豪華クルーズ船対応批判8と米国の対応2(文春引用)

文春引用の続きです。

“感染可能性”62人が船内を自由に動いていた
ハワイ4島をめぐり、帰港するメキシコへと向かっている途中、前のメキシコ・クルーズに乗船していた71歳の男性が下船後、新型コロナで亡くなったという一報を受ける。また、下船した別の乗客も感染し、入院していることがわかった。
船内でも、11人の乗員と10人の乗客が、新型コロナの症状ともいえる風邪やインフルエンザのような症状を訴えるという異変が起きていた。3月4日、船は、急遽、サンフランシスコへ向けて方向転換することになった。
ハワイ・クルーズには、サンフランシスコから乗船した客以外に、死者と感染者が出たメキシコ・クルーズに参加していた62人の乗客も、引き続き参加していた。CDCは、感染している可能性が考えられる62人に対し、自室から出ないよう指示を出した。
しかし、ここで問題なのは、62人の乗客は、隔離命令が出されるまでは自由に船内を動き回っていたということだ。サンフランシスコ港を発ち、隔離命令が出た3月4日までの13日間は、普通にクルーズ旅行を楽しんでいたのである。
また、隔離命令が出されたのは62人に対してだけだったことにも疑問を感じる。サンフランシスコから乗船した客も自室に留まって自主隔離していたのか、また、乗員が乗客にどのような形で食べ物などをサービスしていたかは不明だ。
(日本寄港した)「ダイヤモンド・プリンセス号」の場合、適切な防護装備を与えられず、ガイダンスやトレーニングも受けていない乗員が乗客に対応していたことが問題だった。乗員は同じ手袋を身につけたままで多くの部屋に食べ物を運び、乗客と対面していたことが、船内感染が広がった原因ではないかと言われている。

引用中ですが、ここで一言私見を挟みます。
日本入港のクルーズ船対策が複雑化した原因は経営は米国の企業でありながら船籍=主権が英国にあったので、船内管理は一次的には米企業の社内ルール(米企業の企業姿勢・従業員のレベル)であり、その企業が従うべき法令は英国の主権下にあり、日本政府は直接何も指示できず隔離命令・行政指導?など出せない状態です。
香港下船者(死亡だったか?)の一人が、コロナ検査陽性だっというニュースで始まった騒動ですので、香港から日本への移動中の3日間くらいが船内感染拡大の重要時間でしたが、この間の運営は運営会社の危機管理能力にかかっていたとになります。
日本中が豪華客船が日本に近づくのに合わせて危機感が上昇して入港拒否するか否か、受け入れる場合下船させるか、その場合の受け入れや検査体制をどうするかなど多角的議論沸騰中であったにも関わらず、肝腎の船内では日本に着くと厳しい規制を受けるから?ということらしく横浜到着の前夜には、サヨナラパーテイを盛大に開催していた・・日常的にレストランその他の共有施設閉鎖など全くしていなかった・・隔離どころではなかったイメージが伝わってきます。
日本政府としては、感染者一人出たという程度の情報しかなくその後船内隔離体制がどうなっているか発症者がどのくらい出ているのかすら不明で・・せいぜい数名くらいは出ているか?の憶測で検査に臨んだようです。
蓋を開けたら10名もの陽性が出たので、これは「大変だ全員検査する必要」と急遽(当日深夜午前2時頃での会議で)方針変更になったようです。
もともと米国企業の船で、かつ船籍が英国での関係もあって事前情報が少なかった他に企業側の危機意識が低すぎたことが1ヶ月後に発生した米国での同一企業運営クルーズ船対応でも明らかになったようです。
しかも当時の英国ジョンソン首相は集団免疫拡大論を展開していて外出自粛や隔離を認めていなかったから、英国政府自体が日本から要請があったとしても協力的でなかったと推測されます。
https://www.fnn.jp/articles/-/32265

