対外能力と内政能力1

06/08/10「(1)政権交代と実務能力」で少し書きましたが、創業と守成の区別は、言わば創業は対外戦争に勝ち進むことですが、守成・統一後は国内の利害対立の処理能力の巧拙に移ります。
国内・・勢力圏内の利害対立の処理がうまく行かないと、直ぐに不満が起きて政権が持ちません。
対外的な交渉はどちらが正義に近いかの競争よりは、先ずは強い方が勝ち・・武力をちらつかせて要求をのませられますが、国内利害対立の処理は権力だけではどうにもなりません。
対日戦争では、勝った方が自分の悪いところを全て日本に押し付けて外交上の勝ちをきめました。
国内利害対立の解決は権力で押し付けさえすれば良いのではなく、公正な判断やタフな交渉能力が要求されます。
(これを比較的無視し易い政体と言うか、そう言う能力のない社会では,政権奪取後、専制君主制〜問答無用形式の恐怖政治・ロビスピエールやフランスジャコバン〜ソ連の粛清政治〜中共政権〜現在の北朝鮮体制あるいは軍事独裁体制になりますが、民主的と言われる大統領制とどのように違うかを以下見て行きます。)
創業と守成の違いを06/08/10「(1)政権交代と実務能力」のコラムで後醍醐帝と足利政権の違いで書きました。
アメリカの大統領制は、国内政治の利害調整は(法案成立までの調整は)議会でやり、(法成立後は)裁判所(どんなことでも裁判で決着を付ける国ですから行政裁量の余地が我が国よりも小さい)が行ない、大統領はその結果を執行することと対外戦争をすることだけです。
ですから議院内閣制のように利害調整の経験がない・・利害調整に長じた人材が、大統領になる制度ではありません。
言わば創業・・対外的大統領選に勝ち進むだけ・・戦国時代で言えば、天下統一に勝ち進むだけの能力で足ります。
戦国大名も天下統一までの長年の過程で部下への気配り・内政が必要でしたが、さしあたり迫って来る敵と戦い・・対外戦勝利が第一ですから、勝ち進めば恩賞が多いので不満が簡単に解消出来ます。
信長〜秀吉はこのタイプに特化していたので効率が良かった分、恩賞に当てるべき新規獲得領地が減って来ると、(耐えざる拡張主義に走らないと)人心掌握が難しくなります。
後醍醐天皇や新田義貞・楠木正成などは、朝廷復権というイデオロギーは確かでも実務・・内政訓練を受けていない点が,北条氏を倒して権力を握ってみると利害調整能力欠如からたちまちのうちに人心離反を招いてしまった原因です。
成り上がりの秀吉は対外拡張一本でやれて効率が良かったのに対して,拡張が止まると過去の成功体験が役に立たないので,内政に苦労し始めます。
家康は、子供のころから家臣団の統制に苦労して来た経緯があって、(これに比例して必要な人材も育っていたので)内部調整能力が高かったことが徳川300年の基礎になりました。
徳川300年は対外戦争能力ではなく、内政・利害調整能力を問われた時期でした。
家康の多くの男子の中で戦功のあった結城秀康等武功組の子孫が次々と失脚して行ったのに対して、軍功の低い秀忠が将軍になり、複雑系の10男頼宣が紀伊徳川家の初代になれたのは偶然ではありません。
大名家で言えば複雑系能力の高い細川や加藤清正が生き残り,単純系の福島正則が失脚したのも同じ基準になります。
物語では如何にも武断派が利用された上で切られた・・家康は腹黒いというストーリーですがそんなことではなく,平和になれば乱暴なだけではどうにもならなくなったからです。
この争いが石田三成と武断派の争いで、(内政中心になって来ると武断派は能力がないのでないがしろにされ勝ちですから面白くなくなって来たのですから仕方のないことでした)これに家康が乗じて豊臣家を乗っ取ったのが歴史の流れです。
徳川家は身内を折角越前120万石の大守にしていても、その子孫をドンドン失脚させていますが、家康は自分の生きているうちは義理があると言って、武断派から文治派への入れ替えを慎重にやったことが成功の秘訣でしょう。

アメリカの指導力低下12(人材不足の露呈3)

