中国過大投資調整17と個人の弱さ2

1強万弱の専制君主制と全ての分野での世襲制否定とは一体化・整合していて、これが今の共産主義国家の私有財産禁止と基礎で繋がっていることが明らかです。
今の天文学的な私腹を肥やす・・それも一刻も早く海外に資産を隠し、子弟を海外に逃がす政府高官・裸官の存在と、甚だしい公害発生・・目先のゲンキン主義に繋がっています。
この点が子々孫々までの信用重視・・数百年後の子孫が困らないように植林し田畠の地味を肥やして行く努力をする我が国との違いであることを何回も書いてきました。
話を戻しますと、こつこつと技術を身につけることが好きと言うか、信用の基礎と考える我が国国民性とは違い、中国では何千年もの間目先一刻も早く儲けた方が勝ちと言うか、一刻も早く餌を喰わえて逃げなければならない社会構造でやってきました。
・・儲ければ・・出世すれば、その間に最大限賄賂で蓄財し、急いで・皇帝や権力の届かない外国へ資産を隠し、妻子を安全圏に逃すことが先最優先行動基準とする政府高官や資本家の動きを見れば、中韓両国民は長期的信用を築く習慣・価値観がないことが分ります。
刹那主義的DNAが今も脈々と受け継がれていて、外資系企業等に就職しても日本人と違い転職を繰り返すし、一定の資金が出来ると、個々の小金持が投機に走っている・・・自宅購入ではなく転売益目的購入が多い結果、マンション価格下落が始まると多くの庶民(主としてホワイトカラー層)が大損をする結果に終わると思われまていました。
中国では、シャドーバンキング関連を潰すと大手銀行・国有企業破綻に波及するので、政府が小出しに資金投入してこっそり救済している様子がここ1年以上(もう2年になるかな?)続いていますが、この政策ですと企業が売り抜けに成功してからのバブル崩壊になり、個人買い主だけがそのまま救済されないで放置されます。
このやり方でも、企業・地方政府救済が追いつかなくなって来たらしく、14年11月21日ころに、金利を少し下げると同時に預金金利の上限幅も広げたと報じられていました。
その少し前にはマンション2件目の購入にも貸し付けを許容する・一人っ子政策の見直しをするなどの緩和策を報じていました。
バブル崩壊を放置するだけならばまだマシですが、政府はシャドーバンキングと関連集団を延命させてその間に積極的に個人へ売り抜けるチャンス・機会を与えているように思われます。
昨年夏の原稿の書き足しですのでそのころのコピーなので引用が少し古いですが、勝又壽良氏の2014年8月20日のブログによれば

「住宅価格バブルに対する意図的な無視戦略」として「中国人民銀行は中国国家開発銀行(CDB)向けに、1兆元(約16兆6100億円)規模の3年物融資提供を継続している」
「韓国の昨年10~12月期の住宅売買価格は過去平均より39.7%低かった。これは所得水準を勘案した数値である。比較対象24カ国のうち最下位の日本(-40.6%)に次ぐものだ」という箇所にも注目しておきたい。韓国はすでに住宅バブルが崩壊したのである。それにも関わらず、韓国政府は住宅ローンの貸付条件の緩和化によって、「夢よもう一度」で住宅価格上昇への「点火」を期待している。」

と書かれています。
時々経済対策を打って、シャドーバンキングなど不動産関連業者・・ひいては地方政府を救済しては「中華民族の栄光復活」と宣伝しまくるので、バブル崩壊近しと知っている中国人でも、まだもう少しの期間上がるか?と疑心暗鬼になった慾の深い個人が期待して、(後半年〜10ヶ月持つならば、その間に売り逃げ出来ると言う計算で)また買わされてしまうことを期待している様子です。
5月13日に紹介した金融緩和すると株が上がると期待させて株式購入を煽っているのと同じ発想です。
中国に関しては悪い経済指標が出ると政府がテコ入れするから景気が良くなる筈と言う理由で、マスコミが逆に楽観論を振りまく変な報道パターンですが、中国国内では、これが本当に信じられているらしいのです。
日本のマスコミ人は中国で仕事した方が良いかも知れません。

中国の過大投資調整16と個人の弱さ1

昨年末からの上海株急上昇は、(ただし6月中旬以来急落し今は相次ぐ売買規制によって小康状態ですが・・・その内たまったエネルギーが却ってダム結果のエネルギーになるでしょう)これまで書いているように政府が積極的に参加を奨励し煽っている結果でもありますが、国民性向も大きな影響がある・・両々相俟っていることによるでしょう。
我が国でのバブル退治のためには、不動産業への融資規制が始まりでした・・不動産投機過熱規制の手段として、不動産業界に絞ったトリガー融資規制・・金融引き締めするのが普通ですし、これが一番効き目があることを2015-5-18「中国バブルの本質(マンションバブル1)」に書きました。
中国では不動産過大投資だけではなく製鉄や石化製品、セメント等基礎資材に始まって鉄道に至るまであらゆる分野で過大投資の咎め出ているのですから、全般的に効き目のある金融規制こそが有効な社会です。
過大投資が始まったときこそ金融引き締めが有効ですが、過大投資の効果が現れてバタバタと倒産する状況になってからの金融引き締めは遅過ぎて逆効果です。
水に飛び込む人を飛び込む前に足を引っ張って止めるのは有効ですが、飛び込むのを放っておいて飛び込んでしまって溺れかけている人の足を引っ張ると本当に溺れてしまいます。
中国では、国威発揚が主目的ですから、バブル化して来てもこれが怖くて規制するどころか、過大投資の再拡大による基礎資材の需要拡大の後押ししてずるずるとやって来たことをこれまで書いてきました。
この先送りの終着点に個人参加を煽っていた異常さをここから書いていきます。
中国では企業規制よりは2戸目以上のマンション購入規制等をきつめにしたり緩めたりしているのは、個人の投機規制をすると企業が参ってしまうので、企業側の悲鳴にあわせて需要拡大のためにこれを緩めたりしているのですが、他方で投機活動の主役は個人であることを前提にしたものです。
末期症状を呈している経済状況を無視して、株式バブル相場に庶民に至るまで熱中している「株未亡人」様子を5月12日に紹介しましたが、中国人が地道な努力よりは投機傾向が高くなっているのは、2000年にわたって政府と国民の信頼関係が育っていないことによります。
・・むしろ政府不信を基礎にしている国・社会構造の経験しかないので、目先の金・・儲けられるときに目一杯儲けておきたくなるのは仕方のないことです。
大分前に律令制導入のコラムで、我が国では墾田奨励のために3世1身法その他で私有地の世襲を認める方向になったなど我が国の国民性に併せて制度が大幅に変容して来たこと・・科挙制は始めっから採用しなかったことなどを書いてきましたが、中国・朝鮮族の場合、こう言う変化がなく律令制のまま辛亥革命と日韓併合までやって来た・・やって来られた(程度の国民性)ことも精神構造に大きな影響を及ぼしていると思います。
科挙制の徹底は、高官の地位世襲がない点では今風の合理性がありましたが、どんなに出世しても1代限りで没落して行くのがこの制度です。
運良く出世出来たとしても、讒言や皇帝のご機嫌次第でいつイキナリ失脚するか分らない制度下では、(専制君主生徒は合理的基準がなく・・君主のご機嫌次第で失脚する制度です・・だからこそ正義や道理よりは讒言競争で勝てば良いという意識構造になります)蓄財出来るときに最大限の蓄財に励むこと(今の裸官の先祖)が最大の自己保身になります。
農地も官位も何もかも世襲出来ない制度下・・日本の班田収授法のように政府が農地を配給してくれる制度では、50年〜100年かけて耕地の地味を良くする努力や、50〜100年後に育つ植林事業や、自然の回復力を期待して環境を大事にする意欲が育たなかったのは当然です。
世襲してこそ同じ土地に住み着き動かない・・人間な関係を含めた環境重視にならざるを得ないのですが、農地の配給制ではどこへ行くかも分らない・・数百年後に子々孫々に恥をかかせる訳にいかないと言うような道徳意識も育ちません。
先祖伝来の農地に住みつかない農民は、風が吹けば飛び散る砂粒のように弱い存在ですし(このため王朝末期に政情不安になると簡単に流民化します)、官位を世襲出来ない高級官僚も風が吹けば飛ぶような存在です。
杜甫の祖父(杜審言)が皇帝の身近にいた高官でしたが、孫の杜甫の代になると食うや食わずになるのです。

中国過大投資の調整16(資金不足18)

話題がそれましたので、過大投資調整のテーマに戻ります。
・・中国がバブル退治を早めにやれなかったのは、資本流出が怖くて出来なかった気の毒な面もあるでしょう何事もメンツにこだわって経済原理を無視して強権で押さえつけて来た程度に応じて、その咎め・・反作用が大きくなるのは仕方のないことです。
日本でも、大手企業の粉飾決算の先送り・拡大も株価下落が怖くて先送りすることが多いのですし、東芝の粉飾決算露見も先送りが長かった分に比例して傷が深くなっています。
中国の場合、過大投資が特定産業のバブルとは言えない程全ての分野に蔓延してしまったので、身体で言えば毒素が全体に回っているようなもので、引き締めて見たり緩めたり、どうして良いか分らないで右往左往していると見るのが正解のような気がします。
日本マスコミは中国は何かやると「したたかだ」と高評価するのが常ですが、何でも中国は偉大だと有り難がる報道には飽き飽きしている人から客観的に見れば(もしかして悪意で見ればかな?)ただ、訳が分らずに右往左往しているように見えます。
リーマンショック後4兆元だったかの大判振る舞いで何とかショックを持ちこたえたものの、その先が続かずここ3〜4年はさしあたり目先の消失した輸出需要の穴埋めに国内需要を作り出すしかないということで、・・オリンピックや万博を誘致しては無駄なインフラを作ってみたり、物流用の国内インフラ(港湾造成など一段落して)需要が落ち込んで来たので、需要無視の鉄道線施設に邁進したりしてきました。
アジア大会/オリンピック・万博施設など次々と誘致してきましたが、これら施設はその後無用になっても、元々そのようなものと言う暗黙の合意があるので大した問題になりませんし、売れないマンションは放置していれば良いのですが、鉄道など過剰投資を始めると、作った後が問題で客のいない列車を運行していると大赤字が累積してその内参ってしまいます。
鉄鋼や石化製品生産工場の場合には、やたらと作っては出血輸出をして世界に迷惑をかけていますが、(9月1日日経新聞朝刊9pに「中国発鉄冷え加速」の大見出しです)鉄道等の内需インフラ投資の場合、出血競争するにも客がいません。
AIIB投資の目玉である中央アジア貫徹の大動脈構想(一帯一路)がありますが、作る資金は何とかなるとしても完成後砂漠の真ん中を採算が取れる物流があり得るかの議論が前からあります。
IMFやAIDの資金援助は要件が厳し過ぎると言う中国から批判があって、新興国にとってもっと使い勝手の良い国際機関を作ると言うのがAIIBの宣伝です。
しかし、中国のように成金による資金バラマキのようにコネ・・親疎だけが基準で事業採算審査なしでお金を湯水のように使うやり方では、焦げ付き頻発で早晩行き詰まるのが必然です。
日本では資金がないのではなく、国立競技場建設計画の見直しでも分るように採算性・合理性のない投資をしないと言うだけですが、中国の場合、始めて大金を持ったので嬉しくて仕方なかった・・必要性を無視した無駄遣いしている貧乏人のニワカ贅沢みたいな印象です。
ニワカにお金を持つと、店のこの棚の端から端まで全部クレと注文したり、食べ切れない料理を注文して見せびらかすことがありますが、これを中国は国を挙げてやって来た・・田舎者と言うことです。
クルマであれ、鉄道延長であれ、日本を追い越すかどうかばかりが気になり、最近ではクルマの販売台数がアメリカを追い越すかどうかが基準であって、需要と関係なく投資してきました。
これが個人で言えばいわゆる「爆買い」ですし、企業も採算度外視で資源類も無茶に仕入れるし、と国内インフラ投資も出店競争もビル建設も見通し無視で無茶苦茶やるのが中国流でした。
無茶苦茶やっていても、中国ブームを煽った結果ひっきりなしに投資がはいって来たので、無茶な投資が成功に繋がっていたのですが、ねずみ講みたいでいつかは投資が減って来ると終わりが来ます。
中国の場合、一旦計画が出来れば、コストに見合う需要がない・・採算が取れないことが分っても国策である以上・・国有企業その他もメンツがあるので、修正したり中止することが出来ないしくみです。
・・何でも計画どおりに作ってしまうしかない硬直性・・強引さが土木・建設業者にとっては魅力ですが、その分無駄な投資が増えて長期的に見れば、経済が立ち行かなくなる宿命を持っています。
(資材納入・建設業者はその場で儲ければ良いのですから・・どんなバカな計画でも注文があれば仕事をすれば良いので、その先の責任はありません。

  中国強権政治と政権の脆弱性

習近平政権による激しい粛清劇や、日本とマトモに戦ったこともないのに抗日戦勝利の大々的な式典開催を(するしかないのを)見ると、権力基盤がかなり弱い・・その反作用と見るのが普通です。
世界の支持率のバロメータートしてみれば、出席者はロシアのプーチンと韓国大統領くらいで、欧米首脳その他マトモな国の参加がなく、世界大多数の国が日本に遠慮して?参加していません。
これでは普通の先進国的報道基準で言えば、却って習近平氏やって来た中国の国際的地位低下を満天下に曝したことになり、却って権威が大失墜・・大恥をかいた結果になります。
(報道規制があるので、中国人は何も言えませんが・・)
習近平の自信喪失状態丸見えの写真がニュースに出ていますが、報道規制下ですから政府公表写真でさえそんなものしか発表出来ないのですから大変な事態です。
世界で孤立している自信喪失を補うために軍事力を誇示する大々的パレードをするなんて、ナチス時代の再来のような印象・・時代錯誤もはなはだだしい発想です。
マスコミでは、こう言う評価が出て来ませんが普通に見ればナチスの閲兵式のような印象です。
このために3日前ころか北京中心街3km前後が交通禁止、道路に面した窓を開けることも禁止、商店も営業禁止、株式市場も閉鎖(経済活動停止)などですから、事実上戒厳令を布いているようです。
強大な軍事力や公安警察の威力を国民や諸外国に誇示すればするほど、それほどまでに国民が怖い・国民の支持を受けていないことの自認行為であり、諸外国に対しては、今後紳士的交渉・正義の基準に基づくよりは、武力で威嚇して行く方針を明示したことになります。
これでは株式下落の催促に対して市場開放・・透明な社会にして信任を得る努力よりは、市場経済化促進よりは規制強化・・対外不信に対しては武断政治の強化と言う意思表示になります。
自由な経済活動を認めない・・正義に基づく話し合い解決よりは武力による世界から孤立する覚悟・・開き直りを誇示したことになります。
ヤクザ組織じゃあるまいに、力を正面に出して行く意思表示が国益上マイナスになる・・いよいよ国際資本が逃げるでしょうから、冷静な判断が出来なくなっているか生まれが出たと言うべきでしょう。
国内経済も軍事パレードにかこつけて周辺工場や商店を操業停止させたり株式市場閉鎖していれば、当面株式相場の下落を防げるでしょうが・・式典が終わって再開したときどうなるのやら・・却って怖いでしょう。
経済活動の隅々まで剥き出しの規制強化せざるを得なくなったのは、経済面でも限界が来ていることを表しています。
これが尻抜け状態になると・・この面でも権威失墜です。
政府高官自体がいつ失脚するか知れないので、安全のために裏社会を利用して国外に資産を隠し、家族を逃がしている「裸官」と言われている社会です。
隅から隅までお互いを信頼せずにルールも国法よりも入り乱れたヤミの掟で動いている社会では、人間も相互に信頼する習慣が途絶えています。
中国では、愛国心などかけらもない・・一族のみが頼りと言われています。
猜疑心が渦巻く・・荒廃した人心関係で秦漢以来約2000年も経過しているので、これをマトモな心に戻すのは至難です。
表向きは誰でも簡単に改心出来ますが、心の底から癒し真人間に復元するには、心を傷つけられ続けた時間に比例した長期間を要するでしょう。
始皇帝以来の2000年以上にわたる専制支配下で生きて来た人民が、生き残るために法網をくぐることに精出して来た民族性のままで、世界進出するようになると世界秩序の撹乱要因になっていることを、2015/08/06「秩序破壊と社会の停滞・退化1」以下で書いてきました。

