04/10/05「不平等条約改正に対する日本政府と清朝の違い(漢承秦制の思想と社会の停滞)」のコラムで中国人学者の書いた論文を紹介したことがありますが、秦帝国成立前の貴重な諸子百家の思想のうち、専制政治に都合の良い限度でしか思想の自由を認めない=本当の正義が何かの議論すら許さない・・「権力の決めたとおり生きてれば良い」と言う体制で二千数百年も経過しました。
(孟子の立派な思想も日本に輸出して終わりになり、中国人には君主に都合の良い言説しか知られていないのでしょう・・善悪に関する思想に限らず、美術工芸品も見るべきものがないのは、自由な発送が許されず型通りのものを造るしかない時代だったからです)
専制君主制しか知らない中国や韓国では、正義と不正義・犯罪処罰の基準が人倫の道に照らして正しいかどうかで決まるのではなく、権力者の意向・・それもその時々の政治権力に都合が良いかどうかで決まる社会でしたから、真っ当な正義感が育たないどころか逆に阻害されます。
中韓では正義の物差しがはなく、権力の決めた命令に従うことが第一でその次に権力の決めた基準に反しない限度で当面自分の利益になるかどうか・・この行動をするのには、嘘でも何でも主張してでも権力の気に入るような目的達成すれば良いという社会になってしまいました。
(いつ理不尽な首チョッパー・失脚があるか分らないので、いつでも遠くへ逃げられるように頼りになるのはお金だけという心情が生まれ、現在では権力の及ばない海外でのお金の蓄積に励みます・・これが家族まで海外に逃がしておく裸官がはびこる基礎思考です)
権力すり寄りが第一の基準ですから、今の「世界強国のアメリカに迎合して日本批判して何かを要求すれば良い」価値観で行動しているのが彼らです。
そしてアメリカの判断基準は、超法規的価値基準がなく、自国の利益になるかどうかであり、その判断を左右するのは資金力・・ロビー活動次第になっています。
こうして作り上げたルールも国内向けだけで対外的にはどんな卑劣な手段を弄しても許される・・国を挙げて世界に向けて事実に反した虚偽宣伝していると、これを見て育つ国民もそうなるのは当然で、国内道義が乱れて亡国の道を歩むことになります。
ところで、独裁政権の中国でも今では一応事前に決めた権力者の決めた法があり、その基準に合うかどうかを判定する裁判所がある以上、事前に制定された法・基準による生活さえしていれば良い筈ですが、共産党の利害に関連すれば・・司法秩序外の超法規運用・弾圧がまかり通っています。
明治憲法で「臣民の分際に反しない限度での基本的人権」という論争がありましたが、今の中国は「共産党支配」を侵害しない限度という枠内で法治国家になっているに過ぎません。
共産党の命令による拘束の場合・(天皇制否定のような明白な基準すらなく)超法規的に拘束されると共に、司法手続きから除外されてしまい、党内規律違反という意味不明の基準でヤミからヤミに葬られます。
共産党の何の規律に反したかさえ明らかではなく、共産党の命令ならば、何ら基準も要らないよう・・外部公表されない結果、仮に基準があったとしてもないのと同様です。
・・法輪功の訴えでは、どこかへイキナリ連行されると生きたまま、内蔵摘出されてヤミ市場で売買されている状態と言われています。
(法輪功関係者の主張の受け売りですから真偽不明です・・ただし、正式な臓器提供数と実際の手術数がまるで均衡していないことは事実のようですから、法輪功に限らずヤミで処罰された人の臓器や人身売買による臓器が市場に出回っていることは確かなようです。)
今回の薄煕来事件自体その後ヤミに入ったままで、彼が生きているのかどうかすらまるで分っていません。
(対外的に検挙したことにして、実際にはどこかで優雅に暮らしてるのかもしれず、逆に今頃は誰かの内蔵に化けているのかも知れない不気味さです。)
妻の谷開来氏の事件は、イギリス人が被害者であることから公開裁判があったようです。
アメリカの場合、法治国家であると主張していますが、テロリストであれば司法秩序外で処理されても仕方ない仕組みになって来たようですし、(グァンタナモ基地での拷問が無制限・自由に行なわれて来たことは周知のとおりです)対外的行為・・アフガン等では戦闘員がテロリストと見れば自由に殺していて彼らに法の保護はありません・・こう言う非人道的なことばかりしてるからアラブ諸国ではアメリカに対する憎悪が蔓延しているのです。
古代ローマでは市民権があったのは市民だけであるように、アメリカで法の保護を受けられるのは、(当初黒人が除かれていましたが)アメリカ市民権を持つ人のみであり、今では諸外国(主として非白人)が埒外です。
このようなご都合主義的な二重基準(背信性)が、2013-5-31「強者の論理3とモラール破壊5」で書いたように、国民の価値観を分裂させないでは置かないでしょう。
我が国では外国人と同居したいと思う人は少ないものの、具体的生活での人種差別はありません。
欧米では法や思想面だけ人種差別反対で、日常生活ではもの凄い差別意識で生活している・・言わば虚言・偽善社会です。
この偽善道徳に自分が縛られてしまい、アラブやアフリカ諸国の移民をドンドン受入れるものの本音ではもの凄い差別意識があるので、結果的に移民が不満を持って人種騒動を起こす原因なっています。
我が国では、学校教育で「万物の霊長」という西洋の思想を知って先ず天地がひっくり返るほど驚きますが、人種差別以前にどんな動植物も我が子のように大切にする社会です。
私などは、自宅の花壇の植え替え時期が来るとまだけなげに咲いている花を引き抜くのにためらいがあって、何日も迷います。
しかし,植え替え用に購入した次の苗を放っておけず、アハレと思いつつ遂に全部引き抜くことになります。