4月24日に見たように、中国や韓国は自国金利が高いのでウオンや人民元を安く保つためにドル買い介入を繰り返して得たドル資金の持って行き場に困っています。
日本のようにアメリカ政府財務省証券で運用すると低金利のために逆ざやで毎年巨額の損失を出していることも「通貨安政策3」Published September 17, 2012その他に書いたことがあります。
(アメリカの金利は日本以下ですから、日本はアメリカで運用してもドルの値下がり損を除外すれば金利分だけ得します)
このために韓国や中国では信用のある国債等の商品中心に購入出来ずに、いかがわしい高金利商品・・サブプライムローンのようなものに手を出すしかなくて、何かあると大損する仕組みです。
韓国の外貨準備はアジア危機のときに比べて巨額になったから心配が要らないと豪語していたのですが,リーマンショック直後に韓国ウオンが暴落寸前まで進んだのは怪しげな債権投資が中心のために国際経済に変調が起きると直ぐに保有債権の評価損が生じる・・実質価値が低いことによります。
中国のように虚偽統計とまでは言われていませんが、公式発表がある程度正確としても「くず債権」を額面で表示していると経済界から見れば、中国の虚偽統計と大差ないことになります。
中国、あるいは新興国など資金不足国では、我が国に負けずに低金利に出来ないので資金が国内滞留し易い結果国内バブルやインフレになり易くなっています。
韓国では反日騒動で昨年から経済失調に陥り苦しんでいますが,23日紹介したように4月の月例会議で金利下げが予測されていたものの、資金流出を恐れて現状維持・・景気対策としての金利下げを出来ませんでした。
金利を下げられない結果、大手財閥系企業を中心にその何割もの多くで営業利益が毎月の利払い費にも足りない状態になっていると報じられています。
国内企業も国民も借金まみれで困りきっているので金利を下げるしかないのが経済原理ですが、資金流出を恐れて金利を下げるどころか逆に上げなければならない状態に追い込まれているのですから、・・どうして良いか分らない状態に陥っていると見て良いでしょう。
スワップ協定によって日本の保障・後ろ盾があったればこそ、景気が悪くなれば安心して金利下げも出来たのです。
24日紹介したグラフを見れば分るとおり、韓国はリーマンショック直後超不景気で金利を下げるべきところでしたが、第二次通貨危機直前に追い込まれていたので,逆に金利を上げるしかなくて金利上げを断行していたことが分ります。
その直後にイキナリ2%台に急激に下げられたのは日本によるスワップ協定・・ドル融通協定が成立したことによります。
日本の巨額スワップ保障によって韓国は始めて5%台から2%台に急激に金利を下げることが出来たし,底なしの暴落不安がなくなって安心してウオン安誘導も出来ました。
この結果が、日本企業との競争上二重に有利に働いてシャープやパナソニックを苦しめて来たのです。
(競争相手の韓国企業に低金利資金が欧米から安心して入ったので、ウオン安だけが日本企業を苦しめたのではありません)
日本の御陰で破綻のどん底から救われた恩義も忘れて、景気が良くなったことに意を強くして、わざわざ竹島上陸した挙げ句に天皇に謝罪を求めるまでの過激な発言をして反日運動を起こすなど、経済に限らず支離滅裂な状態が続くのが韓国の政治経済のレベルです。
(頼るべき日本を自分から進んで敵に回してどうするつもりか理解不能な選択ですし,不景気下で金利上げするしかない矛盾した経済と国民性が整合していますが・・・。)
ここまで仁義を無視するならば、日本は韓国の後ろ盾・・ドル資金融通の保障などする必要がないとなって昨年秋にスアップ協定の更新を拒否したのは当然です。