サービス社会化(内需率)3

http://www.globalnote.jp/post-1614.htmlによる貿易依存度の表によると以下のとおりです。
直近データ2015年
単位は%
・貿易依存度はGDPに対する貿易額の比率
 順位   国名      依存度
  1   香港      337.04
  2   シンガポール  233.25
  3   スロバキア   166.57
  4   ベトナム    162.63
  60   韓国      72.05
  64   ドイツ     70.54
  165  イギリス    37.45
  178  中国      33.33
  189  日本      28.11
  191  ミャンマー   26.47 
  194  イラン     25.56
  197  米国      21.12
  200  シリア     20.06
  202  キューバ    16.85
  205  スーダン    12.71
  206  ベネズエラ   6.91 (最下位)
韓国は60位で日本・米国は当時経済制裁を受けていたり戦乱で経済麻痺状態のクニなどを除けば、ほぼ最後尾です。
貿易依存度の表を見ると香港・シンガポールなどの例外的・・商業都市国家に特化している国家・地域を除く一定規模のクニで見ると、急激外資導入新興国の順に依存度が高い傾向が読み取れます。
この基準で見ると20年ほど遅れて近代工業化を始めた中国よりも韓国の方が貿易依存度が高い(内需率が低い)のですから、発展イビツ性・内需力の低さは半端ではありません。
経済制裁等孤立している国や戦乱で貿易どころではないクニを別とすれば、原則として内需率の高さが国民生活の豊かさに比例していると言えるでしょう。
この後で少し触れますが、消費力は結局は国民文化力に比例します。
人口あたりGDPの比較をしても、韓国のように財閥が独り占めてしていても中国のように巨額賄賂のクニでも平均値があがりますので、庶民の豊かさと関係がありませんが、内需の大きさは実質的豊かさ・文化レベルに関係します。
GDPを人口で割って、一人当たり所得に計算してランキングを発表しているのは、粗雑過ぎて無理がある・・何を表しているか意味不明です。
文化価値を理解出来ない人が統計を作って満足しているからではないでしょうか?
各国が自国内で経済活動が完結している場合には労働分配率を計算していれば良かったでしょうが、今や世界中で他国資本が入り乱れている時代です。
A国の成長に寄与した先進国B国の企業は利益を本国に送金するし、A国から派遣されたXY等の幹部社員の家族はA国内でその給与で生活しています。
外資支配下でしかも財閥支配の韓国で、二重の意味でGDPを人口で割っても庶民生活レベルを表さない極端な社会になっています。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/161231/mcb1612311520002-n1.htmkらの引用です。
「固定化する格差社会、6割が悲観…「韓国の社会動向2016」が描き出すヘル朝鮮 (1/4ページ)」
ドイツの内需率が低いのも有名ですが、ドイツの場合格差と言うよりは基礎的消費未熟社会・・生活を楽しむ文化未熟の結果でしょう。
うまいモノがない楽しいモノも少ない・・生活レベルの低さに(満足している?)問題があることがそのまま現れています。
食べ物がまずい・芸術センスも低いイギリスでも外需依存度165位ですから、ドイツの内需率・生活水準の低さが分ります。
ドイツ人からすれば、自分たちは何も楽しいこともなく質素な生活をしているのに南欧諸国はうまいモノを食べて贅沢して生活が苦しいと文句を言っていると言う不満があります。
南欧系から見れば、北欧系はうまいものも楽しいことも知らないバカみたい!な人間の集まり程度に思っているでしょうから、EUは白人・キリスト教徒の仲間と言うだけではうまく行きません。
