民度1

民度に戻しますと,日本は文字が入るとすぐに万葉仮名を工夫し、東国地方から徴兵された末端の防人(最末端兵士)なども歌(出身地の方言で・・方言の結果どこの出身か分るらしいです)を残し,平安時代には固有の音を表すひらがなを完成するなど庶民レベルの高い民族です。
留学者階層とそこから直接伝授された周辺階層だけが日本以外では「市民」であり当初エリートですが,日本では(遣唐使以来各種僧侶〜明治維新時の留学者→翻訳書の広がりも同じで)一定期間経過でドンドンと末端に広げる社会で古代から教養が一定階層に固定する社会ではありません。
日本は遣唐使の昔から,留学層(僧に限らず官僚)などが書籍を持ち帰っては日本語に翻訳や写経などして一般化に努める社会・・これを欲しがる民度背景・需要があったことが分ります。
横に逸れましたが,欧米の「市民」意識に戻りますと・・西洋式の(外来文化理解者)市民・・エリート意識を有り難がる人々が日本にも一定数います。
何かと学歴や家柄をひけらかす人は学歴・家柄相応の力がない人に多いものです。
西欧式市民・エリート概念を無意識のうちに教育されている日本の文化人が(欧米留学で古代都市国家への出入り業者資格・名誉市民?を得た気持ちになるのでしょう)「欧米では◯◯」とコトあるたびに外国権威をひけらかせば勝負がつくように思っている源流です。
敗戦直後には敗戦ショックもあってこの種エリート意識が幅を利かしましたが,社会が落ち着いて来ると,庶民から文化が生まれる日本の社会構造とは相容れませんので、次第に「バカじゃないの!と思う人が増えて来ました。
文化人が,日本のマスコミと二人三脚で欧米文化・バタ臭さが素晴らしいと煽れば煽るほど浮き上がって来ました。
この20年以上、土日休日になって余裕が出たせいか、月平均1回ほどの比率で美術館等に食事をかねて出掛けますが,洋画に比べて日本画の方が圧倒的人気差がある印象です。
最近「欧米では・・」と言うのではあまり国民受けなくしなったので,もっと有り難い権威を持ちだす・「国連勧告が・・」「近代法の原理」「立憲主義違反」と言う運動が増えて来ました。
日本社会経済のあり方を議論しているのに日本のための具体的政策に関係のない高邁な思想?・・自分の意見が何故正しいかの論拠を正面から主張する根拠がないので、外部権威を利用しているように見える点では同じです。
我々弁護士相談で相談者が自己の正当性を強調するために「みんなが言っている」と頻りに言いたがる人がいます・・他人がどう言うかではなく,「自分の正統性の根拠事実をきちんと説明して下さい」と言うとむくれる人がいます。
事実経過をありのまま説明すれば,自分に不利な判断になることを知っているかのような人に多い言動です。
「ナチスの蛮行に対する反省を見習え」と言われると日本人は思考停止するのではなく、いままで教科書で教えられたことだけではなく,逆に何が本当にあったのか研究し始めます。
ナチスの蛮行と言うだけで,思考停止しているドイツでは、具体的検証・・日本人の関心が集まるとどこかに痛いところがあるらしく,却ってドイツやユダヤ人が慌て出した印象です。
慰安婦騒動は,アメリカが背後でけしかけていただろうと言うのが普通の推測(勿論大手マスコミを含めて公式には誰も言えませんが・・)ですが,安倍政権が意外に屈服しないで頑張っていた結果、・・その間に米軍の欧州進駐時及び朝鮮戦争時の慰安婦徴用のすり替え疑惑・・日本占領時の性犯罪・ベトナム戦争時の蛮行・ナチスの蛮行検証・・ユダヤ人が何故西洋で嫌われるようになったか?など日本人が元々関心のなかった分野までネットで拡散するようになりました。
ユダヤ系にとっては他人の喧嘩に巻き込まれて、元々反ユダヤ感情が皆無だった日本人社会で反ユダヤ感情が広まるのは、迷惑なだけで何のトクもありません。
安倍政権による世界規模の複雑きわまりない外交の成功で、日本を敵に回し切れなくなったアメリカもこれ以上日本敵視政策を続けらなくなった状態がオバマ政権下の昨年までの状況でしょう。
大枠で言えば,16年5月のオバマ大統領の広島訪問、同年末の安倍総理の真珠湾訪問などをみれば、文字どおり過去にこだわらない日米関係強化の方向性が明らかです。
慰安婦問題や南京事件で日本人が内心アメリカの煽動を疑う状況を早く解消したい気持ちが、敗戦直後の慰安婦聞き取りなどの証拠を米軍が握っていながら長年隠していた?のを15年夏頃に漸く「残念ながら、証拠が出なかった」と言うアメリカの検証報告が出た理由になっているでしょう。
何十年も日韓を揉めさせておきながら,最近まで持っている証拠出さなかった結果から見てもアメリカの意図の変遷が分ります。
「アメリカ軍しか証拠資料を持っていない・・日本には証拠がないから日本はやっていない証拠を出せないから騒ぎ続ければ(・・アメリカがやっていない証拠持っていたのに知らん振りして)議会での非難決議など根拠なく道義非難を大々的にしてやると言う密約で)勝てる」とけしかけていた疑いが濃厚になりました。
