アメリカの現状を見ると、低廉労働力供給源として自国民として移民を受け入れながら、一方で英語を話せない=まともな就業先がないのは個人責任として放置してきたとがめ・国内能力格差が半端でなくなっている現状が出て来たようです。
今朝の日経新聞6pオピニオン欄の「米共和党の盲点」に、60年代から9倍の人口6000万人に膨れ上がったヒスパニック系移民、(ガストニアのヒスパニック系?スーパーに買い物にくるほとんどがが英語を話せない現状を交え)いわゆる3k職場で米経済を下支えしている現状が紹介されています。
・・2012年の報告で少し古いですが・・・.
https://www.musashi.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00003794.pdf&n=houkokusho2012_no1.pdfに貴重な実態報告されています。
アメリカのホームレス問題と支援策
研修先国名:アメリカ合衆国(ニューヨーク州)
研修期間:8月6日~9月7日 33日間人文学部 英米比較文化学科 4年 内野 真紀奈
上記には11年までのニューヨークの統計が出ています。
引用を続けます
「教育支援> 調査の一環として数学と英語の授業を観察した。これらのカリキュラムの目的は、働く上で必要になる最低限の知識を身に付けることや基礎的な学力の向上だった。講師1人に対して、生徒は15人程度と比較的小人数で授業は構成されていて、30代や40代の生徒の姿が目立った。これらの支援を利用する人々の教育歴では、高校を卒業した者や高校卒業資格(GED)を取得している人は半数以下であった。」
「数学の授業では分数の計算や割合の問題を扱っていて、日本だと中学生の履修範囲だと思われる内容であった。」
「英語の授業では、接客や仕事において必要とされる言葉を身に付けることが目的とされていた。驚いたことに英語が第一言語でないため、英語を話せない人の姿も少なくなかった。また日常の会話の中では、流暢に英語が話せていても、文章を読むことや書くことを苦手とする人も多かった。
これらの人にとって英語を学ぶことは、日常生活をする上でも非常に大切なことであると感じた。」
<就労支援>就労支援ではコンピューターの授業を行うクラスと、面接の練習や準備を行うクラスがあった。
支援スタッフの話によると、ACEを訪れるホームレスは、45歳以上の人が最も多いこともあり、1度もパソコンに触れたことがない場合が多いそうだ。その為コンピューターが利用出来るようになることを目指し、授業内容では情報の検索の仕方や文書や履歴書の作成など個人のレベルに合わせて指導が行われていた。
<Project Comeback 卒業式>調査期間に行われたACEのProject Comebackの夏の卒業式にも参加した。これは4ヶ月から6ヶ月間のProject Comebackの活動を終えて職に就くことが出来た37人の卒業式であり、卒業生の自信に満ちた姿を見ることが出来た。
印象に残った台詞の中でこのような言葉があった。「私は今までの人生の中で最後まで何かをやり遂げたことがなかった。だけどここに来て努力をすることや責任を果たすことを学び、自分が変わることが出来た。だから無事にACEを卒業することが出来て自分を誇りに思う。」「私はNYに来たとき、家族も友達も頼る人もいなくて本当に何も持っていなかった。そんな私にチャンスをくれていつも支えてくれた。それが今は仕事もあり、人生を変えることが出来て心から感謝をしています。」「私は今の自分が誇りに思える。家族や子供に対しても、親としての責任を果たすことが出来て、安心することが出来て嬉しく思う。」 この卒業式の中で、卒業生の声から「責任」という言葉が何度も出てきた。このプロジェクトによって、社会の一員として働いていくことの意義を学び、自信や自尊心を持ち前向きに自立へと踏み出す人々の姿があった。
ホームレスの人々が職を得て、自立をすることはなかなか容易なことではないかもしれない。しかしスタッフの献身的なサポートによって、前向きに将来に向かう人々の姿を見て支援の意義を感じることが出来た。
報告書を見るとなかなか優秀な学生です。
この報告書を見るといきなり20年ほど前のことを思い出しました。
司法修習委員長をしていた頃に、(千葉だけでなく全国の制度です)カリキュラムの一環で社会修習を義務化したことがあります。
その研修結果を委員会に報告するので全員の報告書に目を通していましたが、社会福祉事業所を社会修習先に選んだある女性修習生の研修結果報告書は簡潔で要を得た観察眼の鋭いもので感心した記憶があります。
その修習生の名も忘れましたが、今では立派な法曹になっていることと思います。