韓国の内需率の低さ・貿易依存度の高さに戻りますと、円高の防波堤(人件費アップによる競争力低下を超ウオン安で相殺できていたのです)がある間に内需型に転換準備をしておくべきだったのですが、消費=数量の時代にはアメリカのように大量消費すればいいので簡単ですが、人の二倍ポップコーン・ハンバーガーを腹一杯食べられると自慢する時代が終わると大変です。
今後の消費費力はより良い物を見極めて賞味する・・お金の有無プラス文化力ですが、文化の底上げには5〜6世紀では足りない?でしょうから無理があったことは確かです。
イギリスの世界支配は文化力がつかないままで終わりましたし、アメリカもジーンズとハンバーガー程度で終わりそうです。
これに加えて中韓両国の場合には、日本を追い越すと言う夢にしがみついていますので、形式データを上げる方向へ狂奔する傾向があります。
需要もないのに大学進学率を上げるとか、知能テストがあると事前練習させるとか何のためのテストかが分っていません。
中国も「鉄は国家なり」などの古い理念にこだわって、生産量がどこを追い抜いたとか造船量・GDPで日本を追い越すことに必死でそのためにはデータ改ざんも気にしません。
データは事業運営や国政を誤らないためにあるのですが、その意味が分かっていない・・自慢するための材料になっています。
中進国の罠にはまらないために韓国では、人件費抑制のために急激な非正規効用拡大へのシフトによって、人件費アップを抑制して来たの出すがこれでは何のために中進国に入ったかの意味が分かっていません。
この結果一定の発展に応じた消費力が身に付かない・・よりいっそう消費力を減退させたことになった・・この不満が国民に充満しているので、どの政権も反日を続けるしかなくなったのでしょう。
安倍政権・・黒田日銀になって日本の超円高が終わって韓国経済の調子が狂ってきて初めて内需力の弱さに気が付いたところです。
量が行き渡るようになると消費は質に移る・・別の面から見れば文化力次第ですから、新興国・・中韓両国共にいきなり庶民全般の文化レベルを引き上げる・・日本とは千年以上の差があります・・消費レベルアップは簡単に行きません。
そこで、誰でも参入出来る不動産バブルに目を付けて政府主導で始めた点も中韓歩調が合っています。

サービス社会化1(貿易依存度1)

WTO違反の裁定などどうせ時間がかかるので、その前に日本が屈服して来るだろうと言う実力主義・・WTO裁定(負けるのが分っていても)の結果を中国は気にしない態度を明らかにして来ましたが、僅か1年で大規模訪日団を送るところまで追い込まれたのは中国の方でした。
レアース禁前後には、事前に決まっていた訪中使節その他ありとあらゆる日中交流日程を予定が立たないなどと言う理由で次々とキャンセルして来たことから見れば、自分の方から訪問して来るなどは180度の方向転換です。
ただ、この辺はそれほどメンツにこだわらない中国人民の柔軟性で、韓国のようにトコトン修正出来ない硬直民族との違いです。
いろんな事象に対するネットコメントを見ると、韓国人のコメントでは北朝鮮政府声明のようにいつも決まりきった反日意見しか出て来ませんが、中国人のコメントはネット検閲が厳しいと言われる割に、自国を客観的に見るコメントが多いのをみるとこれが、政府の柔軟性と繋がっているのでしょう。
もしかして柔軟性と言うよりも実利100%の国民性・・恥も外聞もない・・実利優先と言う方が正しいのかも知れませんが・・。
中国地域は異民族支配の方が長い・現在でも多民族社会ですから、物事を相対的に見る習慣が本来あるとも言えます。
専制支配が長かった印象から外れますが、異民族・多民族社会であるから自由に意見を言わせると百家争鳴でまとまらない・・強権支配しか出来なかったとも言えます。
巨人と言われたチトー死亡後ユーゴスラヴィアが解体に向かった例でも分りますが、余程の指導者か強権支配しか社会が持たないのかも知れません。
低レベル社会では落ち着いたが話し合い解決が不可能なので、議院内閣制ではなく大統領制でないと国家運営出来ない原理に繋がっています。
大統領制とは専制支配の民主的修辞です。