日本人の被害意識を不合理な推測と言うのは勝手ですが・・戦後アメリカの数々の嫌がらせ経験からアメリカの陰を感じるのは日本人の勝手です・・。
昨年の広島訪問と真珠湾訪問でお互い恨みっこなしの決着を付けられたのは大人の智恵と言うべきです。
ヤバイ点がいろいろ出て来たので,世界中で「臭い物に蓋」式の[不可逆的合意」圧力が出て来て、15年末の日韓合意になったようです。
その頃に書いたと思いますが,多くの日本人が(感情的に?)この合意を許せないと思ったでしょうが,この合意成立によって,次のステージは合意違反したのはどちらかと言う単純な争いになるメリットです。
「ほぼ百%韓国政府は「国民が・・」といって守れないに決まっている」・・このためには10億程度捨て金になっても安いものだと言う読みが安倍政権にあった可能性があります。
まさにこの想定どおりの進行で,満を持した安倍政権が「已むにやまれず」4項目の通告になったと言う設定です。
長年にわたる韓国の反日教育・行動の結果、その反応としてこれだけ嫌韓感情が高まっている現在・日本人の多くは韓国を助けるためにスワップ協定など締結したくない人が多いとすれば、この人たちにとってはこのチャンスを利用しての協議中断は望むところです。
捏造の慰安婦騒動を収めるために日本がリスクの大きいスワップ協定(簡単に言えば韓国経済の保証人になってやること)に応じる必要があるか疑問に思う人が多いでしょう。
何か根拠のない言いがかりをつけられるたびに何らかの見返りを与えて解決していたら味を占めせるだけで却って両国間にマイナスの事例を残すでしょう。
このままご破算になった方がすっきりすると思っている人の方が多いのではないでしょうか?
ただ,本当にご破算になって良いかどうかは総合判断ですから,そこは文字どおり感情処理しないで落ち着くべきところに落ち着かせるのも大人の智恵です。
韓国に対しては物事にはケジメがある・・甘え過ぎたら痛い目に遭うことを教えて・・幼稚園の年長さんが理解する程度・・少しばかりの礼儀作法を理解させればそれで良いのです。
安倍政権が万全の体制・・熟柿作戦で通告しているように見る人が多いと思われますが,「感情的エスカレートは良くない」などとマスコミの期待に応じて言う政治家もいます。
韓国が謝って来たらどう対応するかは難しい・・大人の対応が必要ですが,ここでけじめを付けるべきであると言う判断自体を,感情的対応と言うのは無理があります。
そこで、数日前に書いたとおり,民進党でさえ何ら意見発表出来ていません。
ここで,野党さえ批判意見を公式に出せない状態下で・・マスコミが「政府対応が感情論に基づく行動である」と言う印象を拡散させようと努力しているように見えるのが不思議です。
マスコミは最近世論誘導がうまく行かないので?大衆迎合主義・オポチュニストは危険だとか,安倍一強でもの言えない雰囲気は異常だと頻りに印象操作しています。
マスコミ誘導どおりおうむ返しに無批判に言う人の方が,迎合者じゃないかの批判には答えません。
安倍政権が見事に国民世論に合致し過ぎているから,国民世論の反発が怖くてマスコミに迎合する政治家が減っている・・反対しようがないだけではないでしょうか?
マスコミは世論の直接批判を無視出来る(長期的には信用をなくしますが・・)コトを奇貨として?・国民意識から遊離した意見を拡散したくて,誰かの意見を無理に自己意見に合うような見出しにして印象操作している印象受けます。

文字文化普及4とピープル・民度1

自民族語表現(じぶんの言葉で考え書けるようになって)が始まって僅か3〜40年しかないクニでは,日本人が万葉仮名で自己表現するようになってからと比較すると、約1500年対40年の差です。
人の一生に変換すると150歳対4歳,75歳対2歳ですから,成熟した大人相手のマトモな外交をするには無理があるでしょう。
ただしこれまで書いているように士大夫層・一握りのエリートに関しては中国は2000年の歴史がありますから19世紀までの西欧のように(会議は踊る)職業外交官.政治家に委ねていれば無理がないのですが、民主主義理念が普遍化してくると庶民レベルが(幼児レベルかどうかが)重要になって来ます。
韓国ではすぐに民衆が激昂して大騒ぎになるのは、民度が政治を論じる程度に成熟していない結果によります。
言わば体力年齢は一人前だが成熟度が幼稚園児レベルの民衆に選挙権を与えたような社会で、何か気に入らないことがあると泣きわめいて収拾のつかない運動体になって暴れるような社会です。
幼稚園児に「昨年こう言う約束したでしょう」と言っても聞き入れる筈がありません・・これが日韓条約や1昨年の日韓合意を守れない実態ですし,トランプ氏も衆愚をバックにしている以上過去の政府間合意・・長年の歴史経緯など無視しようとしている点は同じです。
アメリカもピープルレベルではロシアと大差ありませんが,直截民主義と言いながら選挙人制度という目に見えない壁で衆愚の政治参加を事実上阻止して来たからボロが出なかったに過ぎません。