政治家経験の全くないド素人でしかも無能であることが良く知られているケネデイの駐日大使起用にはどう言う読みがあるのでしょうか?
120%うまく行かないのを知って起用したとなれば・・・・?
大恥かいて彼女が帰国すれば、当然反日グループの象徴的存在になります。
ケネデイ大使が大失敗して帰国するリスク→反日気運が高まる効果発生を、オバマは知っていて起用した可能性がある点に注目すべきです。
民主党歴代政権は一貫して親中反日政策でしたから、ケネデイという無能な大使起用段階で当然このような展開・・次々と問題発言をするリスクを読んでいた筈です。
今日のmsnニュースでは,NHK委員が都知事候補応援演説で極東軍事裁判を批判したことをアメリカ大使館が批判した報道が出ています。

百田氏発言「非常識」 米、東京裁判批判に反論 「地域の緊張あおる」
2.8 12:31 [日米関係]
「NHK経営委員を務める小説家の百田尚樹氏が東京都知事選の応援演説で、米軍による東京大空襲や原爆投下を「大虐殺」とした上で、第2次大戦後の東京裁判を批判したことについて、在日米大使館(東京都港区)の報道担当官は8日、「非常識だ」と批判した。米政府の公式の統一見解としている」

言論の自由を重んじる筈の米国が明からさまに他国内の応援演説まで批判すること自体,明からさまな内政干渉ですし,民主主義国家を標榜する公式立場とは思えません。
アメリカにすれば自国利益に反する主張をする政治家の政治活動自体を許さないというとんでもない思い上がった立場となります。
今後20日に一回程度の割合でアメリカ大使館が問題発言をしては、日本国民の感情刺激を続けることになりそうです。
日本としては一々過剰反応しないで「また言ってら〜」くらいに軽くいなして行く姿勢が必要です。
世界中で軽くいなされる場面が増えて来ると、アメリカ政府発言の重みが次第に軽くなって行く・・国力低下による解決能力低下だけではなく、世界政治における役割減少が国力低下以上に加速するようになるでしょう。
そもそも最近の朝日新聞などがNHK会長の個人見解を吊るし上げる報道の過熱ぶり事態が異常です。
慰安婦問題について政府や個人・いろいろな意見があって良い筈ですから、だからこそ記者も個人の意見を質問したのでしょう。
個人的意見をもってはいけないと言うマスコミキャンペイン自体が、記者会見で個人意見を質問した立場との論理矛盾です。
どのような方針でNHKを経営するかの質問であれば別ですが、個人見解は誰でも何か持っていることに何の問題もありません。
マスコミの気に入る意見ならば良くて気に入らない意見ならば、吊るし上げるというのでは,マスコミが思想検閲しているようなものです。
こんなことを繰り返しているうちにネットの発達と相俟って,マスコミの信用が軽くなって行く点は、アメリカ政府発言が軽くなって行くのと同じ傾向にあると言えます。
日本はアメリカの機嫌を取るためにTPPをまとめるために尽力するしかない立場ですが、新たにケネデイ大使のフォロー役まで押し付けられた状態です。
人格的にかなり問題のあったマッカッサーでさえ、何とか手なづけて満足して帰っていただいたのですから、国民の英知を絞って、彼女に成功体験を持って親日家になって帰ってもらうしかないでしょう。
素人政治と言えばクリントンも田舎の政治(・・これも議員ではなく州知事だったかな?)をやったことがあるだけの人物であって、中央の複雑な駆け引き等の経験がないまま大統領になっている・・言わば素人で歴代やって来ても、抜きん出た国力の御陰で何とかなって来ただけでした。
オバマ大統領は州議会議員を経て、上院議員1期だけで、任期途中で大統領戦出馬準備のためにやめています。
殆ど政治家同士の根回しその他の経験がない状態です。

アメリカの指導力低下11(人材不足の露呈2)

