民度と政体8(中国3)

ところで、以前より生活水準が上がるときは良いですが、殆どの人は生活レベル低下に我慢出来ませんので、経済失速すると大変です。
給与の引き揚げが簡単ですが、引き下げは難しいことでも分るでしょう。
市場経済でないからこそ、需要無視のインフラ整備が出来ると言う・社会市場経済?の強みと言う触れ込みですが、需要のないインフラを作り続けても、数年して出来上がる時期が来ると、地下鉄も高速列車も乗客がないと運営して行けませんし、ゴーストタウンばかりになってしまい、いつか無理が来ます。
最後まで需要無視で無駄に作り続けて矛盾が起きないのは、軍事力強化投資くらいでしょうか・・?
(これも財政力の限界を無視出来ないのは後記のとおりです)
ただし軍部は折角充実した兵器を使いたがるのが普通ですから、最後は利用することになる点では同じですが、住む人のいないゴ−ストタウンとは違い、危険性が増します。
需要無視で作った製造設備を遊ばせられなくて、出血輸出で世界中に迷惑をかけているのと同じです。
リーマンショックによって輸出が激減してから、政権支持層の国有企業幹部等の不満をそらすためにこの4〜5年ほどは国内インフラ生産に転嫁して何とか誤摩化して来たのですが、その仕事もなくなって来ました。
このはけ口としてAIIB設立・・海外インフラ輸出に走ったのですが、もう1つうまく行かないので・・ソフトランデイングさえ出来なくなってきて、国有企業による出血輸出や淘汰も始まりました。
今は中国の存在自体が世界の迷惑・・世界的迷惑行為は、近隣国威嚇だけではなく出血輸出により世界経済秩序破壊行為の方が大きい状態です。
世界中の資源価格の大幅下落や各種商品市況下落はこの影響です。
国有企業の淘汰=倒産規模縮小を緩和するには、本当の意味の内需拡大・・インフラを利用する国民を育てるしかありません。
・・国民に商品を買わせる・・貧しい庶民でも、地下鉄や高速列車に乗せるしかない→国民所得を上げるしかなくなったのが、最低賃金引き上げラッシュの原因です。
これをやるとその分、内需は盛り上がりますが、国民の政治発言力が上がって政治的に大変なことが始まるだけではなく、経済面では更に苦しくなります。
リーマンショックによる輸出急減は、競争力低下によるものではなく世界需要がなくなったことによりますが、ここ数年の中国の賃上げによって、低賃金生産工場の魅力がなくなってしまい、こんどは国際競争力がなくなってきたことによる輸出減が始まっています。
こうなると、輸出が更に減るだけではなく、競争力のない中国に投資する世界企業がへって資金流入が減る+資金流出のジレンマに陥ってしまいました。
潤沢な資金があってこそ、市場経済無視の無駄な国策投資も出来たのですが、資金流出が始まるとこの面でも投資が続かなくなってきました。
資本流出に困って、思いついたのが昨年末以来の株暴騰の演出・・「まだまだ中国に投資すると儲かるぞ!」と言う演出でしたが、実態を伴わない腕力相場ですからこの8月でポシャってしまいました。
この相場に魅力を感じて外資が入るどころか、逆にこの相場を利用して外資は売り逃げ出来て、国民が高値づかみした結果になって国民不満が余計高まっているでしょう。
実際このところの中国の外貨準備の急減ぶりは目を覆うものがあります。

http://www.news-postseven.com/archives/20151028_359508.html
中国の外貨準備高が5000億ドル激減 人民元防衛で市場介入か
2015.10.28 07:00
「中国の今年9月末の外貨準備高が昨年6月に比べて、約5000億ドルも激減していたことが分かった。特に、今年5月から9月まで連続5か月間も減少し続けており、これまでにない異常な動きを示しているという。この理由について、中国共産党機関紙「人民日報」は「米ドルに連動して、人民元の価値を調整した結果」であることを明らかにした」

中国の表面的外貨準備が減少する以上に、日本債券市場で言えば中国スジの債券保有額が大幅に減っていると言われているように、メンツを重んじる国ですから第三者名義の隠れ資金はもっと先に減っています。