日本のように住民登録者に自動的投票権が配布されるのではなく,アメリカでは自主的に選挙民登録した人だけが投票権がある制度・・日本で5〜6割の投票率とすれば,アメリカのような制度の場合,ワザワザ選挙前に(仕事を休んで行ってみると身分証明する保険書の外に◯◯がいるとか言われて出直したりするのでは)登録しに行く人は激減するでしょう。
これをクリントン大統領当選時以来民主党が支持者獲得の戦略として選挙登録運動を押し進めた結果、庶民が大量選挙登録するようになった・・この10数年で地滑り的支持層の変化を起こしているのを注目する必要があります。
経営者的視点を基本とする共和党が、フードスタンプその他バラマキを基礎とする選挙民層の増加に付いて行けずジリ貧になっていた原因です。
民主党の戦略を逆手に取って中間層を含めたイライラ感に訴えた・・衆愚を利用したのが、共和党のトランプ氏と言う見方が出来ます。
日本のように全員参加政治になると政治は民度レベル自体に直結します。
韓国でもアメリカでも民衆レベルに従えば,過去の合意も理屈も関係ない・・旧社会党の土井党首並みに「兎も角イヤなものはイヤ」鳩山氏の「少なくとも県外へ」と言う過激な無茶苦茶な主張になります。
日本では単細胞的スローガンに賛同するのはホンノ数パーセントいるかいないかでしょうが、未成熟国ではこれが多数ですから大変です。
いまのトランプ氏の過激主張は・・言わば中国、ロシア、トルコ並みに(これまでこのコラムのあちこちでアメリカの民度レベルは中国と共通性があるから日本は気をつけるべきだと書いて来ましたが・その共通性が表面に出て来た・・感情の赴くまま腕力に任せて強引な政治をやると言う意思表示です。
論理も何もない・・幼児が床の上で仰向けになって泣き叫ぶだけならば,あまり酷ければ放置出来ますが腕力・力のある猛獣(地域大国)の場合放置出来ない・・餌をやるしかない状態・・強迫に従うしかないと言う満足感に浸る快感を求めていることになります。
猛獣と力のない人間が最終的にどちらが優位に立っているかは明らかですから,檻から出た猛獣が咆哮し人間を威嚇出来るのは実は一時のことです。
猛獣ほどの力のない幼児(小国)が泣きわめくだけでは放置される(スワップ協定交渉中断)とどうにもなりませんので,自国言語で文字表現手段を最近まで持たないで来た民族は形而上の複雑思考にはもすごいハンデイがありますので,文字どおり自分で言語表現出来る大人の保護を受けるしかないと言うべきでしょう。
国際動乱期に19世紀末の李氏朝鮮は,いまでの保護者であった清朝がぐらついて来たので,どこの保護を受けて良いのか迷った挙げ句日本,ロシア、清朝軍閥の間で右往左往していました。
李氏朝鮮の実力者大院君は「壬午軍乱」のときに清朝の李鴻章に拉致されて3年も抑留されているなど日露清の間で右往左往した歴史です。
この混迷状態・・とこれを取り巻く国際情勢下で,ロシアの南下を防ぐ欧米列強の都合で日本が面倒を見るように、国際暗黙合意で押し付けられた理由も朝鮮民族の文化度で見れば理解出来るところです。
朝鮮族のレベルから見ると日本にとって日韓併合はメリットがないどころか害があるので、(併合・・内国民・平等待遇は無理があるので友好国として徐々にレベルアップに協力する微温的方法)伊藤博文が併合に反対していました・・。
併合反対派の巨頭である伊藤博文暗殺→日韓併合の邪魔者を除いた功労者・犯人安重根を英雄視して讃える今の韓国政府・人民の態度は,日韓併合こそ自分たちが甘い汁を吸える源泉だったと自白していることになりませんか?
日本はこんな聞き分けのない「ガキ」みたいな民族をおしつけられて大損した関係です。
日本敗戦後朝鮮半島は保護者がいなくなる大ピンチだったのですが,期せずして朝鮮戦争勃発によって,北は中国,南はアメリカの保護下に入るチャンスに恵まれた状態で約70年も経過しました。
(無責任に)勘ぐれば,南北示し合わせて騒乱を起こせば、米ソが介入してくれると言う遠大な計画実行だったと言えないことはありません。
何ら理由もないのに、李承晩が軍をワザワザ南部に移動していて,38度線付近を空っぽにしていて,開戦直後にほとんど戦争らしい戦争なくほぼ全土を占領される異常さ,米軍が参加すると北朝鮮軍はまるで抵抗しないで,すぐに北の端まで追い上げられる・・その後中国義勇軍が参加するとまた押し戻した挙げ句にもとの38度線で膠着する・・何か出来レースっぽい動きです。
しかも巷の噂では,南北共に朝鮮人兵は逃げてしまってマトモニ戦わずに、米兵と中国兵同士だけが戦って甚大な被害を出していたと言われています。
北朝鮮の方ではソ連が早くに愛想を尽かし,体よく中国に押し付けて逃げてしまい,押し付けられた中国が縁を切り切れずに今でも困ってる状態です。
上記事情もあって米中とも朝鮮民族のためにもう一度自身が危険に合うような戦争する気持ちはありませんし、長距離砲,衛星その他兵器の飛躍的発達によって前線基地としての地政学的重要性・利用価値が薄れたので、ロシアの南下を防ぐ必要のあった1900年当時のような戦略的価値もなくなりました。
ロシア自体が,(プーチンが頑張っているにしても地域大国として振る舞えれば良い程度で)世界制覇の意図を持っていませんし,その実力もありません。
