行為能力制度と資格の発達1

このように考えていくと一定年齢まで自分で権利を守れない定型的場合を想定してその保護者が必要として行為能力制度設定をしたものと思われます。
ひとつには年齢による保護・未成年制度であり、もう一つは年齢を問わない無能力者制度(是非弁別能力欠如)です。
無能力制度は精神病にかこつけた人権侵害がありうるので、専門医の診断が要件になっています。
専門医も聖域化してくると悲惨な事件が起きます。
精神病院の人権侵害事件では、宇都宮病院時間が著名で詳細はウイキペデイアにでています。

1983年4月、食事の内容に不満を漏らした入院患者が看護職員に金属パイプで約20分にわたって乱打され、約4時間後に死亡した。また同年12月にも、見舞いに来た知人に病院の現状を訴えた別の患者が、職員らに殴られ翌日に急死した[2]。
1983年(昭和58年)、宇都宮病院に不法収容されていたA氏が、東京大学医学部附属病院精神科病棟を訪れ、宇都宮病院の内情を暴露し、告発する意志があることを伝えると、東大病院精神病棟内に「宇都宮病院問題担当班」を設置し、弁護士や日本社会党と協力し、朝日新聞社宇都宮支部とも情報交換を行う[23]。A氏の証言がきっかけとなり、入院患者2人について、殺人事件が立証されることになる
精神科病院ゆえの閉鎖病棟や閉鎖性により、上記の実態や患者死亡事件は公にならなかったが、事件の翌年1984年3月14日に、朝日新聞朝刊によって報道され、日本の世論の大きな注目を集め、国会でも精神障害者の人権保障の面から、日本国政府の対応が糾された[3]。地方公共団体の行政(都道府県)による病院監査も不十分であったため、実態の把握ができなかったこと、精神科病院の管理者を筆頭に、病院職員には倫理的な思考能力が欠落していたこと、日本社会の精神科医療に対する理解が、著しく不足していたことも背景としてある[34]。さらに、宇都宮病院には「必要悪」としての社会的存在意義が生じていた。宇都宮病院では、対応困難と見なされた患者を積極的に受け入れ、収容施設の様相を呈していた[37]。
家族間の人間関係の悪化により、措置入院させられてしまう場合もある。前述したA氏は、兄B氏によって措置入院させられてしまった[38]。A氏は、宇都宮病院を告発して民事訴訟を起こしており、1998年10月時点で第1審裁判が続いていた[39]が、2013年11月に死去した[40]。A氏は晩年まで宇都宮病院の廃院を訴えて活動していた。

このあと精神病棟の閉鎖性が改善され、先進的医療を進めていた病院の見学会を千葉県弁護士会では司法修習生対象に長年継続してきました。
今はその延長で、研修先病院を医療観察法制定後千葉県で受け皿主力になっている病院に変え(選択制ですが)研修を継続しています。
この20年前頃から意思能力に問題があるために資産等を守り人間として尊厳ある待遇を受ける必要がある人の大多数が、認知症患者に変わり家族の受け止め方も大きく変わりました。
意思能力に問題がある場合でも、ある程度の能力があるが、健全な判断能力に欠ける場合に対する保護は準禁治産宣告でしたが、私が弁護士になった頃には、準禁治産者として浪費者のほか瘖唖者などが定型として例示されていましたが、(耳が聞こえなくとも十分な判断力のある方がいます)心身障害の名称を例示せず実質判断で決めるようになっています。

運動の成果

旧民法第11条の改正
1979(昭和54)年までは、ろう者は「準禁治産者(心神耗弱・浪費癖のため、家庭裁判所から禁治産者に準ずる旨の宣告を受けた者。法律の定める重要な財産上の行為についてのみ保佐人の同意を要した。)」と見なされ、住宅ローンの利用や家業を継ぐことも出来ませんでした。連盟の粘り強い運動の結果、1979(昭和54)年に改正されました。

