アメリカに対する反感・不満の広がりが、中国主導のAIIBヘなだれを打っての大量参加になってしまったと思われます。
中国にとっては、アメリカの鼻を明かしたかも知れませんが、欧州諸国はアメリカへ面当てをしただけで本気でアメリカを棄てて中国寄りになった訳ではありません・・欧州に限らずこういう国が大半でしょう。
多くは名誉参加でしかない・・「お金は日本に負担させますから・・」と言う触れ込みで、名義だけ借りたような関係が多いと想定されています。
名義貸しみたいな国ばかりで、本当に資金を出す日本が参加してくれないと金融機関としての実質が伴わない・・債券発行体としての信用・格付けが付かない状態ではないかと言う噂が流れています。
5月2日に書いたように、反日攻撃以来・・ちょうど中国の人件費が高くなり過ぎて成長が限界になって来ていたことと相俟って、日本を筆頭とする中国からの資本引き揚げが始まっていて、この結果短期間にアメリカ財務省証券保有額が日本よりも少なくなっている状態が明らかになっています。
「最も安全な資産の1つとして世界各国で保有されているアメリカの国債について、15日、アメリカ財務省は、日本がことし2月に6年半ぶりに中国を抜いて世界一の保有国になったと発表しました。 アメリカ財務省が15日発表したことし2月の国際資本統計によりますと、アメリカ国債の国ごとの保有額は、日本が1兆2244億ドルで世界一の保有国になりました。
1月まで首位だった中国は1兆2237億ドルで、日本を僅かに下回りました。
アメリカの国債は、経済成長に伴って中国が急速に保有を膨らませ、いわゆるリーマンショックが起きた2008年9月に日本は中国を下回りましたが、今回6年半ぶりに首位に戻りました。
これについて市場関係者は、中国経済の減速を背景に通貨・人民元の上昇圧力が弱まり、中国政府が人民元の値上がりを抑えるために行ってきたドルを買う市場介入をこのところ減らしていることなどを理由に挙げています。」(NHK)
NHKの報道は人民元の上昇圧力が弱まったことを理由にしていますが、それならば、増加が止まるだけであって減る理由にはならないでしょう。
日経では日本マスコミは相変わらず中国は素晴らしいと言う宣伝体質ですから、保有額が減ったのは、中国はアメリカ一辺倒のリスク回避のために外貨を分散し始めたのであるから、アメリカも大変だと言う報道姿勢・・明言しませんが、この方意向への誘導したい意欲がアリアリですが、これはいくら何でも意図的誤導でしょう。
と言うのは日本株式・債券市場でも中国政府または関連組織による株式・債券保有額は、大幅売り越になって急激に減っていると大分前から、報道されています。
政府発表と言うよりは、有価証券報告書からデータ分析したプロの発表だったと思います。
日本経済は魅力がないから中国は売り逃げている・・保有額を減らしているとマスコミが明言出来ないので、上記報道との整合性に頰っ被りしたままです。
安倍政権になってから日経平均株価は8000円台から約2万円に上がっているのですから、いくら何でもマスコミの強弁は無理があります。
投資分散政策でアメリカ国債保有が減ったと言うならば、値上がりの続いている日本の有価証券保有額が増えていないとつじつまが合いません。
中国のアメリカ国債保有減少は分散投資の結果だと言うならば、(EUは南欧の経済危機の連続で収束点が見えず、値下がり一方ですし)アメリカ国債を処分したお金をどこへ分散投資したの?と言う疑問に答える必要があるでしょう。
成長性のある?需要のある中国に投資したとしか考えられませんから、・・要はバブル崩壊が始まって資金不足に陥っている自国内の返済資金に回している・・これを投資とすれば分散には違いないでしょう。
人民元買い支えに投資?すると言うことは、人民元の低め誘導(為替操作)のために元を売ってドルを買って来たのが外貨準備の主要原資だったと分ります。
(自国紙幣が海外に出回るのは、国外から紙幣=支払証書・借金でドルを仕入れてアメリカ国債を買っていたのと経済的には同じです)
この逆バージョン・・海外に出回った人民元の売り圧力・ドルでの返済を求める客・還流が始まると、この買い支えにドルが必要・・紙幣=借金証書の買い戻しですから、中国で債務返済循環が始まっていることが分ります。