新たな野望を持つ中国にとっても朝鮮半島に米軍基地がない方が有り難いというだけで朝鮮半島そのものに基地を持ってもメリットよりデメリットの方が大きいでしょうから,このために米国とリスクのある戦争をするメリットはありません。
世界大国にとって重要でなくなってしまった・・そこで大国の気を引くために北では核開発による挑発に必死ですし,韓国では,反日運動過激化・・子供がダダをこねている印象です。
アフガンが古代〜中世までの中央アジア・世界通商路から外れてしまった焦り・・いつも強国を引きずり込むメリット・・観光客の代わりに軍でも何でもが来て欲しい?のと似ています。
沖縄はいまも通商路にはあるものの航続距離が長くなって沖縄で水などの補給不要になった結果、米軍もグアムで守れば足りる・基地縮小過程に入った焦りが昨今の激しい反対運動になっているとも言えます。
何しろ普天間基地が住宅密集地で危険だと言う激しい運動の結果、過疎地の辺野古+海上に移転すると決まると・・移転反対ですからわけが分らない・・最近では騒音苦情に対して,ヘリポートを基地内の奥の方への移設工事を始めると工事反対の座り込みですから・・・合理的に推論すれば,もめ事を大きくすることを目的にしているとしか見られません。
朝鮮民族対策に戻しますと,今後二度と(親代わりになって養いたくない)面倒見たくない・・「チャンスのある都度一歩ずつ引き下がって行くべきだ」と言うのが、現在日本の国論でしょうし、米中ロ共に今後南北で戦争が起きても関わらない・・「自分たちで好きなように戦争をして下さい」と言うのが本音・基本方針でしょう。
南は放っておかれると困るので世界中に慰安婦問題など拡散して騒ぎを大きくするのが目的のように見えますし、北も核開発その他何か世界の耳目を引き付けること自体を目的にしているように見えます。
南北共に,強国の関心を引きつけて介入を期待しているようにみえるのが現在の大きな構図です。
慰安婦合意を守らない韓国の態度に対して遂に「満を持して」いた政府が1月6日駐韓大使一事帰国命令やスワップ合意交渉中断などの4項目を発表しました。
ダダをこねている子供に対して「いい加減にしないとこれ以上相手にしないよ!」と言うのは,1つの選択肢と思いますが,どこまでダダに付き合うべきかの判断は冷静な判断によるべきですから,感情的対応で良いわけがありません・・。
ただし、教師や親が子供や生徒を叱る場合,これを常に感情対応と批判するのも間違いです・・冷静に将来を見据えてやっている場合に必要な判断ですし,カッとなって後先考えずに子供を叩いたりする場合は分りよいですが,暴力を伴わない場合,その区別は意外に難しいものです。
そこで何でも反対式のマスコミ風潮に圧されて最近では「事なかれ式」・・先生も教育上必要な叱責が出来ない問題が起きて来ます。
石破氏のように政府の4項目決定に対して,感情行為対応が良くないと言う意見は、従来型マスコミ意見の風潮に合わせて迎合的に発言した可能性があります。
ミノモンタ氏が熊本地震の際に何の根拠もなく自衛隊批判さえすれば良いかのようなtweetして批判を受けたのと同じ印象です。
さすがに政治家ですから,政府はよく考えてやっているとも表現しているので,形式上はどうにでも逃げられる形ですが,印象的には政府が感情的対応しているかのように強調したニュアンスになっています。
石破氏が深く考えた結果の発言だったかどうか今のところ・・この後の展開(国際的根回しを済ませていたかのなど)を見ないと分りませんが,今のところ印象的共通性を書いているだけです。
だだをこねる子供に対する突き放しの第一弾が、感情で行なわれた判断の結果だったのかはこの後の展開で決まるでしょう。

ピープルと文字文化普及3

我が国では古来から,外来語その他社会の変化によって新たな表現が出来るとすぐに新言語を創作して,適応して来ました。
自民族固有の文字文化を大切にして来た(民族内差別意識が少ない・同胞意識が強い)からです。
とりわけ幕末から,明治に掛けてまったく未知の社会組織や機械類がはいってきたので、各種用語の創作発展に目覚ましいものがあることは周知のとおりです。
現在の漢字仮名交じり文は,表意、表音の良いところをうまくミックスさせたもので,文字表記方式としては世界最高到達点と言えるのではないでしょうか?
言わば漢字文化圏での最高到点です。
漢民族は漢字を発明したかも知れませんが,原始的蒸気機関を発明してもクルマや新幹線に到達しないようなもので,最高最終完成品にしたのは,日本民族だったことになります。
中国由来・経由のいろんなものが日本で立派な完成品になっているものが一杯あります。
中国では社会変化にあわせた自国言語の応用変化・創作力が追いつかなくて近代以降に生まれた社会生活上の用語は、日本語をそのまま直輸入利用している状況です。
自民族の表現のために生まれた文字文化ならばもっと柔軟に応用変化出来る筈なのにこれが出来ない民族・・漢字は本当に中国人の言語を表す文字であったのかの疑問が起きるのは私だけでしょうか?
