中国の土地錬金術とバブル1

尖閣諸島問題が起きて反日暴動になったのではなく、「十分資金を引き入れたのでもう日本からの資金が入らなくとも大丈夫」と言う見通しがついたつもりで、尖閣諸島問題を中国の方からを引き起こしたと言うべきでしょう。
この辺は韓国の李明博前大統領の反日言動のエスカレートと同類です。
この結果July 4, 2014に紹介したとおり中国向け投資が大幅に減ってしまいました・・もう一度コピペしておきましょう。

「中国捨て米国へ向かう
日本の対外直接投資(国際収支ベース、ネット、フロー、100万ドル)
   
    2010年  2011年  2012年  2013年

米国  9016  14730  31974  43703
中国  7252  12649  13479   9104
韓国  1085   2439   3996   3296
アセアン8930  19643  10675  23610
資料出所:ジェトロ

進出計画は数年以上前から現地調査から始まって事前許可申請準備・・地元政府要人との接触など進めていますので、統計に出るのは大分遅れます。
事前相談段階ではもの凄い縮小が始まっている筈です。
この結果今年の1〜3月の統計では、前年比4分の1に激減して来たと報道されていました。
他方で外資の中国脱出も盛んですので、(この後で書いてい来ますが中国現地資本も海外脱出が始まりました)流入減と海外脱出による資金引き揚げの挟み撃ちにあっています。
中国が尖閣問題を引き起こして反日気運を盛り上げてみたものの、日本からの投資が減ってネを上げたのは外資を食い物にして贅沢して来た実態・・もっと資金流入が続かないとやって行けない実態があるからです。
言わば近郊農家が土地を売ったお金でドライブ・インなどを経営して(実は赤字ですが)外車を乗り回して贅沢していたような状態ですから、外見上は派手でも内実は土地が売れなくなると輸血が続かず息が詰まって来る状態であったことが、世界中に分ってしまいました。
中国の地方政府財政は土地の錬金術で成り立っているとシャドーバンキング関連で一般的に言われていますが、実は実態経済にもこの循環が大きく影響していて地方政府だけではなく、回り回って中国人全体がその恩恵を受けて贅沢できていた点が重要です。
その土地を最終的には外資が購入したり借りたりするなどの連鎖で最後に外資にわたっている・・外資が高い買い物をさせられているのです。
日本のような先進国でも外資・・欧米駐在員の多い六本木等では国内物価よりも割高な感じがしますが、他所者はいつも割高なものをつかまされる傾向があり、(日本の場合麻布六本木周辺だけですが・・何故か)これが中国全土に広がって行くと全土で地元民がマトモに買えないような物価高になって行きます。
エンドユーザーが中国人相手のママでは従来どおり土地は安いママで錬金術など出来ませんが、いくら吊り上げてもエンドユーザーとしての外資が高価な買い方をする・つかまされるしかないから、急激に上がったのです。
当初外資導入は沿海部だけでしたが、格差が激しくなり過ぎたので格差是正策として外資導入を内陸部にも広げて誘導したので、内陸部まで土地値上がりが波及しました。
これの行き着いた先が、ゴーストタウン・・鬼城の発生です。
日本人のようにこつこつと働いて稼ぐよりは、中国人全体がうまいことをして儲けようとする傾向(・・これが基礎技術が発展しない中国の弱点です)が強いので、外資の来そうもない僻地まで・たちまち全国波及してしまうのではないでしょうか?

