異民族との同居コスト1(アフリカ等独立国)

部族・民族に独立せずに国内にいろんな部族が併存している結果、アフリカ諸国では、今でも国内の部族間紛争が中心で、隣国との戦争というパターンは仮にあっても例外です。
国内部族間戦争の結果、正式戦争でない結果、捕虜や非戦闘員に対する戦時条約の適用もないし、(コソボ等の戦乱もそうでしたが・・)却って大量虐殺に発展しがちです。
そもそも異民族がグループで同居し、且つ家計(財政)を1つにするのは、無理があるでしょう。
特に後進国では、資源のある地域に住む部族と、資源の恩恵を受けない地域の部族間で紛争が絶えないのは財政(ふところ)が1つであることによります。
クルド族問題やウイグル族などの紛争が絶えないのも、豊富な資源があるのに、中央政府に収奪される点に問題があります。
ウクライナの分離問題も東側の独立を求める地域は工業化が進んでいて西ウクライナと発展形態が違う点に基礎的な問題がありそうです。
スーダン内戦もつまるところ資源争いだったような面があります。
違う部族や宗派のグループが入り組んだ形の独立をさせたのは、よくある陰謀論によれば、アフリカの発展を長期的に阻害するために欧米が仕組んだ罠と言えるかも知れません。
アフリカに限らず多民族混在の結果、長年バルカン半島が欧州の火薬庫と言われてきましたし、最近(と言っても10数年経ちましたか・・?)でもセルビア・モンテネグロ・クロアチア・コソボなどの(今では別の国になったので)内戦と言うか大紛争があったばかりです。
ドイツがEU内で一人勝ちの勢いに乗って南欧諸国から大量に移民(異民族)を受入れていますが、いつか景気が落ち始めた時点で異民族大量流入のマイナス効果(二代目の教育コスト・治安など)が出て来るので、そのときには不景気との二重苦になりかねません。
日本ではアベノミクスの効果で労働力不足が喧伝されていますが、働きたい国民がみんな働けるのは良いことでこれほど幸せなことはありません。
人手不足だから外国人を入れろと言いますが、国民のために政治をしている筈ですし、企業も国民を食わせるためにあるのですから、国民がみんな働ければそれで良いじゃないですか?
好景気の後は一定期間経過で必ず不景気が来ますので、この後不景気が来たときに失業者が増えるよりはいま我慢しておけば、不景気が来ても失業者が多くなりません。
経世済民・・経済政策は、民を豊かにするためにあるのですから、国民が目一杯働いても労働力が足りないほど職場が一杯あるのは目出たいことです。
企業が国民の福利のためではなく、異民族を使ってでももっと儲けたいならば、海外展開してそこで現地人=異民族を使えば良いのではないでしょうか?
国内に異民族を引き入れて国内生産すれば、見かけの国内総生産は増えますが、国内労働者にとっては何のメリットもありません・・。
関係があるとすれば、水増しが入って来ることによって賃金上昇が抑えられるなど労働条件が低い方に引き寄せられる可能性があるくらいでしょう。
導入論は賃上げが進めば、困るという立場の主張でしょうが、賃上げが困るならば省力化の工夫が進むメリットがありますし、その他労働条件改善の工夫(女性や障碍者が働き易い環境にする工夫を凝らすなど)も生まれてきます。
これが面倒だから、海外脱出が進むという危惧があるでしょうが、そうなっても人手不足・・失業者がいないならば国民はそれで困りません。
タマタマ今朝の日経朝刊の27Pの経済教室には、日頃から私が書いているのと同様の意見が、学者らしくまとまって紹介されています。
人手不足とは言ってもまだ200万人も失業者がいるのに人手不足(例えば介護現場)になっているのは、待遇改善努力が足りない・・これを放置して劣悪待遇でも働きたい外国人を入れようとするのでは解決にならない・・その他いろいろ、普段から私がこのコラムで書いている意見(おこがましいとは思いますが・・)同様です。
私の意見よりまとまっていますので詳細は上記記事をお読み下さい。

原発コスト26(損害賠償リスク・付保険6)

