マスコミの役割1(統計開示1)

1月2日以来書いているように、日経新聞も統計データに基づく意見であるかのような書き方ですが、結論の導き方がおかしい・・角度をつけているように思えます。
(読売、産経、毎日等を購読していないのでその他は知りませんが・・)朝日新聞に限らずマスコミ界全般で事実のつぎはぎでも良いから、どうやってマトモな政策に反対して日本を駄目にするかの競争・・・民族が如何に駄目か、どうやって誹謗するかの競争でもしているのかな?と疑いを持つ人が増えている状態です。
マスコミの使命は(自社意見・バックの支配勢力に都合良いように「角度をつけて」つぎはぎ的報道をするのではなく)先ず事実全部を客観的に報道すべきではないでしょうか?
事実には意見がつきものですし、事実そのものの報道でも一定の方向の事実ばかり報道をすれば偏った誘導になります。
意見の前提たる事実は客観的に報道すべきです。
新聞社は放送法の縛りがないので偏った意見を書いても良いのですが、中立を装って事実報道を歪めるのは一種の詐欺行為です。
1月28日日経新聞朝刊には石油業界だけで原油安による評価損で1兆円と1面大見出しになっていました。
業界別に原油安による恩恵の方が大きい業界と少ない業界がありますから、書くならば、日本全体の原油安による損益を書くのが合理的ですし公平です。
大雑把に言えば、08年の1バレル148ドル→直近高値約100円台から現在では、45円前後の相場に下がっているので、年間輸入額が約6割安くなるのですから、日本経済でそれだけ・・恩恵があることになります。
ちなみに年間石油輸入額は、世界ネタ帳のデータによれば13年の輸入額は、174,116,36万USドルです。
28日午後の円相場は1ドル118円10銭前後ですから、(正確には年平均ではありませんが・・この種のデータが出ていないので)14年に同量を輸入していれば、約20兆円あまりの輸入額になっていたことになります。
これが約4割になっているのですから、約12兆円の国内経済メリットがあったことになります。
(その他原油連動性のある天然ガスその他資源価格下落のメリットも出て来ます。)
石油業界の損失の大きな原因は約70日分の備蓄の評価減によると思われますが、(上記記事にもそのように書いています)備蓄はいつも一定量維持すべきものですから、相場が上がろうが下がろうが売り抜け出来ないので、短期評価対象にするのは合理的はありません。
今の会計基準が変わっているのか否かを知りませんが、販売用不動産などと違い、工場用地の不動産なども時価評価ではなく取得価格評価して来たと思います。
販売用でない備蓄原油をあえて新聞で1面トップに大げさにに書くこと自体が、一定のイデオロギーを表しています。
これを除くと海外先行契約分や海外資産保有評価減でしょうが、これは微々たるものでしょう。
備蓄原油を評価したとしても日本国経済船体でみれば、トータルで大儲けしているのが明らかなのに、1面トップの大見出しで敢えて大きな損失があるかのように大々的に宣伝していることになります。
赤旗や聖教新聞のように特定立場を明らかにして発行していれば、偏っていても読者がそう言う意見と思って読むので問題がありません。
朝日や大手マスコミは中立を装うから、国民どころか世界世論(慰安婦問題では・・日本のマスコミが日本に不利なことを言うのだから間違いないだろうと)を誤解させているので問題が大きくなっているのです。
