国際政治力学の流動化1

AIIB参加国は中国の専制運営を承認したことになりますから、今後AIIBが中国の希望どおり国際機関の中枢を占めるようになると世界経済は中国の専制支配下に入ることになります。
国連諸機関が中国マネーによる汚染?で事実上どうにもならない運営になっていることが知られていますが(・・最近問題になっているオリンピック委員会もそうですが・・中国マネーやハニトラがはびこるようになって以来世界中の人が「汚染された方が得」みたいな世界になっています)一応多数決ですから中国マネーの威力が減退すれば正常化する望みがあります。
AIIBの場合制度として中国専決制ですから「それで結構です」として、そこに参加する以上どうにもなりません。
西欧諸国が中国の明からさまな専制支配体制を決めているAIIBの正統性を認めてその傘下に馳せ参じた(ある陣営があるスローガンを掲げて兵を挙げたときにこれに呼応して兵を引き連れて参加したのと同じです)事自体が驚きです。
西欧諸国のAIIB参加行為は米中対立に関して、西欧による中国専制支配でも良いから中国陣営傘下にはいる意思表示であり、民主国家陣営離脱の公式意思表示だったことなります。
ここまでは中国の世界支配に一歩近づいたように見えたので、太平洋2分論を言い出したり、南シナ海や尖閣諸島の領域拡張の実力行使を始めた基礎ですが、モノゴトは「金」次第である点はここでも本質です。
昨年秋に強行し対日戦勝利記念と称する対日宣戦布告に近いような軍事パレードを計画した時には株価暴落前だったので,式典の頃には既に株価暴落して信用がた落ちになっていても今更やめられなかったのでしょうが、この旗揚げ式に参加したのはプーチンとパク大統領とアフリカの独裁者として国際指名手配を受けている大統領の3人・・韓国出身国連事務総長だけだったと言われていました。
ここまではパク大統領はまだ中国べったりでしたが,さすがにまずいと分って来たらしくその直後から中国離れを始めたのは周知のとおりです。
中国が国際金融機関を専制運営する以上は資金もこれに見合った出し手にならないとうまく行きませんが、(金もないの威張るには軍事力・・強盗しかありませんが中国が西欧を脅すには遠過ぎます)昨年夏の上海株価暴落以降・・そもそも中国にAIIB運営資金があるの?と言う疑問・・中国の経済危機リスクが表面化してきました。
今年始めには、2回目の株価暴落があって中国経済力の信頼は地に墜ちました。
世界経済リスクの元凶になりかけている中国自身が資金を出すのを期待するのは無理があり,金がないから国際機関と称して資金を集めるのか?と言う疑念が起きてきました・・これでは中国の資金力を期待して集まった方は溜まりません。
勿論爆買いの威力をちらつかせて無茶をしても周辺国を黙らせていた神通力も利かなくなってきました。
昨年秋も直近のアメリカに於けるイエレン議長の発言でも、利上げ可否判断は、中国が持たない・・中国リスクが最大リスクとして考慮されています・・アメリカのちょっとしたサジ加減次第で中国がでつぶれるかどうかの瀬戸際にさしかかっている弱い国です。
中国は元々世界の除け者になった国々・・北朝鮮、ミャンマー、ラオス、ベトナムやアフリカの独裁虐殺国などへの唯一の援助国としての地歩を固めてきました。
共通するのは現在の国際的的価値観である民主主義的国家運営を採用しない国々・・非民主国家です。
中国自身独裁制+言論弾圧の苛烈な国ですが、アメリカは相手が大き過ぎるからと、黙認どころか対日カードに使うために巨大化するの応援して来たのですから、巨大な独裁・苛烈な人権弾圧国を応援して資金を供給しながら、弱小国を締め付けても(北朝鮮のように)中国の援助でいくらでも生き延びられる・・矛盾した政策を続けて来たことになります。
その結果6カ国協議と言う訳の分らない制度を作って中国の影響力期待・・要は中国の地位を高める政策で一貫してきました。
アメリカの巨大ブラックホール放置の弱い国相手の制裁濫発は、言わば中国の支援をうける国を増やすための政策と同じですから、非制裁国は当然中国に義理が生じ中国派の国々になります。
タイのように歴史的親日国でも軍事政権になったことによる締め付けで中国の支援が必要になったことから、日本対中国の関係では中国に遠慮が生じています。
それだけでなく、この4〜5年は豊富な外貨準備に利用(見せ金)によって西欧衰退企業への資本参加やアフリカ諸国への援助や・資源爆買いを利用して西欧を初め本来欧米派であるべきオーストラリアまで与党に組み入れる(アメリカの軍艦寄港すべき港湾運営権まで中国に与えている)など反中国的動きに豪政府が同意しない動きになっています。
今回の日本の潜水艦の受注がフランスに突如変更になったのも中国の陰が取りざたされています。
中共政権と相いれない筈の台湾でさえも、中国詣で(中国市場参入)に必死で親中の馬英九政権が誕生していました。
元々戦前からアメリカは親中ですかし、日本も田中角栄以来伝統的に親中政権ですから、世界中が親中になっていたことになります。
ただ世界の親中政策はアメリカのバックがあって成り立っているに過ぎない点に中国政府は気が付かなかったのかも知れません。
中韓ともに反日運動や国内教育はアメリカのお墨付きがあって安心してやりたい放題していた筈ですが、自信を持ち過ぎたのか中国が・・アメリカに刃向かう方向へはみ出したのが、そもそもの間違いです。
あまりにも自信を持ち過ぎたのか・内部抗争が激しくて、世界中相手に騒がずにいられなくなったのか?

