新型コロナウイルス被害と流言飛語4

解決困難な問題が起きると社会内弱者に標的を求めるのが一般的傾向ですし、政権担当者はこの機会に政敵に標的を振り向ける傾向がありますが、今回コロナを理由に対中感情悪化させる意味が非合理すぎます。
中国発であるのに開き直るとは何事か!と多くの人が思ったでしょうが、それによる嫌な国だねと言う悪印象と国を挙げて中国非難しなければならないか・・嫌中感情を煽るのとは別物であるべきです。
大統領が敵視発言すると、国民がそのままなびく・・なんでもユダヤ人が悪いというナチスの主張の再来のような不気味さを感じます。
論理的に見れば飛躍のある無茶な扇動が、そのまま膨大な底辺層に反映され行動に移される社会になっているとは驚きです。
韓国による慰安婦攻撃激化最中には、日本でも嫌韓感情激化している時には、坊主憎ければ袈裟まで憎い式の過熱ぶりでしたが、米国では基礎的でしょう。
それだけ米国大多数の人たちにとって米国が苦しくなっているからでしょうが・・躍進するアジア人が諸悪の根源と映っている・思い込みたい願望があるのでしょうか?
戦前の(排日運動が嫌中運動に切り替わった?)黄禍論の焼き直しでしょうか?
翻って日本人の素朴な感想ですが、私の事務所に来た人がなぜこんなに欧米でコロナ禍がひろがるのですか?と世間話が出てくるのですが、彼らにはなんら欧米人に対する悪気がないのです。
むしろ先進国としての尊敬・先入感を前提に、医療や保健衛生の進んでいる筈の先進国で何故?という素朴な疑問です。
日本にいて、欧米でのアジア人差別が起きているというニュースを時に見かける程度の普通の人が、差別を受けた逆反応で意趣返しで言っているようには見えませんが、欧米人から見れば自分たちが差別意識丸出しでアジアのコロナ騒動をバカにしていた負い目があるので、今になると自己弁護に苦しんでいる状態でしょうか?
アジア人同士の会話を知れば、中国発のコロナ騒動を衛生環境の悪いアジア特有の伝染病だと言う先入観でアジアを見下していた誇りをイタく傷つけられ、格好つける必要があるのでしょうか。
底辺層の心理を利用してトランプ氏のWHO批判になったのかもしれません。
事務所に来た人が逆差別意識による疑問ではなく、ただ疑問を述べただけですが、不思議なことが起きると誰もが何故だろうと原因を探りたくなります。
これに対する識者の解説がないので、あとは素人の思いつき放題となるのは仕方ないとも言えます。
識者の公式見解は、コロナの特質もわからない以上は、民族別の強弱があるかどうかも不明・・なぜイタリアで猛烈な勢いで増えたかニューヨークはどうだなども合理的説明不能なので、(高齢者が多いからとか、格差社会だからなどなど)ああじゃないかこうじゃないかの憶測に委ねるしかない状態です。
最近の解説(今朝日経新聞朝刊)では中国、韓国、台湾香港では中東症候群(マース)やサースでひどい目にあったので防疫シスステムが整備されていて、すぐに実行に移せばよかったのに対して、過去に痛い目にあっていない日本や先進国がシステム化されていなかったのでドタバタ対応になった・・遅れを取ったというもののようです。
根拠不明の、大混乱時において人種差別的意見が幅を利かす社会とそうでない社会の差が生じます。
鬱屈者の多い社会では何かある都度社会の弱者を標的にしたがる・いじめっ子心理と同じでしょう。
人種的不満がある社会では何かあると弱い立場の人種を標的にして、諸悪の根源みたいに何でも結びつけたくなる傾向が下地にある社会では、何か大きな災厄があると人種差別運動に繋がりやすいのでしょう。
日本は人種的偏見が少ない社会のように見えるのは、日常的不満が少ない社会・・鬱屈している人が少ないからか?とノーテンキ的に考えたくなるのが私の傾向ですが、見方にによっては人種的集団を標的にしないだけで、個々人間の陰湿なイジメがあとを断たない(この発生率が国際標準より多いか少ないかを知りません)ことや、何かあっても異人種相手の標的探しにならないのは目に付く移民集団が存在していないからかも知れません。
現在在日韓国人が標的になりやすいのは、母国の反日政策が強烈すぎることによる反作用であって、集団としての存在感が大き過ぎるせいではないでしょう。
嫌韓感情の高まりに比例して在日韓国人が民族衣装着用などで民族性を誇示しなくなったのは賢い対応です。
他方でコリアタウンと称して存在を誇示するのは、民族派を刺激するマイナス行為でしかないように見えますが、メデイアはヘイト行動は憂慮すべきことだと言いながら、何のために宣伝するのか不明です。
日本社会に永住したくて住んでいるならば、民族出自をあえて誇示する必要がないはずと思うのは私の偏見・理解不足でしょうか?
弁護士会にも在日系がいますが、自分からいちいち在日系を誇示するようなことをしていません。
普通に仕事をして結果的に信用を得ていけば良いことで、実際に人柄、仕事ブリが良いので周りから大事にされています。
同じ日本人でも「郷に入れば郷に従う」精神で、地方の移転した人が自分は都会から来たとひけらかす必要はありません。
コロナ被害の現状で言えば、今後一巡2巡すればどういう結果になるかも不明ですし、原因不明である以上は人種別のウイルス対応力強弱をいうのは時期尚早ですが、原因不明の場合には結果から見たくなるものです。
疫学的方法と言われるもので多くの科学発展の基礎であり、不合理とは言い切れません。
まだまだ第二波があるかもしれないので現状が結果とは言い切れませんが、現在の到達点から見れば、欧米系人種(広く言えばコーカソイド)中心の社会がアジア人社会に比べて圧倒的多数の被害発生になっています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58620330Z20C20A4I00000/