今の中国支配下人民は,1950年代の簡体字化教育開始まで自民族の99%?が自国文字をまともに読めない・・あるいは自由に操れない状態で放置されていたこと・・ほぼ文盲状態であったことを表しています。
自分の気持ちを表す文字道具すらない・・こんな酷い状態で人民に何の不満もなかったことも不思議です。
日本では漢字が入ると直ぐに万葉仮名の用法工夫→漢字の簡体化ん繰り返し=仮名の前身になる何段階もの工夫繰り返し→仮名の完成となっています。
古今集の仮名序は1月7日に紹介したとおり905年です(正確にはその後に選者が作った和歌も入っているので若干遅れるようです)から、その頃までには完成型のひらがなカタカナが出来あがっていたのに対して,漢字発祥の地の中国地域では昨日まで紹介したように760年ころに漸く「的」の前身の利用例が発見されているだけです。
古今集完成より140年早いとは言え,せいぜいようやく間接詞利用が芽生えた程度・・現在でもまだ完成していない・・中国現在から見れば1100年以上早いことが分ります。
建物様式が入ってもそのまま取り入れて満足ではなく・・住居様式も,寝殿造りから書院造り等に発達し,戦後洋風建築が入っても日本独自性を失いません。
仏像や絵画でも当初は西域から入ったままの観音様などがありましたが(東京国立博物館内の法隆寺館の仏像など見ると日本に伝来したばかりの観音サマの多様性に驚きます)平安時代に入ると我が国独自の表情などに変わって行きます。
絵画でもいわゆる独自の「大和絵」表現が始ります。
漢民族の先祖は他地域から入って来た文化を生煮えのママ・・自国民族用に昇華して醗酵させられないまま、20世紀半ばまで来たのではないでしょうか?
25〜30年ほど前に中国へ旅行して先ず驚いたのは,西欧と住形式やお城の形式が同じことでした。
勿論文法・語順・S+V+Cも全く同じです。
ここ10年ばかりこのコラムで何回も書いているように中国発祥の文明はなかったのではないか(私の根拠なき仮説です)・・その都度他所から入って来た文化を自国文化と僭称して来ただけではないかと言う主張根拠の1つです。
日本で言えば中国から文物を真っ先に輸入した博多が、自分が発明したと偽って「博多文明」と称していたような疑いがあります。
博多の場合文明発祥地として独占宣伝したくともその先に海があっていろんなルートで違う湊に船が入って来るのでで,その先から入って来たことがすぐに分りますが,黄河最上流で町が始まった場合,何千kmもはるか砂漠の先の・・奥の院がどこあるか誰も分らないので独自文明の僭称が成り立ったのではないでしょうか?
中国歴史で言えば、匈奴に追われた月氏族が,西域に新たに大月氏国を立てると,漢の張騫の頃には西域の先の事情が分らなかったので,その先にあったクシャーナ朝も大月氏国と同じクニと誤解した歴史書が編まれています。
大月氏と言えば,中国人の大好きな璧玉も月氏を経由して輸入していたので,月氏の特産品と誤解していたのもその一種です。
この辺は「和氏の璧」に関するの解説で昔読んだ記憶だけですのでネット再確認しようとしてなかなか出て来ません。
ただし以下の文献には「目次」としてそれらしい項目がありますので紹介しておきます・目次だけでは当てにならない・・正確に知りたい方は,下記の文献を直接お読みくして下さい。
「古代中国の玉の世界-その科学と文化-鄧淑蘋監修茅原一也編古代中国の玉の世界(平成18年10月20日)
第12章
古文書にみる崑崙の玉
11. 1神話・伝説世界における玉
11. 2「史記」に記述された崑崙の玉
11. 3「漢書」[西域伝] にみられる崑崙の玉
11. 4「北周書」巻五十,異域伝-于?の記録
11. 5「五代史」巻七四,四夷付録三,于?の条
11. 6「重修政和経史証類備用本草」巻三,玉石部上品の条
11. 7西域南道の国々と玉
11. 8 月氏の玉
11. 9十世紀ごろの玉交易
11. 10 完璧の故事-和氏の璧

要するに古代には中国がどこから文明を仕入れたか誰も分らなかったと言うだけのことです。
ところで、自民族の発音そのままの文字にイキナリ変えると,変更前の異民族由来の文字文化・・過去の文献には研究者以外の一般人(庶民ではないある程度の教養人)が触れることが全くなくなります。
古い家を壊して最新式洋風建築するとその前にあった家屋内にあった文物の記憶が失われるのと同じです。
西洋でラテン語表記しかなかったのを自民族語表記(いわゆるローマ字がドイツ語フランス語英語その他、地域民族別の発音に合わせて少しずつ綴りが変化して行った・・この結果フランスはイギリスドイツよりラテン語の影響が強い・・遠くなるほど薄れているのは,このときからになります)に変わって行った場合,ラテン語表記に触れられるのはラテン語研究の学者だけになったのと似ています。
韓国は日本統治まで漢文だけの文字社会だったので,ハングルのみの教育制度になると,国民の多くは日本統治以前の文字記録を読めなくなって・・文化断絶・歴史無視の荒唐無稽な国民意識が生まれた原因がここに胚胎します。