西欧の中国接近10(貧すれば鈍する)

西欧の日米離れ・親中国の進行を政治的に見れば、この数十年間ソ連の西欧への脅威がなくなったこともあって、西欧には、軍事的リスクがなくなったことと、EU結成による自信回復によるところが大きかったでしょう。
米国離れを進めるには、対抗軸として新興の中国利用・中国カード利用を考えていたと想定されます。
現在のウクライナ紛争もロシアによる脅威と言うより、西欧によるロシア領域への無遠慮な蚕食が進み過ぎたことへのプーチンの反撃程度の意味でしかありません・・ウクライナ・キエフは元々ロシア発祥の地です。
里山から奥山に人間が侵蝕し過ぎると熊やイノシシその他が人間界に現れて農地を荒らすのと似ています。
プーチンの反撃は「まだロシアは噛み付く能力程度の力を持っているぞ!」と言う程度のことです。
この点は中国の膨張主義による自発的実力行使とは本質を異にしています。
中国の積極的秩序破壊行為に対して何も言えないままだと西欧はG7構成国の資格があるの?と言う疑問が生じるので、仕方なしに名指しこそなくとも中国非難満載の首脳宣言に同意せざるを得なかったのでしょうか?
ウクライナ問題・対ロシア制裁は地政学的に遠い日本やアメリカに直截利害がなく、地続きの西欧の利害のために始まった筈ですが、肝腎の西欧が内心では対ロシア制裁解除を望んでいる変な構図になっています。
日経新聞5月28日朝刊には、西欧のロシア融和策の背景をロシアによる「シリア関与を期待しているため」と書いていますが、ロシアはアサド政権支持のための空爆ですから、西欧の現政権打倒の方針と相容れませんから本音は対ロシア貿易縮小・金融規制による経済損失関心ではないでしょうか?
政治は多様な要素が絡まっていることを書いてきました・・喩えば、今の西欧にとっては人権よりは難民増加防止が緊急課題ですから、嫌忌するアサド政権でも何でもいいから、早く治安回復して欲しい意思?も絡まっていますが、いずれにせよロシアの空爆を内心望んでいるようになった以上は、西欧が従来主張して来た「道義」にこだわらない意思表示です。
難民問題は、元々シリア政治を引っ掻き回した西欧に責任があります・・、ビルの建て替えや再開発すれば、そこに住んでいる人がその間どこかへ避難するしかないのは当然です。
都市再開発の場合その間立ち退きしたオフイスビルテナントの需要が周辺に拡散して周辺貸ビルが潤うように、当初ある程度引っ掻き回して適当な数の難民受け入れならば、独仏等のの労働力不足対策になる・・低賃金競争出来るメリットの一石二鳥(人道主義の名目で難民・・多くは窮迫しているので安く使えます)の読みがあった筈です。
ドイツのメルケルが最初の内は、受入れ賛成していたのは本音だったのです。
ところが必要量を大幅に超えて流入する今になって、迷惑の方が気になって来て「秩序ある流入」をトルコに求めて責任逃れで騒いでいることになります。
西欧は対中国でも同じですが、倫理よりは経済利害優先・・余裕が無くなってきれいごとを言っていられなくなったと見るべきでしょう。
【貧すれば鈍する」と言われますが、貧して鈍するのは匹夫の生き方であり、貧しても鈍しないかどうかで本来の品性が決まります。
謡曲【鉢の木」は、貧しても鈍しない品格を表したもので日本人のあるべき姿を表しているものですが、西欧の行動はすぐにも「鈍する品格」を絵に描いたような行動です。
[落ちぶりたりといえどもこの源左衛門、 鎌倉殿の御家人として、もし幕府に 一大事がおこれば、千切れたりとも 具足を着け、錆びたりとも薙刀を持ち、 痩せたりともあの馬に乗り、一番に鎌倉に 馳せ参じ、一命を投げ打つ所存でござる]