ところで、今は統計発表等が基礎になっていることが多いので国民が統計自体に簡単にアクセス出来るようにするサービス競争をすることこそが、今の時代でのマスコミの使命です。
統計が一般国民の目に直接・簡単に触れられるようになれば、統計手法の非合理性・・統計によるまとめ方の偏りも修正されて行くでしょう。
ネット情報だと関連情報や統計に簡単に入って行けるようになっていることが多いのですが、新聞からは、そもそもいつのどこの情報であるかも出典不明な記事が多い上にたまに書いてあっても、どうやって入って行くかも示していません。
記事自体に出典先のアドレスなど明記してくれていれば、ちょっと読んだときにアクセスが楽になります。
誰それがどう言ったと言う記事があった場合、その発言そのものにYouTubeなどに入って行ければ簡単に全容が理解出来ますし、新聞の引用・要約が正しいかについてもチェック出来ます。
年末から書いていますが、例えば実質賃金減と書いてあってもいつの統計を比較しているのかまるで分りません。
1月2日のコラムで、14年12月29日の日経新聞報道に関して、60歳以上の非正規雇用増加数字が多くなっている筈なのに、これを何故書いていないのだ?と書きましたが、正月休みのヒマに任せて統計に入ってみると、(仕事の合間にニュースや新聞を見るのがやっとでなかなかそこまで探して入って行くヒマがないので、ワンクリックで行ければ大助かりです)そもそも厚労省の発表統計自体が65歳以下と65歳以上の統計数字になっていることが分りました。
定年退職御失業保険を貰っていた人が継続雇用されるようになれば非正規雇用がその分増えるに決まっています。
団塊世代は年間200万人前後(第二団塊世代である私の息子の世代でも、200万人を超えていました・・今の新卒よりも圧倒的に多い)ですから、これが失業しないで毎年非正規雇用でも働ける方がメリットが大きいのですが、彼らが非正規雇用に組み込まれて行けば却って、(失業が減ると)格差拡大と言う大騒ぎするのですが、失業させて家で遊ばせているよりは、経済格差は縮小していることになります。
これを非正規雇用が増えている1面ばかり取り出して、格差拡大を煽る事自体マスコミの偏向報道です。
統計原資料自体は年齢別にいくらでも集計出来ている筈ですから、統計数字にその表を載せて、国民が55〜57歳平均を見たい人はパソコンでそこだけの数字を引けるようにすればいいことであって、65歳で括るような余計な役所のサービスは不要です。
大分前から書いているように労働力人口の推移で言えば、15歳上の人口ではなく(日本では15歳から働いている人の方が少ないので)20歳〜25歳〜30歳の小刻みな労働人口統計が欲しい人が多いのではないでしょうか?
(もっと細かく言えば、学生人口とアルバイターを除く非正規雇用率など)
また高齢化率も日本の実情にあわせれば、(1月2日以来書いている非正規増テーマで言えば)高齢者雇用を義務づけたことによって、60歳以上の非正規雇用者がどのように増えたかなど年度別変化や、65歳以上全部の数字ではなく、60〜65〜70〜75歳と、もっと小刻みな統計の経年変化を見たい人が多い筈です。
正月開けころにも65歳以上で認知症患者が何◯◯万人と出ていましたが、国家全体の経営にはこの程度の括りが合理的でしょうが、個々人にとってはこんな数字を示されてもあまり意味がなく、自分はどの辺だろうか?自分と同じ年で何%、1歳年上でどのくらい?と言う年齢別の割合を知りたい人の方が多いのではないでしょうか?

