このまま火力に移行すると今後はものすごい燃料輸入金額になり、電気料金も現在の2倍になるというキャンペインが多くのマスコミで9月23〜24日頃から始まりました。
天然ガス・原油等の輸入が増える分ウランの輸入が減る点を報道しませんし、(ウランも自給している訳ではありません・・もし今後10年分以上の買いだめをしているなら海外へ売れば良いでしょう)これまで書いているように原発被害の心配・(・これがコストです・・)をなくすための投資や保険をかけた場合との比較をしないままです。
原発もジーゼル発電機・燃料の準備を2倍にしたりパイプライン・防潮堤を高くする等多方面の安全対策を手厚くし、膨大な損害賠償金や警備コストを経常コストに加えれば、従来よりもコストが格段に上がることが当然予想されます。
伝統的勢力やマスコミは、賠償金や補修コストがどれだけ上がるかの試算や発表をしない・・させないままですが、結果として東電どころか業界が束になっても賠償金や補修資金を払い切れないので政府保証して機構債発行でごまかす方針になったことを、September 7, 2011「損害賠償支援法1」前後のコラムで紹介しました。
これをコストに加えたら、何倍〜何十倍にも電気料金が上がる筈ですから、原発を維持する場合に上がるべきコストを明らかにして、これと火力移行の場合の比較報道をするのが公平な報道のあり方です。
これまで、本来加えるべきコストを加えないで「原発は安い」とごまかして来たときのコストを前提にして、今後火力ばかりになると輸入代金がこれだけ(昨年比)増えるという報道を繰り返しているのは偏った報道と言わざるを得ません。
(事故がなくとも資源関連は高騰しているので、輸入代金を跳ね上げることも割り引く必要があります)
原発はリスクを隠して(充分な安全対策もしないし、保険もかけずに)安いと宣伝していただけで、実際には今までのような安い発電はあり得ない・・もしかしたら火力よりも高いとことが分る筈なのに、御用学者ばかりでこの計算式をどこからも出さないままになっています。
今後原発か火力かにかかわらず、安い電力など存在しないという冷厳な事実を受け入れるしかありません。
(ただし、韓国などに比べて元々我が国の電気料金は何故2倍もしていたのか、その検証が別途必要ですが・・・)
原発コストに関する正確なデータ開示がないまま、(火力に移行すると)今後これだけ高くなるとするイメージ報道ばかりが蔓延すると、どうなるのでしょうか?
消費者向け商品の場合、政府がいくらインチキな公表をしても市民が信用しないときには、風評被害・・消費者の信用を得られなければおしまいですが、供給される電気が火力か原発によるかで消費者は選択することが出来ません。
合理的な論争をさせない問答無用方式で、支配勢力による一方的な宣伝を繰り返しているうちに、何となく火力中心にすると日本経済は持たないという意見が社会の常識になって行くのでしょうか?
中国では天安門事件以来、国民不満をそらすために、日本軍の残虐性を執拗に刷り込む教育をして来た結果、当時以降の教育を受けた中国人は心から日本を憎んでいるようです。
日本の伝統的勢力は原発コストのデータ開示をさせないまま、原油・天然ガス等の輸入が増えて実際大変なことになっている・この一面的事実の大宣伝だけで、脱原発に向かい始めた国民意識を変えようと必死です。
日本人は目隠しされたまま、支配勢力の思いのままに洗脳されて原発推進勢力に組み込まれて行くようなレベルの低い国民ばかりなのでしょうか?
戦時中のように、大本営発表以外はこそこそと個人的に話すしか出来ない時代とは違い、今はネット情報が駆け巡る時代ですし、これを正面から禁圧出来ない点が違います。