留学目的と外資流入減1

グローバル化以降の方が、それ以前よりも(企業派遣で)海外体験する若者が多くなっている筈ですから、これらを含めて考える必要があります。
高齢化の進む日本では、各世代ごとに三割増程度づつ成熟にかける時間を間伸びさせていますから、今の高卒年齢の成熟度は私たち世代の中卒程度のイメージです。
高卒段階の20歳前後ではまだ少年の域にとどまり若者の域に達しておらず、彼らの留学率低下をあげつらっても意味がありません。
今では3〜40歳くらいまでを日本の将来を背負って行くベキ若者と措定して彼らの海外体験の増減が日本の将来どのように影響するかを論じるべきです。
中国の場合、May 3, 2014「日中の制裁合戦4(バブル崩壊1)」で紹介したように、大卒就職率の低下によって、国内就職活動に留学経験が有利に働かなくなって来た結果、留学熱が下火になりつつあるようです。
国内不景気と留学数増減が連動する理由は、日本と違って中国の経済発展は外資導入によるところが大ですので、就職条件の良いところ→概ね外資系企業に就職しようとすると留学経験が大きなウエートになっていることによります。
日系企業で言えば、現地人採用するにしても日本留学経験がある学生を優先的に採用したくなる心理・・これは欧米系企業も同じでしょうから、これを中国の留学者は利用しています。
日本企業がドンドン進出して規模拡大しているときは就職できるので、日本企業に人気が集まり、中国国内での日本語学習者が増えるし・・と言う関係で至極分りよい動きをする国民性です。
日本の場合、外資系に就職するのは二〜三流の人材と言う意識の国柄でしたので、欧米が憧れの的であった戦後直後でさえも、あるいは明治の開国時まで遡っても外資系に就職したくて英語を習ったり留学する人は誰もいなかったと言っても良いでしょう。
(そんな統計はないでしょうが実感を書いています)
幕末のカラユキさんや唐人お吉が今でも記憶に新しい・・繰り返し演じられるように、日本人にとって外国人に仕えるなどということは遊女でさえも、押し付けあい・・誰も希望しなかったことが分ります。
古代の遣唐使以来現在までの欧米留学熱は留学して先進地域の国民として仲間入りしたいとか、外資に就職するためではなく、先進知識を獲得して国内に持ち帰りこれを国内に普及させて日本国をより発展させたいという熱意がその基礎にあったことが間違いありません。
幕末長州出身の村田蔵六・大村益次郎は幕府の昌平黌教授職を棄てて、長州の寒村の医師になって戻って来ていますし、新井白石時代の雨森芳洲なども地元・対馬にいたままでした。
各地を旅行すれば分りますが、殆どの地域で郷土をレベルアップするために郷土で頑張った偉人の顕彰碑や展示品等を見ることが出来ます。
明治以降列島一体化が進んでからは、能力のある人が中央に出っぱなしで地元に戻らなくなったことが地方の疲弊に繋がるようになったのです。
最近でもフランスやイタリアの料理等いろんな分野でトップクラスになると、そこでの名声に安住せずに日本に帰って来て、国内レベル向上に努力するのが普通です。
古代遣唐使時代を振り返っても、そこで相応のトップレベルに上り詰めても格段に社会格差のある日本へ命がけでみんな帰って来ています。
折角唐で一定の尊敬を受けるようになっていても、(空海は唐でトップの阿闍梨位だったか?の灌頂を受けています)その地位をかなぐり捨てて格段に社会格差のある日本へ命がけでみんな帰って来ています。
阿倍仲麻呂は帰国を試みますが、難破して遂に帰国を諦めたことで有名ですが、日本人は古代から愛郷精神が強く自分の栄達を目的とするための留学ではありません。
(語学留学・・遣唐使が漢語を学んで来ても国内で良い就職が来た訳ではありません)
阿倍仲麻呂の故事は「天の原フリサケミレバ春日なる三笠の山にイデシ月かも!」と詠んでいるので、私のような庶民レベルにまで名を知られている訳ですが、この前提として、当時の唐・長安では満月になれば、今と違って公害もなく月が煌煌と照らしていたのでしょう。
いま左遷されたサラリーマンが望郷の念にかられて、阿倍仲麻呂の真似をして北京で月を見ようとしてもPM2・5の結果、おぼろにも見えないのではないでしょうか?
やはり時代にあわせて、別の風物を詠むしかないでしょう。

中国式世界秩序?3(正統性理論があるか?)