・元々大した独自文化がなかった・・家屋で言えば建て替え前の家屋は貧民窟のバラックであって,残すような文化がないと言えばそれまでですが・・。
西洋では,ルネッサンス以降民族別独自文字利用が徐々に広がり一般市民〜庶民にも(自国語で書いているので)文字に触れるチャンスが広がったのですが,一般人にとってそれまでに書かれたラテン語文献に触れるチャンスがなかった点は韓国と同じです。
中世にドイツやフランス、イギリス(12〜15世紀に掛けて徐々に完成したアーサー王物語程度?)その他の独自文化がほとんどなかったとすれば、韓国同様ですから、ラテン語を読める層が学者限定になっても殆ど困らなかったでしょう。
ダンテの神曲が現地語で書かれたと言っても,それは超エリートの話であって庶民相手に意図的教育をしなかった当時では実際に庶民に文字文化が広がるには数世紀〜20世紀までの時間が必要だったでしょう。
西洋では15〜6世紀から徐々に独自文字表現が始広がったとすれば,韓国が20世紀後半から始まった点で500年の差があるだけ?の違いです。
西洋では自然に自民族文字が広がるのに任せていたので,数世紀以上・・あるいは幕末頃には日本に比較してまだ文盲率が高かったことが知られていますが,中国朝鮮では意識的にやって来た・・促成栽培の結果・・半世紀で漸く多くの人民にも自民族日常言語どおりに表記する文字文化が普及したところですが、その分底の浅さは否めません。
中国も簡体字普及政策で初めて庶民にも自国文字文化が広がり始めた・・そもそも少なくとも中共政権成立時には,全国的な初等教育制度自体なかったのですからこれをイキナリ全国展開出来るものではありません・・。
朝鮮半島と満州では日本が教育制度を戦前から整備しておきましたが,それ以外の中国では元々教育制度のなかった中国で全国一斉教育開始は(仮に資金があっても教員自体がいません)無理ですから、仮に一斉に初めても世代交代しないとすぐには普及しませんので,大方に広がったのは早くとも1980〜2000年頃からでしょう。
とすれば、文字文化普及の歴史では韓国より数十年遅れたレベルです。
上記のとおり教育制度整備の時間差があって、韓国が先に近代化した原因ですし,中国内では旧満州地域の人材が早く頭角を現した原因です。
韓国台湾の発展期に漢字文化圏とか儒教文化圏の有利性が言われましたが,文字教育制度がいつから始まったかの差です。

政党・政治家の役割 

昨日最後に中韓庶民の劣等感・沽券意識の強さの基礎にはエリートとその他庶民の二元論があると書きました。
ちょっと話題がそれますが,いま話題の駐韓大使一時帰国問題に少し触れておきます。
反日運動も同じ・・エリート・政府間交渉で「自分たちは日本に大変な世話になっていることは良く知っている・庶民は納得しないのでこの辺で表向き納めて欲しい」と言う交渉方式で戦後ずっとやって来ました。
今回の新慰安婦像設置許可もこの二元方式で,政府は努力しているが庶民が承知しないから仕方ないと言うやり方です。
その大もとになっている庶民に対して真の歴史を教えない反日教育をどうするのかと言う問題には知らんぷりです。
古代ローマや漢王朝に選ばれ、鑑札(漢の倭の奴の国王印)を受けたものだけがエリ−トであるとする意識に日本列島の価値観が合いません。
聖徳太子の昔に戻りますと,日本人は皆対等な同胞ですから漢王朝に選ばれた特定エリートだけがブランド化し優遇される「市民」「王」扱いするやり方に馴染めなかったでしょう。
大陸との交流が起きて以降・卑弥呼などが冊封を受けるコト自体に違和感があって根付かなかった・・使いを送ると漢王朝や晋朝では,勝手に冊封した形式にしていた可能性があります・・。
これを無礼だと思っていたニッポン民族の不満が出て来て(ニッポン民族は数千年前から,八百万の神・・衆議で決めて行く社会ですから,上から任命された「王」が威張る社会ではありません・・),はっきり言うしかないとなって,聖徳太子のときに熟議の結果、こちらも日出ずるところの「天子だ」と明白に言い張ったと言うことでしょう。
聖徳太子の随の煬帝への1回目2回目の国書については,November 26, 2016に紹介しました。
これを逆に日本が身の程を弁えずに無礼な国書を送ったと言うのが定説の印象ですが,この種いわゆる自虐史観は,16年1月6日の韓国に対する大使召喚等の意思表示に対する朝日新聞などの反応にも出ています。
聖徳太子のときにも「この際はっきりさせよう」・・失礼な扱いを「いい加減にしろ」と言う意思表示だったと(素人の私の偏った意見です)解釈すべきです。
実際にその後も独立性主張を繰り返していることからみても,よく考えないで出した国書ではなく、民族性に基づいた一貫した国論だったことの証左です・・。
随崩壊後の遣唐使でも堂々と独立性を主張していてこれを唐に認めさせて日本は冊封を受けていません・結果的に全盛期の唐王朝ですらも、日本を属国として冊封出来なかった・・遠来の客としか遇せられなかったと見るべきです。
自虐史観・・専門家・文化人解説では,朝鮮と席次を争った・・だから冊封を受けていたかのように大げさに解説しています。