元々漢民族自体が黄河中流域の洛陽〜開封までの盆地・・中原地域を囲む四囲の個性の異なった民族・・北狄(高原・山麓の狩猟民族・西戎(荒涼たる砂漠の騎馬民族)・南蛮(江南・湖沼水郷系民族)、東夷(黄河デルタ地帯の民族)が、市場交易を求めて渡河の容易な黄河中流域に集まって混合した民族がその原型です。
時代の進展により、狭い中原から交易圏が広がり、(春秋戦国時代に新興勢力楚王が、周王室の鼎の軽重を聞き、秦末漢楚の攻防も結局は長江流域が交易圏に組み込まれて来た時代を表しています)今では何千km単位の広大なイメージの西戎(アフガニスタン付近まで含む)南蛮(ベトナム〜インドを含む)東夷(朝鮮日本を含む)ですが、元は洛陽あたりを中心に目に見える範囲の周辺山地・原野・デルタ地帯の先を指していた言葉です。
交易権が広がると水運に便利な便利な下流に中心地が移り、洛陽から開封に都が移って行きます。
日本でも壬申の乱の頃の東国とは、今の岐阜県あたりを指していたのですが、中世では箱根以東をさすようになったように、周辺呼称の範囲は行動圏の広がりに連れて広がります。
レアアース禁輸に話題を戻します。
レアアース禁輸後約1年経過で勝負がついて中国経済代表団が訪日せざるを得ない結果になったのは、WTOの裁定(正義)によったのでなく、日本の技術力・抵抗力が上回ったことによります。
中国は嫌がらせで日本企業を閉め出したつもりだったのに、日本の高度技術が必要なので日本からの投資減退で参ってしまったことによります。
(穴埋めにドイツ誘致を計画しましたが補完し切れないことが分ったので、手のひら返しに訪日団を結成するしかなくなったのです。)
現在韓国が中国の締め上げに参っているのは、フィリッピン同様に韓国には代替の利かない高度技術が少ないのでスキなようにやられている原因です。
日本もBtoBではなくBtoCあるいは訪日中国人観光客や現地スーパーのような代替性の高い分野に頼る業界が増えると、中国が何か要求を通したくなるとイキナリ対日観光客を絞ったり、現地日経コンビニなどを標的の不買運動など嫌がらせが始まるので、リスクが大きくなります。
フィリッピンのバナナの通関手続を故意に遅らせて腐らせてしまったりしていましたが、レアアース事件のときにもこの味を占めてたのか?日本からの輸入品の通関手続を故意に遅らせるイヤガラセをしていましたが、部品は腐らないし困ったのは輸出向け工場で日本製部品の早期組み込みを必要としていた中国民族企業の方でした。
現在中国の対韓嫌がらせも観光・韓流その他消費系が困っているだけで、今朝の日経新聞によるとサムスン・SKなどの対中半導体輸出は今年二月は前年比5割増メモリーは8割増とかで好調らしいです。
今後中国の内需目的の進出企業が巨額投資してしまうと、フィリピンのバナナのように何をやられても我慢するしかない・・かなりのリスクが生じます。
ここからサービス経済化にどのように対応するべきかテーマに入って行きます。
3月11日日経新聞朝刊7pには、米雇用23.9万人増の見出しとともに「完全雇用の死角」の題名で1990年から2016年までに民間雇用者総数は3000万員増えたが製造業では500万人減り代わりにサービス業では2500万人増えている」
「長い目で見ると給与の高い製造業の減少傾向が続き給与水準の低いサービス業へシフトが進んでいる」
となっています。
その記事の冒頭に建設現場では、給与を2〜3割上げても人手不足のままと言う現象を紹介しています。
如何にも白人・中間層は元々3K職場・建設現場に来ない・・移民労働者が入って来ないとどうにもならないと言うイメージ操作っぽい記事でもありますが、一応こんなところです。
全体の論調は(移民に職を奪われたのではなく)完全雇用下なのに多くの人が不満を持つようになったのは、サービス業シフトが賃金低下・生活水準低下を進めたから・・と言う説明です。
先進国の発展過程は、一般的に地場で成功した企業が県外等へ輸出し、次いで◯◯地方から全国規模輸出となるに連れて工場も域外に作って行く、最後に海外展開して行くのでこの間に儲けの還元などで自然と内需・サービス業も追いついて行きます。
AI化やロボット化オートメ化進展で製造業の発展に連れて成長していたサ−ビス業が、(工場周辺飲食店ではなく)製造業と切り離して独自に必要な時代が来たのです。
