第三者委員会の役割6(個別意見1)

ただし、第三者委員会の中には法律家的手堅いばかりの見解発表に飽き足らない人がいたらしく、個人意見も併記されているのでそこに法律家以外のある程度の本音が出ています。
(法律家に議論を主導してもらうのは、・・余計なことを言わないので経営者・渦中の企業には重宝な存在ですが、それでは国民の本当に知りたいことがうやむやになる・・時間稼ぎじゃないかと言う批判が起きて来るでしょう。)
以下見解中の個人意見部分抜粋です。
15 個別意見
(1) 岡本委員 記事に「角度」をつけ過ぎるな
我々の今回の検証作業に対して、朝日新聞社はまことに誠実に対応した。新しい方向へ レールが敷かれた時の朝日の実行力と効率には並々ならぬものがある。しかしレールが敷 かれていない時には、いかなる指摘を受けても自己正当化を続ける。その保守性にも並々 ならぬものがある。
吉田清治証言を使い続けた責任は重い。しかし、同様に国際的に大きなインパクトを与 えたのは、1992年1月11日の「慰安所 軍関与示す資料」と題して6本の見出しを つけたセンセーショナルなトップ記事だ。数日後の日韓首脳会談にぶつけたこの報道は、 結果としてその後の韓国側の対日非難を一挙に誘うことになった。(同記事の問題点については本報告書をお読みいただきたい)。
当委員会のヒアリングを含め、何人もの朝日社員から「角度をつける」という言葉を聞 いた。「事実を伝えるだけでは報道にならない、朝日新聞としての方向性をつけて、初め て見出しがつく」と。事実だけでは記事にならないという認識に驚いた。
だから、出来事には朝日新聞の方向性に沿うように「角度」がつけられて報道される。 慰安婦問題だけではない。原発、防衛・日米安保、集団的自衛権、秘密保護、増税、等々。 方向性に合わせるためにはつまみ食いも行われる。(例えば、福島第一原発吉田調書の 報道のように)。なんの問題もない事案でも、あたかも大問題であるように書かれたりも する。(例えば、私が担当した案件なので偶々記憶しているのだが、かつてインド洋に派 遣された自衛艦が外国港に寄港した際、建造した造船会社の技術者が契約どおり船の修理 に赴いた。至極あたりまえのことだ。それを、朝日は1面トップに「派遣自衛艦修理に民 間人」と白抜き見出しを打ち、「政府が、戦闘支援中の自衛隊に民間協力をさせる戦後初のケースとなった」とやった。読者はたじろぐ)。」

(2)北岡委員
現代におけるジャーナリズムの責任
今回の従軍慰安婦報道問題の発端は、まず、粗雑な事実の把握である。
吉田証言が怪しいということは、よく読めば分かることである。従軍慰安婦と挺身 隊との混同も、両者が概念として違うことは千田氏の著書においてすら明らかだし、 支度金等の額も全然違うから、ありえない間違いである。こうした初歩的な誤りを犯 し、しかもそれを長く訂正しなかった責任は大きい。
類似したケースはいわゆる「百人切り」問題である。戦争中の兵士が、勝手に行動 できるのか、「審判」のいないゲームが可能なのか、少し考えれば疑わしい話なのに、 そのまま報道され、相当広く信じられてしまった。