民度と政体7(中国2)

外敵に注目させるには対外緊張が必要ですが、これで隣国を威迫して逆に隣国から反撃を受けて負けてしまったのでは却って政権の命取りですから、軍事力を経済実力以上に養成しておくことになるので、対外冒険主義のリスクが高まります。
中国や韓国の民主化と言うか民度を越えた庶民の発言力が高まるのは、日本にとって、歓迎すべきことではなく逆に危険なことです。
何回も書いていると思いますが、日本の明治維新が成功したのは、その前の室町〜鎌倉・平安・奈良〜古代から)江戸時代には庶民レベルの民度が高かったことによります。
新興国の場合、先進国が順次発展して来た生産技術や社会技術を同時的一斉の導入ですから、経済成長が急激である分に反比例して、人間的成熟が追いつきません。
外部から設備導入による(自力開発部分が少ない)借り物経済の場合、民度が経済成長に比例して上がる訳がありません。
自分であれこれ工夫していろんなものが出来るようになると、その分、思考力も磨かれます。
まして意識の変革には、文化は3代と言われるように、何世代もの世代交代が必須です。
借り物技術による急成長は目覚ましい分に比例して、急激に金持ちになったいわゆる成金体質でしかありませんから、文化・政治経験・・総合力としての民度が追いつきません。
法制度もいろんな経験による修正の繰り返しで成熟して行くものですが、後進国が経験もなしにその結果だけまるごと真似してもうまく行きません・・。
この辺がオートメ化した製造設備の丸ごと導入とは意味が違います。
韓国の法制度は私が弁護士になった頃には、日本戦前の民法制度そのまま・・旧法的言えの制度そのままと言われていましたが、民主化後韓国の法改正を見ると果敢に改正して行き、日本の制度をドンドンを追い越していることを紹介したことがあります。
今では戸籍制度さえ廃止してしまっています。
刑事訴訟法関係も長期勾留制度を廃止していて、(200年代に入ってからだと思いますが・・時期をはっきり記憶していません)日本の刑事手続を大幅に追い越していることも紹介しました。
理想的にドンドン改正して行けば見た目は良いですが、これに乗り切れない国民意識にひずみが生じます。
工場設備は先端化すればするほど現場の熟練要求度が下がるので、最貧国でも丸ごと整備導入すればそのまま製造出来ますが・・社会制度は人権屋の言うとおりに理想的に作れば良いものではない・・社会制度はそうは行きません。
中国など新興国は急激な生活水準引き上げが始まると政治意識・・権利要求だけは一人前になりますが、社会能力や政治的妥協能力が低いのが致命傷になて行きます。
社会経験がないので自分の要求が通らないことに対して、(100のテーマで100人集まれば平均して自分の意見は1回しか通りません・・結果的に99%の不満が蓄積されて行き、「政治不安定になるのは必至です。
利害対立・違う意見がありながら、合意して行く智恵は、数千年単位の長い経験値が必要です。
幼稚園児に任せれば最後はつかみ合いの喧嘩しかないのと同じで、自主的合意に委ねれば良い年齢・・レベルがあります。
社会始まって以来・合議で決めて来た経験のない北朝鮮のような社会では、成長しないで貧しいままの方が、政権が安定します。
中国の場合も専制支配下の経験しかない点では、対等者間の合意形成経験がない・・民度は似たようなものですが、国民がある程度成長の恩恵を受けてしまった点で北朝鮮よりも国家運営が困難です。
文化人・マスコミは頻りに、中国を豊かにするのに協力すれば、民主化が進んで対外冒険主義がなくなると言う宣伝をしています。
彼らは、もしかして民度が低い場合に発言力を認めると社会が混乱するかないと言う歴史を知らないか、または世界征服の野望を遂げたい中国の意を受けた国際プロパガンダに精出している過ぎません。

政体と民度6(新興国5・中国1)