しかし、新羅大使は属国の使いであり,対等国日本の大使の方が上席であるのは当然の主張で、唐王朝が何とか日本を属国扱いしたい政治工作を日本の大使としては黙認することは出来ないからクニの誇り、名誉を掛けて争ったのは当然のコトです
(ただし、唐の儀礼ルールでは他所から来た客より配下になるべき冊封国の使者の席次を上にしていた・・このルール自体が対等な客との交流を知らないいまに繋がる国際性不足の民族性です・・とも言われますので・・専門外の私個人的意見です)
誇りを重んじる民族性が,中世に無礼な国書を持って来た蒙古の使者を切ったことにも繋がりますし,幕末に武士が毅然とした対応をしたことが欧米の植民地化を防げた基礎です。
今の韓国中国はこちらが礼儀上ヘリ下っているといくらでも増長・横柄になる習慣・はっきり言わないと分らないレベルの民族である・・古代から繰り返しであることがわかります。
いまの慰安婦や南京虐殺問題も同じで、日本がコトを荒立てるのは大人げないと黙っていると「弱いからだ」と誤解して際限なく増長する傾向があるのは今に始まったことではありません。
礼儀の分らない相手にははっきり言うべき・・唐時代の席次争いと同じで必要なことです・・安倍政権になって反撃を始めて〜15年末の日韓慰安婦合意を経てもなお侮る態度を棄て切れない韓国に対して,17年1月6日頃の駐韓大使一時召喚等の日本政府の意思表示になりました。
唐朝でに儀式で「無礼な席次なら席を蹴って立つ」と頑張った大伴氏と同じです。
この段階で初めて韓国が驚いているのは,そこまでしないと分らない民族性を表しています。
聖徳太子の国書に対する一般的な批判の現在版繰り返し・・中韓の立場で,「日本がそんなことをしていいのか」「そんなことより話し合い」をすべきだと言う論調が当初マスコミ発表の記憶です。
この種印象を必死になって拡散していたのが朝日、毎日系マスコミでしたし,民進党の主張であったような記憶ですが、・・いま引用するためにみ直すと,何故か民進党の意見がデータに出なくなっているのでいまは不明・・記憶違いかも知れません。
朝日ニュースではアメリカ副大統領が如何にも制裁に反対しているかのように,「円満解決望む」意見であるかのような(これも見出しと違い推測しているだけのような狡い書き方)大見出しで印象操作していましたが、今になるとこれもどこかへ行ってしまい検索で出て来ません。
1月6日発表の政府対韓4項目通告に対するマスコミの印象的(はっきり主張出来ない?)記事の多くは,非武装平和論の蒸し返しと同じで「際限なく謝っていればどのような解決がある」かの展望もなく・・「ひたすら謝り続けろ・誠意を示すべき・・と言わんかのような印象だったのですが、余程抗議メール等があったからか今検索しようとすると全く出なくなりました。
いまネットニュースに残っているのは石破氏の「感情的対応は良くない」と言う記事だけで「民進党意見」でグーグル検索しても民進党の意見としては全く出なくなっています。
天下の政党が国家的重大決定に対する公式意見を出さない・・出せない・または一旦出したのを消したままで新たな意見を出せないのでは政党の存在意義がありません。
ちなみに個人意見ならあるのかと思って「大使召還蓮舫」でも何も出ません。
唯一見つかった石破氏の記事からの引用です。
http://www.asahi.com/articles/ASK1673XPK16UTFK014.html記載の石破氏発言要旨は以下のとおりです。
少女像「感情のエスカレートはよくない」 自民・石破氏
「日韓の断層は深いという感じを持つ。お互いに感情がエスカレートしていくのは決して良いことではない。どういう収め方にしていくか、見ながらやっていかなければいけない。この地域の平和と安定のために何が一番良いのか、北朝鮮を利することがないためにどうすればいいのか、政府でよくよく考えておられることだと思う。」
上記を見ると朝日らしい印象づけ記事で,見出し記事とはニュアンスが大分違うと言えば違いますが,次の総理を狙うべき政治家として慎重に選んだ結果の言葉としては,朝日の見出しが全くのすり替えとは言い切れません。
「お互いに感情がエスカレートしていくのは・・」と言う表現は、如何にも日本政府が感情的に対応していると言う批判的印象が強い表現です。
石破氏は自分のブログではないのでどんなに抗議があっても自分では消せないので残っているのでしょうが,4項目対応を感情的対応と見るべきか・・慎重に時期を選んだ安倍総理の冷静沈着な対応と見るべきか評価は一応分かれるべきでしょう。
石破氏は国防の専門家と言うマスコミの触れ込み・宣伝でしたが,元々国防について何が優れているのか全く知りませんでしたが、大使召還事件こそが国防最前線のテーマです・・。
国家間の争いを避けるのが国防政策ですが,大使一時帰国・・席を蹴って立つ行為は国家間紛争開始の第一段階です。
相手が踏み込んで来たときにどの時点で踏みとどまって言うべきこと言うべきか,毅然と自己主張すべきかの判断出来ないで「ずるずる後退する」しかないのでは,何があっても非武装平和論・・「相手に妻子が殺されても話せば分る」と言い続けるのと同じで,国防専門家とは言わないのではないでしょうか?