 青森県の東通発電所で事故発生直前まで電源喪失が続いた事例では、電源喪失対応策として用意していたジーゼル発電機を使ってみると直ぐ故障するなどお粗末きわまりない状態でした。
これらお粗末な対応の数々を見ると、「本気で二重3重の安全対策をしていたら、採算が取れないからやってられない」と言う安全よりは目先の利益重視姿勢しか感じ取れません。
計算できないほどの損害を予定しその先を考えていたら仕事にならないというのは、端的に言えば、採算がとれない・・危険すぎるという意味でしょうから、それならやめるか、あるいは付保険という市場経済に委ねる方式を選択すべきだったことと同義です。
1事故で企業の浮沈にかかわるような場合、多くの企業では無制限保険加入しているのが普通です。
必要な保険に加入しない・・保険料負担しない個人的運送屋が儲かっていると自慢していて事故が起きてから想定外だったと慌てふためいて借金に走り回る(社債発行準備)のでは、企業経営として成り立っていません。
個人的なそば屋、魚屋などなら笑い者になるだけですが、百万人単位の国民に放射能被害をかける可能性のある原子力事業者・巨大企業が、そんな無責任体質で経営しているのでは困ります。
リスクを引き受ける保険会社に損害査定を委ねれば、損害を低めに見積もると事故が起きたら自社が倒産・死活問題ですから、まじめに・必死に査定していた筈です。
どこから賄賂をもらっているとか政治献金をもらった政治家の要望があった・・・コネや献金程度のことで、保険会社は実損害額の何分の1何十分の1という極端な安い査定は出来ません。
保険会社では、利権政治家の影響による政府決定・法のように、いい加減・・・少なめの設定では自社が大損をするので、シビアーな評価・市場経済に任すことになりますから、まさか1200億くらいでは収まらないので何十〜百兆円を基準に保険料が決まって行ったでしょう。
そうすると保険料も半端なものではないので、コストが大きく膨らみ過ぎる・・原発の方が安いという宣伝の虚構性がバレてしまいます。
これを隠蔽するためにあえて無制限保険をかけさせずに、法(政治に頼って)で1200億円以内と決めてしまったように思えます。
原子力賠償法は損害額を法定していません(即ち損害がある限り無制限)が、供託金を1200億円以内と決めたので市場での自由な評価をしなくて良くなった・・法(族議員との密室の擦り合わせで)で公正な市場機能による監視を事実上妨害してしまったことになります。
供託金1200億円以下を決めるについては献金をもらっている政治家の暗躍場面となっていたことは想像に難くありません。
多数の自民党政治家あるいは自民党(国民何とか協会)自体が、東電から巨額献金を受けていた事実が既に明らかになっていますが、驚いたことに朝日新聞本体には、地球や環境に優しいなどあまり東電自体の企業広告的意味のない2〜3億円規模の広告を打ち、退職者など・ファミリー企業みたいなものかな?が巨額注文を毎年東電から受けていたとする報道が8月10日頃発売の週刊現代に出ていました。
読売は元々業界寄りですから驚きませんが、東電は批判勢力の雄である朝日新聞にターゲットを絞って客のふりして大金を使って来たようです。
週刊誌の誇大報道としての割引も必要ですが、最近の大手マスコミ全体の報道姿勢・・根拠なく「原発をやめたら大変」と言う大手マスコミの抽象的報道姿勢から見て「どこか怪しいんじゃないの?」と感じている国民が多いから、その期待に応えて根拠のない系の出版が活躍するようになるのです。
風評被害が流行っていますが、風評が産まれるだけの根拠があることに大手マスコミも反省すべきでしょう。

原発コスト24(安全基準4)