・・・政府関係者は、DP号の船籍国はイギリスだったため、1日の陽性発覚直後に公海上にいるDP号に対し客室待機などの措置をとることは「権限もないし、命令できなかった」と説明する。また別の政府関係者は次のように振り返っている。
むしろ政府内には船籍国であるイギリスへの不満が強い。DP号のオペレーションに関わった政府関係者は「クルーズ船が日本に到着して感染者が続発して、日本の責任だと言われても、じゃあ船会社や船籍国は何もしなかったじゃないかと言いたい。BBC(イギリスの公共放送)の記者だって日本政府の対応を批判しているが自分たちの国は何もしなかったじゃないかと言いたい」と批判する。ほかにも、「イギリスはジョンソン首相になって、おかしな国になってしまった」という恨みの声も聞かれた。

船内情報もよその國経由→間接的です。
米国のクルーズ船も日本に寄港した船と同じ企業経営でしたが、米英両船籍というニュースでしたし、上記引用したように航行中にCDCが直接62名の隔離命令できたということですから(サンフランシスコを母港とするのかな?)この船の場合米国籍にしていたのでしょうか?
船内秩序が、米国支配下にあった点が大きな違いです。
日本には船内への主権がおよばない結果、船内の衛生管理などの調査報告を求める権利や行政指導権も命令権もありませんし、横浜入港前からすでに大規模クラスターが発生していたのか、船内検査中に感染が広がったのか、今もって不明・・日本政府には船内調査権がないので事情聴取できない・・状態ではないでしょうか。
米国で問題になったクルーズ船は日本での大規模騒動中の2月11日に感染を真摯に気にせず・・出港した時にまともな健康検査しないで乗船を認め出港したこと(これは米国の乗客が損害賠償訴訟で主張していることらしいです)といい、乗員訓練その他感染防止に対する企業意識レベルが低かったことが報道されています。
米企業の認識はそんな程度だったのです。
企業に限らず大統領を先頭に米国民一般の意識がそんなものだったので、コロナ被害が現在のところ世界一大きい国になっているのではないでしょうか?

豪華クルーズ船対応批判7と米国の対応1

さて米国では感染者の出たクルーズ船に対してどのように対処したのでしょうか?
https://www.asahi.com/articles/ASN36412MN36UHBI012.html

米もクルーズ船100人を緊急検査
死者が下船者と判明 2020年3月6日 12時25分
新型コロナウイルスを巡り、米カリフォルニア州で4日に初めて死亡が確認された男性がクルーズ船からの下船者だったことがわかり、米当局が5日、このクルーズ船をサンフランシスコ沖に停泊させて、感染の可能性がある約100人の乗客らの緊急検査に入った。数時間で検査結果を出す見込みで、その後対応を検討するという。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200308/k10012319641000.html

カリフォルニア沖の米クルーズ船 入港で調整続く 全員検査へ
2020年3月8日 8時50分
アメリカのペンス副大統領は「グランド・プリンセス」を商用船が使わない港に入港させ、船内の全員の検査を行う考えを示していて、アメリカ政府と運航会社がどの港にいつ入港させるかなどについて調整を進めています。
運航会社によりますと、船内では感染の拡大を防ぐため、乗客がそれぞれの部屋に待機しているほか、陽性反応が出た乗員については隔離する措置をとっているということです。