第二の問題は、キャンペーン体質の過剰である。新聞が正しいと信じる目的のため に、その方向で論陣をはることは、一概に否定はできない。従軍慰安婦問題を取り上 げて、国民に知らしめたことは、それなりに評価できる。
しかしそれも程度問題である。1971年9月に中国の林彪副主席が失脚したとき、 世界のメディアの中で朝日新聞だけが林彪健在と言い続けた。そして半年後に、林彪 の失脚は分かっていたが、日中関係の改善に有害なので報道しなかったと述べた。同 様のおごりと独善が、今回の従軍慰安婦報道についても感じられる。
第三に指摘したいのは、物事をもっぱら政府対人民の図式で考える傾向である。
権力に対する監視は、メディアのもっとも重大な役割である。しかし権力は制約すればよいというものではない。権力の行使をがんじがらめにすれば、緊急事態におけ る対応も不十分となる恐れがある。また政府をあまり批判すると、対立する他国を利 して、国民が不利益を受けることもある。権力批判だけでは困るのである
第四に指摘したいのは、過剰な正義の追求である。
従軍慰安婦問題において、朝日は「被害者に寄り添う」ことを重視してきた。これ は重要な点である。
しかし、被害者によりそい、徹底的な正義の実現を主張するだけでは不十分である。 現在の日本国民の大部分は戦後生まれであって、こうした問題に直接責任を負うべき 立場にない。日本に対する過剰な批判は、彼らの反発を招くことになる。またこうし た言説は韓国の期待を膨らませた。その結果、韓国大統領が、世界の首脳に対し、日 本の非を鳴らすという、異例の行動に出ることとなった。それは、さらに日本の一部 の反発を招き、反韓、嫌韓の言説の横行を招いた。こうした偏狭なナショナリズムの 台頭も、日韓の和解の困難化も、春秋の筆法を以てすれば、朝日新聞の慰安婦報道が もたらしたものである。
かつてベルサイユ条約の過酷な対独賠償要求がナチスの台頭をもたらしたように、 過剰な正義の追求は、ときに危険である。正義の追求と同時に、日韓の歴史和解を視 野にいれたバランスのとれたアプローチが必要だった。
第五に、現実的な解決策の提示の欠如である。 アジア女性基金に対して当初取られた否定的な態度は残念なものだった。 日韓基本条約によって、個人補償については解決済みであり、それ以後の個人補償については、韓国政府が対応すべきだというのが日本の立場である。この立場と、人道的見地を両立させるために、政府はアジア女性基金という民間と政府が共同で取り 組む形をとり、国家責任ならぬ公的責任を取ることとしたのである。公的責任という のは、必ずしも悪い方式ではない。ドイツのシーメンス等もこの形であった。これを 否定したことは、韓国の強硬派を勇気づけ、ますます和解を困難にしたのである。
なお、国家補償が最善であるという立場には、疑問もある。すべてを国家の責任に すると、その間で違法行為に従事し、不当な利益を得ていたブローカー等の責任が見 逃されることにつながらないだろうか。
第六は論点のすりかえである。
今年8月5日の報道で朝日新聞は強制連行の証拠はなかったが、慰安婦に対する強制はあり、彼女たちが悲惨な目にあったことが本質だと述べた。それには同感である。 しかし、第1次安倍内閣当時、安倍首相が強制連行はなかったと言う立場を示したとき、これを強く批判したのは朝日新聞ではなかったか。今の立場と、安倍首相が首相として公的に発言した立場、そして河野談話継承という立場とどこが違うのだろうか。
朝日新聞にはこの種の言い抜け、すり替えが少なくない。 たとえば憲法9条について、改正論者の多数は、憲法9条1項の戦争放棄は支持するが、2項の戦力不保持は改正すべきだという人である。朝日新聞は、繰り返しこ うした人々に、「戦争を放棄した9条を改正しようとしている」とレッテルを張って きた。9条2項改正論を、9条全体の改正論と誇張してきたのである。要するに、自らの主張のために、他者の言説を歪曲ないし貶める傾向である。 安倍内閣の安全保障政策についても、世界中で戦争ができるようにする、という趣旨のレッテルが張られている。人命の価値がきわめて高く、財政状況がきわめて悪い 日本で、戦争を好んでするリーダーがいるはずがない。これも他を歪曲する例である。 これらは、議論の仕方として不適切であるのみならず、国論を分裂させ、中道でコンセンサスが出来ることを阻む結果になっていないだろうか。」

植村記者問題8(挺身隊表記とキーセン経歴不記載)

植村記者問題に戻ります。
挺身隊問題は1月17日に書いたので、今回はキーセン経歴の不記載問題です。
キーセン学校生であった事実を伏せた点について、
この点「さほど重要な事実ではないと考え、特に触れることなく」書かなかったと植村記者は言い「見解」も肯定するかのような記載です。
(正当化まではしていませんが・・)
以下のとおり、キーセンと言えば日本でも(依頼者がしょっ中キーセン旅行の話をしていたので全く遊ばない私でも知っていましたから・・)キーセン旅行はかなり流行していて韓国で(慰安婦取材→風俗系・売春関連の)取材活動していた彼が、キーセン学校と売春婦との重大な関連を知らなかったことはあり得ないと思われます。
(知り尽くしているからこそ記事にしなかったのではないか→でっち上げの疑いが問題にされているのです)
以下ウイキペデイアからの引用です。
キーセン制度は古くからありますが、植村記者の書いた1991年ころの状況は以下のとおりです。