中国、韓国などの中進国の足踏み現象を経済的に見ると、この順次発展の過程を経ていない分、より大きな構造問題が起きるように見えます。
自発的発展ではなく、低賃金を武器にした世界の工場機能を果たすときには、元々ゼロのところに先進国から先端的近代工場が進出して来るので後進国の前近代的生産性から見ると百倍?規模で生産性アップする上に、誘致にあたっては国内産業保護のために当初100%輸出用生産しか認めないことが多い・・国内需要無視の輸出型工場誘致ですので先進国本社で輸出先を用意してくれる・・作った分だけ売れます。
中国開改革開放後に日本向け野菜などの(日本人好みに合うように)生産指導が盛んでしたが、全量日本のスーパーなどが引き取る契約でした。
毒餃子事件の騒動の報道もこの種の流れは分るでしょう。

内需拡大と所得再分配(非民主国と対外冒険主義)

貧しい国では、庶民にお金が行き渡らなくとも、先ずは国家規模の黒字を大きくしたい気持ちも必要性も理解出来ます。
その段階では威張るのは早過ぎるのですが、すぐに威張り散らしたくなるところが中韓両国民の底が浅いところなのか、あるいは成果が国民に行き渡らない不満が嵩じて来た結果も知れませんが、不満そらしに対外威嚇を始めたのではうまく行く訳がありません。
難しい対外交渉は本来「満を持して」行なうべきなのに、苦し紛れに言いがかり的に打って出るのでは、名分がない分だけでもマイナスから始まるので多くは失敗します。
昨日からネットニュースになっていて今朝の日経朝刊に出ていますが、昨年習近平の英国訪問についてエリザベス女王が「中国は無礼」だったと言う発言がカメラに拾われていたことが大ニュースになっています。
AIIBへのイギリス参加など英中蜜月演出のための訪問でしたが、イギリスの足下を見た習近平の横柄な態度にイギリスが内心怒っていることが表面化したものです。
札ビラに頼る外交は不満をその分高めている・・本当の敵を作っていることに気が付いていない・・札ビラ外交の場合、内心反感を持たれている関係で札ビラの威力がなくなるとすぐに力を失います。
中国の横暴な発言力・行動力の源泉が札ビラ・力ずくしかないから、中国の購買力持続性に関するテーマでこのシリーズを書いています。
我が国は戦後70年間道義に基づく外交をして来たので、日本をけなすことに存在価値を置いている中韓政府を除けば世界中が信頼してくれています。
信頼に基づいて発言を求められてから遠慮ガチにする発言と誰も聞きたくないのに、金や軍事力を背景に偉そうに言うのとでは、影響力がまるで違います。
中国は黒字蓄積・・大盤振る舞いによる強引な対外威嚇が効かなくなって来たので、今度は内需拡大による輸入拡大→発言力維持策に移行していますが、内需重視政策こそは民主政治化・・国民を大切にしないとうまく行かないので共産党独裁政治に対する試金石です。
内需拡大のためには国民を豊かに・・政府と国民、あるいは共産党幹部や財閥と国民間の所得分配公平化への改革が先決・・待ったなしになって来る筈です。
内需拡大→所得分配公平化のためには、既得権益層に切り込む必要があるのにそれが出来ない場合、国民に金を貸して誤摩化す道を選んで来たのが韓国ですしアメリカのサブプライムローンでした。
言わば先進国がアフリカなど最貧国相手にODAでお金を貸して(貸し主としての事実上の支配継続)製品輸出市場にして来たことを国内でやって来た状態です。
時々最貧国への債務免除がテーマになりますが、韓国でも過去に何回も徳政令が出されて来たと言われます。
韓国の場合大手企業の大半が欧米に買収されて支配されている・・経済植民地支配を受けている状態ですから、正に形を変えた経済支配を甘受している状態です。
中国の場合、資源等の爆買いをテコにした発言力誇示に無理が来たので、貧しくとも人口さえ増やせば人口比で消費が増える→発言力が上がるという倒錯した発想・・折角鄧小平の始めた人口抑制策緩和・人口増に先祖帰りして来たようです。
国民のための政府であれば、指導者の?発言力アップよりは国民の生活水準アップが先決でしょうが、そうはならないところが国民のための政権ではない共産党政権の本質を表しています。