コロナ感染者、米国で100万人突破 世界の3分の1に
2020/4/29 4:02 (2020/4/29 7:33更新)
米ジョンズ・ホプキンス大学によると、米東部時間午後6時半(日本時間29日午前7時半)時点で101万717人となった。世界の感染者数は約311万219人で米国が3分の1を占める。米国に次ぐスペインは約23万人、イタリアも初めて20万人を突破した。死者数は全世界で21万6808人に達し、米国では5万8365人に上っている。

新型コロナウイルス被害と流言飛語3

トランプ政権は発足当初低賃金労働者の入国禁止を基礎にしたメキシコ国境の壁構築やテロ防止名目にしたイスラム系入国規制厳格化という幅広い制限から始まったのですが、ここにきてターゲットを米国覇権に対する挑戦者中国に絞ったように見えます。
政権の煽りに便乗してアジア人と見れば(日本人に)痰を吐きかけたりする国民が多いのは、日頃から現状不満分子が社会に充満しているからかも知れませんし、ナチスの扇動にドイツ国民が便乗してしまったような状態の再現でしょうか?
米国は建国以来、黒人奴隷に始まるとてつもない格差社会化を突き進めてきたのですが、領土拡張と経済成長している限り相応の分け前によって底辺層の不満を吸収できていたのですが、拡大・成長が止まると・・格差拡大路線が行き詰まるのは当然です。
成長の恩恵を受ける中間層の没落→(元中間層を含む)底辺層不満が溜まって来たことがトランプ流ピュリズム政治が台頭する下地ですが、ただ不満のはけ口として弱者集団・・先ずは新規移民削減や不法滞在者摘発強化に向けるのは国内に直接の敵が少なく安全な方向でした。
しかし、インデアン支配地没収と西部への進出(フロンテイア精神と称する支配領域拡張)象徴される受け皿拡張の終了・現合衆国領土確定→中南米の間接支配+フィリピン支配などの帝国主義競争参加を経て、戦後は西欧植民地独立を後押ししながらその後釜に入る・・中東や東南アジア諸国への間接支配拡大により、ずっと勢力拡大路線が成功してきました。
米国支配の構図が崩れ始めてメンツを保てなくなっただけでなく、本国へのリターンが少なくなり内部分配額縮小過程に入ったので、各地に展開した軍事基地の維持費が負担に感じて同盟国という名の間接支配国に相応の負担を求めるしかなくなったのでしょう。
グローバル企業で言えば、ある国に進出した生産設備が採算割れになったので近隣国へ統合するような動きです。
国外駐留軍の駐留コストに見合う利益がない・・間接支配のメリットがなくなってきたから、世界の警察官ではないというようになり、駐留費用分担要求をすれば同盟国への間接支配力がなお揺らぐ結果になります。
ショッピングモールの魅力が減って売り上げ減になったので、出店料率を引き上げたいと言っているような構図です。
オバマ以来はっきりしてきた対外プレゼンス縮小の動きは実力縮小に合わせたものですので、これを継承したトランプ政権はプレゼンス縮小延長で
「今後は気前よく外国人を受け入れるわけにいかない」
という人口政策に一歩踏み出したものです。
米国の方向転換を宣言したのがオバマであり、その実行段階に入ったのがトランプ政権ですので、関係国は米国の方向転換の実行段階に向き合うしかなくなりました。