大韓民国の妓生・キーセン[編集]
韓国軍慰安婦[編集]
「韓国軍慰安婦」および「在韓米軍慰安婦問題」を参照
大韓民国の成立後に朝鮮戦争が勃発し、戦火で焼き尽くされた国土の復興には莫大な費用が必要になった。朴正煕大統領は、日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約で獲得した資金を元に復興を進め、在韓米軍を新たな復興への資金源として見出した。当時、駐留米軍に対する風俗店は、朝鮮語でヤクザと呼ばれる非合法の犯罪組織が関与しており、莫大な金額が地下に流出していた。これを一斉に摘発し、新たな国営の娼館制度を代わりに据え、外貨獲得を行った。これが便宜的に国営妓生と呼ばれる制度であり、更なる外貨獲得を目指して、一時はベトナム戦争時など海外にも派遣された。
「キーセン観光」[編集]
日本が復興し、海外旅行が再開されると、日本からの観光客に対しても、国営妓生が使われた。1990年代まで、キーセン旅行と呼ばれるほど韓国旅行が風俗旅行と同等の意味を持っていたのはこのためである。 交通公社や近畿日本ツーリストの旅行では、羽田発二泊三日で35,000円位、「妓生」と見合いの後、夕食が終わるとホテルに「妓生」が来た。夜の街に出たり、部屋で駄弁ったりして、翌朝まで一緒にいて、30,000円を要求された。
夜の町に一人で出ると、屈強な男性(人は警察官という)が尾行してきた。おかげで、安心して横町の屋台などで、ソウルの夜が楽しめた。生きたまま刻んだタコを食べたり、直ぐにできるオーダーメイドのシャツを買ったりして、ホテルに戻ってベッドに入るとボーイがドアをノックして来た。「お一人ですか?お寂しくないですか?」ドアーの上の回転窓には、当時日本ではやったジーンズのジャンパーなど羽織った2人位の女性がボーイの後ろで、壁に体を寄せて控えている。
深夜2時過ぎまで、何度もボーイのノックがあった。ボーイにも歩合が入るようであった。業者は、「妓生」とは言わず、「姫様」と呼んでいた。」

強制連行があったかどうかが厳しく争われている最中の日本で、名乗り出た女性が、キーセン(日本で言えば売春婦?)であったか否かは、決定的重要性を持っていたことは明らかです。
素人でもキーセン旅行を知らない人がいないほどキーセンの存在が有名だった当時の日本で、慰安婦専門取材記者として?わざわざ呼び寄せられた(韓国に何回も行っているはずの)植村記者が、韓国売春業界の実態を知らない・・関連性を知らない筈がないと理解するのが普通です。
気にしなかったと言う単純な説明のままでは、信用する人は少ないのではないでしょうか?
そこから不自然過ぎる・・キーセンの経歴を記事にすると強制連行された慰安婦ではなくなってしまうので、記事から故意に割愛したと推測されているのでしょう。
慰安婦強制の有無が大問題になっている最中に、強制を連想させる方向では書かなくても良い「挺身隊」と書いたり、「連行」と書き過ぎているのに慰安婦強制の有無に不利な事情になるとうっかり書かなかったことになるのでは、1方向に偏り過ぎているので、故意的方向付け=でっち上げと評価・批判されている原因ではないでしょうか。

高飛車に出た中韓の誤算5(ドイツからの技術移転?)