日本では、公正無私な人が多い・党派性によって、相手が正しいことを言っても受け付けないと言う不公正な現象は滅多にありません。
コネでこう言うこう言う不正なことをしている・・政権が変われば、自分たちのグループに有利な政策になると言う決まり文句のような単純な主張が成り立たない社会です。
これが日本の野党やマスコミ意見の存在意義を小さくしている・・政権交代が出来ない原因です。
マスコミは事実報道に徹して、国民の公正な判断の材料提供者になるならば存在意義がありますが、政策実現可能性も分らないのに各種の審議会等で、誰も相手にしないような少数意見を取り上げて、さもこれが正しいかのように煽るのは国民を惑わすものです。
言論の自由の必要性・・野党の必要性は、本当に日本のためになる主張してもらうためにあるのです。
日本の文化人・・マスコミ、野党は、衆知を尽くした政府施策に対する批判が合理的に出来ないためか?現実の日本のためになるかどうかよりは存在意義をひけらかすために空理空論・・あるいは、ありもしない慰安婦報道などを過激化することによって、日本政府・ひいては日本国を窮地に追い込み困らせる目的しかないように見えます。
現実離れをした主張を合理化するために、国民はレベルが低くて理解出来ないので、自分たちが「世界水準を教えてやる「前衛」と言うエリートの位置づけです。
ジッサイ政治をどうするかの議論に関して「憲法学者がこういっている」と大宣伝するのも同じ流れです。
NGoに関するシリーズの途中で話題がそれていますが、NGO・国連報告問題も、NGOが自分がエリートのつもりで、(現実的に日本のためになるかどうかよりは、政権批判することのみを目的で)「国連報告」と言うお墨付きを得て自分の主張の正しさを箔付けするつもりだったのでしょう・・が、野党の空理空論を国際化して権威付けしているに過ぎないと言う視点でここでは書いています。
国民は利口ですから「頭のいい人の言うことは難しくって分らない」と言って逃げますが・・本当は実態理解能力のない人がエリ−トぶっているだけで頭が悪いのは、一流大学を出たエリート?集団の方です。
この発想の延長上に、連合赤軍その他革マル派中核派等の自己中心的思い込み・・過激派の活動があります。
書いてあることの理解・・数字や他人の論文や歴史年表を理解する程度の能力と、文字化出来ない無数の経験値や情報=実態把握能力と比べれば、文字以前の情報総合力のある方がレベルが上です。
その結果一流学者の拮抗している合理的意見の中から、政府がどれを選択して行くかに任せているのです。
今風のエリートである学者らから見れば、東大を出ていない安倍総理をバカ扱いしているように見えますが、エリートの集まる財務省が消費税増税を求めていたのに対して、安倍総理は延期を決めましたが、どちらの選択が正しかったかは、結果が証明しています。中国がやることなすこと全て裏目に出てるのは、アメリカ留学返りのエリート集団が思いつきで安直に一石二鳥の政策をやるからです。
国外からよその国の社会実態を無視して「人権」と言う基準を錦の御旗にして後進国の内政に介入して混乱させようとする彼らの運動批判の視点でこのシリーズを書いていますが、同様に国連の名で日本社会を混乱させようとする彼らの運動批判でもあります。
新興国の運営に戻りますと、民度レベルを越えた意見を聞く政治体制になると、意見がまとまらず内政運営が難しくなります。
中学生や高校生が学校運営能力もないのに、自主的な学校運営をすると無理が出るのは当然です。
民度を越えた政治発言を許容する社会になると、内政矛盾・利害調整がうまく行かないことが頻発しますので、これを誤摩化すためには、外敵があるとさしあたり内政の利害対立・矛盾を棚上げして「先ずは、外敵にあたりましょう」となるので、国民の目をそらすのには好都合です。
赤ちゃんが泣いてると、がらがらと音を立てて一時的にびっくりさせて泣き止むのを待つようなものです。
赤ちゃんが泣いている理由が空腹であったりどこか痛いのであれば、その原因を解決しない限り、びっくりさせても一時しのぎであって抜本的解決にはなりません。

政体と民度5(新興国4)

