政党は約束を守らなくて良いか3(ロシアのデフォルト2)

日露戦争前から帝政ロシアが何故デフォルト寸前の破綻状態に陥っていたかを考えると・・中世から近世に掛けて、スペイン王室が戦争ばかりしていてその都度イタリア商人から借金を繰り返していて、スペインのお王様が何回も(アメリカ大陸から莫大な金銀が入って来たのにこれを使い果たして)破産したのと似ています。
ロシアの経済破綻はクリミヤ戦争で負けたことだけが原因ではなく、大きな目で見れば、歴代皇帝が支配地拡大に入れ込み過ぎた結果と見るべきではないでしょうか?
支配地拡大を為政者が本能的に求める傾向がありますが、日本で言えば北方領土や竹島が戻っても(心情論を別とすれば)経済的に何か得るところがあるでしょうか?
逆に過疎地が増えて国民負担が増えるだけ・・ましてこのために戦争まですれば、まるで無駄遣いです。
ロシアは元々イワン雷帝やピョートル大帝以来、バルチック海への入り口を求め、シベリアにあるいは、南に支配地を拡大していって、何か得るところがあったかの疑問です。
ソ連経済も同じで、中核のロシア共和国の支配力維持のために域内共和国へは国際相場の何分の1かの超低価格で天然資源の供給をして来たことが知られています。
日本でも村の顔役を張ると余計な寄付をする羽目に陥るし、威張るには金がかかります・・アメリカもそれが嫌になって世界の警察官をやめたいと言い出したのです。
現在の尖閣諸島であれ、南沙諸島であれ、中国がこんな無駄なことに(大量の漁船団に日当を払っていると言われています)国力をつぎ込んでいるのは、国家財政→国民の大きな負担になっています。
世界中で威張りたい一心で、中国は不要な軍事力の膨張を続け経済合理性のない資金をバラまいていますが,長期的には国運を衰退させてしまうでしょう。
古代からみても、漢の武帝が遠征を繰り返した結果次の世代がダメージを受けましたし、随の煬帝も高句麗遠征でつぶれ、モンゴル・元も日本への2回遠征で倒れました。
戦争に負けるとダメージがすぐに表面化しますが、勝っていても戦争を続ければ古代から多くの国がつぶれています・・。
スペイン王室も戦争に負けてばかりだったから、破産したのではありません。
ウイキペデイアによれば、以下の通り最盛期の王様です。
「スペイン王にして神聖ローマ皇帝に選出された父カルロス1世は当時のヨーロッパで最大の勢力を持ち、ヨーロッパ以外の広大な領土とあわせて、その繁栄は「太陽の沈まない国」と形容された。なお、現在のフィリピン共和国、フィリピン諸島などの「フィリピン」は、1542年、スペイン人のコンキスタドールによってラス・フィリピナス諸島と命名されたことに起源を発するが、これは、当時アストゥリアス公だったフェリペの名に由来する。」
「フェリペ2世は、1556年の即位と同時に膨大な借金も受け継ぎ、翌1557年に最初の破産宣告(国庫支払い停止宣言:バンカロータ)をせざるを得なかった。在位中にこれを含め、4回のバンカロータを行っており、フェリペ2世の時代の厳しい国庫事情が伺える。しかしイタリア戦争においては1559年、カトー・カンブレジ条約でフランスのイタリアに対する要求を放棄させた。」
話題が飛びますが、デフォルトの繰り返しの結果(日本の大名貸しが危険だと言われていたのと同様に不良債権のために)イタリア商人も没落して行き・・産業革命に成功した英仏蘭の時代に移ります・・。
このように物造りあるいは実業によらないで、金融資本に頼ると貸している方も危なくなるのが歴史の教訓です。
ロシア経済・貨幣制度の発展段階に深入りするのがここのテーマではないので、社会党→社民党の一体性に戻りますと、ロシア革命後のソ連→現在のロシア同様に、社会党時代の資産(プラスマイナスを含めて)を引き継いでいるのが社民党です。
現在の集団自衛権反対や基地に対するケチ付け運動の基本は、「日本がアメリカの戦争に巻き込まれるリスクがある」と言う主張が基本ですから、元々の60年安保反対運動時の主張と同じ・・今も繰り返しているのでは、村山内閣の「安保堅持」を守っていないことになります。
60年安保に関する本日現在のウイキペデイアの記述は以下のとおりです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E4%BF%9D%E9%97%98%E4%BA%89