コンビナートなどでは、地上数メートル以上の高さの支柱の上でパイプラインが縦横に走っていますが、数メートルも高い場合、震度5〜6くらいになると見た目に1メートル前後も揺れる感じですが、支持基盤ごとに1メートル前後もずれる大きな揺れがあった場合、継ぎ目に異常を来さない金属系のパイプは有り得ないと思われます。
(ゴム状のものでも水平に張っていれば1メートル以上の伸び縮みに耐えられないでしょう)
伸縮性の低いパイプ類は格納容器やタンクその他の装置と一緒に揺れる仕組み・・支持基盤を同じにしないと(別々に揺れるのでは)壊れる宿命にあると言えます。
パイプ類は遠くから冷却水やその他の液体やガス類を供給し、排出して行くものですから、パイプ類の総延長全体を格納容器と同じように揺らすには、全部を同じ支持基盤・人工基盤に乗せておくしかないでしょう。
分り易く言えば原発敷地にある必要な機器全部を一枚の基礎に乗せて地震が来れば一緒に揺らすようにする・・・言わばメガフロート類似の大きな船上に原発を設置するしかないことになります。
船上であればどんな大きな地震あるいは波が来てもその上で一緒に揺れるだけですし、これを沖合2〜3kmくらいのところに係留しておけば、津波の心配もありません。
今後技術の進歩によって更にその距離を遠くして行き最終的には沖合数百kmに設置するようにすれば、どんな事故が起きても半径数百km以内の避難民に該当する人が出ないことになります。
ただし、以上来は単なる思いつきであって、昔ボリバー丸とか言う鉱石運搬船がポッキリ折れてしまったことがありましたが、船が一定以上に大きくなると波の動きによる力が船体各部に複雑に作用してこれに耐えられずに折れてしまうことになります。
陸上の人工基盤であっても同じで基盤が広くなればなるほど、地盤の揺れがその支持箇所ごとに違うので、そのひずみに耐えられずに人工基盤自体が壊れてしまいます。
この方面の研究・・材質強度化と波力を分散させる研究が進まないと海上に設置するのはまだまだ無理でしょう。
現在のように陸地に設置し、且つ配管類の固定支持基盤が建家その他の固定物ごとに違い、別々の支持基盤と一緒に揺れるパイプライン形式・・配管設備に関しては、対震装置の充実と言っても一定規模以上の大地震になると無理・限度があります。
格納容器やタンク類自体が耐震設計で震度8でも破壊されないようになっていても多数のパイプが格納容器に穴をあけて装備され外部に繋がっているのですから、これらの配管類に対する耐震基準が甘いままで地震で破壊されると、命綱の冷却装置が駄目になるし、破壊されたパイプラインのあちこちから、放射能に汚染された水が漏れだすのは当たり前です。
報道では、格納容器以外は一般の工場建設や建築基準法による基準で設置されていたとなっています。
今回の大事故は電源喪失だけではなく、既に配管系・配電系の亀裂・損傷等が先にあって容器内の水が漏れだしていたので、電源だけ回復してもどうしようもなかったことは、半年以上経過した未だに復旧(冷却水の循環)出来ないことからも明らかですし、損傷があったので原発建屋の地下に何千トンと汚染水が漏れだして溜まっていたのです。
9月22〜23日の検査で1号機の配管には水素が充満していることが分ったけれども、まだ濃度を測定来ていないとの報道がありました。
これも1号機で分ったと言うだけで、2号機以下も同じではないかと推測している状態・・配管系統は半年以上経過しても未だに手つかずのままと分ります。
逆から言えば、漏れだす分がなければ(蒸発した分だけしか)海水注入も出来ない・・冷やし切れなかった筈ですから、(この場合塩が固まってどんどん溜まって行って大変な事態になっていたでしょう)却って良かったとも言えます。

原発コスト23(安全基準3)