移民受け入れを象徴としてあらゆる場面で度量の大きさを売りにして来た戦後の米国の立ち位置変更宣言がオバマの発言であり次期政権を担うトランプ氏はその具体化に入ったと見るべきでしょう。
トランプ氏は正面切って国力限界を言いたくないので格好付けのために、アラブ敵視などの口実を探しているだけのことで、人権派の言い分に従って仕方なしにアラブと明記せず全世界に向けプログラム変更をしたかのように装っていますが、本音は全世界に向けてこれ以上の移民入国は困るという意思表示です。
米国の本音は、勢力拡張の限界→今後経済成長拡大しないとなれば分配すべき対象を減らすしかないとする単純論理でしょう。
企業で言えば、構造改革に伴うリストラ・新規採用縮小宣言と採算性の悪い海外営業所や工場の統廃合宣言です。
オバマ氏が「米国は世界の警察官をやれない」というと、すかさず中国・習近平氏オバマとの首脳会談で太平洋を二分して自国が支配するかのような提案をしたのが、米国の尻尾を踏んでしまいました。
長期的にはそうなるしかないとしても、「もっとやれるでしょう・微力ですができるだけのことをさせていただきますので・・」と応じるのが日本的礼儀ですが、中韓はまともにこれに応じて走り出してしまったようです。
このまま一直線に進むとアジアにおける米国の影響力が雪崩を打って崩壊するので焦った米国が世界の警察官を止めるというのは、中東の混迷から手を引くことであって、その分アジアシフトするという方向宣言するしかなくなったのです。
しかしそれはレトリックであって、実際にはアジアでもプレゼンス縮小の動きは急です。
アジアのハブ機能を持つ在沖兵力縮小の動き・・・グアム移転戦略が急ピッチで進んでいるし、駐韓兵力も戦闘力とは言えない規模に近づいているようです。
この本音を見た中国は南シナ海で埋め立て工事を実力行使した挙句に大規模な空軍基地を完成させてしまったようです。
今なお、米国の意向に正面から逆らうと痛いめに遭いますが、(経済封鎖を受けるイランのように)韓国は中長期的にはアジアは中国の勢力圏に入ると見越して中国への擦り寄り姿勢が露骨です。
日本にとって隣国のことなので判り良いだけで、この動きは世界的規模で起きているでしょう。
中国の対米挑戦姿勢が露骨になってくると、米国内で嫌中感情が渦巻くようになってきたのが米国の現状です。
トランプ氏が対中経済制裁に乗り出し、暗闘の域を超えて正面からの抗争に発展したのがこの数年ですが、トランプ氏が再選されなくとも対中標的の戦略が当面変わらないと言われているのはこの理由によります。
この重要段階で米国社会の基礎を突き崩すコロナ禍が起きて(貧困層を直撃すると)新型コロナ発祥の地である中国よりはアメリカ社会の弱点がモロに表面化してきたように見えます。
新型コロナ当初は衛生や医療の遅れたアジア特有の現象と欧米はアジア人を軽蔑していたのですが、武漢で始まり周辺アジア諸国に広がる段階を経て世界的に伝播してみると感染拡大率、死者数で欧米や中東の方が抵抗力が弱い結果が出てきたので、客観的に見れば今や攻守反転状態の筈です。
この現実が明らかになってから逆にアジア人差別が肥大化しつつあるというの意外ですが、自然発生的社会現象としては不自然です。

緊急時対応法令(流言飛語1)