現行民法

第十一条 精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第七条に規定する原因がある者については、この限りでない。

行為能力制度と法の下の平等の関係について
法の下の平等という意味は、結果平等を保障するのではなく同じ能力なら、家柄身分性別等によって差をつけるのが不平等として許さないというだけです。

憲法
第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

行為能力制度と資格の発達1

人としての資格・権利能力は、体の大きさや、性別、体格や頭脳、運動能力による差をつけられませんが、弁護士は国家の決めた試験に合格し訓練を経て弁護士会に登録して弁護士になります。
東大生も東大入試に合格して入学手続きして学籍登録して初めて東大生です。
このように全て、職業につく資格は能力差によって違いが生じますが、これは権利能力の差ではなく、人間としての同じ土台の上での行為能力の差になります。
民法では基本法ですので細かくは決めていませんが、権利の主体であっても赤ちゃんは自分でその権利を享受するための能力がありません。
このように考えていくと一定年齢まで自分で権利を守れない定型的場合を想定してその保護者が必要として行為能力制度設定をしたものと思われます。
ひとつには年齢による画一保護・未成年制度であり、もう一つは年齢を問わない無能力者制度(是非弁別能力欠如)です。
無能力制度は精神病にかこつけた人権侵害がありうるので、専門医の診断が要件になっています。
専門医も聖域化してくると悲惨な事件が起きます。
精神病院の人権侵害事件では、宇都宮病院事件が著名で詳細はウイキペデイアにでています。

1983年4月、食事の内容に不満を漏らした入院患者が看護職員に金属パイプで約20分にわたって乱打され、約4時間後に死亡した。また同年12月にも、見舞いに来た知人に病院の現状を訴えた別の患者が、職員らに殴られ翌日に急死した[2]。
1983年(昭和58年)、宇都宮病院に不法収容されていたA氏が、東京大学医学部附属病院精神科病棟を訪れ、宇都宮病院の内情を暴露し、告発する意志があることを伝えると、東大病院精神病棟内に「宇都宮病院問題担当班」を設置し、弁護士や日本社会党と協力し、朝日新聞社宇都宮支部とも情報交換を行う[23]。A氏の証言がきっかけとなり、入院患者2人について、殺人事件が立証されることになる
精神科病院ゆえの閉鎖病棟や閉鎖性により、上記の実態や患者死亡事件は公にならなかったが、事件の翌年1984年3月14日に、朝日新聞朝刊によって報道され、日本の世論の大きな注目を集め、国会でも精神障害者の人権保障の面から、日本国政府の対応が糾された[3]。地方公共団体の行政(都道府県)による病院監査も不十分であったため、実態の把握ができなかったこと、精神科病院の管理者を筆頭に、病院職員には倫理的な思考能力が欠落していたこと、日本社会の精神科医療に対する理解が、著しく不足していたことも背景としてある[34]。さらに、宇都宮病院には「必要悪」としての社会的存在意義が生じていた。宇都宮病院では、対応困難と見なされた患者を積極的に受け入れ、収容施設の様相を呈していた[37]。
家族間の人間関係の悪化により、措置入院させられてしまう場合もある。前述したA氏は、兄B氏によって措置入院させられてしまった[38]。A氏は、宇都宮病院を告発して民事訴訟を起こしており、1998年10月時点で第1審裁判が続いていた[39]が、2013年11月に死去した[40]。A氏は晩年まで宇都宮病院の廃院を訴えて活動していた。

