大分横道にズレましたが、中韓のバブル・・マンション高値相場に戻ります。
17日頃から連載して来たように、賃金相場が韓国では日本の7割程度・・実質では5割以下しかないのに、日本の平均的サラリーマンですら買えない価格である6000万円のマンションが韓国では平均価格になっていることの不思議さです。
元々中国人と違って、韓国人は投機性が低い国民性です。
中国人のように転売目的で2戸め3戸めを買い進めて価格高騰したのではありません。
実質日本の何分の1の賃金で平均価格6000万平均まで買えたかですが、これはローンの仕組みによるようです。
12日に紹介したとおり、韓国のローンでは金利だけ払えば良いと言う不思議な制度らしい点が、(上記記事では「満期が集中している2019年には元金をも払わないといけないので・・」と書いていることから見ると当初の一定期間・5~6年間だけ元金を払わないで良い据え置き型か?)日本よりも巨額ローン設定を可能にしている原因かも知れません。
元金を払わないで金利だけ払えば済むのと元利均等払いとを比較すれば、金利だけ払えば良いならば日本の何倍もの高額物件でも、毎月の支払いが日本より少なくて済む可能性があります。
まして低金利化が進むとなおさらです。
5%の金利のときと1%の金利とでは、物件価格5倍まで買っても毎月の支払額は同じです。
金利が下がった分だけ物件価格が高くても買える=売れるし、高価格を維持出来る仕組みです。
これが元金も平行して払う仕組みですと金利が半分になっても(元金部分の支払が同じですから)支払額が半分になりません
金利がマンション相場の底値維持に大きな役割を果たしていることが分ります。
逆に言えば金利が1%から2%になると毎月のローン支払が2倍になり、支払い能力ギリギリで買った人は支払不能になってしまいます。
中国のマンションバブルに関して米国金利アップに合わせて中国も金利を上げるしかなくなったのですが、金利アップと同時にマネーサプライを潤沢にして景気の下支えを図っても金利動向がマンション相場にモロに影響すると書いた所以です。
韓国のマンション相場を見ると日本の価値観では危機ライン突破状態ですが、金利だけ支払えば良いのであれば、金利さえ上がらなければ何とか維持していけます。
米国金利上げによって中国だけではなく韓国も上げざるを得ない状態ですから、それで困る人が増えて来たところです。
ただ、永久に金利だけ払えば良いのではなく、一定期間据え置きと言うだけらしいですから、この据え置き期間満了と今回の金利上げと同時になって来たようです。
この間にかなりの給与アップしていないと据え置き期間満了が来ると大変になります。
ところが韓国ではこの数年成長率が2〜3%前後で低迷している・リーマンショック前の5%前後の成長ではなくなってしまっているのです。
世界ネタ帳からの引用です。
10 11 12 13 14 15 16 17
6.50 3.68 2.29 2.90 3.34 2.79 2.83 2.68
単位: %(17年は予測)
個々の事情による凸凹があるとしても成長率に比例して収入が増えるものですから、5年前後の据え置き期間中に大幅に賃金が上がる前提でいたのに成長率が鈍化したところで金利が上がり元金部分の支払が増えると困ってしまいます。
ただ、直ぐに損切り→売却に動かない=暴落しないのが投機慣れした中国との違い・・その前に高利貸しが繁盛する社会特性があります。
中国では古代から投機が好きですし、韓国では、高利貸しが得意、借りるのも好きと言う民族性の違いがあります。
そこで無理して買ったもののローンを払えない人が増えて来た・・高利金融依存・海外売春攻勢(→慰安婦攻勢もこの一種?)となって来たのですが、これでは庶民の不満が発火点になるのは当然です。
韓国では、これまで何回も借金棒引き政策・・一種の徳政令・・幸福基金と称するものが行われて来ましたが、文新大統領も選挙公約にこれを掲げていたので、この発令を検討しているようなニュースが出ていました。
http://www.sankei.com/west/news/170528/wst1705280029-n1.html
2017.5.28 15:00
「韓国でまもなく“徳政令”…借金帳消しは経済崩壊の序曲か
韓国で新大統領・文在寅(ムン・ジェイン)氏の選挙公約が実現に向け動き出した。そのひとつが借金棒引きの“徳政令” だ。100万円以下の借金を10年以上借り続ける人々を対象に、その借金と利息の全額を帳消しにするというもの。対象は43万7000人とされ、実現は簡単ではないが、実現した後にもいばらの道が待っていそうだ。(岡田敏彦)」
「李明博(イ・ミョンバク)元大統領と朴槿恵(パク・クネ)前大統領の政権下で計画、実施されたもので、国民約280万人の債権を買い入れ、うち57万人の約6兆3000億ウォン(約6300億円)の元金と利子を減免するなど債務を調整する役割を担ってきた。」
「・・文氏は、この救済策を上回る「全額帳消し」を公約として大統領選に当選した。10年以上にわたって1000万ウォン(100万円)以下の借金を抱え、返済のままならない人々の借金を全額、国が肩代わりするというプランだ。」
借金帳消し政策が慣例化している結果、大統領就任ごとにこれを期待する国民が多く・・就任後これを無視出来ない・・仕方なしに繰り返されて来た(幸福基金と言う名称は李明博大統領のトキからです)様子です。
元々約束を守る気持ちの乏しい国民性・・騒げば何となると言う前近代的精神状態で来たのですが、だからこそヤクザによる厳しい取り立てしかない風土→国外売春出稼ぎに走るしかない土壌ですが、この繰り返しでは、自発的に約束を守る気持ちがいつまでたっても育たないでしょう。
ここまで中韓の行き詰まりを書いて来ましたが、だからと言ってこう言う状態をバカにしているのは危険です。
・・この危機感が反日行動に向かう原動力になったように、今度こそ新機軸を打ち出すバネになることもあり得るので日本は要警戒です。
抜本的構造改革を怠って不満のはけ口・反日運動されるのは日本人にとって腹が立つかも知れませんが、本筋を外している限り日本に追いつくのがその分遅くなるので、長期的には日本にとって逆に有利です。
さすがの韓国も反日感情を煽っているだけではどうにもならないので、韓進海運破綻以来国費を投じて応援に動き出したようです。
国費投入をバックに価格攻勢などに動き出したといわれていますので、バカに出来ません・・中国が国有企業に追い貸しを続けては鉄鋼ダンピング輸出をさせているのと同じような・中国のマネでしょうか?波乱要因になって来ました。
北朝鮮崩壊など近隣で大混乱が起きると難民が押し寄せる損害が懸念されますが、経済分野も苦し紛れに何をするか分らない・・国が近くにあると混乱の元ですから要注意です。
ダンピングだけなら(技術アップに結びつかないので)大したことはないでしょうが、国を挙げて技術アップに正面から取り組むようになると本当の競争相手になるリスクが出て来ます。
慰安婦や根拠のない陰口を言う程度では、韓国の国力アップにはなりませんが、マトモに技術アップに取り組むようになる方が日本にとっては手強いことになります。