新型コロナ特効薬がまだない・・科学的に不明・・大災害の最中=真相不明のパニック時に・トイレットペーパー不足のような流言飛語が飛び交うのと似ている状態です。
・・関東大震災時に不逞鮮人が何をするかしれないという噂が広がったと言われる・事実かどうか不明ですが・・この一種でした。
メデイアは、流言飛語を慎むべきという強化宣伝する役割を果たす一方で、「自分の方だけは格別の扱い」としてお得意の政治批判のチャンスとばかりに精出します。
政府が何か決めると一波万波の波及効果が起きるので、相応の準備がいることをホテルでの受け入れに関連して説明してきましたが、これを無視して決断が遅すぎると批判し、ある程度の準備をして政権が決断すると今度は準備不足でその被害を受ける方の手当がお粗末だ、遅すぎると批判します。
政権批判のできない中国の場合、自画自賛・・「独裁政権の方がうまくやれたお手本だ」これがこれから求められる政治体制と自慢し国際標準化を露骨に主張し始めました。
緊急時には平時のルールそのままでは動きが取れないのは明らかですが、新薬承認手続き一つとっても治験作業に数年かかる手順を踏んでいるのでは緊急時に間に合わないのは明白ですしこの種のことは無限にありますが、いわゆるPC主張の行き過ぎで政府要人も医学界あるいは医薬品業界〜厚労省も怖くて思い切った決断が何もできない弱点が表面化しています。
政権が想定外のコロナ災害に対応するために新機軸で対応しようとすると、官僚組織はに既存法令の運用枠内でどこまでできるかの作業が先に立つ・もともと既存法令制定時の目的の枠を超えた運用を求めるものである以上は、既存の法令の従来解釈では無理な運用の要求になるのが原則です。
慎重な手続き枠を突き破った思い切った策の必要性ですので、概ね抵触するに決まっているので、こういう具合に捻ればなんとかなりますという知恵にある官僚のひねり出しに頼るしかないのが現実です。
そいう場合運用の微修正が限度ですので抜本的大胆な施策を展開するのは無理があります。
こういう矛盾というか、日本の硬直性がイラク特措法やソマリア特措法(正確な記憶がないのでうろ覚えの命名です)その他でいつも元の基本法の目的変更を主目的にしながらも元の法律と矛盾しないように特措法で処理するので、特措法の使い勝手が悪いのが原則です。
国外派兵反対の野党の主張に押されて、危険地域に行かないという変な縛りをつけたソマリア派遣だったかで、緊迫事態があったかなかったか?と言う、枝葉末節?の国会追求が延々と続き当時の稲田防衛相の辞任につながりました。
本来軍を派遣する必要があるのは、危険だからであって物見遊山に行ったのではありません。
こういう馬鹿げた議論にうつつを抜かすしかない国会の現状は憂うべきです。
自衛隊派遣必要性を認めるかどうかは「人命を賭しても国際協調する必要があるかどうかの判断」が本来でしたが、国外派兵は憲法の平和主義精神違反という教条主義論に負けてこういう変な海外派兵法が成立するしかなかったのです。
イラク派兵も自衛隊自体が攻撃されないと近くにいる多国籍軍の防衛に協力できないなどの不都合が指摘されていましたし、直近ではイランとサウジ(バックの米国)間の緊迫によるオマーン沖シーレーン確保のための米国主導の国際共同歩調では海賊対策の法律の流用?による特措法?での自衛隊艦船派遣のために海賊でないイラン政府軍の正式な攻撃があった場合どう対応できるかの基本が詰められないママの船出でした。
教条主義的主張がなぜ現実無視の力を持つか不明ですが、選挙結果によると野党の支持率は微々たるものなのに憲法論になると野党の影響力が支持率以上に強いのは、憲法学者や、これを大規模宣伝するメデイア界の政治的立場の偏りが原因でないかという主張は、結果から見ると合っているのかも知れません。
今回の新型肺炎・・いわゆる超国難に際しても、抜本的法令改正や非常時の憲法停止が諸外国のようにできないので、解釈変更しか打つ手がない後日の国家賠償や責任者の民事・刑事責任追及が待っている仕組みでは誰も思い切った手(法改正さえも憲法違反で後日追求され個人責任追求が怖く)を打てません。
たとえば輸血製剤事件で刑事処罰請求を受けた関連省庁や学者は怖くて治験手続き簡略化承認・・新薬に手を出せない状況らしいです。
今回の緊急事態を宣言しても、要請しかできないし、要請対象すら政令?か規則等で厳しく縛られている・・補償が前提になるのは憲法秩序一時停止を前提しないことから、何をするにも憲法違反・国家賠償等の恐れ検討が先に立つからです。
諸外国の果断な施策に比べて安倍政権は・という批判的メデイア論調が多いですが、一方で緊急時の憲法一時停止の憲法改正反対の野党支持の立場がかなりはっきりしていますので、ただ現政権の対応能力不足を滲ませ、それとなく安倍政権の迷走ぶりを浮き彫りにする戦略のように見えます。
上記の通り憲法制約を厳しく主張しながら諸外国のような果敢な政策断行を求める矛盾を隠してメデイアが政権の迷走イメージを膨らませるのは、一種の流言飛語の類ではないかの疑問で書いています。
トランプ氏はコロナ感染が米国で拡大始めると真っ先に(3月19日)戦時下発言をして昨年から続く対中対決の延長図式に持ち込み、戦争時は国防の必要があれば民間企業に対して特定品の生産命令できるという古い法律を引っ張り出してGMに医療機器緊急生産を命じました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57369910Y0A320C2000000/