靖国参拝に対する失望声明は,本国の指示だったのかケネデイ大使の提案だったのか知りませんが、本国の指示があっても「そんなことは本国で言って下さい」と拒否するのが大使の役割でしょう。
この拒否が出来ないのでは、出先の下級官僚みたいなもので、「大使」という重い役割が勤まりません。
後日の報道では、バイデン副大統領が(日本とのすり合わせなしに)勝手に韓国に対して「日本は靖国参拝しない」と言って来たので困ってしまい,「失望し」たとなったようです・・真実は勿論分りません。
本国で声明しないで出先の大使館の声明にした点が姑息ですが,ミスの尻拭いのための声明を出せないと断るのが「大物」大使の役割でしょう。
駐日米大使館の声明を出す是非については、1月14日以降に書きましたが、TPP交渉のように本国の地位低下・信頼性喪失が出先の困難を来しているのとは違うのですから、モロに個人的能力の証明になっています。
やっと失望声明の余波が収まりかけた1月19日ころにはケネデイ大使のツイートで、日本のイルカ漁に対する反対?が出て話題になっています。
今度は日本伝統文化批判ですから、ネの深い大変な事態です。
自分たちが牛や豚を殺して食べるのを何と思わないで日本が海獣を捕獲していると残酷な国民だというのですから、基準設定の恣意性が明らかです。
国務省があわてて従来からの政府方針で、ケネデイ大使の言い過ぎではないと釈明しています。
元からの政府方針だったとしても相手国の気に触らないように公表するかしないかは高度な政治判断ですが、これを赴任国の大使がすっぱ抜いて公表して赴任国の文化批判するのって?何のために日本へ赴任したの?というひとが多いでしょう。
大使って日本文化を批判し仲違いを大きくするために赴任して来たの?と言う疑問がわいて来つつあります。
国の信用が低下して交渉力が低下すれば、その分日本がフォローして保証人のように会議を進めて行けますが、交渉担当者自体の資質レベルが下がり過ぎるとフォローしきれません。
アメリカは超大国であったので、従来は低レベルな人材でも国力にものを言わせて押しきっていれば良かったのですが、今後は国力相応の交渉力・発言力が問われるようになると交渉担当者の能力がそのまま問われるようになって行きます。
アメリカは、政権交代の都度人材の大幅入れ替え→素人が高度な実務をいきなり担当しても何とかなっていたのは、超大国の下駄履きがあったからですが、この上乗せが減って来ると大変です。
対等に近い国際交渉になって来ると、今までのようなゴリ押しが出来ませんので交渉能力や胆力がものを言います。
素人政治家の集合体では結果的に国力以下の交渉しか出来なくなってしまう・・しょっ中屈辱感を味わう可能性があります。
ケネデイ大使も政治の素人らしい・・国内では無能で有名な人ですから、今回のような大ポカをやるのでしょうし、選任基準のいい加減さに驚きます。
今後任期中やることなすこと失敗だらけで、彼女は面白くない思いのママ日本大使を終えることになるリスクがありますので、これ自体日本にとって大きなマイナスです。
オバマ・反日民主党政権によって日本に投げ込まれた爆弾のような存在です。
ケネデイ大使は能力がなくても国内では故ケネデイ大統領の息女としての非合理な人気が高いので、アメリカ政界でも無視出来ない存在です。
(彼女の支持次第で大統領選の支持率に大きな影響があります)
彼女が応援してくれた恩に報いるにしても、国内で何かの要職に就けて具体的仕事をさせるには能力不足が露呈してたちまち大変なことになります。
失敗させる訳に行かないので、象徴的な駐日大使に起用したのでしょう。
失敗させられないので,失言の度に国務省がフォローしているのですが、日本で失敗させるとどうなるでしょうか?
国内政治は目の前の日々の仕事から能力不足が直ぐに分ってしまいますが,大使の職務は遠くにいて分り難いとは言え,その分複雑です。
大使の役割は国内政治に比べてもっと複雑ですから、半端な政治能力では勤まらないので、従来駐日大使は院内総務経験者(日本で言えば曾ての全盛時代の自民党幹事長経験者に匹敵)などが担当してきました。

アメリカの指導力低下10(人材不足の露呈1)

米中結託があっても、あるいは既に密約していても、その効果が出るのは大分先の話ですから、当面の問題として1月22日「指導力低下9』の続きに戻ります。
中国の期待する時代錯誤的世界分割合意に走るかどうかは、米国指導者の能力にかかっています。
長期的にはこの方向性(頭越しの・・米中密約)があり得るので警戒すべきですが、アメリカが直ぐにも太平洋⒉分支配しようと言う中国提案に同意するのが合理的決断とは思えません。
あるいは同意していても,昨日紹介したヤルタ密約同様で合理性がないのでこれを公開することは出来ないでしょう。
ただし、今年出した大統領年頭教書では,明白に書いていないものの、中国との新たな秩序形成に期待する方向感をにじませる傾向が顕著になっていて、中国の拡張・膨張主義に対する警戒感の表明は皆無になっていると評されています。
中国による太平洋二分論に同意しないまでも、きっぱりと断る胆力のない指導者しかいないのが、問題を複雑にしています。
誰でも想起するナチスに対するチェンバレンの宥和主義の失敗の繰り返しになりそうな雰囲気です。
内々に中国の太平洋二分論に同意したけれども公開出来ない間,または判断に困っている間は、さしあたり与国である日本にたいし、アメリカの関与縮小分の補完を表向き求めていくことになるのでしょう。
この場合、表向きだけの日本に期待・・本音は西太平洋を中国へ売り渡したいとなれば,日本は役に立たない程度の武器を高値で買わされるだけになり兼ねません。
ココへ来てイキナリアメリカが日本に長年供与していたプルトニームの返還を要求し始め,しかもこれを何故かマスコミにリークしている動きが不気味です。