トランプ氏の主張は、海外駐留軍経費を減らす・移民禁止など言い方が乱暴なために批判があるものの、為政者が外国で威張ったり国際会議等でチヤホヤ・よい待遇を受けるために国費を使うのに反対と言うもので、国民のための主張・・民主国家の本質に合っています。
中国政府も国外で威張っても意味がないことは分ってはいるが、経済実態が悪過ぎて、きれいごとを言ってられない・・仕方がないから対外成果を強調するしかない状態なのかも知れません。
ロシアだって経済がうまく行っていたら、ウクライナ侵攻・クリミヤ併合事件は起きなかったと思われます。
経済の苦しいときにシリアまで出て行って空爆する巨額経費を何のために掛けていたかです。
経済的には何のメリットもないどころか大損でしょう。
損をしてでも対外威力を示せば国民が喜ぶ?非合理な国民性があるからです。
そんな火遊びばかりでは国民が余計窮乏化して行きます。
ところで、経済が最悪であっても必ずしも対外冒険主義に走るとは限りません。
ソ連崩壊時・中国の改革開放時には今よりももっと酷い状態でしたが、酷い状態にした責任者がいれ変わっていたことが大きな違いです。
鄧小平にしろエリツイン→プーチンにしろ酷い状態は前時代の責任であって、「これからどん底から這い上がるぞ!」と国民に夢を持たせられたので我慢を強いられたのです。
現在のプーチンは自分の長期政権の結果ですから、責任転嫁出来ませんから対外冒険主義に出ていると解釈出来ます。
習近平の場合、彼の就任前から実体的には経済悪化が始まっていた・・リーマンショック後の約50兆円の財政資金投入による過剰投資・・その後始末に困った反日暴動も彼の就任前から始まっていたし・・本来彼個人責任の問題ではありません。
彼にはゴルパチョフのように過去の政体を破壊し、新体制を標榜するほどの勇気も力量もないので、(安心して選ばれたと思われます)ずるずると共産党政権延命のために前政権が始めた対外膨張活動の延長政策をしているに過ぎないように見えます。
円満退陣して行く仕組みがないと(独裁者失脚の末路は悲惨ですから)為政者が簡単に引き下がれない・・悪あがきするようになるようです。
こうして見ると政治家は(大規模天災や日本政府に責任のないリーマンショックや原油下落など外的要因によるとしても)結果が悪ければ円満退陣する仕組み(選挙)の必要性が分ります。

外資たたき(威嚇政策)の功罪

反日暴動の次は、周辺への恫喝外交、更には特定外資を次々とやり玉に上げたりしていましたが、これも駄目となると独禁法名目で外資だけで締め上げたり、中国政府は一見やりたい放題をしているように見えますが、レアース問題同様に近いうちに外資全般から、何らかのしっぺ返しが来るでしょう。
共産党政権は、国内では、過激な政敵粛清や少数民族弾圧や言論弾圧・・海外に向けては周辺国叩きや外資たたきを繰り出して、国民に対して如何に共産党政権が頼もしい存在か自慢しているつもりでしょう・・。
アメリカ企業を標的にした非衛生食品工場の大々的報道でアメリカへの意趣返しをしたついでに「アメリカだって怖くないぞ!」と虚勢を張っていたように見えます。
しかし、一般論として言えば、ヤクザが凄んで周囲に威張り散らしていると、この人は普通じゃないと思って周囲が相手にしなくなるだけですが、自分の無茶な言い分が通ったのと勘違いしているようなものでしかないことを知るべきです。
ヤクザっぽい人が一度でも地(ジ)を出せば、今後、普通じゃないと思われてしまい、その後どんなに猫なで声で近づいて来ても、普通の付き合いから除外されてしまいます。
いくら独裁国家でも、それなりの「国民の支持の受け」を狙ってやっている以上は、国民の多くも政府同様に「内のお父さんは偉いぞ!ちょっと腕まくりしただけで、みんなを黙らせてしまった」と評価していると思われます。
中国政府(これを支持する国民)は、やったことの反動的マイナス効果を考えずに次々と無茶をやっては、その都度マイナス反動の大きさに驚いて、充分に考えもせずに慌てて次の嫌がらせ施策を繰り返しているだけ・・無定見の極みですから、実質は政権運営能力不足=経験不足を表しているのではないでしょうか?