トランプ氏、GMに人工呼吸器生産命令 国防生産法適用
2020/3/28 1:21 (2020/3/28 6:42更新)
トランプ氏は18日、呼吸器やマスクなど新型コロナへの対応に必要な医療品を確保するため、1950年の朝鮮戦争下に成立した国防生産法を発動した。ただ実際に企業に具体的な命令を出すのはためらっていた。

トランプ氏は選挙対策もあって?国内対決棚上げ・・いつも標的の必要なアメリカ的発想で3月19日には戦時下発言をして昨年から続く米中経済対決を格上げして対中悪感情をそれとなく煽ってきました。
上記マスク等を中国に頼っている状態は危険が大きいアッピールの他に・経営苦境にあるGM救済・製造業国内回帰にもつながるというアッピールの一環でしょう。

新型コロナウイルス被害の地域差

厚労省令和2年3月4日版と4月10日版でデータ比較すると以下の通りです。

3月4日現在の状況及び厚生労働省の対応についてお知らせします。(3月4日正午までの各国機関やWHO等から発表された内容を踏まえ、3月4日報から下線部分を更新しました。)
1.国内の状況について
3月4日12:00現在、257例の患者、27例の無症状病原体保有者が確認されている。
上記患者のうち入院中または入院予定209名、退院31名、死亡6名
4.国外の発生状況について
・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと3月4日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。

国・地域 感染者 死亡者
中国 80,270 2,981
香港 100 2
マカオ 10 0
韓国 5,328 32
台湾 42 1
シンガポール 110 0
豪州 33 1
米国 108 6
カナダ 30 0
フランス 212 4
ドイツ 196 0

厚労省令和2年4月10日版で比較します。

国・地域 感染者 死亡者
中国 81,907 3,336
香港 974 4
マカオ 45 0
日本 5,347 88
韓国 10,450 208
台湾 380 5
シンガポール 1,910 6
豪州 6,108 50
米国 456,828 16,478
カナダ 20,748 509
フランス 86,334 12,210
ドイツ 116,801 2,451
フィリピン 4,076 203
インド 5,865 169
イタリア 143,626 18,279
英国 65,077 7,978
ロシア 10,100 76
スウェーデン 9,141 793
スペイン 152,446 15,238
ベルギー 24,983 2,523
エジプト 1,699 103
イラン 66,220 4,110