コミンテルンの影響を受けた戦後思想家は、北朝鮮は理想の国・地上の天国だと煽った結果多くの日本人妻も同行しましたし、ソ連や中国の5カ年計画は素晴らしい成果を上げていると宣伝し・・文化大革命や毛沢東語録を賞讃していました。
これを信用して多くの若者が毛沢東語録を読んでいました。
実際には何千万という餓死者が出ていて大変な状態であったことが今では認められているところですが、その当時の思想をそのまま大事にしているグループが今でもまだいるとすれば、可哀相に見果てぬ夢を追っていることになります。
実態が違うのではないかと気が付いて信用しなくなった当時の若者・・今の我々世代は、最早今更中国が地上の楽園と言われても誰も信用しません。
今でも中国を理想の国と信じている人は、これを信用しなくなった人を変節者呼ばわりするのでしょうが、実態が変われば考えを変更するのは変節ではありません。
冬になっても夏の薄着のママでいるのが正しいと主張する人が節操正しい立派な人だとは誰も思わないでしょう。
中国支配の脅威(寒風)を受入れるべきだと言うならば別ですが、日本侵略を否定するならば、アメリカの警察力の御陰で夏に薄着でいた人が(警察力が弱まって)寒風から守ってくれなくなった冬になっているのに、何故厚着して身を守らなくて良いかの説明をすべきです。
寒風(中国の侵略)を防ぐ洋服が足りなければ近所から借りる・・近所で足りない人がいたら貸してやることが、必要ではないでしょうか?
警察力が弱まっても自衛権行使に関する解釈変更自体が許されない・・非武装(薄着のままで良い)が正しい・・何の議論も不要という主張は、侵略国の為すがママに委ねるべき・・放置しておけば良いということに帰着します。
結局は中国の侵略を受入れるべきだという(コミンテルン時代への懐旧の心)基礎的思想があるのでしょう。
論者は、戦後何十年間も中国の改革開放によって実態が明らかになるまで共産圏を賞讃していたように、今でも中国にすり寄るべきだと言うならばその根拠・・現在中国社会が如何に素晴らしいかその素晴らしい国に侵略される方が幸せだという根拠(コミンテルン思想に変わる何か)をきちんと説明すべきです。
外は冷たい風が吹いているのかどうかと言う国際情勢の実態分析をしないし、中国のどこが素晴らしいかの主張もしないで、内閣が「解釈変更するのを許さない」という抽象的な批判論に終始している反対声明等を読むと、社会実態の変化を検証してこれにどう対応するかの議論をすると負けてしまうのが分っているので、この議論からあえて逃げているのではないかの疑いを持たざるを得ません。
今日あるところで待ち時間があっておいてあった読売新聞朝刊を見ると、同社の世論調査では安倍総理の挙げている具体的事例について調査したところ、いろんな事例に対して概ね80%弱の賛成という結果が出たと報じられていました。
解説記事では、解釈変更の賛否を2択で問う毎日や朝日新聞の質問形式では反対論がわずかに多く、解釈変更是非の設問の中間に具体的事例を質問する分野のある3択形式による調査形式を採用しているその他マスコミ調査では総合的に賛成者が8割近くになるという質問形式による傾向の現れ方も紹介されていました。
世論調査は、数日前に質問の仕方にもよると5月26日の「中国の膨張策と集団自衛権3」で書きましたが、中国のやっている現実の蛮行から如何に目をそらさせるかによって、これだけの差が出るのですから、中国にやりたい放題やらせたい勢力にとっては、解釈変更反対だけをテーマにすれば勝算があると践んでいるのは戦略的には正しいことになります。
具体論ではなく、空中戦に終始している点では、特定秘密保護法反対論の論建てと同根で、何故世界各国にある実定法との比較をした反対論がないのかの疑問を「特定秘密保護法10(実証的議論の必要性)」2014/03/12前後で書いたことがあります。
反対論者は、何故か世界中のどこの国に同様の法制度があって、その国ではどう言う弊害が生じているとか、あるいは米英等ではこう言う歯止めの規定があるが日本の法にはこれがないから危険であるとか、法律・・条文の具体的比較をした上での優劣の議論を一切していません。
集団自衛権反対論者が中国が腕力で周辺諸国への膨張して行く実態について、一切議論をしたくない・・触れたがらない姿勢と相通じるものがあります。
共通項は観念論の言いっぱなしと「戦争をする国にするのか!等の感情に訴える戦略と言えるでしょうか?
主張の仕方が共通していると書いていて気が付いたのですが、秘密保護法と集団自衛権論争の反対論者の構成員はほぼ100%共通しているのではないでしょうか?