元々同一民族間でさえ階層を固定したい欧米人が、異民族・異教徒で蔑視しているアジア現地に技術移転する気持ちなど元々あり得ない発想でした。
・・私欲を離れて現地人のために骨を折ろうとする日本人のような普遍的思想(世界中で希有でしょうが・・)の持ち主ではありません。
基本的姿勢が違うのですから、日本の代わりにドイツに頼っても、最低限技術移転・大した成果は得られないでしょう。
まして環境や省エネ技術では、ドイツは日本に遠く及びません。
目先利益中心・・ゲンキンを絵に描いたような民族である中国では、これまで環境破壊し放題で、放置して来たツケが回って来て、生存の危機が目前に迫っている・・最早一刻も放置出来ない危機段階です。
この緊急事態下でドイツから、日本に代わってどう言う技術を移転してもらえるとマスコミが主張しているのでしょうか?
日本が簡単に屈服して来ないので、投資を呼び込むことも出来ないで、中国政府は困りきっているものの、政権基盤が弱くて妥協出来ないために、裏で泣きついているのが中国政府の本音とみるべきでしょう。
韓国政府も同様です。
韓国の方は、中国のような将来性と言う懐の大きさがない分、このまま長引くと大変で・・北朝鮮のように世界から忘れられて行くでしょうから、内心必死です。
朴大統領は政治家らしくなく、ストレートに表現してしまっているので、簡単に軌道修正が出来ません。
韓国が軌道修正しないで「百年でも千年でもそのままでいてくれ!」と期待している国民が大多数でしょう。
なまじ大統領が代わって、上っ面だけぺこぺこして来られる方が始末に困ります。
支配地の政策に戻りますと、日本が朝鮮半島や台湾あるいは東南アジア諸国で庶民まで平等教育した遺産が残って、困ってしまったのが欧米旧植民地支配国と韓国の旧ヤンパン階級(支配層)でした。
韓国旧支配層や東南アジア旧植民地支配国では、特権的地位を奪われた点での共通の恨みがあるので、これを利用して韓国は執拗に日本攻撃をしていると思われます。
欧米は遠くの植民地のことだったので、時間経過で恨みが薄れつつあるようですが、(と言うより今さら植民地支配復活を主張することが出来ないだけかも知れません・・それでも昨年だったか?日本訪問したオランダ女王が日本軍に植民地インドネシアから追い出された恨みは忘れないと言う意味の挨拶をしたと報道されています)韓国旧支配層はそこに住んでるので、「世が世なれば・・」と言う恨み骨髄のママなのでしょう。
独立・大韓民国成立後直ぐに漢字教育を廃止したのは、この巻き戻し・・庶民に対する愚昧政策復活を狙ったものと言えるかも知れません。
戸籍謄本を見ても地名と氏名程度しか漢字を書いてません。(戸籍制度を廃止したことを以前紹介しましたがその前の経験です)
漢字を教育しないだけではなく、いろんな文書がハングル中心になっていて、日常的に漢字に接しない状態ですから自然に身に付くチャンスもありませんから大変です。
今では殆どの国民は、漢字を読めない・・日本で言えば「ひらがな」しか知らない民度ですから、大韓民国成立前の文献をマトモニ読めない・・無茶苦茶な創作歴史認識を信じている状態・・教育レベルです。
表意文字だけで思考を深めるのは困難ですから、歴史文書に限らず抽象的思考の深化には困難さがつきまとうことが明らかです。
そのように理解すれば、日本支配でひどい目にあったと言う韓国(旧支配層)の主張は噓__でっち上げではなく本当のことであって・・逆恨みではありません。
不思議なのは、日本統治下で平等教育を受けていろんな分野の平等化進行で恩恵を受けた庶民までが、支配層やマスコミの煽動に乗って本気?で日本憎しになっているレベルの低さです。
台湾では、日本統治時代を批判しようとする蒋介石・国府軍の政策に台湾人が反発して沙汰ヤミになったことを以前書いたことがあります。
蒋介石の場合、中共群と言う正面の敵を抱えていた上によそ者・・占領軍でしかない弱みがあるのとの違いでしょうか?
西洋も日本によって植民地・人種的優位性を失った恨みは共通ですから、韓国は、世界中が今でも日本の敵だと信じているのです。
しかし、今や世界は欧米だけではありません。
日本の進出によって植民地支配から解放されて喜んでいる東南アジア諸国も世界の一員です。
中韓両国は結果的に植民地支配を懐かしむ欧米価値観をバックにして日本批判しているのですから、元被植民地諸国のアジアで孤立しているのは、中韓両国となっているのが現実です。
話が飛びますが、戦後レジーム・・戦勝国史観と一般に言いますが、要は植民地を象徴とする特権的地位を失った諸国が、報復感情で充満したレジームと言うことではないでしょうか?
韓国や中国が自国等に対する帝国主義的旧支配階層・・実は中国を事実上の植民地化して駐屯していた諸外国軍を追い出したのは日本軍でした・・この結果、日本がいなくなって完全独立出来た点は、東南アジア諸国と同じです。
中韓では、高圧的な支配に対して、台湾のように反抗出来ない程、専制政治に対して弱過ぎるのが哀れです。
戦後中国支配下に入った内モンゴルでは日本支配時代を良く思う人民が多かったので、日本によって文字教育を受けた人民がほぼ皆殺しにされたと亡命者が証言しています(この方法をポルポト政権が見習ったと思われます)し、旧満州でうっかり日本時代を賛美しょうものなら大変な目にあうので・女真族は差別や迫害を受けるので漢人に同化しているフリをしてみんな沈黙していると言われます。
数年前に韓国の高齢者が若者に「戦前の日本統治は良かった」と言って、殴り殺された事件がありましたが、根が同じです。
チベットやウイグル族が迫害に抵抗している状態が報道されていて大変な印象を受けますが、彼らはまだ抵抗出来るだけマシな民族かも知れません。
追記
1月23日MSNをみると以下のネット情報が出ています。
http://www.msn.com/ja-jp/news/world/【【河村直哉の国論】南京「30万人」固執する中国は「モンゴル人30万人」を虐殺した 文化大革命…今なおチベットなどジェノサイド