マスコミ偏向の原点(収束の着地点2)  

日本マスコミ界が一致して反日報道傾向(角度)になっていた・・今回の消費税増税論1色の報道でも分りますが、中韓同調に限らず日本経済に良くない結果になりそうなことを押し進める方には親和性があるのは、アメリカの戦後支配体制の意向によります。
占領軍の意向は・・日本再興阻止戦略意向・・絶対に再軍備させない・・武力保持させない平和憲法の強制に明らかなとおりですが、朝鮮戦争に協力させるために仕方なしにホンの少しの再軍備と経済復興を認めましたが、それ以上の復興を認めたくないのが基本です。
占領軍はマスコミ支配を強めて来たことを既に書きましたが、占領政治終了後も支配関係を残し、これに忠実に従って来たのがマスコミ界でした。
朝鮮戦争とこれに続く米ソ冷戦最盛期には、日本の復興・経済成長・再軍備はアメリカの利益が一致していたので問題がなかった・・・日米安保反対など左翼系の反対だけでした。
アメリカとしては、再軍備を仕方なしに認めたものの独走されると困るので、マスコミ・左翼の反対運動は、イザというときのための抑止力として温存利用していた傾向が読めます。
その後中ソ対立が起きて中国がアメリカにすり寄ると、アメリカは日本の復興阻止勢力として中国に期待を掛けるようになって、直接マスコミ支配を薄めながら、間接支配・・、中韓両政府の人材常駐・交流促進名目で応援してこれを利用するようになってきました。
ソ連崩壊直前ころにはアメリカは最早ソ連相手に競争するタメには日本の経済力を必要としなくなったときに、ジャパンアズナンバーワンと言われるようになったので余計目障りになって日本の成長抑止にはっきり軸足を移しました・・これがその後の失われた20年と言われる日本経済の低迷の基礎となり、江沢民のアメリカ訪問時の対日戦勝演説・・反日方向への号砲だったのです。
具体的には、日本からの中韓への技術移転に協力させて、中韓企業育成に力を入れて他方で反日感情を煽り立てる・・米国の戦略が中韓と利害の一致した関係になって来たので、中韓は気を良くしてのさばり始めたのです。
この状況を受けて、ここ2〜30年アメリカの意を受けて動いている中韓の言うとおりにした方が良いと言う思想的基盤が、マスコミ界で形成されていて、中韓の言うとおりにしないと日本が孤立すると言う無意識の思想傾向・・右翼の言う売国奴になったと言うより実際にそう言う世界状況・・愛国心があっても米中韓の主張にあわせるしかなかった面も無視出来ません。
朝日の社長を如何に追いつめても「アメリカが怖いんです」とずばり自供してもらうのを期待するのは無理ですし、(そんなことは国民が腹の底で思っていれば良いことであって百害あって一利なしで)意味がありません。
安倍政権はこれ・・アメリカ策動の根源を正面から否定しようとすれば、アメリカ支配に正面から抵抗することになるので、ここまでは踏み込めません・・。
右翼の期待にも関わらず、せいぜい植村記者個人と朝日新聞だけをターゲットにして、収束を計る・・この程度で終わりにする代わりにマスコミ界に今後は中韓の言うとおりに報道し過ぎる傾向を自粛してもらう程度・・しかないのではないでしょうか?
偏っている報道に対するストレス・・この是正を求めたい国民の期待はまっとうなものと思いますが、この是正をどうするかについて、上記のとおり適当なところで収束するしかないのも国際政治の現実です。
第三者委員会報告が、トップの責任中心で社内体質全体の批判がなかったので、トップはどうせやめているし、マスコミ界は胸を撫で下ろしているでしょう。
アメリカはマスコミや政治家さえ(CIAを使って)口封じすれば、何でも出来ると思って来たようですが、草の根ネットの発達が米中韓の思惑を覆したことになります。
もしも「見解」のお墨付きで安心して社内体質・・アメリカの意を受けた中韓に都合の良い報道姿勢「角度」改善をしないままですと、マスコミ界には自浄能力がないことになります。
事実経過がある程度明らかになったことによって、後はネット世論の盛り上がりでマスコミ界全体の体質改善を徐々に求めて行くしかない・・民主主義は国民がもり立てて行くしかない・・当然の原理に戻って行きます。
ことあるごとに日本民族を貶める方向へ話を持って行くマスコミの信頼が地に墜ちて行き、ネット経由情報がマスコミを凌駕して行くようになるのでしょうか?
マスコミの信用が地に墜ちて行くと読者離れが起きるので、読者維持のために偏った報道は勢いを失って行くのでしょうが、市場淘汰が予定されていないNHKのあり方が問題です。
NHKは顧客の意思に関わらず、料金徴収権を持っているので、顧客の意思を無視出来るので、飽くまで我が道を行くとした場合、そう言うところに、公費(聴取料の強制制度)を投入する必要があるのかの問題提起が起きてくるでしょう。
英米系マスコミが世界支配している現状に対してアラブ世界では早くから、アルジアズィーラと言う放送機関が出来あがっていますが、今後アメリカ支配の日本言論界ではネット情報媒体が威力を発揮して行き、これの発展を期待して行くしかありません。
政治力・政治運動などで大きい順に上から強制して行くのはアメリカの意向があって難しいでしょうから、報道内容で勝負・・競争でネットが勝って行けば良いことです。
今回韓国大統領の仕掛けた慰安婦騒動は、大手マスコミに任せていたら「もっと謝れ」「日本政府の誠意が足りない」の大合唱で終わったのでしょうが、これを大逆転出来たのはネット世論の功績だったことが明らかです。

第三者委員会の役割9(収束の着地点1)