結果的に西欧は、中国主導の専制的経済秩序形成の試み・AIIBに参加するだけではなくアジアでの中国の覇権主義的行動を批判しないなど・・これが最近の世界混乱が始まった(オバマの資質だけではない)構造的遠因です。
この後で西欧主導のIMFが、自ら設定した原理原則を曲げてまで人民元をSDRに採用した矛盾を紹介しますが、西欧諸国が中国に軸足を移していることを前提にすれば、西欧支配のIMFのSDR採用は、人権無視を気にしないようになったと同じ・・自ら設定した原理原則こだわらない1つの意思表示だったと言えます。
西欧諸国のAIIB参加は、汚職にまみれた中国の不透明運営・・参加国理事を常駐させないで中国人総裁・理事長が専決する仕組み・・中国が独裁運営する旨明白に意思表示しているのに、そこに参加して資金を出資してこの組織を大きく育てると言うのですから驚きです。
今後AIIBを世界経済運営の主要機関に育て上げて行く予定だったとするならば、今後世界中から集めた資金の国際的資金運営について中国の専制運営を認めその支配下に参加し自分も資本を出すが、運営には中国のスキなようにしてよいと言う宣言です。
経済運営については中国の専制支配下にはいる意思表示だったことになります。
ところで、国内政治も同じですが、税その他で集めた資金をどのように運用分配するかの経済政策が政治の9割9分みたいな面があります・・実際この後で書いて行くように西欧その他の中国離れの動きは、中国マネーの魅力が薄れたことによる・資金分配ほど気になるものはありません。
どこの国でも、経済政策の巧拙と結果が政権の命運を左右しています。
世界から集める資金を中国による専制運営を制度的に認めるのは、国際経済運営・資金配分は中国が専制支配・・スキなところに使って良い意思表示です。
民主国家を基本にしている国の運営を預かるものが、上位?機関として中国による専制運営機関を作りそこに自国が参加しその支配下に入る決定をするのは国民に対する裏切り行為ではないでしょうか?