【河村直哉の国論】南京「30万人」固執する中国は「モンゴル人30万人」を虐殺した 肛門に焼いた鉄、獣姦…文化大革命、なおチベットでジェノサイド:
南モンゴル出身で、自らを「亡国の知識人」とみなしている静岡大学教授の楊海英氏。「狂暴国家 中国の正体」(扶桑社)や「モンゴル人ジェノサイドに関する基礎資料」(風響社、写真)などを出版している© 産経新聞 提供 南モンゴル出身で、自らを「亡国の知識人」とみなしている静岡大学教授の楊海英氏。「狂暴国家 中国の正体」(扶桑社)や「モンゴル人ジェノサイドに関する基礎資料」(風響社、写真)などを出版して・・

高飛車に出た中韓の誤算4

中国への投資激減については20日に見ましたが、対韓国投資・・韓国経済はどうなっているでしょうか?
新聞等ではトーレが進出を決めたとか華々しい報道が盛んですが、実態(トータル傾向)は以下のとおりです。
以下は外務省からの引用です。(14年分はまだ出ていません)
外務省
大韓民国(Republic of Korea)
基礎データ

(1)日本にとって韓国は第3位の,韓国にとって日本は第3位の貿易相手国。日本側統計では,2013年の二国間の貿易総額は対前年比10.6%増の約9.01兆円。2013年の対韓投資額は前年比40.8%減の26.9億ドルであった。(日本は第2位の投資国)。2013年韓国の対日直接投資は6.9億ドルである。

対韓国投資が13年時点で既に4割も減っています。
投資がなければ、技術移転が殆ど見込めません。
現地製造によってこそ、そこで製造に参加する技術者に技術移転が根付くものです。
対中投資しなければドイツにやられてしまうかのように煽る記事が多いのですが、中韓独が組めば、彼らによる経済発展が可能でしょうか?
韓国企業は中程度の技術国(これも日本からの移転で自前技術が少ないのでその先への発展能力が限定されていますの)で、これを移転すると、中国現地企業と自国企業が競合する関係ですから、技術移転するどころではありません。
(実際に競合が始まって困り始めているので、韓国は日本から更なる高技術導入を焦って日本威迫をしていたのです)
以下はネットからの引用です。
http://biz.searchina.net/id/1556533?page=1
「メイド・イン・コリア」が国際市場から締め出されつつある!?=韓国
2015-01-09 06:36

「中国メディアの中国日報網は7日、韓国の中央日報の報道を引用し、韓国産業技術評価管理院が142種類の技術に対して行った調査の結果、韓国が最先端の技術を有する分野は未来型船舶の1分野だけだったと伝えた。
さらに記事は、海外市場において現在、「メイド・イン・コリア」の足元がふらついているとし、「かつて日本製品を締め出したのと同様に、現在では中国製品によって韓国製品が国際市場から締め出されつつある」と論じた。
続けて、韓国産業技術評価管理院の分析を引用し、中韓の技術的な差は時間にしてわずか2年ほどであるとし、バイオ分野においては0.7年ほどだと指摘。さらに韓国の輸出の主力製品である半導体や自動車分野においても1.5年ほどだとし、中央日報が「中国は2年以内に主要産業のすべてにおいて韓国に追いつく可能性が高い」と警戒感を示したことを紹介した。」

