キリスト教国の国際条約7(異教徒間でも有効か?3)

アメリカは日本同様に1907年のハーグ条約に参加しているのですが、イザ生死を掛けた戦争・・極限状態になると民度(原爆投下や学童疎開船の撃沈などは民度ではなく政権中枢部が決めていたことです)がモロに現われます。
元々は「キリスト教国内の条約に非白人の日本を入れてたやっただけ」と言う例外の気分もあったと思われる点については、August 27, 2016,キリスト「教国の国際条約2(異教徒除外→ポツダム宣言1)「正戦論」で」紹介しました。
戦争の本番になると、本能的行動に走り勝ちしかも末端兵の場合、その民度にモロに関係します。
日本占領の米軍だけではなく、欧州戦線に派遣された米軍の綱紀の乱れも相当なものでフランス等では、強姦魔になっていたと言われます。
https://ameblo.jp/9023410651/entry-11539375391.html
2013年05月27日(月) 23時34分53秒

隠された負の側面を明らかにした研究書が来月、米国で出版される。 6月に刊行予定の
「What Soldiers Do: Sex and the American GI in World War II France兵士らは何をしたのか:第2次世界大戦中のフランスにおける性と米兵」は
米ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)のメアリー・ルイーズ・ロバーツ
(Mary Louise Roberts)教授(歴史学)が、米仏で膨大な量の第2次大戦中の資料を研究してまとめた著作だ。</p写真ジャーナリズムの草分けである米誌「ライフ(Life)」は、フランスを「快楽主義者4000万人が住む巨大な売春宿」と表現した。

真偽不明ですが、米兵の参戦意欲を高めるための国内キャンペインの様子を上記の通り書いています。

地元には、「ドイツ人を見て隠れるのは男たちだったが、米兵の場合は女たちを
隠さねばならなかった」という話が伝わっているという。
ロバーツ教授が調べた資料によれば「セックスをしている男女を見かけずに街を歩くことは不可能」なほどで、当時のルアーブル市長が米駐留部隊の司令官に改善を求めたと記されていた。
米軍の上官らは兵士たちの行為について公式な非難声明は出したが、改善の努力はしなかったという。
米兵たちの放蕩ぶり、不法行為、さらには組織的な人種差別などもあった。

そして、性犯罪を放置できなくなった軍が処刑したのは、ほとんどが黒人兵という人種差別に基づくものであったと書いています。

1944年10月の資料によれば、米兵が絡んだ強姦事件152件のうち130件で
黒人兵が訴えられている。
これについてロバーツ教授は、米軍内の根深い差別を示していると指摘した。
フランス人も、すぐに黒人米兵を指さして非難するようになったという。」