韓国朴大統領の「いわゆる告げ口外交」も同様で、レベルの低い国民?は朴外交成功と喜んで自己満足しているようですが、告げ口に成功すればするほど世界中にマイナス効果が拡大することを理解できていないようです。
個々人の人間関係を考えても分りますが、大っぴらに陰口を吹聴していると吹聴されている人よりも吹聴している人の方が逆にみんなから嫌われるのが普通です。
今回の産経新聞ソウル支局長に対する検察庁への召喚も同様で、韓国批判を許さないと威張ったつもりでしょうが、韓国では政府批判をも許されないのかと驚いた人が多いと思われます。
その気になって注意してみると、慰安婦問題で日本の主張の方が正しいと主張しているアメリカのいわゆる「テキサス親父」の意見が、韓国政府に都合が悪くなったものの、相手がアメメリカ人なのでまさか検察庁へ召喚することが出来ないので、YouTubeへの掲載を有害(ポルノ)報道扱いで強制消去しているようです。
韓国政府はどうだ!と威力を示したつもりでしょうが、民主国家の仲間入りしているとは言っても、言論の自由の程度は、中国の民主化程度と50歩100歩に過ぎないと世界中に自白しているようになっていることの大きなマイナス効果が分らないのです。
朴政権が中国へ接近するのは、このレベルから見ても同質性があって気があうでしょうから理解可能です。
世界各地の慰安婦像が将来韓国がこんな酷いことしていたと言う歴史遺産・証拠として解説板が併記される日が来るのを理解できないのです。
以下具体論ですが、アメリカ系企業や日系企業を狙い撃ちすれば、その大規模工場が間違いなく廃業=大量失業が生まれますが、受け皿を民族系工場が補充出来ると思ったのでしょう。
ところが事件報道が始まると政府の外資追い出しの思惑に反して、民族系食品工場製品の方がもっと汚いだろうと言う消費者の反応が生じてしまいました。
日本企業の多くが(ファミリーマートは別の工場から調達していると言う理由で中国調達をやめないようで、日本人の中国製品離れを軽視しているようですが、これが吉と出るかどうかでしょう)中国からの食品調達を一斉にやめて、タイその他の国での増産や移転を計画して、そこからの輸入品が入手出来るまで国内販売を即時にやめる決定をしてしまったことです。
品不足でマクドナルドなど売り上げ減になっていますが、短期間売上が減っても消費者信用を失う方がダメージが大きいと思ったのでしょう。
中国政府の狙いはアメリカ系企業への嫌がらせのつもり→民族系企業の発達を計画したつもりだったでしょうが、結果的に中国全土で民族系食品輸出工場が成り立たなくなりそうです。

貿易依存率と内需10(ブラック企業)

韓国は中国より少し早く民主化への歩みを始めているだけで、中国とは社会構造に本質的同質性があるので、朴政権の中国接近策はほっとするような気持ちになって気持ちが良いと思われますし、長期的方向性としては間違っていません。
創業後立ち上がりに成功し一定の地歩を確保すれば、労働条件改善その他内容を充実させる方向に方針を切り替えるのが普通ですが、中韓両国にはその力がない・・切り替えると何か困る要因がある点でも共通しているのでしょう。
折角商売に成功しても家族を豊かにしたくない・・お父さんが自分だけが豪遊して遊んでいるようなもので、国民を豊かにする方向へ切り替えるつもりが元々ないとなれば、何のために国際競争力を向上させる努力をして来たのかとなります。