このあと精神病棟の閉鎖性が改善され、千葉県弁護士会では先進的医療を進めていた病院の見学会を司法修習生対象に長年継続してきました。
今はその延長で、研修先病院を医療観察法制定後千葉県で受け皿主力になっている病院に変え(選択制ですが)研修を継続しています。
この20年前頃から意思能力に問題があるために資産等を守り人間として尊厳ある待遇を受ける必要がある人の大多数が、認知症患者に変わり家族の受け止め方も大きく変わりました。
意思能力に問題がある場合でも、ある程度の能力があるが健全な判断能力に欠ける場合に対する保護は準禁治産宣告でしたが、私が弁護士になった頃には準禁治産者として浪費者のほか瘖唖者などが定型として例示されていましたが、(耳が聞こえなくとも十分な判断力のある方がいます)昭和50年代頃から心身障害の名称を例示せず実質判断で決めるようになっています。

運動の成果

旧民法第11条の改正
1979(昭和54)年までは、ろう者は「準禁治産者(心神耗弱・浪費癖のため、家庭裁判所から禁治産者に準ずる旨の宣告を受けた者。法律の定める重要な財産上の行為についてのみ保佐人の同意を要した。)」と見なされ、住宅ローンの利用や家業を継ぐことも出来ませんでした。連盟の粘り強い運動の結果、1979(昭和54)年に改正されました。

現行民法は以下の通りです。

第十一条 精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第七条に規定する原因がある者については、この限りでない。

行為能力制度と法の下の平等の関係について
法の下の平等という意味は、結果平等を保障するのではなく同じ能力なら、家柄身分性別等によって差をつけるのが不平等として許さないというだけです。

憲法
第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

地方交付金(再分配)制度2(都市国家の有利性1)

企業を例にすれば、10の事業部門のうち9部門平均が10%の収益率でA部門だけ3%あるいはマイナスとした場合、A部門を売却した方が平均収益率が上がります。
赤字部門を抱え続けて収益部門の収益で補填していると収益部門の研究開発費や再投資資金が蚕食されて競合他社に遅れを取っていきます。
GMが最盛期にドラッカー氏に指摘されたこの提言を無視した挙句に破産に至った事例をラストベルト地帯のシリーズで紹介しました。
イギリスのシティ・オブ・ロンドンに関するウイキペデイアによると以下の通り荒稼ぎのようです。

シティは英国のGNPの2.5パーセントに貢献しており[5]、ロンドン証券取引所やイングランド銀行、ロイズ本社等が置かれる金融センターとして[注釈 6]ニューヨークのウォール街と共に世界経済を先導し[6]、世界有数の商業の中心地としてビジネス上の重要な会合の開催地としても機能している[7][注釈 7]。

1990年代初期に、IRA暫定派がシティ内に複数の爆弾を仕掛けて爆発させる事件が発生した[注釈 8][注釈 9]。居住する人口はおよそ11,700人だが、金融業を中心に約31万6,700人の昼間人口がある[9]。