「安保は日本をアメリカの戦争に巻き込むもの(※在日米兵犯罪免責特権への批判もあり)」として、多くの市民が反対した。これに乗じて既成革新勢力である社会党や日本共産党は組織・支持団体を挙げて全力動員することで運動の高揚を図り、総評は国鉄労働者を中心に「安保反対」を掲げた時限ストを数波にわたり貫徹したが、全学連の国会突入戦術には皮相的な立場をとり続けた。とりわけ共産党は「極左冒険主義の全学連(トロツキスト集団[4])」を批判した。これに対し批判された当の全学連は、既成政党の穏健なデモ活動を「お焼香デモ」と非難した。
なお、ソ連共産党中央委員会国際部副部長として、日本をアメリカの影響下から引き離すための工作に従事していたイワン・コワレンコは、自著『対日工作の回想』のなかで、ミハイル・スースロフ政治局員の指導のもと、ソ連共産党中央委員会国際部が社会党や共産党、総評などの「日本の民主勢力」に、「かなり大きな援助を与えて」おり、安保闘争においてもこれらの勢力がソ連共産党中央委員会国際部とその傘下組織と密接に連絡を取り合っていたと記述している」
上記によれば50年前の安保騒動のときも今の集団自衛権反対論同様に巻き困れリスクが争点だったコトが分ります。
安保反対論の根幹が「戦争巻き込まれリスク論」であったのは上記のとおり明白ですから、村山総理が国会で、安保反対を言わないどころか「堅持する」と約束しながら一体性のある社民党が今も「戦争巻き込まれリスク」「騒音があ・・」とか「危険がある」とかを理由にして米軍基地の利用妨害のために次々と足を引っ張るための反対するのは、約束違反です。
ヤクザでもギャングでも、組員や関係者に対する約束を守らないと組織が保ちません・・。
大もとの約束・・社会秩序も守らないで仲間内だけの約束だけは守る・・政府や真人間の落ち度追及には(鼻が利き)言いがかりをつけてダニのように食い下がり、ヤミでのオトシマエを求めて行くのが違法組織・テロ組織(テロ組織も現場へ行く交通や破壊すべき電車その他社会機能が予定どおりやって来る前提でそれを破壊することを予定しています)の特徴ですが、そう言う違法組織と大差ないコトになりませんか?
違法組織と大差ないと善良な国民が知れば、今後益々支持率が下がって行くでしょう。

政党は約束を守らなくて良いか2(ロシアのデフォルト1)

ソ連解体後の新生ロシアは、帝政ロシアの旧債務支払義務を認めて国際取引社会復帰を果たせたとその頃報道されていたようなうろ覚えですが、ネット検索してみると、新生ロシア「共和国」がソ連の債務を引き受けて完済したのは出て来ますが、帝政ロシアの債務をその債務に含んでいる意味なのかがはっきりしません。
(ソ連は帝政ロシアの債務支払を拒否していたので、国際取引に必要な信用状発行を国際金融界から何十年も拒否されていた・現金取引しか出来ない状態がロシア革命以降続いていたという解説がありますが、そこには根拠が引用されておらずデータ的にはよく分りません。)
http://www.ier.hit-u.ac.jp/rrc/Japanese/pdf/RRC_WP_No57.pdf
帝政ロシア・ソ連・現代ロシアの金融統計の発展
と言う論文を見ると、そもそも(それまでの農奴制社会が崩れ始め)帝政ロシアで漸く貨幣経済・銀行制度が始まりかけたときに,日露戦争敗北〜第一次世界大戦〜ロシア革命前後の動乱が約10年間続き、その間貨幣経済が機能しなくなり物々交換経済に逆戻りしていたことが分ります。
およそ何千倍と言うハイパーインフレ(貨幣価値が1万3千分の1に下落)が続けば結果的に物々交換社会になって行くしかないでしょうし、モノ不足が極限化すれば共産主義かどうかに関わらず配給=貨幣不要社会にならざるを得ないのが現実です。
以下は上記論文の一部引用です
「内戦が激化した 1919年5月には人民銀行に対するすべての通貨発行制限が廃止され,通貨は国民経済の必要に応じて発行することとなった.1920年 1月には,人民銀行そのものが廃止され,紙幣発行は財務人民委員部(財務省)の業務となった.形式的には, 1897 年以前の国家紙幣発行が再現されたことになる.もっとも,実状は第1次世界大戦から革命,内戦へと続く混乱の中でハイパー・インフレーションが進行し,金融制度も通貨も機能しない状態であった(Alkhimov(ed.)[1981]pp. 8–9).1920年7月1日時点で,1 ルーブルの価値は1913年ルーブルの 1/13,000 まで低下し,1921 年初期において賃金の 93% は現物給付であり,税金納付も現物化されていた」