3月4日正午までの公式記録では(各地からの報告結果ですので追加修正がありますが一応この時点の公式記録)、死者数は日米同じ6名で、日本の感染数257例に対して米国108例でした。
これが4月10日現在(公式記録)で日本の感染数5347例、死者88名(13倍)に対して米国感染数45万6,828人、死者1万6478名(2474倍)の大差になっています。
米国に限らず西欧先進諸国との比較をしても上昇カーブ差は歴然です。
地域別にみると欧米〜西南アジアの増加率に比べて東アジア系の被害率が低い印象です。
新薬開発成功までは、今や神頼みしかないのですが、肝腎の宗教界も今回はお手上げで宗教心さえ篤ければ・・という自信たっぷりの宗教人は見かけません。
大阪の四天王寺も任しておけ!と言わずに全面閉鎖のニュースが流れていますし、千葉県の成田山も厄除けどころか、一般参拝その他行事中止ニュースです。
この辺はローマ法王も宗教心さえ篤ければ良いと言えないようですし、宗教政治色の強いイランを筆頭にする中東諸国も同様です。
頼るべき支柱がない状態になると流言飛語の出番になるのが歴史の経験です。
新型コロナ特効薬がまだない・・科学的に不明・・大災害の最中=真相不明のパニック時に・トイレットペーパー不足のような流言飛語が飛び交うのと似ている状態です。
・・関東大震災時に不逞鮮人が何をするかしれないという噂が広がったと言われる・事実かどうか不明ですが・・この一種でした。
メデイアは、流言飛語を慎むべきという強化宣伝する役割を果たす一方で、「自分の方だけは格別の扱い」としてお得意の政治批判のチャンスとばかりに精出します。
政府が何か決めると一波万波の波及効果が起きるので、相応の準備がいることをホテルでの受け入れに関連して説明してきましたが、これを無視して決断が遅すぎると批判し、ある程度の準備をして政権が決断すると今度は準備不足でその被害を受ける方の手当がお粗末だ、遅すぎると批判します。
政権批判のできない中国の場合、自画自賛・・「独裁政権の方がうまくやれたお手本だ」これがこれから求められる政治体制と自慢し、トランプ氏は選挙対策もあって、国内対決棚上げ・・いつも標的の必要なアメリカ的発想でトランプ氏が真っ先に「戦争発言」をして対中悪感情をそれとなく煽ってきました。
ソ連崩壊後標的をなくした米国が湾岸戦争を起こし、9.11で「テロとの戦い」を掲げたのもこの一種だったでしょう。
トランプ氏の意を受けた政治好きの人は中国脅威論・・・中国が生物兵器製造に失敗して工場から武漢市内に漏れたのが原因とツイッター等で広め・5Gのような先端技術の中国締め出しの既存方向をさらに拡大してマスク製造のような低賃金国特化生産品でさえも中国に頼るのは危険だと煽っています。
中国側も負けずに事もあろうに報道官が(記者会見での公式意見ではないものの個々人のツイッターが厳しく政府に規制されている中国で、報道官の個人意見とはいえこのような重大発言を公開したのは、政府中央の許可・・非公式発言をさせたと見るのが国際常識です)アメリカが中国でウイルスをばら撒いたと言い返しました。
3週間ほどでようやく報道官としての登板では個人的義憤で表明したと釈明し政府と関係ない個人の意思かのような発言です。
この義憤とは、日本の海上保安庁役人が義憤で尖閣諸島での中国の横暴な行動を画像で公開した事件を想起させる表現です。
中国人民にとっては、アメリカが国内政治上駆け引きのために中国という敵を意図的にでっち上げているという義憤があったのでしょう。
日本で言えば真珠湾攻撃を政府として行ったことで、ルーズベルト大統領が待ち焦がれた対日宣戦布告の口実を作ったようなものです。
これに怒った米国の反応・米国は敵を求めていたので待ってましたと言う反応に驚いた中国はその火消しに必死でしたが、中国政府の政治感覚はこの程度のものか?と政治能力を世界中が認識したようにも見えるし、米国は怖い国!と再認識した人も多いでしょう。
日本庶民の方は、流言飛語・・社会に否定的影響を与える根拠ない情報バラマキはいけないとしても希望を持たせる拡散ならいいだろう式の庶民の知恵・・「納豆を食べる人は感染しない」とかお茶が良いとか、お国自慢が出てくるかと思えば、ちょっと科学的な意見?BCG接種した国との違い(納豆菌がウイルスを食ってしまうというのも科学論の一種でしょうか?)によるなどの、ちょっとした知的装い論も出てきます。
米国メデイアの場合は、とランプ氏が目の敵にする民主党系のメデイアはお得意の格差批判の我田引水が目立ちます。
アメリカの被害が多いというが、本来のアメリカ人は強いのだ?という白人擁護を兼ねた?格差社会論・・貧困層が感染や死者の大多数を占めている→民主党政権の国民皆保険制度創設が必須という主張に結びつける論をばら撒きます。
人種差別に結びつけたい人は、格差社会批判の発展形?で今回の被害拡大は黒人が圧倒的に多い・「奴らは・・もともとどうしょうもない奴らだ!と言いたい?ような非難攻勢も言われるようになりました。
武漢での拡大初期には、アジア人特有の感染症であるかのような欧米の人種差別的意見が流布されて、欧米では黄色人種系アジア人というだけで露骨な差別を受けるようになっていると報道されるようになっていました。
武漢で始まり周辺アジア諸国に広がる段階を経て世界的に伝播してみると感染拡大率で欧米や中東の方が抵抗力が弱い結果が出てきたので今や攻守反転状態です。
アジア人差別を受けた意趣返し的にどうして欧米人種(広く言えばこコーカサイド)が新型コロナに弱いのか?という人種(遺伝子)的特性の疑問が差別を受けた逆反応的に起きてきます。
ところでアジアとはアフリカを除く西欧以外という程度のヨーロッパ人の言い方が広がっただけのことですので、ウイルス耐性力を問題にする人種(遺伝子)的広がりとは違う概念です。
遺伝子的言説によれば、もともと、ホモ・サピエンスの分化説(未知の領域で酢ので確定説ではないですが)に従って、アフリカ系→コーカソイド(中東からインド欧州系人→アジア系の分化過程の最終段階である黄色人種系が遺伝子的に強いのは当然という意見が出てきます。
欧米や西南アジアと遺伝子的に枝分かれしているいわゆる黄色人種(多様な枝別れがあ李複雑すぎるのでここでは大雑把に黄色人種系と書いています)系に被害拡大が少ない特徴からこのような意見が起きてきます。

