日本のNGOは出自・スポンサーの多くが日本であるという事実によって、国際的発言力があり国際的行動力(日本のパスポートは世界最強と言われています)が担保されている点を軽視すべきではないでしょう。
一方で世界市民・・一方で日本の経済力や日本人というだけでイメージされる信用力を背景に事実上日本の良心代表のような発言や発表しているのは、良いとこどりではないでしょうか?
武者小路など白樺派の同人らで「新しき村」を作って移り住みましたが?彼らお坊ちゃんたちの理想主義は、それをやれる財力を背景にしていた点でほとんどの日本人はその偽善性を内心感じていたのではないでしょうか。
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〈新しき村〉の精神は,自他を犠牲にすることなく自己を生かすことにあり,村民は,みずからの労働によってみずからの生活を支えたうえで,自由を楽しみ,個性を生かせる生活を全うすることをめざした。ロシア革命の成功による社会主義思想の普及,国内の政治的経済的混乱,大正デモクラシーの運動など多様な社会的要因に,実篤のトルストイズムが結合した白樺派人格主義の実践は,とくに青年層に大きな反響を呼び起こした。
白樺派に関するウイキペデイアの解説です。
大正デモクラシーなど自由主義の空気を背景に人間の生命を高らかに謳い、理想主義・人道主義・個人主義的な作品を制作した。人間肯定を指向し、自然主義にかわって1910年代の文学の中心となった。1910年(明治43年)刊行の雑誌『白樺』を中心として活動した
同窓・同年代の作家がまとまって出現したこのような例は、後にも先にも『白樺』以外にない。
白樺派の主な同人には、作家では志賀直哉、有島武郎、木下利玄、里見弴、柳宗悦、郡虎彦、長與善郎の他、画家では中川一政、梅原龍三郎、岸田劉生、椿貞雄、雑誌『白樺』創刊号の装幀も手がけた美術史家の児島喜久雄らがいる。武者小路はその明るい性格と意志の強さから思想的な中心人物となったと考えられている[3]。多くは学習院出身の上流階級に属する作家たちで、幼いころからの知人も多く互いに影響を与えあっていた。
彼らは恵まれた環境を自明とは考えず、人生への疑惑や社会の不合理への憤る正義感をすり減らさずに保ち得た人々であり、トルストイの影響を強く受けたことや有島武郎がその晩年に自分の財産を小作人に分かち与えたこと、武者小路の「新しい村」の実験に見られるような急進主義にもそうした傾向はよくあらわれている[4]。
私自身青春期に思想背景など知らずに武者小路を中心に白樺派の文学を愛読しましたが、一方で財閥系の子弟中心でおぼっちゃん文学の批判もあったかも知れませんが、お坊ちゃんの良さが横溢してい文学作品が私の青春期の心を捉えたのかもしれません。
いわゆる空想的社会主義に対する偽善性を抱くのと同様の無意識の疑問もあったでしょうが、若い頃はともかく白樺派の青春もの?に惹かれて愛読していました。
その後大人になってこの種の文芸を卒業していたので遠い歴史事実と化していたのに、弁護士になってから武者小路実篤の死亡記事が出て、驚いたことがありました。
10年ほど前になるかな?大阪へ行ったついでに奈良ホテルに2泊した時に、夫婦で新薬師寺に詣でた帰路偶然志賀直哉旧宅を見学したことがあります。
子供部屋に気を配った今風の斬新な考えに感じ入ったものですが、大正デモクラシーの陽光を目一杯吸収した時代の申し子らの集まりだったのでしょう。
ただし、文学的にはそうですが、絵画方面では椿貞夫など白樺派文学主流と出自が違うイメージで、それほど一般化しなかったのではないでしょうか?
民族主義対グローバリズムの潮流に話題を戻します。
英国EU離脱の動きは、まさにグローバル化行き過ぎに対する英国民の我慢の限界を示したものですが、これに対して時代錯誤の動きであるかのような批判を滲ませるメデイアなどのトーンは、彼らにとって親和性のある世界連邦化=非武装社会実現の夢に逆行する点で許しがたいのでしょうか?
中国や旧ソ連のように巨大権力を握った方は国内粛清やりたい放題になりますが、世界支配していない限り、香港の場合、国外の目があるのでまだ政府も弾圧するには思い切ったことができないようですが、これが世界支配になると世界中がウイグル族のような弾圧を受けても逃げ場がなくなります。
左翼系文化人はソ連の厳しい粛清にだんまりを通し、中国の文化大革命という狂気の粛清に対しては手放しで賛美してきました。
メデイア界は基本的に民族主義を毛嫌いする傾向があり、その延長で英国のEU離脱を馬鹿げた行動であり時代錯誤であるかのような批判的論調が普通です。
ところが、ロシアや中国の民族主義的主張や行動が前面に出た周辺領土領海拡張主義や威嚇行動には何も言いません・・一刻も早い世界国家が出現のためにはやむを得ない一里塚という評価なのでしょうか?
でもこういう国々が世界支配するときの状態って、本当に怖い気がしませんか?
日本は古代から合議制の国であり幕藩体制も大名の連合体のヘゲモニーを徳川氏が握っている程度でしたから(徳川政権内も合議制)独裁による恐怖政治の経験がありません。
いわゆる大陸の中央集権体制自体に馴染みがないのです。
イギリスのEU離脱の方向性は、海洋国日本にとって将来の可能性を残す試みであって、好意的に見たい・・育って欲しい気持ちの日本人が多いのではないでしょうか?
日本の進歩的文化人はソ連支配が最上という刷り込みで育ったDNA・・三つ子の魂百までと言いますが、ソ連創設の共産主義国家の世界拡大の道具思想・・同時革命論〜コミンテルンの運動を進めていた本家ソ連が崩壊し、その後継政権のロシアは民族主義の権化みたいな行動をしています。
本家本元のロシア・プーチンの行動原理は、民族主義一辺倒に戻っている・・コミンテルン指令?はもともと自国勢力伸長のための道具思想だった本質を表していますが、ソ連勢力拡大のお先棒担ぎこそ見果てぬ夢・・深層意識への埋め込みがまだ効いているのではないでしょうか?