝いをしていることが多い)で、了解を得るなどの工夫でたりるというのが、現在社会の価値観ではないでしょうか?
業者も秘書も世間で非難されるような不当な単価でなければ良いことです。
特別な安い納入単価・事実上の賄賂でないか?という疑いも決め手になるのは・「事実」で決まることです。
慰安婦が性奴隷であったかどうかも強制事実の有無で決めるべきことで、事実論証なしに国連で「日本政府が認めないのはけしからん」と月に2回も繰り返していたとすれば、まともな議論をしていたように見えません。
NGOが国連で述べた意見としてNGOがPDFにして15年10月頃まで公開していたものを昨日引用しましたが、「こういう事実があるから性奴隷だ」という意見が一切出てこない印象です。
(どこかで具体的証拠を挙げているのを私が知らないだけかもしれませんが・・)
こういう根拠ない意見でも繰り返せば既成事実になる・継続は力なりの現実を示すののが国連の現実らしいです。
上記15年から3年経過現在のニュースです。
https://www.sankei.com/world/news/180816/wor1808160038-n1.html

2018.8.16 22:40更新
国連人種差別撤廃委で4年ぶり対日審査 慰安婦問題が議題に
【ジュネーブ=三井美奈】国連人種差別撤廃委員会は16日、ジュネーブで約4年ぶりの対日審査会合を開いた。17日までで、慰安婦問題やヘイトスピーチ対策などが議題となる。
2014年の前回審査後、委員会は(1)慰安婦への人権侵害をめぐる調査実施(2)加害者の責任追及(3)元慰安婦や家族への謝罪-などを日本に勧告。ヘイトスピーチをめぐっては、人種差別的な暴力や憎悪の扇動への対応を要求しており、今回の審査で日本の取り組みに焦点が当たりそうだ。
慰安婦問題について日本政府は、15年の日韓政府間合意で最終解決を確認したとする立場。7月に審査会合に向けて提出した政府報告では、国内の反ヘイトスピーチの取り組みを説明した。委員会は、30日に日本への勧告を公表する予定。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180817-00000035-cnippou-kr国連人種差別撤廃委員会、会議で日本に慰安婦問題など叱責
8/17(金) 15:17配信 中央日報

16日(現地時間)、スイス・ジュネーブで開かれた国連人種差別撤廃委員会会議で、日本の慰安婦問題の立場に対する叱責が相次いだ。

会議に参加したゲイ・マクドゥーガル委員(米国)は日本の人種差別審査で「なぜ慰安婦被害者が満足する形で日本政府が謝罪と補償ができないのか理解できない」と発言したと共同通信が17日、報じた。

https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/news4plus/1534465631/-100

【国際】「日韓合意、解決にならず」~ 国連人種差別撤廃委員会、慰安婦問題討議
国連人種差別撤廃委員会は16日、約4年ぶりとなる対日審査会合をジュネーブで開き、日韓両国間の懸案である旧日本軍の従軍慰安婦問題が前回審査に続いて討議された。
米著名人権活動家のマクドゥーガル委員は「なぜ元慰安婦らの満足いく形で日本政府が謝罪と補償をできないのか理解できない」と述べ、2015年の日韓政府間合意では解決にならないとの見方を示した。

上記の通り日本語では従軍慰安婦と翻訳されていますが、(英文が出ていないので不明ですが、もしかしたら国連では日本NGOが推進してきたJapan’s military sexual slavery「性奴隷」となっているのではないでしょうか?
この点について事実根拠がないと否定をしないとそもそも「まともな議論」にならないでしょう。

http://www.thutmosev.com/archives/56200435.html
2016年03月08日10:19

国連がありもしない日本の罪を、次々にでっち上げるのは何故なのか?
国連そのものが日本の罪をでっち上げ、日本との戦争に勝つための組織だったからです。
国連の何々委員会はイルカから慰安婦まで定期的に「日本の罪状」を探して非難決議している。
国連の創設当初から「日本の罪をでっち上げる事」が国連の任務であって、第二次大戦に勝つためだった。
反日左翼しか委員に任命されない
国連の何々委員会を名乗る人間が、時おり日本を名指しして非難する事があり、近年その頻度が増えている。
国連の世界遺産委員会が明治文化遺産で「朝鮮人強制労働」で日本に謝罪するよう迫ったのは記憶に新しい。

これも根拠不明の意見のひとつですが、こういう意見が影響力を持つようになるのは結果から見て不思議な勧告や決議が続きすぎるからです。
証明方法に疫学的証明ということがありますが、根拠なき非難決議・勧告が続くと組織そのものが根本から信用を失うようになります。
司法も同様で政治から独立していることを根拠に、国民常識を無視した判決が続くと司法の権威信頼が失墜してしまいます。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC