ソーシャルデイスタンスと新常態適応(中国が勝者か?)

現在新型コロナ対応策として世界の潮流であるソーシャルデイスタンスは、結果から見れば「得体の知れないものから距離を置く」という考え方の発露である点で古代からの対応と同じです。
隔離は社会からの爪弾き・全体と一部の関係であるのに対して、ソーシャルデイスタンスは特定人を隔離して集団から切り離すのではなく「お互いに距離をおきましょう」という点では相互性です。
人類始まって以来の発展・利便性の基礎であった密集・集団行動の利点を削ぐ点で人類未経験の逆行・人類の始まりに戻る?実験のようです。
人類が他の動物に対して優位に立てたのは、集団行動・社会性=密集→大規模化(都会化)にあったと思われます。
日本民族の優秀性?の根源は、日本列島は小さな山地によって出来上がった谷間の流域ごとに扇状型に広がる小さな平野中心に流域ごとに小さな集落が営まれ、密集生活が基本だったことによるでしょう。
密集・密着すれば、言語表現だけでなく気配を察する能力が発達し(産業的には膨大な部品すり合わせが得意)、知能発達を刺激する面が大きかった・・都会で育つ方が知能指数が高くなる傾向が知られています。
新型コロナ対防衛には・・3密を避けるしかないとなれば、人類発展の最大武器がウイルスの攻撃対象になったことになります。
ここで素人の人種論ですが、今回の新型コロナ被害では、東アジア諸国の被害が比較的的小さい点が特徴ですので、アフリカ起源の人類分化の順序から見ても最後の分化した系統になるのでその分遺伝子的に変化適応性が高かったように見えますが、それだけでけでなく東アジア海岸線の民族は原則として人口密度が高い・・密集生活による知能発達があって政府の命令より個々人の新規脅威に対する応用能力が高いからかもしれません。
社会環境の激変があった時に激変前の環境・仕組みに特化して適合していたグループが特化していた分に比例して新たな環境に対する適応力が弱いのが普通です。
最適化していたトップグループが、退場し激変後の社会環境に適合できる新産業が急伸するのと同じで、ソーシャルデイスタンス・新常態化に人類の中でどの分野の人種ががうまく適応できるかが問われることになります。
歴史は繰り返すとは言うものの、外形が繰り返されるだけでしかなく、内実は違ったステージになることがこれまでの発展段階でした。
フランス革命に始まる近代思想は人権尊重→意思責任を問う点で画期的でしたが、それだけではうまくいかないので戦後同時頃から無過失責任を問う思想の流れが始まり(交通事故や未成年者の暴力行為等の解決には法形式的には管理監督責任という便法利用や立証責任転換→自賠法など)経済面では、自由経済主義の修正として独禁法や労働法が制定され、憲法上では文化的生活補償や公共の福祉による制約原理が戦後発達しましたが、だからといって近代法以前の絶対王政に戻るという意味ではありません。
人類が頭角を現した数十万年前に戻るのではなく、物理的距離を置いた生活でもITを駆使した情報交換技術あるいは現在未知の新技術開発に成功しソーシャルデイスタンスにうまく対応できる民族が生き残ることになりそうです。
人間関係もフェイスtoフェイスでないと表情その他の膨大な情報が読めないといってチームズやズームその他の新ツール利用を嫌がっていると新たな変化に置いてケボリを食います。
電話と直接会話とは情報量が違いますが、それを知った上でちょっとしたアポイント、日時の打ち合わせや単品追加お願い程度には電話やメールは便利です。
このようにスカイプやズームやテレビ会議等々も、目的に応じて使い分ける・選択肢が増える時代が来るでしょう。
新しい技術を馬鹿にする意見は車は狭い道には入れないから不便だといって、車社会を毛嫌いして広い道路を何十キロも自転車で走るような愚を犯す・こだわり屋さんに似ています。
大型、小型トラック軽自動車、乗用車も大中小、雰囲気にあわせてデラックスな車をレンタルするなどその他多種多様な車、バイクなど用途によって使い分ければ良いことです。
直接対話・・フェースTOフェイスにこだわっていると、あと10年もすると今で言えば電話では気持ちが読めないと言って電話の使い方も分からない人と同じようになります。
中国は新型コロナウイルス感染者追跡に、あらかじめ国民監視目的で全国に張り巡らせた監視カメラやウエブ上の個人特定の位置情報総動員で、見事に抑え込んだかのように見えます。
抑え込むのには成功したかもしれませんが、本来のソーシャルデイスタンスの流れにうまく乗れるかは別問題です。
ズーム利用も宴会や会話が漏れてもどうってことのないどうでも良い会合には便利ですが、情報ダダ漏れに対する警戒心が強く言われている点が弱点です。
車は便利だが事故が怖いとすれば事故を減らして利用者を増やすのが王道です。
ネット会議等の普及には情報秘匿性に優れた安心できる装置を開発した社会でこそ水を得た魚のように伸びるでしょう。
中国のように情報監視100%成功率?を売り物にする社会では・飛行機墜落率100%だと宣伝されるのと同じで怖くて利用したくなくなる・・仕方なしに利用する人だけでは将来性がないようにも思えます。
何か困ったことがあると用心棒として頼んでいる地元ヤクザがすぐ来てくれるのはありがたいが、マイナス面が大きい・・やはり日頃からヤクザに頼らない社会の方がいいに決まっています。
今回の新型ウイルス騒動では一見独裁国家が優位のようですが、上記のようなマイナス面が大き過ぎて伸び代が少ないと私は見ています。

国内格差2と対外自信(中国)

昨日28日の日経新聞朝刊27p経済教室「外国人労働者に配慮を!」の欄には、日本の外国人労働者数は166万人(19年10月時点)で、そのうち約半分が中国人とベトナム人であると紹介されています。
技能実習生であれ留学生であれ彼らの立場は脆弱であることを前提により、一層の配慮が必要とする論旨で
「先日ベトナム人が三百人帰国した」
と紹介されていますが、これがローテーションで帰ったのか、コロナによる失業で帰ったのかは別として、この逆バージョンでは、中国やベトナムから日本で就労目的で留学等を準備していた新規入国予定者が入国できず国内滞留していることが想定されます。
こういう視点で見れば、中国はインド等と同様に出稼ぎ労働者送出国でもあるわけです。
日本の地方圏で地元大卒、高卒の大都会への就職ができず地元農村に未就職で滞留し他方で数年〜5〜6前に地方を出た若者が地方の親元に舞い戻ってくる・・昭和大恐慌時のような状態になっているのがインドや中国内の現状でしょうか?
コロナ禍発症の地である中国は統計上完全収束状態のようですが、国内格差はどうなっているのでしょう?
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/world/00217/?P=2

露呈した中国社会保障の現実  2020年5月14日
新型コロナ危機で失業者が急増しているのはどの国も同じだが、中国の失業給付の少なさが際立つ。かつてイデオロギー的に失業というものを認めていなかったこともあり、社会の安全網が不十分なのだ。都市に働きに出てきていた労働者は、最終的に出身地の農村に頼るしかないのが実情となっている
米国は国民に対する失業給付額を劇的に増やした。連邦の経済対策として失業者1人当たり週600ドル(約6万4000円)上乗せしたのだ。平均すれば失った所得を100%埋め合わせられるだけの額である。一方、中国政府は生活困窮者向けの給付を1週間当たり12元(約180円)増やしたところだ。1日当たりに換算するとおわん1杯分の麺が食べられる金額でしかない。
立派なインフラ設備とのギャップ
新型コロナウイルス感染症がもたらした経済的な痛みは、中国のみならず他の多くの国も経験している。だが、中国が特異なのは、世界最長の高速鉄道網に代表される国際水準のインフラ設備を持ちながら、社会のセーフティーネットがあまりにも脆弱であることだ。中国の社会保障制度は、中国よりもはるかに貧しい国々の水準に近い。
失業者の中で政府から何らかの支援を受けている人数の少なさだ。中国の人力資源・社会保障省によると、失業手当の受給者は230万人にすぎない。見方を変えれば、何の給付も受けていない失業者が7800万人ほどいるということになる。
中国政府が発表する失業率(現在は5.9%で昨年より微増)はフルタイム雇用の都市住民だけを対象としているため、こうした貧しい人々が置かれている境遇を正確に捉えていない。
金融大手、スイスのUBSと仏ソシエテ・ジェネラルのエコノミストによると、3月中に失業した中国の労働者は大きく見積もれば8000万人にも上るという。都市労働人口の20%に近い。
しかし、それ以上に目に付くのは、失業者の中で政府から何らかの支援を受けている人数の少なさだ。中国の人力資源・社会保障省によると、失業手当の受給者は230万人にすぎない。見方を変えれば、何の給付も受けていない失業者が7800万人ほどいるということになる。
失業保険の給付条件に該当しない場合は、「低保」と呼ばれる最低保障所得を申請できる。だがその額は失業保険よりもさらに少なく、平均で月に600元(約9000円)ほどだ。

先進国に対しては出稼ぎ国であるとともに、国内に貧困国(内陸)と新興国(沿海部)を抱えているような国です。
米国が不景気になると中南米からの出稼ぎを中南米に返すように、上海深圳等は内陸からの出稼ぎ労働者を需給調整に使っている実態が見えます。
8000万人もの失業者を輩出している習政権は、必死だから国内向けに「中国はうまくいってる他国(米国)はもっと大変だ」と宣伝せざるを得ないので、これがトランプ氏の怒りを買って格好の標的にされているのでしょうか。
これに加えて不満のガス抜きに国威発揚もしなければならない・・尖閣諸島海域では日本の領海であるのに日本漁船を中国公船が追い回したり、南シナ海の埋め立て強行した地を新たな行政区域に指定して米国になにかやれるものならやってみろと言わんかのごとき挑戦をしたかと思えば、香港に対する国家安全法可決など強行突破の正攻法?に出てきました。
中国にしてみれば自国はコロナ禍から逸早く脱して生産も回復軌道に乗ってきたが、欧米はコロナ禍からの立ち直りが容易でなく泥沼にもがいているので敵の弱みに付け込むべきチャンスという単純戦略でしょうか。

中国批判と反撃

ところでアジアとはアフリカを除く西欧以外という程度のヨーロッパ人の言い方が広がっただけのことですので、ウイルス耐性力を問題にする人種(遺伝子)的広がりとは違う概念です。
遺伝子的言説によれば、もともと、ホモ・サピエンスの分化説(未知の領域ですので確定説ではないでしょうが)に従って、アフリカ系→コーカソイド(中東からインド欧州系西方に向かった系統→アジア系への分化過程の最終段階である黄色人種系が遺伝子的に強いのは当然という(私個人の)考えが出てきます。
欧米や西南アジアと遺伝子的に枝分かれしているいわゆる黄色人種(多様な枝別れがあり複雑すぎるのでここでは大雑把に黄色人種系と書いています)系に被害拡大が少ない特徴からこのような連想につながったのですが・・。
数年経過しないと評価できません・・・今回の大流行が一旦収束後、第二次大流行が起きれば今度は欧米よりアジア系の方が蟻害が大きく出る可能性がないとは限りません。
現状ではいわゆる黄色人種系の被害が大幅に小さくなっています。
ウイルスの得体が知れないのに比例して色々な揣摩憶測が入り乱れますが、こういう時にはそれぞれ日頃の基本的思考傾向の応用に解を求める傾向が出てきたのでしょう。
世界中が戦時発想の強権発動・市街封鎖行動制限などに飛びつき、その最先端を走った中国が独裁の方がすっきり解決できた!と自慢するようになりました。
これも流言飛語の一種と言うべきでしょう。
今回のコロナ禍では、WHOをめぐる中国擁護的行動の責任を問う動きなど米政府系の流言飛語的主張が目立ちました。
今のところ新型コロナウイルスに伴う非難合戦では、中国の方が分が悪いので火消しに必死の状態ですが、このような流言飛語を先にバラ撒いて仕掛けたのは中国側でした。
これが米國の反撃を受けてWHO攻撃に拡大してきました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58065640V10C20A4000000/

米、WHOへの資金拠出を停止 トランプ氏表明
2020/4/15 7:23 (2020/4/15 10:33更新)
トランプ米大統領は14日の記者会見で、新型コロナウイルスへの対応が中国寄りだと批判してきた世界保健機関(WHO)への資金拠出を当面の間停止すると表明した。「コロナウイルスの拡散への対応の誤りと隠蔽について、WHOがどんな役割を担ったかを検証する」と述べ、その間は資金拠出を停止するよう指示したと明らかにした。 米国の拠出停止はWHOに運営面で是正を迫る狙いがあるが、米国内での感染拡大を巡るトランプ氏自身への批判をかわす思惑もありそうだ。
トランプ氏は会見で、米国が1月に決めた中国からの入国禁止にWHOが反対した点に触れて「WHOによる最も危険な決定の1つだ」と指摘した。WHOは正確な情報を提供する義務があるにもかかわらず「その基本的な義務を怠った。責任を問われないといけない」と主張した。

コロナ対策ではトランプ氏が当初軽視しすぎた政策ミスの責任転嫁・・トランプ氏特有の言いがかりでないか?というのが、国際的イメージでしたが、もともと中国の国際イメージの悪さの方が優っていた?関係で、今では米国による中国包囲網が成功しつつあるかのような状態です。
日本はWHO批判に直接組していませんが、検証する必要がある点でG7で一致したので、トランプ氏としては国際枠組みの格付けを得た形です。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20200418-OYT1T50090/

WHOは「徹底的な検証と改革必要」…G7首脳が確認
2020/04/18 09:10

これだけの大事件ですから、事後検証の必要性についてWHO側も反論できない巧みな戦略です。
これで外堀を埋めた上で、トランプ氏は単純資金拠出停止ではなく検証するまでの停止という形にしました。
かなり強引な形ですから、この先帰趨がどうなるかは国際政治力学次第です。
中国の反撃が29日ニュースで流れました。
https://www.afpbb.com/articles/-/3280882?cx_part=theme-latest

米政治家が「しらじらしいうそ」 中国、コロナ対応めぐる国際批判に反撃
2020年4月29日 10:10 発信地:中国/中国 [ 中国 中国・台湾 ]
【4月29日 AFP】中国政府は28日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)への対応をめぐる国際社会からの批判に反撃し、「しらじらしいうそ」をついていると米国の政治家たちを非難した。

全文引用しませんが、米国が自国のコロナ対応の不手際をすり替えていると言う主張は、メデイアの評論に委ねるべきことで、中国政府高官が直接そんな無礼なことを公式発言するだけでも国際非常識なことですが、さらに輸入制限で対抗するぞとオーストラリアを脅したというのですから異常です。

「中国はまたオーストラリアからの圧力にも直面している。中国の成競業(Cheng Jingye)駐豪大使が、感染拡大の発端について独立調査を強く求めることは「危険」だと述べ、そうした調査が実施されれば中国人はオーストラリア製品を買ったり、オーストラリアの大学へ行ったりすることをボイコットするかもしれないと露骨に警告した」
「中国政府は28日、「駐豪中国大使による発言は、オーストラリア側の最近の誤った主張に反応したものだ。オーストラリアの主張を受けて中国国民の間には不満が広がっており、二国間関係にも影響する可能性がある」「発言のどこが間違っているのか?」などと述べ、同大使を強く擁護した。(c)AFP」

オーストラリアから輸入制限するとまで正式発言したのを本国政府が正面から擁護したというのですから驚きです。
中国政府は国際政治ルールを弁えていないレベルでしょうか?
粗暴な点が、先進国での不人気の原因とも言えますが、苦しい国にとっては目先の実利に弱いのも事実です。

新型コロナウイルス対応の巧拙10(中国は成功したか?2)

以下のネット記事が出ています。
https://diamond.jp/articles/-/232141?page=3

コロナ対策を中国に学んだイタリアとイランでなぜ感染拡大が止まらないのか
姫田小夏:ジャーナリスト 2020.3.20 5:35
「コロナ発生国」と非難されたが今では世界の「お手本」に
湖北省武漢市では、蔓延の初期段階において医療スタッフや病床の不足に加え、物資が不足して現場は大混乱となった。だが、瞬く間に5万人の医療スタッフが全国から集められ、10日間の突貫工事で病床が増加し、医療資源の不足は一気に解消された。
ウイルス拡散を防止するために中国政府が取った策は、人の移動を制限する「封鎖措置」だった。1棟1棟の集合住宅から1戸1戸の世帯に至るまで、住人を自宅から外出させないという、水も漏らさぬような厳重な管理ぶりだった。
中国の防疫措置の特徴を分析すると、「間髪入れずしてのスピード」と「一刀両断の徹底ぶり」、そして医療現場の人的不足やマスクなど物資不足を補うための「挙国一致の動員力」にある。そのベースにあるのは、移動の自由など人権の議論を許さない一党独裁の政治体制と経済力、そして何よりも、政府の一刀両断を受け入れる「国民の忍耐力」だった。
安倍政権が新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を発表した2月25日、日本在住の中国人や日本に親族を持つ大陸の中国人から失望の声が上がった。「なぜ積極的に検査しないのか」「企業活動をいつまで続けさせるのか」といった疑問が噴出したのは、すべての力を防疫に注いだ“強制力ある中国式措置”とは異なるものだったからだ。
イラン、イタリアは中国モデルを導入
中国モデルを積極的に採用するのがイランだ。2月19日に新型コロナウイルスの初めての患者が確認されたイランだが、その後も感染拡大が続いた。そこでイラン政府は、3月3日に「防疫措置を中国に学ぶ」と宣言した。
イランは国家動員計画のもと、中国の診療モデルをペルシャ語に訳して公開し、30万の「小組」とよばれる医療グループを組織し、1000万人を対象に各世帯を巡回し感染の実態調査に乗り出した。
イランだけではなく、イタリアもまた中国モデルを手本にした。イタリアは、ローマを旅行中の中国人に初の感染者が確認されると、1月31日に自国と中国の主要都市を結ぶエアラインの運行停止に踏み切った。イタリアで感染者が爆発したのは2月21~22日にかけてだが、新たな感染増加数が60人という段階で、ロンバルディア州の複数の都市を封鎖した。かなり早い段階で、感染拡大を防ぐ措置を採っていたといえる。
中国政府がわずか10日で建設した「火神山医院」を模範に、病院の突貫工事を始めた。住民の外出管理も徹底し、外出のための通行証も必携にした。当局のルールに反すれば「拘留または罰金」という取り締まりも中国モデルに酷似する
他人の処方箋は効き目がない
中国式を手本にし、早期防衛に着手したイランとイタリアの状況がますます悪化していくのはどういうことなのだろうか。
海外の中国人の間でよく読まれている文章がある。欧州在住で4カ国語に精通する中国人女性が執筆したもので、コラムの一部には次のような内容が書かれていた。
「イタリア政府は最大限の警戒感をもって臨んでいたが、かえって封鎖反対の抗議活動やスーパーでの買い占め、監獄での暴動を引き起こし、医療システムを麻痺させるなど国民をパニックに陥れた。イタリア人からすれば、自分の自由を制限されるほど辛いことはない。国情も違えば国民も違うのだ。国家の一声で十数億人を家に閉じ込めた中国はむしろ世界の奇跡だろう」
初期段階での強制措置は、かえってイタリアの人々の心理に大きな不安をもたらしてしまったようだ。文章には「他人の処方箋は、その人と同じ体質でない限り効き目がない」とも綴られていた。中国の感染病の専門家である復旦大学付属華山医院感染科主任・張文宏氏も、「イタリアは早期防衛の失敗例だ」と語っている。
見方によれば、イタリアは中国のように虚偽発表できない・・(普通の肺炎による死亡にカウントし直せないから)増えていることがそのま表面化しているだけかもしれません。
最近の報道ではウイルスの型が、武漢型から変異して行き、中東〜西洋に伝染するころにはそのレベルが上がって凶暴に?なっている・・その結果猛威を振るうようになっていると言われます。
ところで、武漢型コロナウイルスが時代遅れになっているらしく西欧に入ったウイルスはその変異型でより強力になっているらしく・・最近日本に上陸して感染数を増やしているのは西洋からの上陸系ウイルスだそうです。
今後西洋でより一層強力になったウイルスが中国へ再上陸するかも?という段階に入っているらしいです。
そしてアメリカに入ったウイルスはもっと別の強力なものでないか?今はまだ不明という状況らしいです。
3月18日には「戦時下の大統領」というトランプ氏発言もあり、生物兵器による欧米攻撃が本質でないか?などという昔かよくある陰謀説その他入り乱れる状況になってきました。
もちろん私はそういう遺伝子解析の能力・・説明されても、理科学的素養皆無で理解能力もないので噂の噂の受け売りでしかなく合理的批判能力もありません。
いずれにせよ、マスク原料の不織布原料大手が日本企業としても現場を国内にもたずマスクのような軽便な生産品は低賃金の中国生産に依存する・中国次第で国内流通量が限られる国際分業体制のリスクを心配するひとが増えてきたことは確かです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200305/k10012315931000.html首

相 生産拠点の国内回帰を後押しする考え
2020年3月5日 20時20分
新型コロナウイルスの感染拡大で中国からの電子部品などのサプライチェーンへの影響が懸念される中、安倍総理大臣は会合で1つの国への生産依存度が高い製品は生産拠点の国内回帰を後押しする考えを示しました。https://www.bcnretail.com/market/detail/20200331_164248.html
アイリスオーヤマは3月31日、新型コロナウイルス感染症の影響で品薄状態が続くマスクを日本国内で生産すると決定した。宮城県角田工場の一部を改修し、マスクの生産設備を導入する。6000万枚/月のマスクを新たに生産できるという。同社はこれまで、大連工場(中国・遼寧省)と蘇州工場(中国・江蘇省)の2拠点で24時間フル稼働でマスクを生産し、8000万枚/月を日本国内に供給してきた。今後は、合計1億4000万枚/月を日本に供給できる体制になる。

新型コロナウイルス対応の巧拙9(中国は成功したのか?)1

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202003/0013191562.shtml

2020/3/14 05:30神戸新聞NEXT
新型コロナ80歳以上の致死率21・9% WHOなど調査、中国の感染者
2月16日から同24日にかけ、WHOが中国政府と合同で5万5924人の感染者などを調査した。日本語版は39ページにまとめられ、WHO神戸センター(神戸市中央区)のホームページで公開している。
同センターと厚生労働省で翻訳。感染者の典型的な症状は、発熱(87・9%)や、痰(たん)の絡まない空ぜき(67・7%)などで、風邪やインフルエンザと似通っているとする。多くの感染者は軽症だったが、呼吸困難などの重症者(多臓器不全などの重篤者含む)が19・9%おり、インフルエンザの重症化率1%未満を大きく上回る。
致死率は3・8%。ただ、1月1日から同10日に発症した人の致死率が17・3%だったが、医療体制の強化に伴い、2月1日以降は0・7%に抑えられた。
基礎疾患がない人の致死率が1・4%だったのに対し、心血管疾患の人は13・2%、糖尿病は9・2%、慢性呼吸器疾患は8・0%など、持病がある人の致死率は相対的に高かった。
以上によると死亡者中で基礎疾患のない人の比率は100分の1、4ですから、98、6%は、なんらかの基礎疾患を持っている人=超高齢者の多い国では死亡率が上がるということでしょう。
高齢化率の高い点で言えば、日本は世界で最も死亡率が高くてもおかしくない人口構造になっています。
日本は4月7日ついに緊急事態宣言を発するなど今後のことは不明としても、今までの経過で見れば日本は感染が始まり1月から約3ヶ月間経過した現在でもなお、人口比低死亡率でなんとか医療崩壊前の状態で持ち堪えているのは官民対応能力の高さによることしか、言いようのない結果でしょう。
致死者は感染後20に平均とすれば20日前の感染者数の遅行しすが、厚労省データです。

・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと4月7日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。

国・地域 感染者 死亡者
中国 81,740 3,331
香港 915 4
マカオ 44 0
日本 3,906 80
韓国 10,331 192
台湾 373 5
米国 364,723 10,781
カナダ 16,653 323
フランス 74,390 8,911
ドイツ 102,453 1,735
イタリア 132,547 16,523
英国 51,608 5,373
ロシア 6,317 47
スウェーデン 7,206 477
スペイン 135,032 13,055
ベルギー 20,814 1,632

国民の自発的協力を得る地味な努力こそが民度の高い我が国の取るべき体制でしょう。
論者によっては「安倍政権は無策のままだ!国民にお願いするばかりで政府は何もしない」と批判をする意見が目立ちましたが、非常事態宣言して刑事罰付きの全面的市街の封鎖・あるいは企業・学校の強制閉鎖、食料等必需品以外の商業活動の全面禁止(イタリアなど)等々をする国の真似が良いというかのようです。
そういう批判する政治評論家に限って、政府が少しでも強制力を行使すると人権がどうの・・と鬼の首でもとったかのように騒ぐのでしょう。
幕末日本に来たハリスだったか?日本人召使いは命令するということを聞かないが黙っていると頼まないことでなんでも進んでやってくれると驚いた記述があったようですが、日本人の多くは命令されたり「お願いします」と言われる前でも、その気持ちが分かれば進んでやるものです。
小中学校の休校要請も周囲の助言もなしに独断で決めたとか、如何に国民が迷惑を受けているかばかりが批判論の基本でしたが、今や世界中で小中学校の全面休校は普通です。
トランプ氏は早くから10人以上の集会禁止などしていますが、日本のように要請だけでみんなが守る国の方が世界中では少ないからでしょう。

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