これを英国全土にばら撒かずに、シンガポールや香港のようにスクエア・マイル(the Square Mile)?の狭いシティー内で収益分配できればボロ儲けでしょうが、そうは行きません。
居住人口11,700人でGDPの2、5%も稼ぐ・このおこぼれがグレーターロンドンに浸透しはるかな僻地にもおこぼれが行き渡るのでしょうが、この極端な職業の格差というか分離が、国民一体化を崩壊させているように見えます。
EU離脱支持が地方に多く、反対がロンドン市民に多いとのニュースを見た記憶ですが、このような極端な産業構造の分離が国論統一に対する妨げになっているような印象を受けます。
上海だって、独立して、周辺の安い労働力(昼間人口)を使って儲けを上海市民だけで分配した方が得に決まっています。
現在の香港騒動を西側メデイアが民主主義の危機と受け止めて大騒ぎですが、中国人の方は上海深圳と違い「香港だけいい思いをしている」・・巨大人口市場をバックに儲けているのに全土に還元しない不満があって、中国本土人民での支持が広がらずこれをバックに中共政府の対応が強気になっているように見えます。
貧しい・・近代化の遅れた国は実力のままの方が相応の待遇を得られて有利なのに、僻地が大国の仲間入りすると僻地の企業まで(中国でいえば)後進国向けの恩典を得にくくなります。
外国へ行った時に中国人として大きな態度を取れる程度のミエを張れるのと引き換えに相応の振る舞いが要求されるより、内陸のチベット人や少数民族の人は、その民族名で外国へ行き経済力相応の安宿に泊まる方がエコノミーで良いのではないでしょうか?
自分の属する国が大国であることによって何か良いことがあるのでしょうか?
中国が偉そうな主張をしながら、後進国の特別待遇を求め続けているのはズルイと思う人が多いでしょうが、この矛盾を抱えていることによります。
平均化の不都合の穴埋めに、円が上がると今でも苦しい農業等が余計困るので貿易交渉・・概ね農業保護の要求撤廃緩和の妥協の都度農業地域への補助金等の所得格差補正が行われてきました。
不採算事業・農林漁業の多くはそうですが、企業の事業部門のように不採算事業売却とはいかないので世代交代によって従事人口が減っていくのを待つしかないのでその間は環境変化に対する適応期間(失業者の再就職適応のための職業訓練や、失業給付と目的は同じです)とが必要です。
昭和30年代に高度成長が始まると金の卵と呼ばれる中卒集団就職列車が農村部から東京に向かいましたが、当時現役の4〜50台の農漁業労働者の工場労働者への変身は無理でした。
その頃でも長男は残ることが多かったので、結果的に約2世代かかりました。
それから約5〜60年でようやく農家の担い手がなくなってきた・・近代工場労働〜都市型労働への切り替えが終わった段階です。
今は都市内労働者が、ITやサービス関連への切り替え・再教育が模索されている段階ですが、今後は変化が早いので世代交代を待ってられません。
世代交代なしにIT化など急速進化する科学技術に適応していくのは難しくなりそうです。
今後の世代は大卒時の能力で人生が固定するのではなく、20年ごとに来る新技術への適応力次第で中高年時に大きな格差が生じることになりそうです。
40代に生じた技術変革にうまく適応できた成功者が、60代に来る2回目の変化に適応できないなどの厳しい社会になります。
10年ほど前までは60代になったばかりの人が新技術を知らなくとも「俺は逃げ切れる」という発想の人が多かったのですが、70代まで普通に働く時代が来ると、60代の人でも、もう一度新技術を学ぶしかない時代がきます。
農漁村が置き去りにされる時代には、地域格差でしたので政府の所得保障・補助金や地域経済の活性化目的公共事業による底上げでなんとかなってきましたが、今後は地域にお金を落として就労機会を与えれば良いのではなく(地方救済の公共工事の場合、農家の人が土木工事作業員に向いていたのですが・・)個々のニーズに合わせた再教育機会の提供が重要です。
日本ではこうした分配・所得修正政策が手厚かったので、地域格差問題にそれほど苦しまないし、個々人間の所得格差にも早くから手厚い修正・再教育プランが働いているので民族一体感を強固に保っていられるのだと思います。
東京都は持ち出しが多いので小池都知事が全国知事会等で不満を表明していた記事を読んだ記憶ですが、そもそも東京は周辺や地方経済があってこそ(千葉県には製鉄所や東京電力その他大工場がありますが)と東京に本社機能が集中しエリートサラリーマンや高級官僚がひしめくのであって、東京都民だけでは今の大規模なビル群が維持出来ないはずです。
大規模な催し物・高級芸能あるいは美術展音楽会などが東京で可能なのは、全国から人が集まるから興行が成り立っています。

地域格差と地方交付金制度1

地方税収と地方交付金比率等の現状紹介です。
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/hakusyo/chihou/30data/2018data/30czb01-03.html