中国式世界秩序?2

集団自衛権=相互助け合いを阻止すベキ・・侵略行為に抵抗する必要がないので、現状放置すべしと言う意見を基礎にする勢力は、結果的に何を意図しているのでしょうか?
学校のテストとは違い、政治運動である以上はそれなりの結果目的がある筈です。
中国の侵略行為が着々と進みつつある中で、この現状を検証して議論する必要がないと言う立場の目指すところは、中国の好きなようにさせておく・・放置するべきだという意見の別表現と見るべきでしょう。
解釈変更を許さないという入り口論は、中国的支配社会の実現が理想の実現であるとまでは、積極的に(コミンテルン礼賛のような)主張を出来ないまでも、結果的に中国にやりたい放題させておくべきだという思想を基礎にしているように見えます。
いわゆる日本の文化人は(コミンテルン→世界全体の共産化を目指したソ連時代のように)中国による侵略行為の正当化・・・・支配下に入った異民族に対する過酷な弾圧の容認・・正当化の主張がいまのところ出来ていません。
鉄のカーテンも竹のカーテンもなくなり、ソ連や中国に招かれた特殊左翼文化人だけしかソ連や中国社会を知ることが出来ない時代が終わると、あちらは天国のような社会だと嘘の報告をできなくなりました。
呼吸すら思うように出来ない中国の酷い公害の現状(これが全ての中国的正義の象徴でしょう)が、日本国民一般に直接知られるようになったからです。
中国が理想の国で正義だという主張が出来なくなったからか、中国支持者が現状検証の議論に入るの拒み、解釈変更が許されないという入り口の観念論で勝負していると推測されます。
4〜5日前の国会での集団自衛権に関する安倍総理の演説や質疑に関連して5月29日日経新聞朝刊3ページでは政党別分類表が掲載されていました。
これによると、集団自衛権行使自体に反対しているのは共産党や社民党だけで、その他政党は慎重論の政党(公明党や民主党、結いの党)でも、内容の吟味に入っている・・現行で許される実際の幅を広げたら足りるのか、解釈変更が必要かなど全て行使すべき内容次第・・即ち現状の検証が前提になります・・という政党ばかりです。
解釈変更自体が違憲であるかのような入口論調ばかり(私の周辺にそう言う人多いというだけでした)見ていたので、「変な社会になっているなあ!と心配していましたが、こう言う観念論に固執している政党が限定されていて、政治家の多くが現実直視していることを知って安心しました。
解釈変更自体が許されないから、現状認識や集団自衛権の内容・程度に関する議論をする必要がないと言う意見を主張する人々は、中国による日本を含めた周辺国侵略を座視すべきだと言う結果に繋がります。
彼らの思想的基礎は非武装国家論でしょうが、これは一時期超大国アメリカの庇護下にあったから可能であったに過ぎず、どんな状況でも妥当する論理ではありません。
(アメリカの庇護下で)夏にオーバーが不要であったとしても、冬になっても(アメリカの警察力が低下した場合)何故オーバーや外套を(自衛)着る必要がないかの説明がありません。
非武装でよい、世界に冠たる平和憲法を守れと言う論理は、アメリカの警察力が低下した現在「尖閣諸島を中国が欲しいならばどうぞ」と言う姿勢になりますが、これでは次々と中国の要求が広がり侵略範囲が広がることは、目に見えています。
・・日本が中国にドンドン侵略されても放置していて抵抗しなくて良いし、周辺国が困っても放置すれば良いという意見は、憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」)にしがみついていることになります。
中国が憲法の予定する公正で信義の国だというのが解釈変更違憲論者の基礎意識になるのでしょうが、中国のやり方が信義を守り公正な国だと開けっ放しで寝てると、目が覚めたら自分の家が強盗集団に占拠されている・・日本人が全部中国支配下に入ることを甘受すべきだということになるのでしょうか?
現在中国支配下に入っているウイグル族のような目に遭う・・直ぐではないとしても徐々に日本語が禁止されて漢語を話せないと就職出来ない社会が理想ということになり兼ねません。
集団自衛権の議論自体許さないという意見は、周辺国と助け合わなくとも良いと言う結果になりますから、周辺国が中国支配下に入るのを放置することになるのでしょう。
犯罪から身を守るには近隣との助け合いが必要ですが、国の存立も同じで、日本を守るには周辺国との助け合いが重要です。

中国式世界秩序1(泥棒の開き直り)