国内でさえ貨幣経済が機能しない混乱状態では、ソ連新政府が帝政ロシア政府の債務を返すどころではなかった・・本来デフォルトで良かったのにこれをしないで開き直って政府が違うから払えないと強弁していたに過ぎない印象です。
約10年間の原始的物々交換時代を経てNEP(新経済政策)で漸く経済混乱が治まった後に銀行制度の萌芽が始まりますが、それも共産主義経済強化・イデオロギーによる自己正当化によって(この辺の印象は私の個人感想です・・念のため・・)話がややこしくなってしまった印象です。
貨幣経済化の遅れを共産主義と言う理念で正当化する・・銀行制度などいらない・そもそも(民間企業がないとすれば)企業が融資を受ける必要がない・・全部国有企業・国有農場であれば、必要な資金は融資や投資ではなく、政府が予算として分配する仕組みで理屈だけは一貫します・・。
個人消費は全て配給制にするなど・・。
上記論文によれば、そうは言っても貨幣がないのは不便なので、中央銀行制度を作ってみたり、行きつ戻りつの繰り返しをソ連崩壊直前まで繰り返して来たことが分ります。
ソ連のデータが全くインチキで信頼性がないと言われていましたが、金融史の専門家の上記論文を見ると、ソモソモ統計以前に前提たる貨幣経済・・信用・与信システムが充分に浸透していなかった社会状況に唖然とします。
帝政ロシアの国家債務がどうなったかの根拠のありそうなデータが見つかりませんが、帝政ロシアの債務承継については以下のとおり(根拠不明?)のやり取りが出ています。  http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13140977113ベストアンサーに選ばれた回答
zuoteng1981さん2015/1/2916:14:53
「ソ連はその成立時に対英国だけではなく、全ての国に対する債務を一切拒否しています。
英国の損害も少なくありませんが、最大の損害を出したのは仏国です。仏露同盟の関係で多くの投資を行っていたんですね。」
歴史では仏露協商ばかり習いますが、11年頃から続いている南欧危機同様に、ロシア革命前に何回もロシアのデフォルト直前の危機が発生していて、貸し込んでいた西欧諸国が何とか支えて来た経緯があります。
上記論文http://www.ier.hit-u.ac.jp/rrc/Japanese/pdf/RRC_WP_No57.pdf
帝政ロシア・ソ連・現代ロシアの金融統計の発展の一部の引用です。
「・・・1854年のクリミア戦争の敗北は,政府主導による近代化・工業化をさらに強化する契機となった.帝国ゴスバンクは農奴解放の前年の1860年に設立された.この時期の帝国ゴスバンクは,中央銀行というよりは,国家資金の経済への供給を主要な役割としていた.近代化・工業化の加速に伴い資金需要が増大していた一方で,1857-1859年金融危機により従来の諸国家金融機関はほぼ破たん状態であった.外国銀行からの借入は月利2%の高金利であった・・省略。
月利2%と言えば年利24%ですから、政府がデフォルトしてくれないで国民に緊縮・増税を要求するならば、(贅沢して借金したのは王侯貴族ではないかと言う不満・・)国民は革命でも起こしたくなるでしょう。
ギリシャ・・南欧諸国危機では緊縮政策=貸し込んでいる債権国の独仏蘭(の金融機関は2〜3割有していると言う噂でした)がデフォルトされると自国銀行が連鎖倒産→自国の公的資金投入が必要になることから、「南欧の債務国が質素倹約して借金を返せ」その代わりECB+IMFが南欧諸国の国債買い入れを認めて当面救済することに決めました。
多分ロシア革命前に繰り返されたロシア危機でも、似たような繰り返しが行なわれていたでしょう。
ECBによる国債買い上げでギリシャやイタリアは何とか息をついたのですが、少し落ち着くと国民が緊縮の継続に耐えられなくなり、ギリシャでは緊縮反対派のリプラス氏が今年7月に国民投票に掛けて6割以上の支持を受けています。
緊縮の継続に国民が我慢出来ない・・(ギリシャのような国民投票制度がなかったことが)ロシア革命の経済的要因・・だからこそ、革命政府が支払を拒否したとも言えます。
元々債務超過国で苦しんでいたロシアが巨額戦費のかかる戦争などしている余裕がなかったのに、遠隔地の極東で日英同盟のある日本と戦端を開いたのが失敗でした。