「角度をつけた」報道を続ければ・・どちらかに偏った結果になりますから、こうした角度付けををやめて欲しい人が多いと思いますが、角度付けをやめて欲しいと言う正当な期待に応えるべく第三者委員会は役割を果たしていないように見えます。
社長を吊るし上げたいと言う・・低レベルな人は好き勝手に推測を逞しくして下さいと言う第三者委員会方式はある程度合理的ですが、「角度をつけた報道姿勢」そのものをやめて欲しい期待は合理的です。
電波関連での中立性は明文で規定されていることですが、朝日その他紙媒体のマスコミ界にはこうした要請はありませんが、中立を装う大手マスコミの場合、中立イメージ「精神」(新華社日本支部とか、赤旗みたいに立場を明らかにしていれば誰も文句言いません)に反した運用をして来たことに、国民が我慢し切れなくなっていたことが今回の騒動の遠因です。
公共電波を使わない新聞発行そのものに対する規制はありませんが、放送に関しては規制があって以前紹介しました。
もう一度紹介しておきましょう。

放送法
(昭和二十五年五月二日法律第百三十二号)
 第二章 放送番組の編集等に関する通則

(放送番組編集の自由)
第三条  放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。
(国内放送等の放送番組の編集等)
第四条  放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一  公安及び善良な風俗を害しないこと。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

慰安婦問題では双方向で顕著な対立があったのに、「強制があった」と言う主張ばかりに偏って報道していた責任を問われねばなりません。
もっとも新聞は放送ではないので何の規制もありませんが、新聞の偏った報道で世論造りが進んでいて、それを前提に電波(放送)が大々的に一方的な放送すれば良いというのではしり抜けです。
我が家で言えば、NHKのラジオ深夜便を長らく愛好していましたが、4〜5年または5〜6年前(いつころからか記憶がはっきりしませんが)から、脈絡なく韓国料理番組が出て来たり、韓流スターが如何に素晴らしいかの話題が挿入されて来るようになって来たので、次第に聞かなくなくなりました。
韓流の素晴らしさ・韓国料理の素晴らしさをNHKが繰り返し挿入して行くのは、対立する論点について一方を肩入れしていることにはならないでしょうが、こうした日常的イメージ刷り込みが一方的に行なわれていることの方が重大です。
日本統治に好意を持っている台湾人がNHK取材に応じたのに出来上がった番組は、日本統治が酷かったと言う逆方向へ編集された報道になってしまったと言うことで、右翼の応援で損害賠償裁判をしていましたが、放送には編集権があるので、取材に応じた人はどのように編集された中に登場させられようと損害賠償は認められないと言う骨子で、負けたようです。
本来の争点は、編集権を隠れ蓑にして編集態度が偏っていること・・これは台湾人が損害賠償請求する裁判のテーマになり得ません・・ではないでしょうか?
デマや流言蜚語は正確な情報がないところで起きるものですが、国民は「角度」がどうやってつけられて行ったのか・・「朝日新聞の角度」をどうやって修正して行くのかこそを知りたいのです。
国民の本心は、・・実はマスコミ界全般が、中韓やアメリカの代弁者になってしまっているのは何故か、それを(そろそろ)一掃して欲しいと言う期待・・戦後70年もたっているので、「いい加減にしてくれ!と言う、民族意識が覚醒して来た状態と言えるでしょう。
アメリカや中韓は70年も日本のマスコミを支配に努力して来たので、今や日本人は米中韓の言うとおりになる・・最早日本支配が完成していると思って更に踏み込んだのでしょうが、日本人が70年間も我慢して来て限界になり始めている逆の心理状態に気がつかなかったのです。
幸い中国の台頭し過ぎによってアメリカにとっては、今度は日本よりも中国台頭を抑えねばならなくなった国際情勢変化が日本有利に働いている側面もあります。

第三者委員会の役割8(個別意見3)