西欧と中国接近の終焉3

中国による目に見えない優遇を受けて漸く存続出来ている(と言うのは言い過ぎとしてもかなり恩恵を受けている)独仏等西欧系の企業群は、今後中国の外貨準備に限界が来てしかも中国企業レベルが独仏企業に追いついて来て競合関係になると韓国企業のように細かな嫌がらせを受けるようになって、一気に惆落するリスクが分って来たようです。
韓国のようになって良いのか!と言う脅かしが利いていて中国の気に入らない発言が出来ない状態になっていたのかも知れませんが,中国による韓国の切り離し以降この脅しが逆に利かなくなって来た印象です。
中国が改革解放直後右も左も分からない時点での日本べったりから手のひら返しの反日、次いで利用価値のなくなった韓国の切り放しとなれば、西欧だって次は自分か?と不安を抱くのが普通の智恵です。
中国のゲンキンな態度には西欧も驚いたでしょうし、大言壮語に(半信半疑で?)期待していたものの、中国の底力の程度を知ってしまった・これ以上中国寄りの姿勢をとるのはメリットが少なく逆にリスクが大き過ぎると西欧諸国も方針を変え始めたように見えます。
ウクライナ問題で孤立していたロシアも中国寄りになっていて韓国同様に軍事パレードに出席しましたが、大言壮語の割に何らの見返りもなかったので、中国離れに動き始めています。
習近平の昨年の英国訪問時の無礼な態度を今更言い立てるイギリスに象徴されるように年末頃から、潮目が変わり、伊勢志摩サミットでは、「海洋秩序を守れ」と言う日米主導のサミット声明発表に肝腎の西欧首脳が反対してくれない・・日米の主張に西欧が同調する事態が生じました。
今回のサミットでは対中国批判宣言がいくつも出てしまった・サミット首脳9人中西欧首脳6人も占めているのに、中国支持の発言を出来なかった事実・・中国の札ビラ外交・・非公式優遇による勢力圏引き止め工作の影響力が落ちて来た証拠です。
独仏等に中国支持の発言をさせなかった安倍総理の価値観外交の勝利かも知れません。
日経新聞5月28日朝刊5pには、「フランス政府当局者はこう言い切る」「南シナ海問題で航行の自由を書くのは良いが中国名指しは困る」日本は欧州の空気を踏まえ首脳宣言で名指ししなかった。」と書いています。
ただし今回のサミット首脳宣言には、海洋秩序とサイバーテロや鉄鋼過剰生産問題など名指しこそないものの内容から見て中国批判が4個もはいっていてもう1つは北朝鮮問題です。
名指しさえしなければ西欧諸国が同意するようになったのは、英国訪問時の習近平の無礼が最近大騒ぎになって来たように、中国の魅力が(資金枯渇)薄れて来た現れでしょうか?
この基本記事はサミット直後の28日に書いておいたものですが、その後更に国際情勢が進展し6月5日にはフランス国防大臣が以下の通り踏み込んだ発言をするようになっています。
産經新聞ニュースからです。
http://www.sankei.com/world/news/160605/wor1606050017-n1.html
「フランスのルドリアン国防相は5日、欧州連合(EU)各国に対し、南シナ海の公海に海軍艦艇を派遣し、定期的に航行するよう近く呼び掛ける考えを明らかにした。シンガポールで開かれたアジア安全保障会議で述べた。」
サミットでは名指し声明に反対していたフランスが僅か1週間後には、EU各国の軍艦まで出すベシと自分から主張する・・推進側になっているのですから、大変な変わりようです。
もしかして伊勢志摩サミットで日本の主張に反対しなかったことで(韓国製電池利用車だけ補助金対象から外したような)すぐさま中国から明からさまな仕返しを受けたので、アタマに来たのかも知れません。
中韓はすぐに仕返しする文化ですし、西欧もすぐに反応するので分りよいレベルです。
国際社会は中国の落ち目を明白に意識し始めた・・伊勢志摩サミットから僅か1週間でこの変わりようです・・「金の切れ目が縁の切れ目」と言うゲンキンな低レベル社会です。
これに対して昨日午前2時頃には尖閣諸島接続水域に、ロシア艦艇数隻がはいったのに乗じて中国のフリゲート艦が侵入したニュースが昨日夕刊に出ています。
今まで軍の払い下げと称して海艦と称する公艦が事実上領海侵犯を繰り返していましたが、現役の海軍艦艇が接続水域に侵入したのは初めてのようです。
軍が領海侵入の前触れとして行動を始めたすれば非常に危険なことですが、ここまで国際的に追い込まれるとこの時点で何かしないと中国のメンツがたたなくなって来たのでこんなことしているのでしょうか?