薩長同盟が出来ている状態下で、沽券に関わる程度の意味で?第2次長州征伐を敢行した幕府に似ています。
国民からしてみれば、自分たちの生活にはどうでも良い遠くの極東での覇権争いのために自分たちに戦費負担や生命の提供を求めるのは納得がいかなかったでしょう。
日露戦争では、日露共にユダヤ資本から戦費を借りたのですが、日本は戦争に勝ったのと経済興隆・勃興過程にあったことから(第一次世界大戦による好景気到来で)1916年までかかって漸く返せたのに対し、ロシアの方は、元々デフォルト寸前を繰り返して漸く息をしているような脆弱な体質であった上に戦争に負けて借金だけ膨らんでしまった。
ツアーの威信が大きく傷ついてしまったので国民に対する抑えが利かなくなって混乱状態が激しくなっているときに第1次世界大戦に巻き込まれてしまったこと(好景気が来た日本とは好対照)が致命的でした。
国内不満が大きくなる一方で内政混乱に陥ってしまったことから、国民が借金返済に堪え切れなくなった・・・デフォルトの政治的表現がロシア革命であったと見ることが可能です。

ウクライナ政変6と経済停滞1

アメリカが警察官役を下りると言えば、直ちにこの機会とばかりに相手が無防備ならばこのスキに・・・とばかりにイキナリ攻めて来る傾向のある周辺国が多いときには、このリスクに備えるべきでしょう。
再軍備派の主張では、無防備平和主義という理想論では実際にはどうにもならないという主張が中心でしたが、保革共に理想論という概念自体が間違っています。
周辺に腕力で不当な意見を強制したいとか泥棒や強盗をしたい・・日本国民を連行して奴隷にしたいと公言して国民教育している国がひしめいているときに、無防備平和論は理想ではありません。
日本国民が丸腰で国内で生活できているのは治安が良いからであって、しょっ中追いはぎや喧嘩が絶えない社会であれば、自衛のために集団で歩いたり武器を持って歩いたり自宅に厳重に鍵をかけるようになるのが理想です。
理想とは実態に適合した合理的な意見を言うべきであって、実態を無視した意見は非合理論であって理想論ではありません。
世に言う理想論は各種の与件が100%そろえばこれが良いという架空の議論であって、現実政治に関する議論は現実に存在する条件あるいは実現可能な条件を前提にすべきです。
ある日突然外国軍が押し寄せて再びシベリアに連行されるのでは叶いませんから、突然の侵攻を防ぐにはイザというときに備えて一定の軍事力保有が必要です。
今回のウクライナ・クリミア紛争によって、各種経済制裁・・先行き成長低下を恐れた金融資本家によるロシアから資金引き揚げが加速し始め、今年のロシア経済は大きな打撃を受けそうです。
3月30日ころの日経新聞ではロシアでは昨年から景気下降(資源輸出の停滞化)や新興国からの資金逃避傾向(アメリカによる金融緩和縮小予想)による資金流出が続いていたのですが、今年に入って3月までの流出資金量が昨年1年間の合計を越える6〜700億ドル(正確な数字を忘れました)の資金流出があったと書かれていました。
紛争が長引けば、ロシア経済が資金流出のダメージを受けて大変になるだけではなく、ロシアに巨額投資・進出している西欧企業も当然儲け損なう外に(あわてて引き上げれば・・叩き売りすれば当然株価や債券等は大幅に相場が下がりますので)評価損を受けます。
西欧はロシアに対するエネルギー依存だけではなく、資本・企業進出等経済的に大きく深く関与しているので、ロシアとの対立激化は双方にとって大きな痛手になります。
ロシアは西欧も損をするので厳しい経済性差が出来ないだろうと多寡をくくっている面もあって却って戦火が拡大する危険をはらんでいます。
最貧国と言うか破綻国家に近いウクライナに対してEU(準)加盟条件として、EUはこれまで厳しく緊縮を求めていたものの、ロシアとの綱引きの行きがかり上うるさい条件を引っ込めて(緩めて)巨額援助をするしかなくなったので、なお経済負担が大変になります。
以上を見ると第一次〜第二次世界大戦で相互に傷を負い西欧全体が地盤沈下したのに続き、今回の紛争が激化・長期化すれば、直接戦火を交えずとも西欧とロシアは更に大きな経済的困難・・地盤沈下に陥るように見えます。
プーチン氏自身の自己保身効果で見れば、経済不振による支持率低下で早晩失脚するよりは、民族意識を高揚させて一時的でも支持率を上げる方が先決と読んで、長期的効果による国民の損失まで考えていられないという計算だったでしょう。