第三者委員会は国民の本来の期待(昨日書いたように合理的期待と言えないかも知れませんが・・)をはぐらかすための役割を見事に果たした・・国民の期待に反して社内手続を延々と記載していて筋違いの検証をしていたに過ぎませんから、(低レベル?)フラストレーション解消に殆ど役立っていません。
公式見解だけでは、このフラストレーションが収まらないのが分っていて、今回は昨日紹介したように異例の委員個人の補足意見発表があったのが、新機軸と言え・ある程度評価出来ます。
こんな形式調査とりまとめでは国民が納得しないと言う強い個人意見があって、委員会見解読者を冷静合理的国民を前提とする法律家としては、これ以上踏み込んだ意見は書けないので、「どうしても・・」と言うならば、個人意見を別に書いたらどうですかと言う流れがあったのでしょうか。
岡本委員個人意見にあるように「角度をつける」から朝日のような大失態になるのですが、そうなると「朝日の角度はどう言う角度か」と言う疑問が起きます。
角度の傾向については、北岡委員の個人意見が参考になります。
林彪事件を例に書いていますが、中国に不利なことは、(朝日の押し進める立場を主張するためには、)事実を隠蔽する(逆から言えば中国有利にするためには虚偽報道もすると姿勢と紙一重です)ことを朝日新聞が明白に正当化していることが北岡意見書で明らかにされています。
ここまで来れば、報道機関と言えるのか疑問です。
北岡委員の個人意見よりますと、元々朝日新聞は自己主張正当化のために既に取材しているので存在している事実でも否定し続けることが正しいとする社内教育をしていることになります。
社の方針に合致しないときには「あることをない」と報道することの正当化が行なわれて来たとすれば、裏返しに存在しないことでも社の方針貫徹のためには「存在する」と報道する勇み足に繋がるのは紙一重・・暗黙のうちの奨励しているようなものです。
委員会見解では吉田調書報道の虚偽性が分った後の対応が悪かったと強調していて何故虚偽意見に(裏付け取材しないで)あっさり乗ったかを書いていませんが、委員会の事実認定経過だけを見ても、朝日の社内対応は「国民に如何に対応するか、どの程度で誤摩化すことが可能か」の対処方針の検討に努力して来たことばかりが伝わって来ますが、「真実を追究しよう」とする姿勢が殆ど伝わって来ません。
原発吉田調書事件では、産経が入手するまで(どうせ非公開だから、誰も具体的反論が出来ないだろうと言う読みで?)社内では誰も調書自体を読もうともせずにいたことを、2015-1-6「マスコミの情報操作6(「報道と人権委員会」朝日新聞吉田調書1)」に書きました。
報道の使命は権力に屈せずに真実を報道するところにあって、そのためにこそ報道の自由が尊重されるのですが、朝日新聞は、真実報道の使命を捨て置いて真実よりは自己主張=「角度」を貫徹するためにどう利用するかの関心・・政治団体同様の役割になっている・・報道の自由と言う名で権利濫用しているような印象です。
朝日新聞の検証委員の岡本氏の個人意見で明らかにされた「角度をつける」社風・体質こそ恐るべしです。
「角度」万能になると、恣意的虚偽・誇大報道の連続発生は当然の帰結であり、たまたま国益に大きく絡んだ結果国民の反発によって裏付け調査する人が出て来て事実誤認が判明したのですが、こう言うことが可能なのは、偶然判明した大事件だけです。
国民的関心を集めない雑多な報道では、やらせに類する虚偽報道体質・・この周辺の虚偽とまで言えないまでも、どちらでも言えることは出来るだけ角度をつけて一定方向への誘導する目的報道が蔓延していると見るべきでしょう。
これがマスコミによる情報操作の危険性です。
元々「角度をつける」特定方向に向けた報道をしたい意欲が先にあったので、(でっち上げとは知らなかったとしても)十分な裏付け取材する必要もないし、(裏付け取材すると虚偽性が分りそうなので、敢えてしなかった?)社内で多角的検討もしないで待ってましたとばかりに、飛びついたのだろうと穿った見方をする人が多くなります。
「角度」はどのようにして決まって行ったかこそ、検証するべき重要テーマだったのではないでしょうか?
慰安婦報道や吉田調書事件で世論が知りたがっているのは、植村氏など特定個人に責任があるかどうかではありません。
マスコミ界全体の角度付け傾向に対して、どのように国民が不満表明して良いか分らないために、目に見える個人が攻撃対象になっているに過ぎない面があります・・。
マスコミ界は個人問題に矮小化・・スケープゴート化すれば、当面の火の粉を振り払えるメリットがあります。
右翼が・・暴発してくれて刑事事件化してくれれば、暴力は許されないと言う大キャンペインで(在特会で言えばヘイトスピーチ批判にすり替えた批判が盛んです)世論批判を逆転させられるので、それで問題収束が図れると期待していたのでしょうが、意外に暴発しない・・右翼と言っても跳ねっ返りは少なくなりましたので待ち切れなくなって、植村記者からの民事訴訟提起・大々的記者会見となったと思われます。
いずれにせよ焦点を個人攻撃にずらして行くのが、マスコミ界の戦略のように見えます。