それぞれ日頃の基本的思考傾向の応用に解を求める傾向が出てきたのでしょう。
世界中が戦時発想の強権発動・市街封鎖行動制限などに飛びつき、その最先端を走った中国が独裁の方がすっきりわかり良い!と自慢するようになりました。

新型コロナウイルス対応の巧拙11

新型コロナウイルスとわかっても、今のところ治療法がわかっていないので、熱が出れば解熱剤、咳や痰が出ればその対処、呼吸困難の症状が出てから対症療法的に酸素吸入等の対応をするようですから、腎臓であれ癌患者であれ死期が近づき入院患者が呼吸困難になれば全員検査で前もって病名がわかっていても集中治療室その他の対処法がほとんど変わりません。
ただし3月18日日経新聞夕刊3pによれば、中国政府が17日日本の富士フィルム系企業のアビガンについて武漢での臨床研究の結果、効果を確認したと発表したとのニュースが出ています。
(日本の富士フィルム系企業のアビガンを武漢で200人に投与したところ、投与しなかったグループより早く陰性になったという成果らしいです)
今後治療薬がどんどん出てくるでしょうが、今まで不明だったということです。
事前検査で判明後の対症療法でも重症化を防ぎ回復できる場合があるとすれば人口比死亡率が日本より下がっているはずですが、3月末に東京で急激に拡大するまでは死亡者数が日本より人口比6、8倍になっていたし、現在でも死亡者数で日本の2倍、人口比で4倍以上のままになっている点をどう見るかの疑問です。
韓国は感染拡大による国民パニックを受けて大規模クラスターになった南東部大邱市周辺地域の全量検査を進め国民向けに日本より検査体制が進んでいると自画自賛していたようですが、中国が武漢住民1100万を閉じ込めて成功したと自慢しているのを誰も相手にしないのと同じ宣伝イメージです。
韓国は大邱周辺地域を閉鎖しないでなんとか落ち着いているだけでも、民度レベルが中国より成熟してきたことを証明したことになります。
3月6〜8日前後?大邱市地域周辺での新規感染者数が減ってきたので全量検査の成果だと韓国は自慢したいようですが、全量検査結果というより元々この種のインフルにある数週間経過・・一定期間経過で落ち着いてきたパターンのように思えます。
暴威を振るった?イタリアの感染拡大の勢いが4月第二週くらいから上昇率低下に向かうの予想が3月末頃から出ていましたが、現在なんとなく前日比現在凸凹状態に入ってきたようで今やスペインの感染増加数がイタリアを追い越す様相を示しているようです。
これらの観測は政府施策が効果をあげたのではなく、一定周期で収まる循環に入ったということではないでしょうか。
ある地域に一定率蔓延すれば、免疫者が増えるので自然収束するし、治療薬開発成功前にいつもピークが収束するのがこれまでの経験則・・一般的理解です。
大邱市での大量発生は2月18〜9日頃のニュースでしたから、3月上旬頃にピークを打ったとしても(検査してもしなくとも)通常のパターンでしょう。
政策の巧拙はピークの波をいかに低く抑えるかにあるというべきです。アメリカの場合、3月中旬頃から感染が急増してあっという間に拡大し1日に2000人を超える死亡数ですが、それでも新規感染数が下がってきてピークを打ちそうな観測が出ています。
4月9日の日経新聞夕刊1面には、