自由民権運動が政権を握ることが出来なかったのは、自由平等な選挙が出来なかったからではなく、実際に生活をしている国民は彼らの主張が現実離れしていることを抑止っていたからです。
実際に公正な選挙制度になった戦後でも、社会党系や民主党が政権を取れたのは僅か2回しかなくいずれも大失敗しています。
今回の民主党の大失敗で(このトラウマの結果)今後4〜50年間野党は政権から遠ざかってしまったと思われます。
こ民は庶民に至るまで、古代から集落の運営委に係わっているで、実態を良く知っているので、実態に合わない空理空論を掲げる野党は、万年野党になってしまいます。
野党政治家は、一応政治に関与しているので、現実政治では野党の主張が無理な主張と分っていても、空理空論の方が、アッピールとしては分りよいので、現実的ではないと分っていてもその要求を訴える方に傾いてしまうのでしょう。
沖縄の基地で「少なくとも県外へ・・」と言う公約を唱えて政権を取ったことによってその矛盾がはっきりしましたが、基地問題に限らず野党は非現実な主張の方が分り良いのでこうした主張に頼り勝ちです。
それと、政治はいろんな利害調整=妥協で成り立っていますが、野党は内部調調整してこれを実際に実行したどうなると言う心配をしていろいろな場合を想定しておかなくとも、自分の主張が国会で通る筈がなく、実行される心配ないから実害がないと言う安心感があります。
無理に内部の利害調整して反対派から恨まれるようなことをする必要もない・・少しでも与党に妥協すると「弱腰批判」に曝されるるので自己保身のために主張を一%も譲らなければ→与党の言うとおりになってしまうのが分っていても、強行採決を求めて自分は最後まで頑張ったと言うパフォ−マンスをとるのが普通になっています。
当然のことながら、マスコミと連携して「強行採決は民主主義の死」と言う宣伝といつもセットです。
こんな安易な政治活動ばかりしているから、同じ日本人でありながら、言いっぱなしの野党病になってしまい、利害調節して最後は妥協する訓練が身に付かないのです。
韓国や中国の対日外交も、殆ど(裏で泣き言を言いながら、表向き日本が謝ってくれないと国内が持たないから何とか・・・)パターンです。
その結果、民主党のように偶然政権を取ると、従来主張との矛盾する分野ばかりで、政権を担当すると困ってしまうのがその典型です。
言論の自由・・マスコミや野党の存在意義は、政権が特定階層と癒着して不当な政治をしてるときに批判することが重要・・本来こうすれば、良くなると言う主張こそ意味があります。
日本の場合政府は、どこかと癒着して不当な政治をする余裕がない・・国民の英知を総動員して少しでも良い業績を上げたいのが普通の心理ですから、政策決定派国民英知を結集して得たた結果になっています。
すなわち・・多数英知・・各分野の最高権威者を結集して議論を尽くした総合結果に対する政策・政府批判をしようとすると、プロ同士の議論においてはいろんな矛盾点を指摘されて相手にされなかった異端の論による批判しかなりません・・結果的に空理空論になり勝ちです。
例えば成長戦略も金融政策も過疎地対策もその方向性は同じで、与野党共に求めているのですから、出て来る政策は国民英知の総動員の結果でしかないので、極端に変わった意見・・実体的裏付けのある意見を野党が出せる訳がないのです。
無理に対案を出そうとすれば、各種の検討部会で議論し尽くされた結果、採用されなかった少数意見を主張し直すしかありません。
いろんな部会の意見が下から上がって来て順次の議論を尽くすのが我が国のいろんな分野での決め方ですから、その過程を経た政府施策に対して、全く誰も気が付かなかったような名案がイキナリ野党から提案出来る訳がないのです。
偶然名案を思い付いたとしても、これを実施する官僚や関係者のスクリーニングを通して実現可能かどうかのシュミレーションをして行かない思いつきだけで、国家を動かす訳には行きません。

民度と政体と4(新興国3)

