安保法案可決に対する「弁護士有志の会」名義での緊急抗議声明署名人をネットで募っていたようですが、呼びかけ人らしい人の報告によると200名を超える「趣旨への賛同者」が集まったと誇らしげに報告しているようです。
現在の弁護士数を日弁連のホームページで見ると、10月1日現在では36,373名となっていますが、その内200人あまりの賛同で、もしかしたら、「大多数の法律家の声」またはこれに類する表現になるとすれば、恐れ入った算数能力です。
デモ参加は仕事の都合等で行けなかった人があるので、その背後にもっと多い支持者がいた筈と言う意見もあり得ますが、ネット応募はワンクリックで簡単に出来ることですから、この数字が最大実数の可能性に近いでしょう。
ただし、緊急執行のために短期間で閉め切ったようですから、時間をかければ最大では1000名くらいになったかも知れません。
三万6千のうち1000名とすれば比率がかなり高いことが分りますが、それでも36分の1以下でしかありませんし、弁護士の政治意識が左寄りと一般に思われていることからすれば、世間が抱いているイメージからすればむしろ想定外に少ないと言うべきではないでしょうか?
国民大多数の意見を無視した強行採決は無効と言う意見がはびこっていますが、誰が大多数を判定するのか不思議な主張だと違和感を持つ人が多いでしょうが、慰安婦問題同様にマスコミが繰り返すと真実のように誤解する人が多い効果を狙っていると思われます。
国民の意思は選挙で表明され、これに従うのが、民主主義国家の基本であって、マスコミや護憲勢力?が勝手に決めるべきものではありません。
左翼系は、日本に現実にある民主制度が目に入らずに旧ソ連や中国など独裁権力が決める国家意思の思想を日本に当てはめて、自分たちが市民の声代表を気取っている・・僭称しているのですから滑稽です。
憲法
前文
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し・・・
第四章 国会
第四十一条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。
第四十二条 国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。
第四十三条 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
○2 両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。
上記のとおり、選挙による民意代表こそが憲法が要求している政治決定システムですが、左翼・文化人は、自分の意見に合わない法案があると、(国民多数の意見に反した)憲法違反と主張して・・選挙を経ない自分らの意見がいつも市民や国民の声だと自己判定し、これに応じない国会決議を憲法違反と言うようです。
ちなみに代表と代理とは法的意味が違うことを「09/01/03(2003年の意味です)代表と代理、理事の違い」以降の連載コラムで説明したことがあります。
代理は一定の法的行為を委任者の意向に従って行なうこと(委任者の意思に反する行為をするのは違反)ですが、代表は人格的に委ねてしまうもので、選挙民の個別の指示や意思に従う制度設計・義務がありません。
個別法案ごとの受任・意思確認を前提にしていないのです。
ところが、左翼やマスコミは曰く「前回選挙はワンイッシューでなかったので、安保法制が国民多数の支持を受けたとは言えない」と言うのですが、そんなことを言い出したら道路交通法改正や予算、全ての国会決議による法律はワンイッシューで選挙していないので、全ての法律が国民意思に反した法律・・憲法違反となってしまいます。
憲法違反を主張する彼らの主張こそ、憲法の予定している民意の総括手段である国会制度否定になりませんか?
そもそも、日弁連執行部自体が、安保法制反対運動をするに関してワンイッシューで会員投票をしたのでしょうか?
国会通過直後であれだけ興奮し盛り上がっている最中に募集した「有志の会ネット抗議」に僅かの200名の賛同者しか集まらない状態では、(呼びかけ人はこんなに集まったと誇らしいようですが・・)もしもワンイッシューで賛否をとったら、弁護士全体の過半数の支持すらなかった可能性があるから怖くて出来ないのでしょうか?