船内感染発生が日本より約一ヶ月間も遅れているので、(日本の場合、横浜入港が2月3日です)日本を厳しく批判していた以上は、日本よりも事前受け入れ先の手配など対応準備ができていた筈です。
しかも米国の場合、外航船の寄港でなく米国内のクルーズ船がハワイからの寄港ですし、その上米国の場合この船は米国船籍だったのかな?日本と違い下船(入国手続きはありません)後も強制隔離権があるでしょうから、船内検査、下船後検査のどちらも法的に選択可能です。
日本の対応批判の中心であった筈の?アメリカが、ハワイからメキシコへ航行中の船をサンフランシスコへ航路変更させたのが3月4日で、5日到着したところ地元の反対?で8日になってもまだどの港に入港させるかも決まっていない状態で沖合停泊のままでした。
結果的に日本と同じ船内検査方式しか取れなかっただけでなく船内検査で陽性判明しても下船すべき港が決まらず下船させられず、船内隔離のままになっていうという体たらくです。
上記報道によれば、3月8日になっても入港させるべき港すら決められない状況「どの港にいつ入港させるかなどについて調整を進めています」というニュースです。
日本の場合船内検査が非難されましたが、検査によって陽性が判明した人はすぐ下船=入国して指定病院入院でしたが、米国の場合、陽性反応した人まで船室内自室待機と言うのですから、日本政府対応を批判していたメデイアや専門家(岩田健太郎氏)意見・責任は、どうなるのでしょうか?
日本の対応に比べて米国はいかに手際が良いかのニュース価値がなくなったからか?その後一般的報道が目立たなくなってしまいどうなったか、私にはわからなくなっていましたが、以下のレポートが文春から出ていることがわかりました。
大手ニュース系に情報を頼ると大手メデイアの取捨選択した情報しか入らない・大手メデイアの主張したい方向と展開が違ってくるとその事件の継続報道がぱたっとなくなってしまう傾向がありそうです。
探す気になればメデイアの流すホットなニュースだけでない・その後どうなったかの情報も入手できる時代が来ていますが、その気でワザワザ検索しないと出てきません。
忙しさにかまけて日々のニュースに頼っていると、大手メデイアの期待する展開にならないと次の報道が消えてしまうので、いつの間にか意識から消えてしまい大手メデイアのいいように情報操作されてしまいかねない自分に気づきます。
私の気になるレポートが見つかりました。
帰港→下船→収容(入院と待機者)の流れが収束後のレポートなので時系列率的にまとめられています。
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/

感染19人残留のナゾ 米国グランドプリンセスはダイヤモンドプリンセスの“失敗”から学んだか?
飯塚 真紀子 2020/03/14 17:00

「ダイヤモンド・プリンセス号」に続き、同じカーニバル社が運航している「グランド・プリンセス号」で新型コロナウイルスによる集団感染が発生し、対応にあたるカリフォルニア州とCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の動きが注目を浴びている。
(日本に寄港した)「ダイヤモンド・プリンセス号」については、船内感染が拡大したり、陰性の乗客を下船させた後さらに2週間隔離させなかったりしたずさんな危機管理対応が、アメリカのメディアから大きな批判を浴びた。
そのアメリカが「グランド・プリンセス号」の乗船者たちに対して、どのような危機管理対応のお手本を示すのか? 「ダイヤモンド・プリンセス号」の二の舞になるのではないかと危惧する声もある中、実際、どんな対応が取られているのだろうか?
ダイヤモンド・プリンセス集団感染のさなかに出航していた。
事の始まりは、2月11日に始まったメキシコ・クルーズだった。
「グランド・プリンセス号」はメキシコ・クルーズを終え、21日にサンフランシスコ港に帰港。同日、今度は、2422人の乗客と1111人の乗員を乗せて、ハワイ・クルーズへと向かった。

今日の引用はサワリ部分で終わり、明日から内容に入ります。

豪華クルーズ船対応批判7(米国の対応1)