証拠など問題にせずに、被害者が、面通しで「この人だった」といえばその通りに認定する仕組み・法廷で、たまたま黒人お弁護士がいたところその弁護士を「この人だった」と証言するほど被害者の被害届も根拠のない無茶苦茶なものであったという実態をどこかで読んだことがあります。
朝鮮戦争でも性犯罪が大きくてその被害を、日本軍慰安婦にすり替えているように見えます。
歴史の浅い新興国・・国民レベルの低さが剥き出しになって「勝てば何をしても良い」と言う気持ちに先祖返りしたらしく、「異教徒に対日戦ではこんなルールなど守る必要がない・・皆殺しでいい」のだと言う気持ちになったのかも知れません。
対日戦争ではルールを破って非戦闘員殺傷目的の数々の蛮行をしてしまい、それどころか武装解除した途端に降伏条件を示したポツダム宣言違反の占領政治・・降伏後のアメリカインデイアンに対する民族精神を腐らせる政策(そのほとんどがある中東で生活保護受給者・被保護民になり下がっています)・浄化策の再現行為の影響がいまだに残っている状態が上記に紹介されています。
この非を隠すために極東軍事裁判をでっち上げ、更には戦後70年にもわたって中韓をけしかけて、なおありもしない南京虐殺や慰安婦騒動をけしかけています。
中国が国際ルール無視で領土拡張に邁進し始めたのは、西欧が近代にやった野蛮行為を真似している・・あるいはやり返しているとも言えます。
だからと言って、中国人の残忍きわまりない歴史を賛美する日本人はいないでしょう・日本には西欧の人権論以前からの美德があるのです。
自分たちは、キリスト教徒専用の条約など関係ないと言うのが、中国のやり方でしょうか。
勿論ISなどの中東のゲリラ勢力は米英主導で作った国際秩序など問題にしていないでしょう。
中国には元々正義の基準がない・・自分がやれるようになった以上は何をやっても良いと言う価値観の国です。
庶民は儒教と関係なく生きて来たと何回も書いて来ましたが、支配層もこの程度の価値観の国です。
・・昔から勝てば相手の武将を辱めるだけ辱めるのが中国のやり方であることを何回も書いてきました。
こう言う価値観の「中華の栄光」復活を掲げる習近平氏には、元は野蛮だった西欧が過去に積み上げて来た経験・・条約など勉強する気持ちはハナからありません。
ところで1907年ハーグ条約には中華民国は加盟していますが当然中華人民共和国は当時存在していないので守る義務がないと言えば言えるのでしょうか。
建国後加盟したのかな?
南シナ海を巡る国際司法裁判所判決など相手にしない態度ですし、国際ルール無視の知財強取?恐喝行為をしているのは、国際条約・欧米価値観など関係ないと言う立場でしょうか?
中国は人類が確立して来た来た(欧米キリスト教徒に都合の良い?ルールなど学びたくないと言う姿勢・・時々本性を表すところが嫌われているのですが、中国としてはそれが脅し・・プラスになると思っている面があるでしょう。
ヤクザが「舐められないようにしている方が得だ」と思っているのと同じ価値観です。
日本の場合は遅れて西欧列強の仲間入り・・参加しても、人道的思想や「人の物を取っては行けない」「約束はままもる」と言うルールは早くから国内的に確立していました。
ウエストファリア条約以来の歴史があると威張られても・・そんな条約を作らないとやっていいことか悪いことかの区別も分らないのか?と日本では逆に驚きます。
「豺狼のごとき」西欧列強の餌食になるのを恐れて幕末に大騒ぎになったのですから西欧よりも人道意識や道徳観が数段・数千年進んでいました。

キリスト教国の国際条約6(ハーグ陸戦条約)

日米戦争でのアメリカの戦時条約違反を主張する声が多く聞かれるものの、条約自体をみた方が少ないかも知れませんので、以下現代版ウエストファーリア条約であるハーグ条約を紹介しておきます。
https://ja.wikipedia.org/wiki

ハーグ陸戦条約
1899年にオランダ・ハーグで開かれた第1回万国平和会議において採択された「陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約(英: Convention respecting the Laws and Customs of War on Land, 仏: Convention concernant les lois et coutumes de la guerre sur terre)」並びに同附属書「陸戦ノ法規慣例ニ関スル規則」のこと。

我が国は1907年の改訂条約から参加していますので以下この条文の一部を紹介します。
アメリカの2度にわたる原爆投下実験その市街を取り囲むように火をつけてからに順に中心部に焼夷弾を投下して住民が逃げられないようにした攻撃など元々住民大量殺戮を目的にした戦争犯罪に関心のある方が多いでしょうから、参考までに陸戦条約の条文を部分的に紹介しておきます。
前文は如何に抜粋するように条文化していなくとも人倫に反する行為をしないことを約束したものです。

「一層完備シタル戦争法規ニ関スル法典ノ制定セラルルニ至ル迄ハ、締約国ハ、其ノ採用シタル条規ニ含マレサル場合ニ於テモ、人民及交戦者カ依然文明国ノ間ニ 存立スル慣習、人道ノ法則及公共良心ノ要求ヨリ生スル国際法ノ原則ノ保護及支配ノ下ニ立ツコトヲ確認スルヲ以テ適当ト認ム。」

以下はhttp://1st.geocities.jp/nmwgip/Treaties/Laws_and_Customs_of_War_on_Land.htmlの部分引用です

陸戰ノ法規慣例ニ關スル條約
Hague Convention IV – Laws and Customs of War on Land
一九〇七年(明治四〇年)一〇月一八日海牙ニテ調印
独逸皇帝普魯西国皇帝陛下〔以下締約国元首名省略〕ハ、平和ヲ維持シ且諸国問ノ戦争ヲ防止スルノ方法ヲ講スルト同時ニ、其ノ所期ニ反シ避クルコト能ハサル 事件ノ為兵力ニ訴フルコトアルヘキ場合ニ付攻究ヲ為スノ必要ナルコトヲ考慮シ、斯ノ如キ非常ノ場合ニ於テモ尚能ク人類ノ福利ト文明ノ駸駸トシテ止ムコトナ キ要求トニ副ハムコトヲ希望シ、之カ為戦争ニ関スル一般ノ法規慣例ハ一層之ヲ精確ナラシムルヲ目的トシ、又ハ成ルヘク戦争ノ惨害ヲ減殺スヘキ制限ヲ設クル ヲ目的トシテ、之ヲ修正スルノ必要ヲ認メ、千八百七十四年ノ比律悉会議ノ後ニ於テ、聰明仁慈ナル先見ヨリ出テタル前記ノ思想ヲ体シテ、陸戦ノ慣習ヲ制定ス ルヲ以テ目的トスル諸条規ヲ採用シタル第一回平和会議ノ事業ヲ或点ニ於テ補充シ、且精確ニスルヲ必要ト判定セリ。

一層完備シタル戦争法規ニ関スル法典ノ制定セラルルニ至ル迄ハ、締約国ハ、其ノ採用シタル条規ニ含マレサル場合ニ於テモ、人民及交戦者カ依然文明国ノ間ニ 存立スル慣習、人道ノ法則及公共良心ノ要求ヨリ生スル国際法ノ原則ノ保護及支配ノ下ニ立ツコトヲ確認スルヲ以テ適当ト認ム。
締約国ハ、採用セラレタル規則ノ第一条及第二条ハ、特ニ右ノ趣旨ヲ以テ之ヲ解スヘキモノナルコトヲ宣言ス。
〔全権委員名省略〕
因テ各全権委員ハ、其ノ良好妥当ナリト認メラレタル委任状ヲ寄託シタル後、左ノ条項ヲ協定セリ。
第一款 交戰者
SECTION I ON BELLIGERENTS
第二章 俘虜
CHAPTER II Prisoners of war
第二款 戰闘
SECTION II HOSTILITIES
第二二條 交戰者ハ害敵手段ノ選擇ニ付無制限ノ權利ヲ有スルモノニ非ス
Art. 22. The right of belligerents to adopt means of injuring the enemy is not unlimited.
ホ 不必要ノ苦痛ヲ與フヘキ兵器、投射物其ノ他ノ物質ヲ使用スルコト
(e) To employ arms, projectiles, or material calculated to cause unnecessary suffering;
第二五條 防守セサル都市、村落、住宅又ハ建物ハ、如何ナル手段ニ依ルモ之ヲ攻撃又ハ砲撃スルコトヲ得ス
Art. 25. The attack or bombardment, by whatever means, of towns, villages, dwellings, or buildings which are undefended is prohibited.
第二七條 攻撃及砲撃ヲ爲スニ當リテハ宗教、技藝、學術及慈善ノ用ニ供セラルル建物、歴史上ノ記念建造物、病院竝病者及傷者ノ収容所ハ同時ニ軍事上ノ目的ニ使用セラレサル限之ヲシテ成ルヘク損害ヲ免レシムル爲必要ナル一切ノ手段ヲ執ルヘキモノトス
被圍者ハ看易キ特別ノ徽章ヲ以テ右建物又ハ収容所ヲ表示スルノ義務ヲ負フ右徽章ハ予メ之ヲ攻圍者ニ通告スヘシ

 

キリスト教国の国際条約5(異教徒は守る気になれるか?2)

日本では一帯一路構想は中国の孤立した野心で失敗するだろうとの位置付けですが、上海協力機構外形だけ見ると中露を軸に着々と地歩を固めつつある様子です。
中国は国内不採算投資拡大の限界→外貨準備枯渇の心配から、自由に支配できる自前の国際機構を作り(本部中国で他国の理事は名目だけにして、常駐しないので国際資金を事実上中国の思うように使える仕組み)そこに外資を入れてその資金を自国のために流用したいという狡猾な思惑から、一帯一路構想をぶち上げました。
中央アジア諸国は概ね人口まばらな経済力のない国々ですから、(その分、採算性が低いので民間投資が望みにくい地域です)中国による巨額投資の計画は夢のように映ったでしょう。
上記のように国際的資金を導入して対外的には資金バラマキを餌に一帯一路沿線国に夢を与え賛同者を募った面があるので、資金出し手予定の日米が入らない(知らんプリ)と軍資金が続かない弱点が致命的です・・。
もともと中国の自己資金は見せ金でしかなく日米の資金をかすめ取ろうというものでしたから、日米がそっぽを向いたまま設立後時間がたてば経つほど資金が続かなくなってきた(背に腹を変えられずにアコギな取り立てに回るしかなくなり、国際信用がガタ落ちになってきた)ところへ、米中経済戦争勃発で、(将来的にはトルコ並みの通貨暴落対象になりかねない状態で)泣きっ面に蜂の状態です。
https://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/day-20181013.html
2018-10-13 05:00:00
中国、「貿易戦争」立ち向かう原動力は債務依存で「手詰まり感」

中国は、よく資金が豊富だという。「一帯一路」で各国へ資金を貸し付けていることを見てそう言われているのだ。それは、間違いである。本来の対外直接投資資金は、経常収支の黒字で賄うべきもの。それを計る尺度が、対GDPの経常収支黒字比率である。中国は今、これが急速に低下している。今年は、1%を割る懸念が強い。その背景にあるのが、先の限界資本係数の上昇だ。非効率経済ゆえに、対GDPの経常収支黒字比率を引下げている。対外直接投資を自前の経常収支黒字で賄えない状態である。だから、中国は「一帯一路」で日本へ資金的な協力を求めてきたのである。中国は、決して資金豊富な国ではない。

『サーチナ』(10月1日付)は、「リーマン・ショックから10年、高まる中国の金融リスクー大和総研調査」を掲載した。
(3)「BIS(国際決済銀行)統計によると、中国は、債務残高のGDP比が2008年末の141.3%から2017年末に255.7%へ急上昇した。この水準や上昇ペースの速さは、かつて金融危機に陥ったり、バランスシート調整による景気急減速を余儀なくされた国々に匹敵している」

昨日見たように、中露が派手な軍事演習をしたり、公海を埋め立てて軍事基地を作って威勢を示しても、軍資金が続かないのでは文字通りコケ脅しでしかなく、どうにもならないでしょう。
中国は覇を唱えるための対外援助どころか、通貨マフィアの標的にされかねない危機的状態になっているのです。
このために中国は膝を屈して日本にすり寄っている状態です。
ところできれいごとと言うか西欧で理性に基づいて一歩一歩組み立てて来た国際政治上の約束事(ウエストファーリア条約以降の漸進的向上/国際通商条約)にロシアを含めた周辺ないし新興国指導者はごもっともと言うことで反対出来ないから条約参加してきました。
しかし、身近な生活では暴力的解決が普通の社会で、国連の掲げる高邁な人権思想にそのままついて行けない現実が先進国アメリカでさえ)吹き出した印象です。
アメリカの場合、国(国家理性)としては自由民主制で、人権重視ですが、死刑制度がない代わりに犯罪処理現場では黒人に対する射殺が日常化している実態・・これが実質の二重基準です。
日米戦では異教徒の日本に対しては国際法を守らなくとも良いという戦争方法であっただけではなく、国内でもアメリカ国籍を持つ日系人を迫害し、黒人と白人では国内でも扱いが今でも違うのです。
格差拡大・・トランプ氏の1国主義の主張・・それらは全て「国民レベルでは、優等生を演じ切れない」と言う悲鳴にも聞こえます。
米軍が、欧州戦線で解放軍というメデイアの宣伝にも関わらず、強姦魔になっていたことを12日に紹介しましたが、綺麗事に国民がついていけない実態があります。
アメリカ自身も西欧から見ればロシア同様の西欧文化の周縁国ですから、いざとなれば野蛮な本性を出してしまうのでしょう。
平安末期の公卿社会からすれば、勃興してきた地方の粗野な武士団とは気が合わないが、利用できる限度で無視できないので、粗野な武士同士で争っていればいいという源平時代の摂関家のような気持ちが、20世紀以来の西欧の姿勢でしょう。
もしかしたらトランプ氏の無茶な要求は、アメリカの草の根の本音・・上海協力機構に参加すれば価値観や気持ちが一致するかもしれません。
実はアメリカは、本音に従って?上海協力機構にオブザーバー参加申請したところ、拒否されているらしいのです。
上海協力機構に関するウイキペデイア引用の続きです。

SCOはアメリカのオブザーバー加盟申請を拒否した他[2]、アフガニスタンのカルザイ政権が半ば「アメリカの傀儡」である事を理由に加盟申請を拒否したり、加盟国ウズベキスタンからの駐留米軍撤退を要求するなど、米国との対立路線を形成しつつある。過去のサミット(2007年のビシュケク・サミットを含む)では、たびたび間接的に「ワシントンへの反感」が示されている。

キリスト教徒は嫌・お断りということでしょうか?
ところできれいごとと言うか西欧で理性に基づいて一歩一歩組み立てて来た国際政治上の約束事(ウエストファーリア条約以降の漸進的向上や各種国際通商条約)にロシアを含めた周辺ないし新興国指導者はごもっともと言うことで反対出来ないから条約参加してきました。
しかし、身近な生活では暴力的解決が普通の社会で、強盗も泥棒も蔓延している社会で国連の掲げる高邁な人権思想にそのままついて行けない現実が先進国?アメリカでさえ吹き出した印象です。
アメリカの場合、国(国家理性)としては自由民主制で、人権重視ですが、死刑制度がない代わりに犯罪処理現場では黒人に対する射殺が日常化している実態・・これが実質の二重基準です。
格差社会は経済用語ですが、実はその基礎には文化度の二重構造があるとみるべきです。
日米戦では異教徒の日本に対しては国際法を守らなくとも良いという戦争方法であっただけではなく、国内でもアメリカ国籍を持つ日系人を迫害し、黒人と白人では国内でも扱いが今でも違っている、二重基準の社会です。

キリスト教国の国際条約4(異教徒は守る気になれるか?1)

「人としてやって良いこと悪いこと」の内発的価値観がない・・仕返しを恐れるだけの場合、勝てばそのチャンスに相手が仕返し出来ないほどとどめを刺すしかない・・徹底的に痛めつける・・インデアンに対するように民族として生き残れないほど弱体化させてしまう・ジェノサイドが普通のやり方になって行きます。
こう言う価値観で欧米人が世界支配した近代〜20世紀は弱肉強食の世界になってしまったのは、仕方ないところです。
ここで16年8月以来中断している(17年1月16日にも若干触れています)ウエストファーリア条約の本質・キリスト教徒間だけで人道主義が語られて来たテーマに戻ります。
ギリシャ・ロ−マの民主制と言っても「市民」だけだったように、欧米の人道主義は「ブルジョア」の市民から始りキリスト教徒一般に枠を広げただけのことでした。
フランス革命もブルジョアジーだけの自由人権でした。
このきれいごとと言うか実質のない欧米の民主主義や人権思想に異議を唱え始めたのが最近のイスラム教徒の難民を含めた「乱」の本質と言えそうです。
異教徒除外の人権思想に最初に公式の会議で異を唱えたのが日本で、第一次世界大戦後国連でこれを主張したことが英米の怒りを買い・・「報復のための戦争」植民地支配にモンクを言った現地人を見せしめに「縛りクビ」にするのと同じ懲罰戦争に引きずり込まれたことを書いてきました。
条約の発展に戻りますと、その後名誉白人?日本も対等者としての戦時条約に参加をするようになり、今では世界中でいろんな国が参加する条約社会になっていますので、本来的にキリスト教徒オンリーの原則が見え難くなっているので、ここでその本質・・由来を書いておく必要があると思って書いています。
ただ戦争等の極限状態になると、欧米人はキリスト教徒オンリーの本音が表面化し易いから物事の理解には由来が重要です。
アメリカは戦時陸戦条約・・ハーグ条約に加盟していたのに対日戦争での残虐行為・・相手の武装解除を良いことに降伏条件を超えた無法な支配した・・臆面もなく実行して来たのは、この歴史・・異教徒にはどんな残虐なことでも背信行為をしても良いと言う意識が根深くのこっていたからではないかと言うのが私の憶測です。
キリスト教徒か否かで差を付ける考え方は、ドイツのユダヤに対する差別、アメリカで日系人が全財産没収されて荒野の収容所に収容されたのは、ドイツでのユダヤの処遇と共通です。
ただアメリカは食糧が豊富だったので飢え死にさせなかった違いだけを理由に、ナチスドイツ批判しているのですが、根本の発想は同じでしょう。
日米戦争が始まった時のヒットラーのルーズベルトに対する祝電(日独同盟よりも人種差別優先・露骨に表現した非白人をたたきのめせ!と言うような祝電でした)を紹介しましたが、英米独ソの戦いの次元は異教徒との戦いより低いものだったので、もしかしたらルーズベルトがナチスのユダヤ系収容開始に祝電を送っていた資料がその内出て来るかも知れません。共産主義対自由主義の戦いも異教徒日本との戦いよりは次元の低い争いです。
ルーズベルトにとっては、共産主義対自由主義の戦いも、異教徒日本との戦いの方が優先だったし、日独同盟よりはアジア人撃滅の方位が優先していたのです。
ヒットラーの祝電が今になると探せませんが、10月6日に紹介した以下の記事はかなり詳しい分析です。
http://bewithgods.com/hope/japan/14.html

「日米戦争を起こしたのは誰か ルーズベルトの罪状・フーバー大統領回顧録を論ず』から

という題名ですが、内容はフーバー回顧録の要約にとどまらず、ミアーズ論文の要約がかなりを占めていますが、そこには私の年来の主張とほぼ同旨の主張が網羅的に引用され主張されているのに驚きます。
私の意見といっても、多くはあちこちに発表されれている意見・主張を無意識のうちに飲み込んだ上で、自分の意見であるかのように思い込んでいることが多い(と時折書いていますが・・)ことの例証かもしれません。
戦時に関する条約に留まらず今や商取引・知財、犯罪人引き渡し条約その他いろんな種類の国際条約が締結されるようになっていることは周知のとおりですが、これら条約が発達するとこれをも守らせるための判定機関として国際司法裁判所,海事・商事裁判所などが設置されるようになっています。
こうした先例や条約・ルールを守れというというルールも先進国による後進国支配道具に使われている実態も上記に紹介されています。
徐々に国際的に「法の支配」が行き渡り始めたように見えましたが、14年にロシアによるクリミヤの武力編入+ウクライナ侵攻が行なわれ、西側世界が反発してもロシアは一歩も引かないでそのままですし、フィリッピンが南シナ海で領海問題で中国を訴えていた結果、フィリッピン完勝の裁定が出ましたが、中国はこんなの「認めない」と宣言しています。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016071200762&g=int

「南シナ海をめぐる仲裁裁判の判決は、中国が習近平政権下で積極的に進めてきた同海への進出の法的な正当性を明確に否定した。中国外務省は、声明で「判決は無効で拘束力はなく、受け入れず、認めない」と判決を拒否。

他方で、(16年7月ころ原稿記載ですから今になるといつか不明です)フィリッピン大統領が「覚せい剤等の犯罪者をドンドン射殺しろ」と命じたか、選挙公約だったかの結果、短期間に射殺された公式発表だけで6000人以上に達している事態らしいですが、これに対する、国連の人権侵害批判に対して同大統領は、(モンクあるなら)「国連脱退して中国と新たな国際組織を作る」とまで公式発言して大騒ぎになっています・・直ぐに外務大臣が火消しに努めているようですが・・。
本来フィリッピンと中国の領海争いでフィリッピン完勝・・有利に出た裁決ですが、これを守らないと言い放つ中国の宣言はフィリッピンに不利な発言ですから対決すべき状況ですが、ドーテルテ大統領はせっかくの判決の成果を無視して就任後中国寄り姿勢を明確化しています。
国益と関係なく現行国際秩序無視の中国と連帯・あるいは利用した方が自己保身に有利と言う読みでしょうか。
トルコも歴史的な大宿敵ロシアに対抗するためにNATOに加入しその軍事力の大きな部分をになっているし、EU加盟を熱心に運動して来た経緯があります。
ところがいつまでもEU加盟を認められない・・(本質はキリスト教国ではないからです)のに業を煮やしたのか、シリア難民問題でドスをEUに突きつけた関係になり、更にはクーデター未遂事件以降、大規模国内弾圧を繰り返していわゆる西欧的価値観・・民主国家の仲間から離れて行く勢いです。
以上は16年夏〜秋ころの原稿意見でしたが、その後もトルコは欧米離れの方向性が激しくなる一方です。

フランス革命1(ルネッサンスの完成)→キリスト教支配からの解放

キリスト教自体西欧では,市民にとっては異民族による征服軍と同列の支配道具と見られていた(こんなことを西欧人は怖くて言えないでしょうから,誰も書けない本音を何のしがらみもない私が思いつきで書いているだけです)ことは,私の根拠の内の上記想像でだけではなく,市民のもう1つの語源であるラテン語civitas・シビリアンに関する以下の定義からも窺われます。
14日に引用したhttp://daruyanagi.jp/entry/2012/12/15/142304「市民概念の歴史的解剖」からの引用した箇所の続きです。
「とくに civil の用法に注目して分類すると、少し面白いことが分かる。
(外政に対して)内政の; 国内の,国家の
(聖職者に対して)俗(人)の.
(軍人・国家に対して)一般(市民)の、民間の
古代(ほかの都市≒国家)中世(聖職界)近代(官僚機構・常備軍)といった、各時代における「個人的自由を抑圧するもの(≒権力)」との対比として使われているのが分かる。」
上記を見ると原住民全体では市民とそれ以外(People)との大きな区別が古代から元々あって,他方でより多く政治参加したくなって来た市民にとっては,支配の道具である・・軍や聖職者と対立関係が生じますので・・権力抗争場面ではシビリアンと称するようになっていた印象を受けます。
(学説を見た訳ではなく,私の個人感想に過ぎませんのでそのつもりで・・。)
戦後軍国主義否定の関係でシビリアンコントロールの必要性を頻りに教えられましたが、上記解説(勿論正しいかどうかまでは知りませんが,見つかったので便宜上参考に引用しているだけです)によると,シチズンはピープルとの対比で使い、シビリアンは権力対抗・・異民族支配を受けて来た抵抗関係で使われるようになって来たのではないかと分類すると納得し易い観念であることが分ります。
最近「ガバメント論」から「ガバナンス論」に政治経済の議論の重心が変わって来たのと同様で時代によって概念の利用が変わって来る事例です。
ローマ滅亡後の西洋中世が暗黒の中世と言われる理由ですが,基本的に現地現住民を圧倒的あ格差のあるローマ文化が支配していたことによるのではないかと思われます。
滅亡したローマ文化を伝道する中核はキリスト教文化だったでしょうから,中世ヨーロッパを支配した思想はキリスト教であり,それを支配道具としてローマ教皇が権力をふるい,地元権力もその権威を支配道具に利用していたことになります。
「キリスト教に裏付けられたガバメント・軍」はゲルマンやケルト、フランク族等諸族支配そのものの象徴であったと見られます。
支配されて来た原住民の支配層が力をつけてきた結果、西洋を覆っていたキリスト思想・・暗黒の幕を破った・・ルネッサンスが始まった・・・その頃から対抗関係でシチズンの外にシビリアンが使われるようになったと見れば素直です。
続けて引用します。
「古代では兵士=市民だった。ローマ市民権には「正規軍として参戦する権利」が付与されていた。なので、civil に「非軍事的な・民間の」という用法はなかっただろう。また、キリスト教が広まる以前の civil に「俗の」という用法はなかっただろう。つまり、これらの用法は後代になって付け加えられたものだと考えられる。歴史的にザックリまとめるとこのようになるだろう。
古代:(外敵)⇔ソトの人間とは違う人たち、自国の構成員
中世:(キリスト教)⇔俗世の人たち、少し飛躍して解釈すれば自治都市や皇帝派(ギベリン)
近代:(国家)⇔暴力機構としての国家に属さない人たち」
自分たちの言葉・・トスカナ語で書かれたダンテの「神曲」がラテン語以外の言語を使用するようになったのがルネッサンスの始まりですが,力をつけた新興市民にとって,その頃から市民に対する支配の道具である軍やキリスト教・聖職者を対立すべきものと言う意識が生まれ「市民」+シビリアン意識の重要性が出て来たと解釈出来ます。
言わばフランス革命以降漸く・・異民族の思想である?キリスト・ローマ教皇支配を払いのけた・シビリアンが折角政権を奪取したのであるから,軍の必要を認めるとしても折角獲得した異民族?支配からの独立・シビリアンの権利を守るためにシビリアンが軍をコントロールすべきと言う流れになります。
正にフランス革命が別名「市民革命」と言われる所以で、千年間異民族の宗教であるキリスト教に支配されていた現住民代表の「市民」が漸く復権したことになります。
シビリアンが対抗すべき対象として「聖職者」が書かれているのを冒頭に紹介しましたが,フランス革命では漸く聖職者・キリスト教の圧迫をはねとばしたことが重要です。
市民革命では貴族の領地は没収されなかったので、未だに特権層を維持していることについてココ・シャネルの映画を観たときのコラムに書きましたが、フランス革命では真っ先に教会財産没収が行われていることに注目する必要があるでしょう。
学校の歴史で一般に西欧の三部会制度をフランス革命で打破された古い制度・アンシャンレジームと教えられ,マイナス評価しか受けませんが、キリスト教支配からの脱却の歴史としてみれば,三部会制度は正に異民族の宗教支配に対する世俗権力者の抵抗の第一歩として始まった・・重要な制度手がかりが始まったであったことが分ります。
http://www.y-history.net/appendix/wh0603_2-027.htmlからの引用です。
 「1302年、フランス王国・カペー朝のフィリップ4世はローマ教皇ボニファティウス8世と対立した際、聖職者・貴族・都市の商人代表を召集し、新税の課税を承認させたのが三部会の始まりである。聖職者である第一身分、貴族である第二身分が特権階級であり、第三身分は都市の商人、農民など特権を持たない人びとで構成された。」
以上のとおりローマ教皇に対する抵抗の結果勝ち取った制度ですから,当時としては言わばかなり革新的制度だったのです。
フランス革命の流れについては以下のとおりです。http://www.y-history.net/appendix/wh1103_1-022.html
フランス革命の初期に、三部会から分離し第三身分を中心に発足した、憲法制定のための議会。Assemblée Nationale 1789年6月17日に成立し、封建的特権の廃止や人権宣言など重要な決定を行い、立憲君主政を柱とした1791年憲法を制定した上で解散した。
議会の成果
 7月14日のバスティーユ牢獄襲撃、続いて起こった農民暴動(大恐怖)を受けて、国民議会は8月4日に封建的特権の廃止を決定し、8月26日に人権宣言を採択した。
 当初はヴェルサイユ宮殿に議会が置かれたが、10月のパリ市民によるヴェルサイユ行進の結果、パリに移った。11月に教会財産の国有化を決議して、それをもとにアッシニアを発行した。1790年には聖職者基本法を制定して教会の統制を強めた。1791年3月のギルド廃止に続いて、6月にはル=シャプリエ法を制定して労働組合を禁止し、ブルジョワ階級の立場を明確にした。」
上記のとおり貴族の領地没収はしませんでしたが、教会財産国有化を真っ先に決議しています。
革命で支配権奪取したのは城壁に守られた市内に住む「市民の政治参加の権利」であって城外に住む庶民は対象になっていません。
ちなみに西欧でイギリスの近代化が最も早かったのは、実はヘンリイ8世のイギリス国教会設立→ローマ教皇支配からの独立・民族の思考自由化が始まったからではないでしょうか・・。
今になるとどう言う根拠か知りませんが(私のような視点によるとは限りません)名君だったと言う評価があるようです。

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