 第三者委員会の役割7(個別意見2)

最近はやっている第三者委員会と言うのは、厳しい追及逃れの時間稼ぎと自己の選任した第三者委員が悪いようにはしないだろうと言う期待があるように見えます。
「第三者委員会で検証して頂きますので、・・」といって記者会見での追及逃れです。
木村社長は何も言わないまま、検証期間中に自発的退任してしまいました。
朝日の取り消し発表が遅れた・・内部意思決定過程中心に検証したようになっているのが不思議ですが、もしかしたら・・どうせやめるつもりだから「自分の責任に集中させてくれ」と以心伝心で頼んであったかのようです。
原発吉田調書と慰安婦報道に共通している・・国民が知りたがっている「裏付けがはっきりしない段階で何故大々的報道したのか」については、まるでヤミの中にしたままで終わりです。
事実を淡々と認定すれば後は国民が考えれば良いことであって、刑事事件と違って故意や悪意まで認定する必要がない・・と言うことでしょう。
数日前のマクドナルドの異物混入騒ぎで、社長が記者会見に出ないのは何故だと言う主張がマスコミに出ていますが、((圧倒的にこう言う風潮です)誰が事実説明しても同じですが、「社長が出るべき」だと言うマスコミ要求は「社一丸の姿勢が見えない」と言うのが表向きの理由でしょう。
しかし、記者会見の模様をみていると本音は「何故こうなったのだ」と聞いても仕方がないことを延々と追及して社長に「申し訳ございません」と何回も謝罪させる・・吊るし上げている状況を視聴者に見せたいと言う非合理な欲求迎合が大部分を占めているように思われます。
社長が出ても自分から「日本国民を貶めたいと思ってやらせました」と言う訳がないのですから、結果的に庶民の鬱憤晴らしを煽っている・・吊るし上げ文化・・公開処刑のような感じで、言わばマスコミによる原始社会帰りの風潮を煽って来ただけかも知れません。
マスコミに言わせれば庶民の鬱憤拡散のためにやっているのであって、マスコミの責任ではない・・国民レベルが低いだけだと言うのでしょうか?
マスコミは、庶民大衆を相手にしているので、庶民向けに煽るだけ煽ってしまう傾向があるので、その沈静化のためには逆に大掛かりな吊るし上げ劇が必要になっていると言うことでしょう。
このような吊るし上げ劇を率先して煽って厳しい追及をして来た方法の確立こそ朝日の功績?でしたが、自分のことになると第三者委員会に逃げてしまって社長が直接謝ることもしないのが卑怯だと言われています。
こんなことを大々的にり返すのは、社会のありようとして恥ずかしいことですから、「武士の情け」で「そこまでは問いつめない」と言うのが本来の日本社会のありようです。
国民は第三者委員会の目くらましにうまく騙されたからではなく、国民レベルの矜持としてこれを受入れるのが正しい道です。
小保方氏のスタップ細胞再現検証作業でも、誰がES細胞を混入させたかの証拠までは分らないと言うだけで、小保方氏による故意混入までは認定していません。
(検証委員会の目的は犯人探しではなく、繰り返し実験しても再現出来ないとが分れば良いだけですから・・)
日弁連の政治活動に関する高裁判例や名誉毀損判例等で年末に紹介したとおり、規制しなければならない程の「違法ではない」と言うだけであって、好ましいと認定した訳ではありませんが、勝った方は裁判でお墨付きを得たかのように振る舞います。
朝日新聞の第三者委員会は国内対立を煽る目的ではない・・朝日が資料がはっきりしない中で特定政治日程にぶっつけた目的は何か?ついては、そこまで踏み込まないことになるのは依頼した段階で結果が分かっていたことになります。
国際的影響は分らないと言う見解があって、分らないから影響がなかったと言う朝日新聞の受け止め方です。
そもそも「国際的影響を証拠を持って論じよ」とならば一々朝日新聞を引用した記事は少ないのが当たり前ですから、そんな証拠はちょっとしかないのは当然です。
太平洋のど真ん中に落ちたダイヤの指輪を1年間かけて探しても見つからないから、落ちていないと結論付けるような調査です。
引用記事が何本しかないから影響はほとんどなかったと言う委員会見解は、子供騙しの結論を導くためになれ合いでやったような代物と評価されても仕方がないでしょう。

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。