共和党・茶会党が財政規律重視を主張しているのは、アメリカの将来を考えた合理的な主張ですが、これに対して更なるバラマキを求める民主党系の仕掛けで、格差是正を主張するウオール街のデモが準備されました。
前回書いたように貿易赤字・・雇用減を糊塗するための内需振興政策を始めると麻薬患者のようにやめられない性格をもっていて、経済危機が目前に迫っていてもやめられない人が多くなります。
アメリカの格差是正デモは、ギリシャ危機のサナカで、ギリシャの公務員が緊縮政策に反対するストを打っているのとその性質は同じで合理的世界から見れば一種のおふざけ・悪乗りです。
ギリシャやアメリカのデモは、厳しく言えば麻薬患者が、「もっと麻薬をくれ」と恥ずかしげもなく大っピラに叫んでいるようなものと言えるでしょうか?
麻薬・薬物中毒者に例えれば、彼らは逮捕されて仕方なしに続けられなくなるまで自発的にやめれないのと同様に、内需振興の麻薬に毒されてしまった国は、最後はデフォルトで塗炭の苦しみに至るまでやめれらないということでしょう。
経済規模が大きすぎてまだアメリカ危機の深刻さに誰も気づいていませんが・・世界情報を牛耳るマスコミは、気づきさせたくないので情報操作をしているのが正確でしょうか?
ギリシャの危機と本質は同じで、アメリカの方が規模が大きくイザ顕在化するとどこも救済し切れないほど大規模な救済資金が必要です。
リーマンショックでは中国が4〜50兆円の財政出動をしましたが、もしもアメリカのデフォルトを想定するとその何十倍も資金供給ないし日本や中国の債権放棄が必要です。
今後中国も経済が次第に減速して行くので、その事態が起きたときに前回の数倍から10数倍の財政出動・債権放棄能力があるか疑問です。
アメリカの危機が現実化したときに、どこが手を差し延べられるのでしょうか?
アメリカの危機が現実化したときには、規模が大きすぎてどこも援助し切れない・・大恐慌再来の可能性があるとも言えるし、しこしこアメリカ財務省証券等を溜め込んだ日本と中国だけが大損をして終わり、世界経済はどうってことなく終わるのかも知れません。
ユーロもドルもみんな紙切れになって世界中の債権者が損をする・・みんなゼロペースで再出発となれば、それまで溜め込んだ分の多い国や個人が大損で終わりです。
個人で言えば中高年以上は貯蓄も多いのですが、(預貯金がなくて年金だけの人も過去の蓄積に頼る点は同じです)ゼロベース(年金基金も崩壊)になれば、これからもう一度貯め直すには能力・時間がない・・若い人ほど有利になります。
ゼロから始まれば、国ベースでは新興国ほど有利で、日本のように貿易黒字が縮小気味で過去の蓄積の取り崩しで食って行こうとする国は不利になります。
そこで大口債権国の日本や中国はアメリカのデフォルトは困るので、必死に買い支えざるを得ませんので余計大口債権者になって行きます。
そうなると最後は共倒れですから、適当なところで損切りして行くしかないでしょう。
これからの日本の蓄積はいつカットになるか分らない債権ばかりに振り向けるのではなく、世界各地の実物に分散投資しておくことが必要です。