パブリックコメントと外国人意見

昨日見た通り、政府のパブリックコメント意見書提出方法では、要旨「差し支えなければ住所氏名記入してください」とし、しかもわざわざ「(任意)」の記載まであります。
政府書式では世界中の人が匿名で日本国の重要利害に関わる政府施策に意見を寄せられるように期待している感じです。
今回のホワイト国除外に関するパブコメでは韓国政府が反対意見を出したと韓国政府自身公表していますが、そもそもも日本国内政策の妥当性の意見を問うのに利害のある国政府や外国人など意見を加えて反対論何%と公表しても意味がないのではないでしょうか?
政策決定にはあらかじめ国際評価も(例えば米国が支持してくれそうかなど)知る必要があるとしても、それは別ルートでやればいいことで、(アメリカや韓国での世論調査など)国民意見と反日勢力の意見とゴッチャにして聞くのでは意味不明になりませんか?
たとえば、自衛隊基地への特定兵器設置に関するパブリックコメントを求めたら、中露や韓国人(国籍を問わない場合、韓国人の意見か不明ですが今回のホワイト国除外に対して韓国政府のように堂々と政府名入りで出せます。)の反対論がネットで数億人も占めると日本は設置をやめるしかないのでしょうか?
4〜5年前に私が関係していたある分野でパブリックコメントを求めたことがありますが、その時は意見ゼロでした。
多くの場合応募者が数十件あれば良い方でしょうが、世界中から匿名で反対意見を殺到させれば政府重要施策を左右させられる仕組みを政府が作っている・・国民主権を重視する政府の脇の甘さには驚きです。
国民主権に反する変な制度というか書式をどの政権が作ったか知りませんが直ちに国民限定に是正すべきでしょう。
今後はパブリックコメントをネット送信で求めるには少なくとも国民である旨の認証付きにする必要があるでしょう。
パブリックコメント制度は行政手続法制定時に創設されたようですが、法の趣旨は法の範囲内の行政行為であっても決定過程を透明化する・・国民意見を幅広く求めるという点にあり、外国人や外国政府の意見を反映する為の制度はありません。
条文には「国民の権利利益の保護に資することを目的とする」とあるように外国人・・まして敵対国の利益守るための法制度ではありません。
行政手続法(ぎょうせいてつづきほう)

平成五年十一月十二日法律第八十八号
第一条
この法律は、処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性(行政上の意思決定について、その内容及び過程が国民にとって明らかであることをいう。第四十六条において同じ。)の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とする。
(意見公募手続)
第三十九条
命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見(情報を含む。以下同じ。)の提出先及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般の意見を求めなければならない。

法の趣旨からいえば、どこの国の人の意見も重視しなければならないかのような現行書式は法違反・革新系法律家の好きな論法で言えば憲法違反の運用をしているように思えます。
パブリックコメントに関する論文検索すると立法過程オープン化に関する研究のテーマで以下富士通研究所発行の論文に出ていますが、要は「いつでも誰でも無料で容易にアクセスできる」べきという趣旨を主張しています。
https://www.fujitsu.com/jp/Images/no428.pdf
「いつでも誰でも・・」という表現は「国民が」という当然の前提があるように思うのですが・・
憲法で「何人も・・」といえば、国民でなくとも憲法上の権利があるが、「国民が・・」と書いていれば国民にだけ権利があると使い分けるのが普通です。
憲法大好きな政治学者等が法律専門用語を知らないわけがないはずですが、誰でも意見を言えるようにすべきと主張すると、現場では「誰でも」の法解釈の原則に従い韓国人も意見を言えるし、政府はその意見を尊重すべきとなってしまうのでしょうか。
「誰でも」とだけ聞けば、その行政行為によって利害のある人に限定すると意見の幅が狭くなりすぎる・利害のない中立の意見も欲しいという意味があるでしょうし、無責任な意見があってもその意見自体で一定の効果が出るわけでもない・一々応答義務がないので入り口で利害関係のあるものに限定しシャットアウトする必要がない・・広く有益な意見を求めた方が良いというだけのことで、外国人意見を求めるべきという意味まで入っていないと思って多くの国民が納得している筈です。
この論者は本音では在日に参政権を与える突破口にする意図を隠してこのような主張をしているのでしょうか?
パブコメは、国民主権=選挙=法制定過程に代表を送り込むことを通じての民意反映だったのが、国民代表による法制定で終わるのではなく、法を具体化する行政決定段階でも民意(をゆるく)反映すべきということでそれ自体健全な動きです。
日本国の「立法過程の透明化を図るべき」意図は、国民主権制度の実効性を高めるための補完制度である以上は、「国民の」意見を聞く制度であるべきです。
国民主権の補完制度とすればパブリックコメントを求める対象・意見を寄せる権利のある人間は国民に限定すべきです。
外国人の意見をあたかも国民意見のように混在させてその意見を反映させるのでは国民主権の否定です。
特定政策実行が、関係国を刺激し国益上どうなるかの情報収集や読みは必要ですし、その情報も国民に知らせるべきですが、その上でどこの国が反対し日本のどの企業に害が及ぶか等の情報を反映してどこまでの輸出管理をすべきかの判断表明は、国民だけが行うべきです。
外国の意見を求めるならば外国人枠(長期滞在と短期滞在者や管理が厳しくなれば損をする企業・外国法人子会社等の分類をして)で別に求めて公表するべきでしょう。

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