中韓両国では、歴史上政府が元々国民のためにあったことがなく、政治の目的が政権維持そのものが目的化していることが原因であるように見えます。
環境・福利厚生その他間接的分野に資金を使うと国際競争に勝てない・・劣悪労働条件・・ブラック企業競争で、輸出競争によって勝っているとすれば、スターリンが国民を餓死させながら穀物輸出していたことの現在版・同工異曲です。
(現在中国では、餓死を免れている代わりに、国民はマトモニ水をのめない、綺麗な空気も吸えない環境におかれています)
中国のレアアースが世界を席巻したのは、環境破壊その他労働者の健康無視など劣悪条件で格安生産して、(採掘技術が進んでいて低コスト実現と言うことではありません)安全管理しながらの世界レアアース産業を駆逐してしまったことによります。
環境や労働条件・・国民の生活水準を改善するとコストが上がって競争に勝てない弱みがあるから、黒字になって世界貿易参入が軌道に乗っても、福利厚生方面をまともに改善できないのではないでしょうか?
中韓基準では経営者・幹部の儲け率が全てですから、国自体がブラック国家?ブラック企業が国を挙げて賞讃される・・腕のいい経営者となるのでしょうか?
わが国でも最近ブラック企業と言う用語が定着してきましたが、劣悪条件で働かせて低コストで成長しているような企業は我が国ではブラックと言われて警戒されて就職する人も減ります。
日本のように国民のための企業であることが基礎意識の国では・国民=労働者を苦しめて儲けているような企業は社会的存在価値がありません。
ゼンショウホールデングス(すき家)がブラック系として有名になって困っているように我が国では、(労働者を含めて)周囲に迷惑をかけて(貧困化を進めて)も自分だけが儲ければ良いと言う価値基準の企業は日本では存在意義がないと言うべきです。
噂によるとゼンショー創立者・オーナーは往時の全学連の闘士だった人らしいですが、闘士として活動していた当時「資本家は人民の敵だ」とがなっていたと思われますが、自分も経営者になれば労働者を搾取し尽くせば良いと思い込んでいるのではないでしょうか。
そうとすれば思想信条は昔から一貫しています・・サスガ筋金入りの闘士です。
ところで、中国はお金が出来たので、国民の消費水準を仮に引き上げようとしても国民に消費文化の経験がないことから、物を配るくらいが関の山でイキナリレベルアップ出来ません。
成金(貧乏人がイキナリ金持ちになった人をいう意味でしょうか?)が、お金を使うとすれば電気製品等やブランド品を買うか、浴びるように酒を飲み、バー、キャバレーで大金を使う、いわゆる豪遊する程度の能力しかない・・高雅な遊びをする能力がありません。
高雅な遊び・・消費をするには、文化は3代と言われますが、時間とお金がかかります。
日本では、江戸時代から(古くは万葉集の時代から庶民が和歌を詠んでいました)庶民が文芸を楽しむ土壌が根付いていますが、そこの違いです。
中韓では人民が文化を楽しむ歴史がそもそもありません。
欧米も芸術等は王侯貴族や教会のものであって、個人が楽しんだものではありません。
中華料理もフランス料理も宮廷用のものですが、日本の各種料理や芸術は庶民が開発して来たものです。

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