当時の日本で初めてのクルーズ船対応では限られた人材と時間、設備で応急的に決めた現場作業ですので、ここをこうやれば動線として合理的だったかという議論は建設的ですし、専門家内で意見交換するのは後々のためになりますが、専門家委員間の意見交換をする前にツイッターで全否定のような公開意見を発表しその翌日だったかには外国人特派員を相手に記者会見をしてしまう。
外部者の評論報告なら別ですが、実務家として政府施策参加者が内部意見交換を飛び越した結果批判だけでは、専門家の行うべき手順を踏まない独りよがり的批判でないかの疑問があります。
6月13日や20日に紹介したように、岩田氏の現場発表後米国のCDCに比べて日本のシステムはお粗末という洪水のような批判報道が続いていましたが、アメリカでも3月4日頃から船内感染が判明した同じ企業運営のクルーズ船、グランドプリセンセス号が、サンフランシスコ沖にとどまっていて対応をどうするか検討中のニュースが出ました。
日本批判してきたと言われる(私の検索能力不足もあって?海外で批判されているというだけで本当にどこの機関が批判してきたのかすら不明です)アメリカがどういう対応できるかに、関心が集まりました。
何しろ日本の失態!を批判しているのであれば、少なくとも批判意見を発表(したとすれば?)その時点でアメリカ政府・CDCならばこのような対処できるという意見が基礎にあったはずです。
感染症対策の総本家の基準に合わないことが日本批判の中心だったのですから、米国は日本のクルーズ船入港以後約一ヶ月間も準備期間があった以上は、日本の経験を生かしてもっと鮮やかにスムースに対応できるはずです。
お願いしかできない日本と違い米国の場合国内法で強制権があるので、法律上船内か、下船後の検査かを迷う必要もありません。
やり易い方を自由に選べます。
紆余曲折の後に着岸・下船後、入院者以外の経過観察グループも米軍基地内やホテルへ分散収容できたのはその結果でしょう。
https://www.asahi.com/articles/ASN4767GVN47UHBI01X.html

緊急事態宣言、コロナと闘う国々 強制力はそれぞれ
米国は州権限で外出禁止
・・・米国の「連邦制」は地方政府に大幅な自治権を認めており、州政府の権限が極めて強い。各地の州政府はすでに強制力を伴う自宅待機命令などを発出。米メディアによると、州政府レベルの命令は、全米50州のうち41州で発令中という。
首都ワシントンに近いメリーランド州は、食料の買い出しなど一部の例外を除き自宅待機を命令。違反者に1年以下の禁錮と最大5千ドルの罰金を科す。ニューヨーク州も3月22日、州知事令で「原則100%の在宅勤務」を義務づけた。企業が違反し、従業員らに「深刻な身体的危害」を及ぼした場合、最大1万ドルの罰金となる。
イタリア、移動制限違反に罰金
世界最多の死者が出たイタリアではコンテ首相が1月31日、6カ月間を期限とする「国家非常事態宣言」を出した。宣言に基づく「政令」に議会の承認は不要だが、「15日ごとに議会に報告する」とした。国内感染者は当時2人だった。

以上の解説は、自宅待機を強制できると書いているのみでホテル等への「収容ができるか」まで書いていませんが、承諾を前提とする社会の日本とは違い強制権を前提とする米国その他の国とはトータルの制度設計が違っています。
日本の場合ホテルを借り上げていても利用者はホンのチョツト・6分の1程度しかいないと報道されています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57824390Y0A400C2000000/
2020/4/10 2:00

【8】ホテル代は誰が負担する?
厚労省は「入院措置と同様の費用負担とすることが考えられる」と見解を示している。だが、東京都は入所費用を全額公費でまかなう見通しだ。
新型コロナウイルス感染症の軽症者らを対象としたホテルなどでの宿泊療養が、全国的に進んでいない。軽症者が自宅で重症化して死亡する事例や家庭内感染が増えたことを受け、国は宿泊療養を基本とするよう方針転換したが、療養先の隔離生活に慎重な人も多い。中でも東京都内の自宅療養者は宿泊療養者の約三倍の六百三十五人に達しており、都は宿泊施設への移行に力を入れる。 (松尾博史)
都は四月七日から、ホテルを借り上げて軽症者に滞在してもらう仕組みを開始。五つのホテルで約千二百人を受け入れる態勢を整えたが、最近の一日あたりの滞在者は二百人前後にとどまる。小池百合子知事は定例会見で「ペットがいる、面倒を見なくてはいけない人がいるなどの事情で、自宅を選ぶケースが多い」と話す。
都は対策として、ペットを預かるための電話相談窓口を開設。感染者の家庭に子どもがいる場合は自治体などと協力し、医療機関や児童相談所の一時保護所で子どもを預かる。外出や面会ができないホテル利用者のストレスを和らげるため、精神科医らが対応する電話相談も始めた。