「核物質や原子力施設を防護・保全する「核セキュリティー」を重視するオバマ米政権が日本政府に対し、 冷戦時代に米国などが研究用として日本に提供した核物質プルトニウムの返還を求めていることが26日、分かった。
複数の日米両政府関係者が明らかにした。
 このプルトニウムは茨城県東海村の高速炉臨界実験装置(FCA)で使う核燃料用の約300キロ。 高濃度で軍事利用に適した「兵器級プルトニウム」が大半を占め、単純計算で核兵器40~50発分程度に相当する。
 日本側では返還に反対する声も強かったが、米国の度重なる要求に折れて昨年から返還の可能性を探る協議が本格化している。 」
2014/01/26 18:24【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201401/CN2014012601001661.html

米中密約・・将来どんなに日中が対立しても、日本には核兵器を絶対作らせない約束・・中国がどんなあくどいことをしても日本が絶対に抵抗出来ないようにしておいてやる密約・・中国支配を強固ならしめるお墨付きが出来上がっていて,中国からその証を要求されていてその約束履行を始めた可能性があります。
昨日追記で紹介したヤルタ密約協定の現在版です。
アメリカが中国の西太平洋支配を認めるべきか否か判断がつかない・・どちら着かずの状態の場合、決定的に中国とことを構えたくない・巻き込まれたくないという半端な状態なので靖国参拝程度でも「失望した」という本音になるのでしょう。
ただし、従来共和党時代にはノーコメントだったのに、今回敢えて国家として本音をつぶやく必要があったのかの疑問は残ります。
対中国での何らかの秘密約束に対する履行表示を、中国に迫られた結果だった可能性があります。

価値観外交に頼る危険性12(米中韓の一体性4)

東南アジア諸国ではモロに日本の協力による独立運動の成果があったので、日本は救国の恩人であって、植民地支配などと非難されていません。
朝鮮の場合、日本から追い払われた旧支配層が日本に恨みを持っていることが現在反日運動の根っこです。
朝鮮支配層の自己保身の動きを事大主義と定義されていますが、このような自己保身策自体はどこの植民地有力者にもあったことです。
多数の地元有力者の中でうまく欧米列強に取り入るのに成功した方が、支配者になった英仏等に大事にされて中東諸国等で王家創設しているのが現実です。
旧支配層・朝鮮王族およびヤンパン層は既得権益死守が第一の目標ですから,日本と共同して欧米に対抗するために近代化を目指すよりは(日本からの近代化提案を拒否するための口実もあって)清朝の直接属国化を進め(それまでは朝貢関係程度の緩やかな上下関係でした)何事も清朝の同意がないと応諾出来ないということになって行きました。
これに清朝が乗っかって属国化を進めたことが日清戦争の契機となり、清朝が日本に敗れて朝鮮が折角独立が認められると、今度はロシアの保護下に突き進んだので民族自尊派が日本に救援を求めて、これが日露戦争の直接の原因になりました。
明治以降の日本の日清・日露戦争は、恩知らずな朝鮮の動きに振り回されたものですから、今度朝鮮戦争が起こっても日本は中立を守るのが得策です。
何のためにアメリカによる韓国支配の協力をさせられるのか理解出来ません。
「占領された国であるから占領軍の先陣を勤めろ」という自分勝手な論理しか考えられません。
「共産主義から守る」ためと言うアメリカの主張が、戦時中に国共合作を画策したときから本来無意味になっています。
戦後アメリカがベトナムに介入したりして来たのは何だったのか・・共産主義から守ったのではなく、アメリカの傀儡になっている軍事政権を守るためでしかなかったことになります。
米軍が撤退して北ベトナムに併合されても世界にとって何も関係がなかった・・今やベトナム全体が自由主義経済に入っていますし、結果的に米軍介入は欧米支配・・既得権益を確保し続ける意味しかなかったことが分ります。
アメリカは自国の都合次第で、共産主義者を味方にしたり敵にしたりしているご都合主義の国です。
ミャンマーはイギリスに対する独立戦争が厳し過ぎたので、スーチー氏を傀儡にして軍政を口実にあれこれと嫌がらせをしてきましたが,非民主国だと言い出したら今の中国だって同じです。
その中国とは既に30年ほども前から蜜月関係になっています。
英米の植民地支配に唯々諾々と従う国かどうかを基準にしていることが明白です。
現在の太平洋二分論・・共産主義の中国と手を組む恐怖の根源は、アメリカのご都合主義(本当は民主主義・自由主義と言う価値観にこだわらない・・信用出来ないところ)に遠因があります。
こんな自分勝手な国の都合で自由主義国を守るためと言う名目につられて、日本批判ばかりしている韓国の応援などする意味があるでしょうか?
アメリカは日韓が揉めていると困るからと言う名目で日本にばかり自粛・・即ち「いつも韓国の言うとおり認めろ」という結果を求めていますが、日韓が揉めていると困るのは日本ではなく韓国でしかない・・日本は別に韓国に応援してもらう関係ではありません。
揉めていると困る方に自粛を求めるのが普通の道理ですが、韓国の無茶苦茶な日本批判には黙っていて無茶言われている日本には自粛ばかり要求する道理に反したアメリカの要求は、何かしらの日本に対する悪意しか感じられくなっているのが大方の日本人ではないでしょうか?
中国による日本に対する無茶な要求があっても、大方は日本に自粛を求める仕組みです。
共通項は、第二次世界大戦での対日連合の枠組みに対する借りがあるからではないでしょうか?
ヤルタ協定に基づく戦後秩序は確固としてまだ残っている・国連の敵国条項を残したままであることに注意する必要があります。
これまで書いていたように大戦時の秩序・ヤルタ会談の構成員の共通項は民主主義の価値観と関係がない山賊連合であったことを肝に銘じるべきですし,アメリカは今もそれに引きずられこだわっていることになります。
※ 追記
2月6日のMSNニュースによれば、私の個人的感想で書いていたに過ぎないヤルタ会談・協定に対する評価・・山賊的山分け合意に過ぎないという私の意見が,このニュースでも公式に裏付けられていることが分りましたので,追記しておきます。