韓国代表企業であるサムスンは、日韓対立激化によって、日本からの最新技術導入が13年以降滞るとたちまち2014年から、売上減少に陥り始めました。
技術流出停滞と言っても、公式契約による流出の停滞ではなく、日本技術者が高額アルバイト等につられて土・日曜日等に韓国へ通う形で、サムスン等に(企業秘密の持ちだし?脱法的に)高度技術を移転することが多かったのですが、嫌韓ムードが高まると、後ろめたい気持ちが高まって来て、技術流出・協力者が減って来て滞り始めたのです。
日本は反日運動を続ける韓国へ技術移転する必要がないので、アップルや中国企業(小米)に先端製品を直接納品するようになりました。
サムソン電子は昨年あたりから、日本技術導入(盗用を含め?)が停滞し始めると新製品の方が旧型よりはレベルダウンしていると言う噂が流れていて、これでは新製品発売ごとに売上が下がって行く心配があります。
このために昨年の報道では、同社の研究開発部門を横浜に設置すると発表しています。
強気一点張りの韓国政府対応では、嫌韓意識が高まって技術導入が難しくなったので研究開発部門を日本に移転して、日本人を雇用して日本技術を公然と入手するしかなくなったと言えます。
別の角度からみれば韓国企業自身が韓国を見放し始めたと言えます。
ただ、横浜にせっかく研究所を設置してもさらに嫌韓意識が高まると、マトモな研究者は韓国企業に就職するのを敬遠するでしょうから、4〜5流人材を割高で雇用するしかなくなる可能性があります。
次にドイツの役割ですが、・・・西洋は、本質的に技術移転に消極的・親切ではありません。
日本が東南アジア諸国に進出するまでの植民地支配では、数百年単位で奴隷的支配・現地人愚昧化政策をして来て、初等教育すらしなかった・・格差拡大を計るのが西洋諸国の本質です。
西欧は、異民族対策として差別を行なって来ただけではなく、国内でも差別が基本で今でも階層社会が厳然として残っていることを、以前ココシャネルのコラムで紹介しました。
欧米は、創意工夫を奨励していますが、儲けの拡大・固定こそが彼の生き甲斐・究極の目的のように見えますから、その純粋発展型ブレーキの利かないアメリカ社会で格差が巨大になっているのはその結果です。
アメリカの場合、伝統的支配階層がないものの格差そのものを固定化することに(鉄鋼王・石油王と言うように一代で富を築くと、その富みの継承に)熱心です。
西洋では古い建物を何代にもわたって利用しているのを見かけますが、観光客には落ち着いたいい面もあるものの、これを支える経済制度面でみれば、相続税が低い点にあると言えます。
階層社会とは、先祖代々の地位を継承し易い社会のことですが、地位承継の核になるべき経済的遺産の継承制度を容易にする社会では、階層・身分社会が形成され温存され易くなります。
相続を出来るだけ寛容に認める社会は、財産に限らずいろんな価値を相続出来る人と出来ない人の生まれつきの格差・・温存され易い社会です。
長子単独相続制を改めた点では子らの間・・兄弟姉妹間の平等を実現しましたが、他人間の格差是正・・所得再分配には相続税のあり方が修正要素になります。
以下は、各国の相続税率に関する1月18日現在のウイキペデイアからの引用です。

(注5) アメリカでは、2010年に遺産税は一旦廃止されたが、2011年に、基礎控除500万ドル(5億円)、最高税率35%で復活した。当該措置は2012年までの時限措置であったところ、2013年以降については、2012年米国納税者救済法により、基礎控除500万ドル(5億円)は維持しつつ最高税率を40%へ引き上げることとされた。

相続税制のあり方こそが、富みの継承に関する国民意識の現れです。
ウイキペデイアの上記解説では基礎控除の正確な意味が不明ですが、日本で5億円(1ドル120円ならば6億円)も基礎控除があると、殆どの人が相続税を払わなくて良い社会では、世代間の格差固定に繋がってしまうでしょう。