領土を武力で奪い取ってはいけないと言う法理は、アメリカが勝手に作ったのではなく、両次の世界大戦を経て人類(国家間において)の智恵として形成されて来た普遍的な法理です。
元々個人間でも腕力で他人のもの奪い取って良いという道徳教育している国は古来からどこにもありません。
個人間の普遍的原理を国家間にも及ぼすべきだというようになっただけです。
中国はまだ国としては未成熟で子供のような段階(ギャングエイジ)ですから、この法理を理解出来ないで腕力に任せて世界秩序に挑戦しようとしているようにみえます。
中国の世界秩序破りは新たな価値観を主張しているのではなく、子供で言えばいじめっ子、大人の世界で言えば警察力の低下に乗じて山賊・海賊・ヤクザ集団が町中でのさばっているような状態です。
人の作った知財を剽窃しても気にしない価値観の中国は、(法律上は禁止していますが実際には守る気がないのですから・・)単的に言えば泥棒(に限らず汚職蔓延→各種規制潜脱・・例えば知財であれ公害規制であれ、一応あるもののお目こぼしが多いので殆ど守られないなど・・)が許される意識が蔓延している社会です。
これらを放置し事実上奨励しているうちに国民が違法行為に自信を持って来て・・泥棒がこそこそしなくても良くなって徒党を組むようになって、強盗集団化=軍事行動化して・・国外にのさばるようになってきたことになります。
大気汚染・公害も周辺国に流出し始めました。
現在の周辺国侵略行為は公害輸出同様に泥棒グループが強盗集団=国家に転化して、国家としての強奪行為を堂々と始めた状態と言えるでしょう。
国民を専制支配したり、弾圧してはいけないという原理・民主制・人道主義の原理も、欧米が勝手に作った不当な秩序ではなく、個人間で言えば至極当然の法理を国家規模に引き上げたに過ぎません。
中国は古来からの専制支配が中国的価値観であり、これが正しいと自信を持っているのか?腕力に任せて、人類の到達した普遍的原理に対して挑戦しようとしています。
知財は剽窃し放題・・・領土は侵略し放題・・少数民族や国民の反抗に対する過酷な弾圧をする社会・・このような価値観の中国が自国並みの専制支配地域を広げようとすることが、正義の観念に合致するのか・・中華帝国の栄光の復活というスローガンを掲げるのみで、正義の根拠を示せていません。
ウイグル族に対する支配強化・一種の人種浄化・・漢語を話さないと就職出来ないように仕向けて次世代からウイグル語を駆逐しようとして長い期間が経過しています。
これに対する反抗に対して容赦ない弾圧政策を実行しています。
漢民族にのみ都合の良い専制政治が出来る空間を世界中に広げようとするのが、中華帝国の栄光復活?政策です。
ソ連の場合コミンテルンという組織を通じて、国内の相次ぐ粛清や世界支配の野望を(真実は正しくないとしても一応)正当化していましたし、日本の知識人・文化人はこれを信奉して北朝鮮を含めて共産主義社会が如何に素晴らしい理想の社会を実現しているかを宣伝していました。
大躍進政策の大成功の宣伝や文化大革命が如何に偉大で素晴らしいものであるか、毛沢東語録が如何に素晴らしいかを若者に宣伝教育していたので、これに乗ってしまった純真な若者(被害者)が多くいたように思います。
旧ソ連が根拠としていたコミンテルン思想とは違い、解放後の中国の場合、国内異民族や周辺国に対して露骨な圧迫をすることに対する正義の根拠を、日本の左翼文化人に対しても示せていないらしく、トンと中国礼賛論を聞かなくなりました。
中国が現在国際秩序に取って代わるべき新たな正義感を何ら提示できないまま、強引に周辺国への侵略を開始しつつある以上は強盗の論理で理解するしかないでしょう。
中国支持者は、中国の内政での異民族弾圧や対外的侵略行為について正当化する議論が出来ないために、これを直視する議論が不要であるとして、集団自衛権に関する解釈変更自体が違憲で許されないという入り口論に固執しているようです。
現在の中国膨張主義の実行に対して、何の議論もいらないし行動指針の変更も不要という立場は、結果的に現状(中国の侵略行為)を放置すべきだという政治的立場の意思表示に外なりません。

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