ケネデイの始めたベトナム戦争もブッシュの始めたイラク戦争もその都度支持率は上昇しましたが、その後アメリカの国力低下の原因になっています。
結局彼らはいずれも自己保身のために国民全体の利益を犠牲にした政治家と言えます。
独裁国家では失脚後生命の危険があるので、国民の利益を犠牲にしてでも民族意識を高める方向・・対外軍事力行使へ動き易い・・こうした傾向が強く出るので、自宅近くに暴力団事務所があるようなもので近隣国にとっては、危険な国です。
もめ事を起こさないように近所の人がよけて歩くので、暴力団員が偉くなったような錯覚を起こしているのが中国指導部と言えましょう。
韓国は中国のように軍事力で日本を威迫できないので、虎の威を借る狐のたとえどおりに日本の誹謗を繰り返して国民の鬱憤ばらしに精出して支持率低下を食い止める基本方針で戦後60年以上もやってきました。

ウクライナ政変とロシア4

戦場になった地域よりは遠征した方に負担が大きいという昨日・・4月11日のテーマに戻ります。
ロシアによるクリミア編入でも、現地クリミア住民には大したコスト負担がなく、クリミアを手に入れたロシアの方が、巨大な軍事力移動その他の事務負担や援助で莫大な財政負担が生じています。
ウクライナ本体を西側に引き寄せた筈の西欧も、その分巨額財政支援の必要性に追い込まれています。
日本はその綱引きにき関係した訳ではないのに、西側の一員としての冥加金の負担を求められています。
大陸でのプロシャ対オーストリア覇権争いであった英仏7年戦争では、重商主義経済の発達していたフランスが財政疲弊に対する経済界の不満が大きくなったので革命になったし同じくイギリスがアメリカの独立運動に繋がったのに対して、戦場になったプロシアやオーストリアでより王権が強固になっていったのは、まだ農業主体社会で社会資本の破壊が少なくて済んだ面が考えられます。
ロシアもロシア革命直前まで古代農奴社会でしたから、戦争による被害というものをあまり深刻に経験していません。
シベリアへの東進政策・ポーランド分割やトルコに対する南下政策等々、まだまだ古代的領土拡張しか経験がないし、ロシア革命までは古代農奴社会のままでしたからナポレオン遠征やナチとの攻防戦等によって国土蹂躙される戦争があっても、(農地の場合踏み荒らされても復元は容易です)それほど痛手を受けた経験がありません。
例えば冬には畑では何も作っていませんので、そこが戦場になって馬が駆け巡っても大した被害になりません。
仮に成育中の麦畑を踏み荒しても、その歳の収穫が激減して苦しみますが、翌年には普通に作物の植え付け収穫が可能です。
工場設備の破壊や熟練工の喪失による長期的生産能力の損失とは比べ物になりません。
中国も対日戦争や国共内戦で何千万と死にましたが、基本は農業でしたから・インフラ崩壊に関係がなかったことになります。
戦争被害がそれほど深刻ではない農業社会では、領土拡張の旨味・成功経験が未だに忘れられない・・遅れて参加した国々が、大雑把な味方をすれば、中ロ等の独裁国と言えます。
韓国は半島南部まで占領された朝鮮戦争で傷ついたと言いながら好戦的なのは朝鮮半島南部は農業社会でしたから、インフラ損失が皆無に近かったことが大きいでしょう。
今やロシアも中国も韓国も古代社会のママではなく、経済インフラ蓄積が進み、国際経済交流の網に組み込まれているので、国際物流遮断の影響を受ける度合いが半端ではありません。
物流遮断に最も威力があり簡便な手法は、イラン禁輸で採用された国際金融取引禁止です。
イランと金融取引する金融機関をアメリカでの金融業務から閉め出すという方法でしたから、アメリカと取引のある金融機関・・世界中の金融機関ひいては金融取引のあるすべての企業がこれに従うしかなくなりました。
今では巨額取引で現金決済をするのは例外中の例外ですから、金融機関を使えないと殆どの場合決済が出来ないので、ナポレオンの大陸封鎖令のときとは根本的に違う封鎖力です。
これをくぐるための資金洗浄が新たな問題に浮上しています・・・表向き暴力団などの違法組織対策と言われていますが、マフィアは昔からあったのですから、イラン禁輸以降急激にうるさくなったのはアメリカによる世界支配の道具である金融監視の効率化・・その抜け穴防止が主眼ではないでしょうか?