高飛車に出た中韓の誤算3

日経新聞をみていると韓国企業躍進とドイツの対中投資がふえているから、日本が進出しなくとも高度技術導入に中国は困らない・・日本は置いてけぼりを食うかのように、陰に陽に対中投資をするべきだと言う不安を煽る記事が脈絡もなくしきりに出現しています。
昨日朝刊に1面には如何にも中国主導の第2アジア開発銀行に乗り遅れると大変だと言うような印象を振りまく記事が出ていました。
中国のGDPが日本の2倍になったと言う記事も時々出ますが、これもその一種です。
中国の統計は地方政府報告の積み上げから中央が適当に割り引いて発表しているに過ぎないのは、周知のとおりであって、何の価値もありません。
最近の発表では統計が当てにならないので、GDP統計からどう言う数字的根拠か知りませんが100兆元ほど差し引くことになったと報道されています。
適当に合計から100兆元引いた数字にすると言うのですから、中国の統計はデータに基づかない当てにならないことは世界の常識になっているのですが、マスコミはその点には触れません。
(別のところで書いているのかも知れませんが、別のところでこっそり書いておけばいのではなく、2倍になったと大きく報じる記事内に同時に書くべきでしょう・・この辺は年末のコラム「羊頭狗肉」以来批判しています)
これらの記事を見ていると「如何に中国の発展が凄まじいか・・乗り遅れるな」と言うメッセージを言外に宣伝したい印象が伝わってきます。
また、歴代政権と違い中韓の言うとおりに謝ろうとしない安倍政権の存在こそが中核的攻撃対象でしょうから、政権崩壊を狙う記事も脈絡なく出没します。
増税強要宣伝・包囲網造りは、その大きな一環だったと思いますが、安倍総理による解散戦略で裏をかかれた後は、年末年始にかけて安倍のミクス批判・・円安のマイナス効果ばかり連載的に取り上げていたこともその一つです。
総選挙の頃には、アベノミクスと言っても非正規雇用が増えているだけ?かのような批判をしていましたが、私のコラムのような批判が増えた結果と思いますが、趣向を変えて、1昨日ころには、大卒就職者の非正規雇用率が上がっていると別の角度から書いていました。
朝日のよう系統だって書くと、中国や韓国のスパイか?と批判されるからか、あちこちに脈絡なしにパラパラと出している印象です。
テレビで多用されるサブリミナル効果を狙っているのでしょう。
マスコミの情報操作の問題点を年末から連載していましたが、今その途中で本来のテーマに戻ってきました。
マスコミが中韓との対立に対する不安を煽り、中国が高度技術移転はドイツに頼るから日本は置いてけぼりを食うと言っても、今後必要になる環境技術=省資源=低コスト製造技術で日本に太刀打ち出来る国がありません。
金額面で言っても世界中からの対中投資は数字の上でも日本が圧倒しているのですから、日本が引いてしまうと韓国やドイツ程度の国が2〜3割増やす程度では肩代わり出来る能力がありません。
(1位の香港は金融資本中心でしょうし、シンガポールも商業資本中心ですから技術移転には向きません)
「2013 年6月日本貿易振興機構(ジェトロ) 海外調査部 海外調査部 中国北アジア課のデータ」で対中投資比率をみると以下のとおりです。

順 位 2012年
国・地域名    実行額  構成比  前年比
1 香港     71,28   63.8  △ 7.4
2 日本     7,380   6.6   16.3
3 シンガポール 6,539   5.9   3.3
4 台湾     6,187   5.5   △ 8.0
5 米国     3,130   2.8   4.5
6 韓国     3,066   2.7   20.2
7 ドイツ    1,471   1.3   29.5
8 オランダ   1,144   1.0   49.2
9 英国     1,031   0.9  △ 36.0


中国はより高度技術移転を有利な条件で求めるための高圧的攻撃をしたことが、逆に普通の投資さえ抑制される結果になってしまって困っているのが現実です。
(実力のママ日本に辞を低くしてお願いすれば、日本は気持ちよく応じたでしょうが、GDPで日本を抜いたと思ったらイキナリ偉くなったつもりで、高圧的に立ち回ってよりよい条件で技術を手に入れようと目論むから失敗してしまったのです。)

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。