西欧と中国接近の終焉2

中韓と西欧の緊密化の原因をどう見るかは別として、結果的にこの数年ではっきりと日米対中韓+西欧の陣営に分かれて来た・・アメリカと価値観共有していた筈の西欧が中国の人権侵害や国際ルール違反には目をつむり陰に陽に中国応援をするようになっていた事実を直視する必要があります。
中国の開放政策採用以降中国自身も日本の教えを請うばかりの弟分扱いは我慢がならない・・卒業を究極の目標にしていたことは当然ですし、ちょうど欧米による日本台頭阻止の底流と合致していたこともそのとおりです。
韓国は言うまでもなく日本に支配されていたことに対する報復チャンスさえあれば飛びつく関係ですし、日本がいなくなれば韓国の対中貿易が大幅に伸びる関係です。
勿論西欧にとっても韓国が日本の穴を埋め切れない高度製品に関しては、日本の穴埋めを狙えます。
関係者みんな良いこと尽くめの対日包囲網が出来上がっていたのです。
(ただしロシアが何故参加したか不明です・・ただどんなときでも弱っているのがいたら付け込みたい民族性だけでしょうか?)
約30年かかって中韓の地力が蓄えられ反日包囲網が完成し、チャンスを待ち構えていたところに親中韓政権が出来、地震が起きた・・未曾有の大チャンスが来たと思ったのでしょう。
中国の西欧や韓国企業優遇については、以下の通り非公式の優遇策が複雑に用意されて来たと思われます。
中国の猛反発にも拘らず、5月27日のサミット宣言になった中国の過剰生産品規制宣言関連記事では、中国では以下の引用のとおり何と鉄鋼だけで44件もの補助金が出ていると報道されています。
http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/day-20160527.htmlからの引用です。
米国は不退転の決意で臨む補助金で輸出する違法商法
「中国の補助金は、ゾンビ企業を延命させる上で大きな役割を果たしている。この補助金は、国際的に禁じられている輸出補助金となっている。中国の鉄鋼製品では、補助金の種類だけで何と44件にも達するという。」
上記のとおり背に腹を代えられないダンピング認定のための綿密なアメリカの調査力があってこそ、44件もの項妙な補助制度を拾い出せたのでしょうが、西欧や韓国に対する進出優遇策・・土地取得の便宜〜許認可の便宜・・日本企業にはいくらでも手間ひま掛けさせて嫌がらせするなど・・差別化が簡単です。
中国による英独仏等西欧諸国優遇の実態は間接の間接と言う複雑な仕組みにして、簡単には分らなくなっているでしょうが、相当なものがあると想定されます。
お気に入りの国にたいする依怙贔屓的外資優遇策にはダンピング調査の対象にはなりません。
日本企業追い出しのためにサムスンその他韓国企業を複雑な補助政策で応援していた結果、この4〜5年で韓国の対中貿易黒字が巨額に膨らみ,(5月19日に紹介したとおり、12年は628億ドルの黒字=円で約7兆円・・韓国の経済規模にとっては目のくらむような黒字額です)韓国はその圧力で中国の言うとおり・・パク大統領は属国扱いされても恥を忍んで従うしかなくなっていたと想定されます。
折角中国の属国扱いされるほどすり寄っていた韓国に対する中国のご褒美は何だったかとなります。
中国はイザと言うときに北朝鮮に対する何らの影響力も行使出来なかったし、韓国企業と競合が始まると経済原理にそのまま従うだけならばまだしも、逆に韓国が作っている電池だけ優遇から除外するような姑息なやり方で韓国自動車の売上が急減しているなど、韓国に対する露骨な障壁を設けて韓国の対中貿易黒字が急減状態に陥っています。
世話になった日本を足蹴にして追い出したように、中国は自国企業が韓国との競合品を作れるようになると2年ほど前から、(反韓運動をしないだけで邪魔になればこう言う扱いです)韓国企業閉め出しに動き、13年1年間だけで対中貿易が12%もの縮小です。
韓国の対中貿易黒字と減少幅については5月19日に勝又氏の『朝鮮日報』(11月4日付)の引用記事の引用で紹介しましたが一部再録しておきます。
「13年の628億ドルから昨年は552億ドルへと 12%減少したと指摘。今年1~9月の黒字幅も353億ドルで、前年同期(404億ドル)を13%下回っている。」
属国扱いされても我慢して従っていた韓国も遂に堪忍袋の緒が切れた?中国の機嫌を損なわないために長く受入れに承諾してしなかったアメリカのTHAAD・ミサイル迎撃システム受入れに(但し中国のミサイルを探知出来ない方向しか設置させない?条件付き?)舵を切りました。
ドイツの代表企業フォルクスワーゲンが世界販売の4割も中国に頼っているのですから、韓国のような憂き目に遭うのでは死活問題と思われます。
西欧は中国の言いなりになるか、少なくとも積極的に不利な発言を出来ない状態になっていたと思われます。
上記の韓国切り離しの結果、中韓+西欧の事実上の対日包囲網にほころびが出始めました。

