小池氏は共同代表制の奇策によって完全失脚を防ぎ、今後都政での実績次第による国政復帰への足がかり・・首の皮一枚だけ残せたことになります。
ただし、都民の目は厳しくなっています・・前担当者の吊し上げ目的の築地移転騒動・・・これによって遅れていた移転の日を数日前に決める予定だと報道されていましたが、以下の通り決定が先送りになりました。
・・オリンピック会場騒動などリセットと称して何も決められない政治を都民が期待しているのでしょうか?
希望の党内部では傷口を舐め合うような馴れ合い的留任ができるでしょうが、実害のある都民の目は厳しいものがあります。
http://www.sankei.com/politics/news/171109/plt1711090031-n1.html
2017.11.9 21:03更新【豊洲移転】豊洲開場日の決定先送り 地元懸念で協議会中止
築地市場(東京都中央区)の豊洲市場(江東区)への移転問題で、都は9日、豊洲の開場日を決めるために市場業界側と予定していた10日の協議会の開催を中止すると発表した。これに先立って江東区が小池百合子知事の豊洲移転・築地再開発の方針をめぐって現状での豊洲市場受け入れに懸念を示すコメントを出し、業界側が開場日を決めるような状況ではなくなったと都に申し出た。
業界団体で作る築地市場協会の泉未紀夫副会長は、開場日決定には都と江東区の関係修復が不可欠と指摘。「知事ご自身が動かなければ、しようがない。都政専念とはそういうことだ」と注文。
風が吹く間黙っていた利害関係者の注文も、風が止むとその反動で厳しくなります。
国政で大負けしたあとを受けて風向きを変えようとして「都政専念」と宣伝するだけでなく、政治家は政治家らしく関係者間の利害調整に汗をかいて欲しいという厳しい現場の注文です。
つい先日も埋立地の帰属を巡る江東区と大田区の利害調整に都が失敗して大田区が訴訟提起する前代未聞の事態になったばかりで、メデイア界でのパフォーマンス戦術で生きて来た小池氏が本当に具体的利害調整の必要な都政をできるのか正念場が始まります。
利害調整政治をするには(数日前に勇将の下に弱卒無しと紹介したように)都知事一人ではできませんので、トップの意を体して手足となって根回ししてくれる人材が必須ですが、内田前自民党都連幹事長の根回し政治をブラックボックスと批判して来た咎めが(都民ファーストの離党騒ぎの原因も要は根回し不足です)今後自分に降りかかって来ます。
都民の小池氏に対する現在の評価が11月13日に葛飾区議会議員選挙結果で出ましたが、これによると定員40名中都民ファーストの当選者がたったの1名というニュースです。
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/
時事通信
都民ファ、当選1人のみ=小池人気衰退続く-東京都葛飾区議選
任期満了に伴う東京都葛飾区議選が13日開票された。定数40に対し59人が立候補、16人を擁立した自民党は12人が当選、公明党は9人全員が当選した。小池百合子知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」にとって初めて挑む区議選となったが、候補者5人のうち当選は1人にとどまった。
小池氏は、自ら率いた希望の党が10月の衆院選で敗北。衆院選に続き苦戦を強いられた今回の区議選は、小池人気の衰退を改めて印象付ける結果となった。
区議選とはいえ、都知事与党が40分の1しか当選しないで(もしも都民全体がこの比率でしか支持していないとすれば)都知事が何を言っても「お手並み拝見」と冷ややかな姿勢に徹するでしょうから)利害調整の必要な難しい問題の処理できるか?という印象です。
小池氏は以下に紹介する希望の党代表選挙の結果を受けて、新代表と会談し数日前に順調な2人代表制を演出したばかりでしたが、上記都民の厳しい審判を受けて、希望の党代表に止まる(2束のわらじを履くの)は得策でないと判断したらしく、14日に突如辞任発表したようです。
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/
【小池代表辞任】希望の党分裂の引き金か-所属議員は淡々/ar-BBEXbYW
今朝の日経朝刊では概ね当然の論調でサプライズ性がない・・いわば遅きに失した・・・もっといえば、都政で実績を上げた上で、その実績をもとに知事を辞任して国政に出るべき手順・・体制が整わないならば整うまで4〜5年でも待つべきであるとこのシリーズで4〜5日前に書きましたが、元々国政進出が無理筋であった・/当然の結果という受け止め方が大方のようです。
民進党系議員にとっては、小池氏がいなくなれば気を使う必要がなくなり、元々の持論(民進党員であったときの主張)に基づく自由な政治主張が出来るという淡々とした受け止め方のようで、そうなると民進党系議員は保守系という希望の党の看板だけ丸々手に入れたことになります。
看板ではわからない希望の党の本来的体質を見るために4〜5日前に行われた希望の党代表選の立候補者2名の主張を紹介します。
総選挙後の希望の党の当選者50中45名が民進党系との報道でした・代表選では議員53名と出ているので、参院の議員が3名いるのか?その後に誰か3名加入したのか(今のところ私には)不明です。
民進党出身者2名が立候補して代表選がおこなわれましたが、その主張は以下の通りです。
TOKYO MX
2017/11/08 に公開
民進党出身議員による一騎打ちとなった「希望の党」の共同代表選挙は、その結果が今後の党の在り方や、代表を務める東京都の小池知事との関係にも影響してきそうです。共同代表に立候補したのは共に民進党出身の、玉木雄一郎衆院議員と大串博志衆院議員の2人です。
2人の候補者は共同で記者会見を行い、争点となっている憲法改正などの考え方を示しました。
憲法改正について大串氏は「地方分権含めたことに関しては大いに議論はあってもいい。ただし、一方で9条の改正に関しては、いまは不要」、玉木氏は「9条を含めて議論すればいいと思うが、優先的に議論するのは地方自治や解散権の制約」だと述べました。 安保法制に関して大串氏は「集団的自衛権を含む安全保障法制は、容認していないという立場。その上で、現下の安全保障環境に鑑み、現実的な外交安全保障政策を取っていく」、玉木氏は「既存の法律に溶け込む形で改正が行われている。根っこから自衛隊法を全部廃止するというのは現実的ではない。従来の憲法解釈に合致するような形に具体的な条文改正を提案していく」としました。 小池代表との関係について玉木氏は「国会のこと、国政のことは、一義的には私たちがしっかりと責任を持つ。代表は小池代表だから、よくコミュニケーションを取って、しっかりと連携して進めていきたい」、大串氏は「相談や連携連絡を取るのに、非常にフットワーク軽く動くたちなので、しっかり連携を取れていけるのではないかと思う」と述べました。 」
上記によれば、公約や公認条件の曖昧表現を利用した民進党系議員のなだれ込みの実態が如実に現れています。