米極秘文書「北方四島は日本保持」 諜報駆使、スターリン熟読
2014.2.6 09:35 (1/4ページ)[領土・領有権]
「国務省はクラーク大学のブレイクスリー教授に委嘱して千島列島を調査し、44年12月に「南千島(歯舞、色丹、国後、択捉の4島)は地理的近接性、経済的必要性、歴史的領土保有の観点から日本が保持すべきだ」との極秘報告書を作成、ヤルタ会談前にルーズベルト大統領とステティニアス国務長官に手渡した。
「ステティニアス国務長官の首席顧問としてヤルタに随行したヒスは、国務省を代表してほとんどの会合に出席し、病身の大統領を補佐した。会談19日前、米国の立場に関する全ての最高機密ファイルと文書を与えられ、ヤルタ協定の草案も作成している。そこで北方四島を含む千島列島引き渡しのアウトラインを描いた可能性が高い。ルーズベルトが国務省文書を一顧だにせず北方領土を引き渡した背景にスターリンの意をくんだヒスの働きがあったといえる。
 このヤルタ密約を根拠にソ連は、北方四島を占領し、現在も後継国家ロシアは「第二次大戦の結果、自国領になった」と北方領土を領有する歴史的正当性を主張し続けている。プーチン大統領も「ロシアが積極的な役割を果たして達成したヤルタ合意こそ世界に平和をもたらした」と評価し、31日の日露次官級協議でもヤルタ密約をサンフランシスコ講和条約、国連憲章の旧敵国条項などとともに根拠にあげたもようだ。
 しかし、そもそもヤルタ密約は、連合国首脳が交わした軍事協定にすぎず、条約ではないため国際法としての根拠をもっていない。さらに当事国が関与しない領土の移転は無効という国際法にも違反しており、当事国だった米国も法的根拠を与えていない。共和党アイゼンハワー政権は1956年、ヤルタ秘密議定書は、「ルーズベルト個人の文章であり、米国政府の公式文書ではなく無効」との国務省声明を発表。2005年にはブッシュ大統領が「史上最大の過ちの一つ」と批判している。」

山賊的山分けに過ぎないとまでは言わないまでも、他人の領土を勝手に分けることは許されないと言う意見でアメリカ自身が決まっていることが分ります。

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。