民意の円満な統合をする技術のない社会では、内部抗争激化による政権危機が来るたびに、対外冒険主義行為に走るしかないのが政権の宿命です。
経済力に比例して軍事力が大きくなればなるほど、その誘惑・・障壁が低くなるので、今後中国の経済発展が進むのに比例して世界にとって危険性が増す一方の存在になります。
原油価格下落による経済危機乗り切りのためにロシアが始めたウクライナ危機、あるいは習近平政権の政権危機に発した対外冒険主義の動きを見れば、民度の低い社会の場合内政危機があると安易に対外行動に結びつける傾向が明らかです。
韓国の場合、自殺率の悪化、外国移民熱の上昇・海外売春婦輸出の激増・・何をとっても内政が極限まで悪くなっている・・国民不満の蓄積が見て取れる状況で、李明博大統領の反日活動が始まりました。
次期朴大統領は内政でやるべきこと分らないので、前大統領以上に反日教育を強めるしかなくなったのですが、軍事力が及ばないから、日本の悪口、宣伝活動に精を出すしかないのですが、その根っこは同じです。
中ロや韓国あるいは新興国の場合、経済力がついても、これに比例して急激に民度が上がることはありません。
生活水準が上がって、その力・エネルギーが内政に向かうと社会運営能力が低いので、言いたいことを言いっぱなしになるしかなくて混乱が待っているだけです。
言わば幼稚園の運営について、民主的だからと言って「幼稚園児の合議で決めたとおりにしましょう」と言っても何もまとまらない状態になります。
小学生も同様ですし、中学、高校、大学もそれぞれ能力、発展に応じて決めて行くべき分野を広げるのは良いですが、何でも無制限に口出しすれば良い・・民主的人権尊重と言うものではありません。
成人した会社員でも就職したばかりの人も、会社運営に言いたい放題の意見を言えば民主的と賞讃するような意見があれば笑い物です。
1万人に一人程度の率で若手や新入社員から良い意見が出ることもあるかも?と言う程度であって、大多数は入社したばかりで一人1票と言われても戸惑うばかりでしょう。
やはり、小中高校、大学と、成長に合わせて順次に(学校の自治会でも家庭内でも・・)発言する場面が増えて行くのが妥当なように、就職した社会人でも、新入社員→数年経過した若手→10年前後→中堅→部課長クラスと順次職務内容が分って行くに連れて、いろんな分野に発言して行くのが合理的です。
社会組織・政策論全般についても平等だからと言う形式論で、持論を言い張るだけの人が多くなると社会がまとまらなくなって行きます。
この「分際」を弁えない人が多いと社会が混乱します・・未成熟社会とは「分際」を弁えて自制する能力の未発達な社会の謂いです。
日本では明治憲法制定時の森有礼の「分際論」が有名でこのコラムでも10年ほど前に紹介したことがあります。
日本では長年合議制の歴史があって、各自の分際に応じた発言をするような慣習が成立しています。
上から「分を弁えずとも良いから申してみよと」促されても「では・・と遠慮しいしい、「恐れながら・・・」と持論を遠慮勝ちに述べるのが礼儀でした。
伊藤博文が欧州の憲法制度調査で歴訪したときに、ビスマルクから、庶民の意見を聞くとキリがない・・難しい・安易に西欧の議会制の真似をすると大失敗するからやめた方が良いと反対されたことが知られています。
伊藤博文は、「日本では民度が高いので大丈夫」と言う内心の信念だったと思いますが・・ビスマルクの忠告に耳を貸さずに、憲法制定を急いだと言われています。
日本では古代から朝廷の合議だけではなく、(大和朝廷が出来る前から)身近な集落の決めごとなど全て合議で行なう歴史時代以前から何千年単位の経験がありました。
フランス革命の結果、漸く民の意見を聞くようになったに過ぎない西洋よりも何千年も前から実践している日本の歴史を知らないビスマルクの意見は間違っていたのです。
実際に明治憲法を制定してみると森有礼が心配し、ビスマルクも心配したように「分を弁えず」・・実際政治を知らずに権利ばかり要求したのは、自由民権運動・・板垣ら頭でっかちの一部だけでした。
マスコミは自由民権堂を持ち上げ、いつも野党の空理空論が正しいかのような報道をし、学校でも教えますが、社会実態を無視した理念は要求している間がハナで、実際政治にこれを持ち込むとうまく行きません。

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