「死者、米で1日最多2000人」

という見出しで内容は、

ジョン・ホプキンズ大の集計によると40万人超と最大の感染者を抱える米国では深刻な状況が続く。7日に1日あたり1939人死亡。ニューヨーク州では1日で死者779名。「同州の入院患者は586名と4日連続で1000名を大きく下回った」
と、ピークを打ちそうな気配を報道しています。
2週間前に入院した患者が多く症状が改善せず死に至ったケースが多いとみられる

https://www.msn.com/ja-jp/news/coronavirus/

産経新聞  2020/04/09 17:10
新型コロナ、nyのウイルスは中国ではなく欧州由来か-研究チーム/ar-BB12mX25
ニューヨーク州では3月1日に初めて感染が確認されたが、研究チームは、数週間前2月中旬までにニューヨーク市内で感染が広まっていた可能性があると指摘
米トランプ政権は1月31日に中国からの入国制限措置を発表。大半の欧州諸国からの入国制限を表明したのは3月11日で、こうした措置は手遅れだった可能性が出てきている。

上記のように米国で拡大が始まったのは3月でした。
世界中の政府がイベント禁止など国民に多大な負担を求める感染症対策を何のためにしているかといえば、感染して医療感受診する人でも8割が軽症/普通の風邪ひき程度と言われているので実はそれほど大騒ぎする必要のないものですから、大騒ぎしているのは重症者や死者をへらす目的と急膨張の場合医療崩壊を招くからではないでしょうか?
感染しても無症状の人が多いと言われますので、そういう人を減らす直接の必要はありませんが高齢者等に感染させるリスクあるので無症状感染者が少ない方が良いので大騒ぎしていることになるのでしょうか。
この考え方からすれば、感染者数の急拡大が始まって3週間前後で沈静化始まるのは一定地域に限れば放っておいてもこのような周期パターンのようですから対策成功でなく、急拡大→医療崩壊させないで済んだかが、問われるべきではないでしょうか?
例えば約3週間でピークを打ちその後2〜3週間で徐々に新規感染者数が減っていく(ピークから約1ヶ月半前後で収束)とした場合、医療崩壊するとほぼ同期間でも従来型一般病人も医師や医療機器不足で満足な治療を受けられないことによる寿命の大幅低下という社会的大損害に見舞われます。
川の水も平均して流れると恵の水ですが、半年分一度に流れると大洪水被害になります。
したがって医療崩壊にならないように、新型コロナウイルス感染を急拡大させない秩序ある蔓延・管理できたかどうかこそが、対新型コロナ政策の成否を決する基準ではないでしょうか。
新型感染症自体は中国であれどこかで一旦爆発的に発生した以上は、経済文化その他の国際交流の盛んな現在、ウイルスを全面撃退あるいは、全く感染しないで終わらせるのは不可能ですから民族的にいち早く一定の免疫力をつけることが民族生き残りの知恵です。
中南米が民族絶滅に近い打撃を受けたのはスペイン人が残虐だっただけでなく、西欧人によって持ち込まれた病原菌に対する体制がなかったからと言われます。
未知のウイルスの侵入を全面的に防ぐのに成功することは滅多にないし、仮に撃退成功しても日本だけ免疫がないのは長期的にリスクが大きいので、緩やかに受け入れて民族として抗体・・抵抗力を徐々につけて爆発的蔓延を防ぐことが重要です。

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