画一強制しない社会では人それぞれのいろんな実情に応じた対応を取るしかない・・為政者や上に立つものはいつも関係者の納得を心がけるための工夫・ソフト対応が発達するし、親身に聞いてくれると国民も為政者を裏切りにくくなり、期待に応えようとします。

無制限検査とCDC賞賛意見

先進社会が重視しているのは、中国による価値観戦争・・専制支配・その一方法である監視社会の方が良いという思想の代理運動を許さないということではないでしょうか。
中国のやり方をほぼ踏襲したこのような方式を韓国が採用できる基礎には、日本支配〜米軍政下にあった期間を除けば古代からずっと専制支配下あった民族性があってできることではないでしょうか?
朝鮮族は当時(幕末から明治)清朝の属国として満足していたのに欧米の開国要求や日本の圧力で無理やり中国(清朝)から独立させられてしまった・・以降現在に至る外からの近代化について行けない苦痛が朝鮮族の苦労の基本です。
下関条約・日清講和条約は冒頭に朝鮮の清朝からの独立が宣言されていますが、日清間で朝鮮独立が決まった瞬間でした。
https://docs.google.com/document/d/1B_k-2lcstvNhZWWRqkWpEo0Evf1mJlU7NLjlDEZOEak/edit#

下関条約1895年
第一條[編集]
淸國ハ朝鮮國ノ完全無缺ナル獨立自主ノ國タルコトヲ確認ス因テ右獨立自主ヲ損害スヘキ朝鮮國ヨリ淸國ニ對スル貢獻典禮等ハ將來全ク之ヲ廢止スヘシ

朝鮮独立を第1条に掲げるとは最重要事項・・日清戦争は朝鮮の独立をめぐる戦争だった本質が見えます。
韓国民の本心は無理に親から引き離された悲しさ・一刻も早く慣れ親しんだ中国支配下への復帰でしょうが、まだ米国の力が強いので実家の傘下に戻れない・・様子見の状態にあると見るべきです。
蝙蝠外交を見抜いている北朝鮮によるこの1週間〜数日の激しい韓国ユサぶりでしょう。
北朝鮮が、古代の専制支配そのままの体制で安定しているのは、これが民族性レベルにあっているからです。
こういう社会では、任意協力に頼れないのでスマホ等の位置情報で追跡して何時何分にどこにいたという人を根こそぎ追跡する韓国式調査(日本で言えばプライバシー侵害の遣り過ぎ)が必要なのでしょう。
米国は流石に個人監視まで真似できないので、得意の物量作戦・発症者が出れば無制限に検査に応じる方式しか真似できない・・感染源に届かないので拡大を防げない状態のままです。
これでは医療資源の無駄遣いで国費・人材の浪費です。
米国の物量作戦方式を手放しで称賛するのが、我が国大手メデイアであり、CDC賞賛意見です。
2月末から3月初め当時の米国CDC賞賛意見の例を紹介します。
以下の例を見ると、ちょっとブームになると時流に遅れまいと旗を振る学者(メデイアの勧誘にそのまま乗る・・自分の考えがないのかな?)が多いのに驚きませんか?
ちなみに、このコラムでクルーズ船対応批判シリーズを始めた6月13日「暫定的隔離の必要性2(岩田氏の豪華クルーズ船対応批判1)」に紹介した岩田氏のインタビュー記事を東洋経済が掲載したのも3月12日でした。
https://toyokeizai.net/articles/-/335971?page=7