3 地方財源の状況
平成28年度における租税収入及び租税負担の状況並びに地方歳入の状況は、次のとおりである。
ア 地方税
地方税の決算額は39兆3,924億円で、前年度と比べると0.8%増(前年度6.3%増)となっている。
地方税収入額の62.0%を占める住民税、事業税及び地方消費税の収入状況は、第14表のとおりである。
イウは省略
エ 地方交付税[資料編:第21表、第129表]
地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、どの地域においても一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障するための地方の固有財源である。また、その目的は、地方公共団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を損なわずに、その財源の均衡化を図り、地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方公共団体の独立性を強化することである。
地方交付税の決算額は、17兆2,390億円で、前年度と比べると0.9%減(前年度0.2%減)となっている。また、歳入総額に占める割合は17.0%(前年度17.1%)となっている。

上記の通り、地方税決算額約39兆円に対して約17兆の交付金ですから、格差是正用資金比率が大きい・・昨日2割と仮定して書きましたが、約3割であることがわかります。
本社の集中する東京都の税収が大きいままでは格差が広がり過ぎます。
地域格差是正のためには国税比率を上げて、格差調整資金として使うことになりますが、自治体の自主性との兼ね合いです。
シンガポールやモナコは、日本の地方交付金に当たる資金負担しないで周辺から吸い上げるばかりでうまいことをしていることになります。
古来から都市国家にした方がいいとこ取りで効率がよく、現在のシンガポールや香港などが突出的に一人当たりGDPが高くなっている所以です。
これに似た例がドイツと南欧諸国との関係です。
EUがなくドイツ単独通貨であれば、輸出黒字の積み上がりはドイツ通貨マルク高となり、輸出価格上がり輸出が減り、輸入品価格が下がるので国民が輸入品を安く買えるようになり貿易黒字にブレーキがかかるのが為替制度の仕組みです。
EUの通貨統合によりEU全体の貿易収支平均でユーロ相場が決まるためにEU全体で貿易収支が均衡していれば、ドイツ1国がいくら貿易黒字を積み上げてもユーロ相場が同じのままなのでドイツは為替相場による修正がなく国力以下の安い通貨のままで際限ない黒字を続けられ、EU域内の恒常的赤字国にとってはいくら赤字が続いても為替相場の下落がないので、赤字が自動的に修正されないまま・・弱小国・南欧諸国にとっては、競争力以上の割高通貨を強制される損な関係です。
この関係は日本でも地域や業種によって輸出競争力差があるのに車や各種工業品など競争力のある業界の大幅黒字の結果、円高になると弱い産業を抱える地域がもしも別の国であれば通貨が下がるはずのところ、同じ国に属しているために国際競争力の弱い地方農産品も車等工業製品の競争力を基準にした通貨との平均価格=日本全体の貿易収支によって決まる円相場で輸入品と競うことになります。
競争力の弱い農業しかない地域の通貨相場が下がるどころか、自分らに関係ない車の輸出が増えると逆に円相場が上がる関係になります。
このように見ると通貨単位は小さければ小さいほどその地域の実情に応じた国際交渉可能なので実は有利なことがわかります。
この後続けて都市国家の有利性を書きますがこの原理によります。

オバマ政権の移民政策(DACA制度論争)1

アメリカは、安い労働者を使いたい・移民あるいは出稼ぎは欲しいが、定着は困るという身勝手な制度の矛盾を解決するしかなくなっています。
その解消に乗り出したオバマ政権時の移民対策(表向きは人道解決)について見ておきます。
https://www.bbc.com/japanese/41170136
・・DACA制度に登録した若者は「ドリーマー」と呼ばれ、就労や通学が認められた。その大多数が、ラティーノ(中南米系)とされる。
不法移民と言っても主としてメキシコまたはメキシコ経由で入ってくる中米からの低賃金移民が政治問題になっていることが分かります。
カナダの方は米国より自分たちの方が良いと自負しているので、経済自由化に伴い人的移動自由化があってもそれほど一方的な移動が起きなかったのでしょう。
オバマ政権のいわゆるDACA制度については以下に詳細紹介があります。
項目だけ引用ですの詳細は下記に入ってご覧ください。
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8896325_po_02620101.pdf?contentNo=1