アメリカの軍事力にかげりが出ていると言われますが、アメリカはその代わり金融支配によっていつでも相手の息の根を止められるという道具を手に入れているし、これを更に強化しようとしていることになります。
どこの国もアメリカの許可なく(小口の現金取引以外には)イランから物品を買うことが出来なくなりましたので、イランは金融取引禁止によって、血流の停止・・事実上大口の輸出入停止になってしまいました。
イランの輸出代金の多くは原油代金・・巨額決済ですから、マトモに利いてしまいました。

ウクライナ政変とロシア3

日本経済新聞3月30日朝刊でウクライナでは、過激派がもっと民族主義的政策をとるように新政権を攻撃している・・ロシアが自国民保護のためにウクライナ本体に対して介入する口実造りに励んでいることも不思議です。
ロシアは場合によってはそこまで行くような姿勢を示しておいて、クリミアだけで矛を収めてアメリカの顔を立てて欧米と手打ちする予定ではないでしょうか?
ロシア系住民を排撃する過激な行動をとれば、ロシアによるウクライナ本体に対する軍事介入口実になるのが分っていて、何故こうした過激主張やデモが頻発しているのか・・背後資金関係が不思議です。
各種大規模暴動が長期化するには、巨額資金援助組織が背後にないとやれないのが普通です。
ロシアは、過激派によるロシア系住民迫害を口実にウクライナ本体に介入するとしても、本体を手に入れると図体の大きな貧乏を招き入れるので仮にやるとしてもせいぜい東側の切り離しに動く程度でしょう。
そうした動きを示しておいて制裁をやめるなら撤退すると言う条件を出して欧米もその辺で落ち着くと見ている可能性があります。
ネトウヨによれば、日中紛争が起きれば、在日中国人が先ず国内で騒いで右翼を挑発して事件を起こさせ、日本右翼が挑発に乗らなければ、工作員を潜入させて中国系人を殺して、日本で中国人が迫害を受けているという状況を作り出す恐れが早くから指摘されています。
上記従来からの指摘によれば、アンネの日記破損事件は、中国ないし韓国系の工作員による予行演習が始まったのではないかと言う意見です。
ヘイトスピーチも韓国系によるやらせではないか?という意見もあります。
いわゆる右翼団体員には、韓国系が多くを占めていると指摘されています。
根拠のない意見はいつもうがち過ぎと批判されますが、「うがち過ぎ」と言って、マスコミのように根拠のある・・政府発表ばかり報道していると真相に迫れません。
(工作員がやることがそのまま直ぐにバレルことがないのが普通です・・北朝鮮による拉致疑惑も何十年も根拠・・証拠がなくて「疑惑」と言われ続けてきました。)
中韓工作員による事件起こしだと言う疑いを払拭するためにも、犯人像を早く明らにすべきです。
犯人が検挙されるまであれだけ国際発信して日本の右傾化を宣伝していたマスコミが、検挙された途端にマスコミがだんまりになったのは不自然ではないかと追及されている所以です。
精神障害と思われる人が、仮に在日や中国系ではないとしても障害者の行為としては、彼の住居や検挙された場所とかなり離れた場所で、短期に且つ大量にやっていることと符合しない・・マスコミ大報道に触発されて便乗した付和雷同型の可能性があるとも言われています。
そうとすればなおさら、当初に大量破損事件を起こした真犯人グループの検挙・・動機解明や背後関係開明を急ぐべきです。
プーチンの賭けに戻りますが、政権が落ち目のときには、民族感情に訴えるのは短期的には国内支持固めに有効でしょうが、国家利益のためには長期的にはマイナスに作用してボデイーに利いてきます。
ブッシュ大統領も9・11を理由に泥沼のイラク〜アフガン戦争を開始して支持率を盛り返しました。
しかし、結果的にアメリカの威信と体力を損なってしまった・・現在のオバマの交渉能力低下に結びついていることは、歴史が証明しています。
古くはベトナム戦争を始めたケネデイ大統領も、その結果世界に宣伝していたアメリカの大義が大きく傷つき、経済も下降現象になる切っ掛け(・・ニクソンショック)になったのですが、何故か今でもアメリカの英雄です。
(未だにダーウインの進化論が受入れられない・・公教育では教えていないと言われる非合理性に支えられている社会であるからでしょうが、・・日本のように歴史を直視し、言論の自由な国では、逆にぼろくそに言われる筈です・・)

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