西欧と中国接近の終焉1

マスコミは何故かEUの真似をするようにしきりに宣伝して・・これに反する主張・・移民流入反対論が出ると「極右政党」台頭などと紹介していますが、何を根拠にメデイアが「極右」のレッテル張りをしているのか不明です。
言論の自由を自己の存立基盤とするマスコミが、レッテル張り=気にいらない言論封殺に精出しているのが不思議です。
マスコミの中立性に鑑みるとマスコミ界一致でドイツやフランスの民族主義的政党を「極右」と一方的評価概念で紹介し宣伝すること自体が中立性違反です。
トランプ候補であれ、紹介するならばありのままの事実報道すべきです。
日本国民がマスコミの偏った宣伝に乗らないで新興国からの下層労働力や資本導入を拒んで平均値を上げる努力をしているのはむしろ良いことです。
高齢化現象には若い移民を入れて誤摩化すのではなく、高齢者や女性も働ける・社会参加出来るような補助的道具(ロボット技術)インフラ(各所のトイレ設置やバリヤーフリー化や高齢者の移動負担をなくすなど)の工夫など先進的対応こそが重要です。
昨日中国資本によるイタリアサッカー名門の買収事例を書きましたが、企業買収を受けるのでも自国企業より優れた企業から買収されれば、先端技術を訓練してくれるので自国企業・労働者のレベルアップになりますが、タイやインド中国資本による買収の場合・・自国企業の優れた技術を本国へ持ち帰るのが目的ですから、後進国から買収されても自国企業の技術が流出し駄目になるばかりです。
シャープで言えば潔く解体して、役に立つ技術者は国内企業で再雇用することこそが国益だったのではないでしょうか?
30日に紹介したタタ製鉄その他アジア諸国からの企業買収は正に野蛮国に侵略された国のような結果になります。
先進国に支配されると学ぶことがありますが、後進国の野蛮・暴力だけでで支配されると文化が停滞します。
中国は過去2000年間文化的に劣った五胡(西域)〜モンゴルや清など異民族支配を繰り返し受けて来たから文化。社会レベルが停滞したまま(異民族支配が続くと社会のために尽くす気持ちが失せる・・拝金主義・・目先利益に走る民族性)になったのではないでしょうか?
西欧は日本排斥してその代わりに日本の部品を利用した中韓の疑似技術品輸出で満足しているのは、言わば中国人が握っている寿司を日本のすしのつもりで喜んでいるようなもので、本物を知らない状態です。
中韓が頻りにドイツの反省?を引き合いに日本非難するのは、約30年にわたる排日姿勢で共通していたこととこの間の経済交流を通じて欧州との排日意識一体感形成の自信・・陰で西欧の支持があると読んでいるからです。
企業の発展と退歩の歴史を見ると、政商・・政治的配慮による優遇政策に頼るようになると却って自由競争下での品質向上能力が損なわれてしまうのが普通です・・EU諸国企業で言えば、域内外を隔てる防壁による優遇・政治利用による中国での優遇で正常な競争がないまま売上が伸びると、どうなるかの実験です。
15年の中国の国内クルマ販売数が世界の25%程度しかないのに、フォルクスワーゲンの中国での販売数が世界販売の4割も占めていることを19〜20日ころの新聞記事で紹介しましたが、中国市場だけで何故4割も売れるの?と言う疑問です。
ちなみに、https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_usa_2016によれば今年4月のアメリカにおけるワーゲンのシェアーは僅か1、8%です。
アメリカで特別嫌がらせを受けているのかどうか分りませんが、世界企業が特定国で突出しているのは政治的思惑で優遇してくれないよその国で競争力低下し始めたと評価すべきでしょう。
中国国内の日本企業の力を殺ぐためと国際政治で西欧が反中国の動きに同調しないように、韓国や西欧各企業は目に見えにくい優遇を受けて来たと想定されます。
中国による南シナ海での覇権主義的行動に対する日米の批判に韓国政府は一切同調しませんでした・・フィリッピンなどの「海洋秩序を守れ」と言う要求にASEANの中で中国から援助を受けているラオス・カンボジアが同調しない・・声明に反対するのと同じスタンスを守り切っています。
次期ASEAN会議の議長国として5月にサミットの拡大会合に招待されたラオスが「当事者による話し合いが重要」と言い張りつい日米の主張に同調しませんでしたが、西欧首脳にもこれを期待していたのです。
中国は、元々EUの反日姿勢に迎合し救済的資本投下に協力して来たうえに自国内で西欧系企業を優遇して来た中韓が、自分が反日を始めたときには当然EUが応援すべきと言う気持ちだったでしょうし、昨年夏の上海株価暴落あたりまではこの癒着関係が何とかなっていました。
そのうちに中国企業のレベルアップによって西欧系企業と競合するようになり、合わせて中国が経済合理性に反した面倒を見る資金余裕がなくなると西欧商品は用済みになるリスクがあります。

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。