岩田健太郎「非科学的なコロナ対策が危ない」
クルーズ船の失敗を繰り返してはならない  2020/03/12 5:30

https://www.nippon.com/ja/news/l00270/

新型コロナウイルス:専門家が政府に提言-日本版CDCの創設や、医療コンテナ導入を
社会 医療・健康 2020.03.04
大きな予算と人材をそろえ、米国の感染症対策の陣頭指揮をとるCDC(疾病対策センター)の“日本版”の創設や、病院内などにウイルスを持ち込むリスクを低減する「医療コンテナ」の導入などを盛り込んでいる
感染症危機管理システムを構築する必要があり、感染症だけの専門家ではなく、情報学や、免疫学など幅広い分野の人を集めた専門家チームを結成し、政府に提言する仕組みを作る。
米国のCDCは人員が1万数千人、年間予算8000億円を超え、情報収集、国民への説明、検疫作業まで幅広く行っている。これに対し、日本の国立感染症研究所は人員が約300人、予算が約80億円と大きな差がある。感染症危機管理の司令塔となり、人材や施設の充実したCDCを手本とした新組織の立ち上げを急ぐ。

http://blog.ricoh.co.jp/RISB/new_virus/post_548.html

日本に求められる感染症対策「司令塔」
=米国はCDCとカリスマ所長が主導=
2020年04月15日

CDCの巨額経済規模に仰天している論調・子供の憧れ表現のようで、大金を投じてだから?何が日本より良いのかが見えません。
ざっとこんな具合でなんでもかでも米国流が良い、この基準に合わない日本の制度は時代遅れ、頑迷固陋集団かのような論調でした。
岩田氏のツイッターに始まる厚労省官僚批判はこのお先棒担ぎになる快挙!だったように見えます。
岩田健太郎氏のクルーズ船対応批判論に戻ります。
何が船内検査に決めた理由が何であったかの論争前提をボヤかしたままでは、「こういう結論を採用する以上はこのようにすべき」という論拠が成り立ちません。
入国させて仕舞えば、内国人待遇しかない・・国内法はお願い以上の強制ができない日本の法制ですから、外国人も入国してしまえば陽性の証拠もないのに外国人だけ入院や隔離強制(ホテル収容?)できません。
「日本人は要請に応じる率が高いが外国人は応じない率が高いから」という理由で外国人だけ特別不利な法律を作って強制するようなことは許されません。
そもそもそういう法律ができるとしても今回のクルーズ船対応には間に合いません。

米韓式コロナ対策

PCR検査の韓国や米国の大量検査方式がなぜその方が良いかの説明がないまま大量にやった方が良いというイメージが流布され日本方式・政府に対する根拠ない批判が流布されています。
濃厚接触者を辿り検査する・・日本の狙撃方式に対して、米国は物量に任せる散弾銃や機関銃の大量発射方式であり、国民対処方法としては自粛要請・・個性対応重視・国民信頼社会と自主行動に委ねるとほとんどの国民が守らない・災害等で治安が緩むとすぐ略奪に走る社会経験から、国民不信が前提にあって画一的に外出禁止するしかない社会の違いが結果に現れたのです。
命令による奴隷労働の方が効率が良いか、自分で考えて働く方が効率良いかの違いです。
幕末に米国の外交官だったかが、日本人は命令するとあまり働かないが、任せると頼んだ以上のことをしてくれるという日本人気質が現在にそのまま繋がっているのです。
濃厚接触者を一人一人辿っていく調査が効果を上げているのも、国民の多くが調査に気持ちよく協力するから成立する方法です。
この1週間ほど新宿区のホストクラブを中心とするクラスターが相次いで発見されていて東京都の感染者が昨日41人に増えています。
ニュースでは、いかにもイカガワシイ場所で起きている悪いイメージ流布ですが、逆から見ればいかがわしすぎる?場所でも、都が検査協力を求めれば出入りした人の流れが早期に把握できる有難い国民性です。
このような流れがあるので、都は最近の新規感染増加に拘らず、20日頃予定通り全面解禁すると発表しています。
この意味が重要です。
米韓は、感染源を辿るより最末端で発症すれば検査希望に応じる・不安に応じる受け身形→来るもの拒まずの大量検査方式採用の点で共通ですが、原因を断つ方式でないといくらやってもキリがないでしょう。
クラスターになりそうなホストクラブに目をつけて自主検査を求めてこれに応じてもらい、無症状の感染者を早期発見に結びつけたのはいわばホームラン・・日本独得狙撃方式の深化というべきです。
クラスター発生前に先制検査方式に進化しているのが日本です。
こうして見つけた潜伏患者を大量に出たのを危機の高まりと評価するより、1〜2週間放置して数百人に広がった感染者のうち最初に出た5〜6人の発症者が発見されその後急拡大するのを待つよりも高効率です。
先に出る大きな芽を積んだという評価で予定通りの緩和に進んでいます。
韓国の場合、大邱で最初に大規模発生したときに集会参加者の把握に教会が協力しない点が大規模拡散の原因と報道されていましたし、最近ソールでの第二波の震源地になったナイトクラブの名簿記載の住所や偽名が半分ほどいたために7次感染までひろがった原因と言われています。
https://www.newsweekjapan.jp/kim_m/2020/06/2-1.php