 資金不足16と人民元流出の攻防5

今朝の日経新聞朝刊1面にはトップ記事で中国政府が、人民元売りの為替予約規制を始めたと出ています。
銀行は為替予約残高の20%の準備金(無利子)積み立てが要求される仕組みですから、これを銀行が予約企業に転嫁すると、結果的に輸入企業にとってはコストアップですから、輸入関税をかけるような輸入規制・・外貨不足を補完する効果もあります。
中国政府はいつも書くように1石2鳥効果が大好きです。
8月11日の為替の切り下げも表向きIMFの要望に添って相場に合わせたと言う言い訳でした。
規制効果に戻しますと、例えば1億元の輸入代金決済が半年先にある場合、為替予約しようとすると半年前に輸入代金の2割を無利子で銀行が準備金として中央銀行に預けろ」というのが今回の規制骨子ですが、銀行は顧客企業に当然転嫁しますので、企業にとっては(2000万元の借入を増やすしかない・・)資金繰り上大変な負担です。
毎月同額輸入が平均してあるとすれば、6×0、2=12割資金を寝かせておくことになります。
20×市中金利負担がコストですから企業にとっては、それ以上に下がる見込みがないと為替予約出来なくなります。
イギリスのポンド防衛失敗の経験によれば、売りの為替予約を制限すれば、値下がりを(少しでも値下がりの勢いを緩和出来る?)止められると言うもくろみでしょう。
しかしこれは予約する輸入業者向けと投機家向け規制であって、庶民が元を今日の相場で良いからドルに替えたいと言う欲望には直接関係しません。
ただ中国では自由な為替取引自体が禁止されているので、輸入に名を借りた人民元の両替・外貨取得が多いので、予約さえ規制すれば人民元売りの加速を防げると言うことでしょうが、庶民の方は予約が駄目ならば、(本当の輸入ではないのですから契約書だけなら好きに書けるでしょう、)契約上の決済時期を半年先ではなく数週間先あるいは前金払い契約に早めれば良いことです。
そうすると契約内容まで政府が規制する・・現物到着前の代金の一部支払を認めないとなって来るのかな・・どちらにしてもイタチごっこです。
代金支払い方法まで規制するようになって行くと規制が広がる一方で、ドンドン市場経済から遠くなって行きます。
※ 追記です。9月日日経朝刊7pには、中国政府は1日に続き2日に為替スワップやオプションなど全てのデリバティヴ・金融派生商品にも上記措置を適用すると通知したそうです。
一旦規制を始めると際限がなくなる運命が待っています・・経済が窒息するまでやるのでしょうか?
東南アジア諸国等である程度人民元取引が広がっていましたが、こんな状態が続くとどこの国の企業でも元での代金決済をいやがるどころかドル取引であっても一々政府の許可がないと契約が発効しないのでは(一種の輸入規制ですから)いつ許可になるか分らない・・迅速性に反するので中国企業との取引自体を敬遠するようになって行きます。
同じ輸出条件ならばよその国に売った方が合理的です→中国側業者は競争相手国より不利な条件(保証金を積んでくれないと契約自体に応じないとか割高で買うとか)をのむしかなくなって行きます。
世界中で中国の存在が小さくなって行くばかりです・・私は中国の評価が実力相応になれば良いと前から思ってマスコミの過大評価を批判してきましたが、(中国を実力以下に見たいとは思っていません・・それはそれで危険です・・)マスコミが過大評価し過ぎていたメッキがはがれて来たに過ぎません。
実力と合致しない過大評価があると、中国政府が実力差に比例して却ってカラ威張り・・力み返りたくなるので、これが危険な軍事膨張や冒険主義を促しているのです。
今回の規制発表は、6月の暴落時に大株主・機関投資家?半年間の株売却禁止令を出し・大手企業の大半について株売買取引停止を命じたのと似ていますし、遡れば、歴代王朝末期の流民化阻止のために農民の移動禁止していたのと同じ発想です。
大手企業の株式売買禁止令は、自分で一部企業のデフォルト宣言している・・国際機関から不適格企業との烙印を押されて取引停止処分を受けたような結果にならないか?と書いたことがあります。
今回は為替取引について、事実上蛇口を狭めることになるので、国際取引縮小を目指す結果になってしまいますので、国際機関から制裁を受けたような効果を自分で率先して行なっているようなものです。
中国政府としては8月11日の為替切り下げ時には表向き実勢相場に合わせたと言い訳があり、早速IMF専務が歓迎表明し、日本の学者・マスコミはそう言う意見を紹介して立派なものだと言わんばかりの論説が目立ちました(曰く・統計的に見ると貿易黒字が増えているので輸出拡大を目指したものではない・・市場の反応が間違っていると言う意見が主流でした)が、今回は言い訳すらありません。
今更格好付けていられないほど切羽詰まっていることの公式表明ですし、(同紙面に中国の外貨準備・公表値?では、14年6月に比して7月までには約1割も減少していると書いています)・・今回の規制発表は、この1カ月では投機売りが拡大していて資金流出に我慢し切れなくなったと見るべきですから、この間にもっと大幅にドル資金が減っているのだな!と世界中が見られてしまうリスクを考える余裕がなくなったと見られます。
この点は兎も角として、驚いた外国人投資家が反応するので(外国人投資家はヤミルートがないので、政府発表に反応する傾向があります)一時持ち直すでしょうが、裏をかくのが得意な人民ですからこんな小手先のことでは株式相場のテコ入れ策同様に1週間もすればまた人民元相場が下がり始めるのではないでしょうか?
株式相場は26日ころのテコ入れで一時持ち直していましたが、先週末ころからまた下がり始めました。

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