関係者が本気で原発の安全性に思いを致していたならば、自分の持ち場である各部各部ごとに「この部分が壊れたらどうなるか」この部分は大地震でどうなるかという具体的な検討をしていたはずです。
海水の汲み上げ装置のような遠く離れた装置でさえも壊れてしまえば、循環用のエンジンが動いていても原子炉から出て来た高熱の水?を冷やすことが出来なくなります。
大津波でなくとも海水取水口付近はちょっとした津波でもその影響を受けるのですから、それぞれの部署でそれなりの研究や代替品の用意をしておくべきです。
地道で具体的な心配や準備を一切しないで、象徴的な原子炉に限定した耐震性等の安全性だけ強調して40年間以上も済ましていたことが分ります。
こうした結果を見ると関係者には本当に安全性を検討する姿勢・気持ちがなく、うるさい国民をうるさい限度で安心させ、黙らせれば良い・・素人相手には象徴的な原子炉の安全性だけやってれば充分だという逆転した発想だったのではないかの疑問が生じます。
事故後の放射性物質暫定基準の設定の仕方や検査方法も消費者の健康を守るための目的に出たというよりは、(検査対象の野菜だけは良く洗ってから検査する指導など・・)業者がやれる程度の基準を決めて政府が検査しないと売れなくなるので仕方なしにやる・・業者保護が先ず目的にあることが見え見えなので、国民は信用しないのです。
埋め立て地の液状化現象で、千葉県浦安市のマンホールが、地表から数メートルも突き出している写真が出ていてご覧になった方が多いと思いますが、数メートル単位で上下左右ににガタガタと動いたら、どんなに頑丈にパイプラインが出来ていても大抵の継ぎ目でガタが来るでしょう。
原子炉格納容器のようにずんぐりしたものは、単体としてみれば鉄の塊のように頑丈に造れば震度10でも20でも耐えられるように造る気になれば造れますが、格納容器がガタガタ動いても内部は一緒に揺れれば良いのですが、それにくっついている・・外部から差し込んでいるパイプ類は他の建物や設備に固定されて繋がっているので、これらパイプ類は支持基盤ごとに別の動きをします。
支持基盤ごとの揺れのひずみ・誤差によってパイプ等の差し込み口でズレてしまうリスクが大きいのは目に見えた道理です。

原発コスト22(安全基準2)

稼働中の原子炉や使用済み燃料棒の貯蔵施設・プールでは水の循環で冷却していたのですから、この循環システムが壊れてしまうと、電源があっても3時間以内にその修理をして再開出来るかの問題に帰します。
一般家庭で言えば、停電しなくとも、洗濯機が壊れれば修理するまで動かないのと同じです。
装置が全面的に壊れている場合、(特に今回の場合)修理が短時間で出来ないことは直ぐに分りますから、3時間半以内に外部からどうやって格納容器に水を送り込んで冷やし続けて冷却装置の復旧までの時間を稼ぐかの問題になります。
(マスコミでは電源喪失・確保に焦点を当てて報道していましたが、実際には電源の補完だけしても装置は動かないので、平行して如何に早く冷却用の水を供給出来るかが、関係者にとっては焦眉の急だったことになります)
事故後半年以上経過したいまでも、100度以下の冷温停止状態に持ち込めない・・未だに蒸発を続け、放射能の拡散が続いている(・・これを遮蔽・封じ込めるためにするために建家の再建築を急いでいますが、これが年末頃までかかるという報道です。)ことから明らかなように電源喪失の問題ではなかったのです。
(1号機が約一ヶ月前に3号機が9月19日にようやく連続100度以下になったと報道されたばかりです)
上記の通り今回の大事故・・冷却装置故障→過熱によるメルトダウンや水素爆発は電源喪失によるのではなく冷却関連施設の破壊・故障・・その復旧作業が短期間では出来なかったことによることが明らかとなってきました。
関係者には地震発生と同時に分っていたことでしょうが、これを報道すると何故そんな単純な準備をしておかなかったのかの批判が起きるので津波による電源喪失という一点にしぼって報道しているのではないでしょうか?
ここで安全基準のあり方に戻りますが、ずんぐりしたカプセルみたいな格納容器は容器ごと揺れるようにしておけば内部は一緒に揺れるので震度8でも10でも理論的には対応可能ですが、配管類は建家その他各種周辺施設や地面に固定して伸びていて格納容器に繋がっているので、固定部分・支持基盤ごとに違った揺れをします。
ずんぐりした容器と違い、縦横に伸びていて支持基盤ごとに違った揺れをする配管類は地震に対する耐性が単体の格納容器とは違って格段に弱いのですから、これに対する耐震性こそを優先的に研究しておく必要があったことが分ります。
この研究・準備をせずに格納容器・お城で言えば、天守閣だけ残せば良いという発想で地震その他の災害に対する備えをして満足していたのですから不思議です。
天守閣だけの丸裸状態になれば、城主が腹を切る時間(原発で言えば3時間半)を稼げるだけであって、最早戦闘能力皆無と言うべきでしょう。
原発敷地内の諸設備は原発・原子炉を維持して行くために必要な設備ですから、冷却水循環用配管に限らずこれらに付随する設備全部が壊れても、丸裸の格納容器だけ残れば安全だという安全基準の設定自体がおかしかったことになります。

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