新型コロナウイルス再発の大きな原因は「気の緩み」

今回、梨泰院のクラブや富川の物流センターで起きた集団感染の大きな原因は「気の緩み」である。
・・・・約5500人のクラブ利用者のうち2000人ほどが虚偽の連絡先を記載したため、連絡がとれず現在も多くの利用者に対する検査が行われていない状況である。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5e660e71f82e27930d91f753e0d51c7bfeb08c6f

韓国で巨大クラスターが続々発生の悲劇…「文在寅が威張るたびに感染爆発」
6/10(水) 11:16配信
新型コロナの大規模なクラスターが相次いで発生、時計が逆回転したような韓国に何が起きているのか?
“感染再発”の経緯を少し詳しく見てみよう。この第2波の中核となってしまったソウル市内のゲイクラブでは、270人のクラスターが発生。入店の際に義務付けられていた名前と連絡先など個人情報の記入も、約5000人分のうち2000人は虚偽。感染防止には初動が大きくものをいうが、追跡ができないために初動が遅れてしまい、7次感染まで拡大させてしまった。
・・・K防疫とは、いかなる手法なのか。日本が取った手法とは異質であることがすでに報じられているが、感染経路をたどる際、個々人の携帯電話の位置情報、防犯カメラの映像、クラスターが起きた現場付近のクレジットカードの決済記録などを当局が把握、警察官を多数動員して追跡する。日本から見ると、法制度上の問題に加えて、プライバシーを度外視したにわかには受け入れ難い手法に見える。

米国が大規模拡大を抑え込めない原因は、初動調査ができずどこに広がっているのか特定できないので発症者が出てから発症者の自己申告(検査希望者)?対象の闇雲な検査(散弾銃方式)に頼っているからです。
検査に応じられないと国民不満が高まるので大量化しかない因果関係です。
大量検査方式の韓国と一部似ていますが、共通原因は初動調査成功率の低さにあります。検査を大量化・ドライブスルー方式で簡略化しても、それは自発的希望に限られ、新たな感染防止にはほとんど効果がないでしょう。
韓国はデータ監視網利用によるコロナ退治成功と称して世界に売り出し中のつもりらしいですが、中国のしらみつぶしの監視網をほぼ民主国家で再現したものですから、強権支配に馴染む後進国は別として、先進諸国でこの方式を採用する国は出てこないでしょう。
中国がコロナ禍の元凶である責任にほっかむりして世界に自国のやり方を宣伝して世界の顰蹙を買っていますが、韓国は元凶でないからその批判を受けないのでその代役を勤めている気持ち?になっているのでしょうか?

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