【アメリカ】 オバマ政権による新たな移民制度改革 海外立法情報課長 岩澤 聡
国立国会図書館調査及び立法考査局

*オバマ大統領は、2014 年 11 月 20 日に行った演説において、約 400 万人の不法移民の国外 退去処分の延期等を含む新たな移民制度改革を大統領権限により開始すると発表した。
1 背景と経緯
1 背景と経緯 アメリカ全土で 1100 万人を超える不法移民への対応はオバマ政権の最重要課題で あり・・・以下省略、
2 移民制度改革の概要
(1) 国境警備の強化
(2) 国外退去の優先順位の見直し
(3) DACA(Deferred Action for Childhood Arrival)プログラムの拡大
(4) アメリカ市民および合法的永住者の親に対する延期措置の適用
(5) 高度な技能を要する業種及び労働者の支援

上記は、下院議決できたが、上院多数を占める共和党の反対で法案は葬られたので、大統領令署名での運用緩和だったらしいのですが、賛否両論があったとしてもこのように事実上の合法化で不法移民(といっても違法レベルによる分類がありますが)平穏・普通の生活をしている限り多くの「不法」移民が陽の目を見るようになった変化が起きたのは事実だったでしょう。
移民反対のそれぞれの立場があるでしょうが、親に連れられて不法入国?オーバーステになった子供が一生涯日陰者で暮らす気の毒な境涯(日本の旧幕時代の穢多非人のような扱い?)から脱却できて普通に暮らせることほど人道的に心温まる政策ではないでしょうか。
文字どおりドリーマーだったのです。
とはいえこれまでビクビクしていた青少年や移民が自信ある様子になるのに不快感を持つ人が一定率いるのでしょうか?
彼らの主張は親に連れてこられただけで罪がないか否ではなく、異民族が近くにいるのが不愉快だから出て行って欲しい基本姿勢があるが合法移民には文句言わない、少なくともきちんと手続きしないで入った人に限定してちゃんと法を執行して追い出してくれというようですから、それなりに筋が通っていますので人道論一本槍の民主党と議論がかみ合っていないのです。
しかし経済面からいえば、便利に使いながら国から出て行ってくれという主張自体自己矛盾である点が日本では一般化されず、大手メデイアは人道的に・・というオバマ大統領の主張する土俵の議論ばかり紹介する傾向があります。
シンガポールでは、人件費の安いマレー人を雇用して利益を上げ、マレー人は夜マレーに帰る通勤外国人に頼っています。
東京都は周辺の比較的人件費の低い人材雇用で儲けています。
例外はありますが、都心から周辺へ距離が伸びるのに比例して、地価やマンション相場が低下しているしホテル等の料金もほぼ同傾向です。
日本で多くの市町村では、住民税や市町村固有税収だけでは足りず不足分は国から地方交付金で賄ってる状態です。
地方税収取得割合を高めた場合、貧乏県と富裕都府県との格差が広がりすぎるので、大方の地方自治体の税収を例えば平均2割不足する程に設定して2割分を国税収入にする代わりに、その2割を地方交付税として人口比?平均より税収の少ない自治体に手厚く交付し、黒字団体には交付しない(不交付団体)のでその分他の自治体に回る資金が増えるのかな?
上記例の場合2割の赤字は本来の制度設計ですから、2割を超える赤字団体と2割以下の赤字に努力成功した赤字団体・東京都のように本社機能のある大都会ではもともと超黒字団体もありますので、努力差に応じて成績に報いるシステムになっているのでしょう。
このようにして東京、大阪、名古屋、福岡等の大都市を抱える地域ばかりが税収を独占しないように、日本の場合地域格差是正に努力してきました。
固有の地方税収額と国税から配布される地方交付金の占める比率を明日見ておきます。

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