「石破氏が感情対立はよくない」と言うならば,「ここでは断固たる意思表示するのはまだ早い・次のこの段階まで待つべきである」と言う具体的戦略まで表明すべき・・もしかしたら発言しているのにマスコミで伝わらないだけかも知れませんが・・。
もしかしたらもしも具体的意見がなく,マスコミ受けするイメージだけで,「感情対立を避けるべき」と言う(実務政治家らしからぬ)文字どおりの感情論だとすれば・・次の政権取りの可能性を自ら潰した可能性があります。
政治家は国民関心事の高い順に意思表示すべきです。
この連休中に町内会の新年会に行くと多くの政治家が挨拶しました・・しかし地元政治家が具体的政権を披瀝せずに次の選挙ではよろしくと言うだけでは意味がありません・・自分はこの点に力を入れたいと言うメッセージがあってこそ直接聞いた甲斐があると言うものです。
国防は票にならないと言うのは,利益誘導だけを基準にした国民をバカにした意見であって,むしろ対中韓対応その他ホットなテーマに関する具体的意見次第で投票を決めたいと思う人の方が多いのではないでしょうか?
またこれを知っているから,民進党は本音を言えないで黙ってしまったし、マスコミは頻りに国防は票にならないと宣伝しているのだと思います。
政党や政治家がいま最新の政治的大ニュースについて何の意見も示せないのでは,政党・政治家と言えるのかの疑問があります。

ピープルと文字文化普及2

今の中国語では、漢字と漢字を繋ぐ文字として,普通に知られているところでは・・「的」「地」「得」などの利用が知られていますが,(構造助詞と言うそうです)自民族言語使用の文字になれば自然発生的にこう言う助詞副詞間接詞的な繋ぎ文字表現が生まれて来るのが普通の発展形態です。
そこで最も多く使われている[的」がいつから使われるようになったかが気になって調べてみると,以下の論文が見つかりました。
一部引用しか出来ないので,関心のある方は全文をご自分で御読み下さい。
http://www.ffl.kanagawa-u.ac.jp/graduate/ronsyu/img/vol_17/vol17_04.pdf
中国語構造助詞「的」の歴史的変遷
     ─表記と構造から考える─ 于 飛
1.1 中国の唐代
構造助詞「的」の最初の形は「底」という漢字で書かれて、中国の唐代に初めてみえてくる。最初に記載された文献の中には以下の二つの用例しかない。
「底」の構造は「X(名詞、代名詞、動詞、形容詞)+底」及び「X(動詞、形容詞)+底+名詞」である。次は最初の2例をとりあげる・・以下中略
1.4 中国の元・明・清時代
・・中国の元代から、表記としての「底」の代わりに「的」という漢字がよく用いられる。・・以下中略
5 現代中国語における構造助詞「的」の研究
現代中国語で最も多く用いられる漢字が「的(de)で、使用頻度はおそらく5%を超える(100字のうち5字以上を占める)。現代中国語において、「的」は使用頻度といい機能といい、きわめて重要な助詞である
・・・・中略・・表はコピペし難いので省略・・
表1でみると、「的」の表記と構造の歴史の変化ははっきり分かってきた。
表記の方は、中国の唐代に「底」という漢字を使いはじめ、宋代に「的」という漢字は「底」の代わりに用いられた。その「的」の使用率は元代から普及されて、現代まではもう完全に「底」に取って代わっている。構造の方は、「A(名詞、代名詞、動詞、形容詞)+底・的」の構造は唐代から現代までほとんど変わっていない。
「A+底・的+B」の構造は唐代と五代では「的」の前に名詞と代名詞が出てない。それ以外、現在の話し言葉の中で、「数量詞+的+数量詞」の構造も用いられた。用法からみると、「的」は最初の連体修飾と準体助詞の2つの機能から、現代中国語の副詞の後置成分、状態詞の後置成分と助詞(朱德熙氏の『現代漢語語法研究』(1980年)によると帰納された)の3つの機能に発展した。」
となっています。
唐の衰退が始まった頃(安禄山の乱が起きたのが天宝14年です)から、徐々に口語に合わせた表記方法が発展して(上記論文には日付がないので発表年月日が分りませんが,)現代表記になって(簡体字化+学校制度を構築してから数十年経過でみんなが使えるようになって)助詞が漸く一般化して来た経緯が分ります。
(このコラムは時々注記しているとおり専門論文ではなく,思いつき自由奔放な素人判断ですので念のため・・)
唐の時代に漸く「低」と言う「つなぎ言葉(中国の定義では構造助詞)」が2例出て来たのですが,(代表的な「的」を見ているだけなので,その他繋ぎ文字の有無までは分りません)我が国万葉集では殆ど全てに万葉仮名を工夫して副詞・助詞や間接詞が使われています。
日本では既に14〜500年前から多様な助詞を使っていたのです。
昨日書いたように,聖徳太子以前から数百年単位で徐々に日本列島の独自意識成長が進んでいたコトが分ります。
縄文時代以来数千年以上育んで来た独自文化・・民族気質・価値観からすると文字その他便利なものは明治維新時の和魂洋才・・同様に大陸から導入するとしても,気質・価値観は受入れられない関係だった可能性があります。
その後の律令制導入も同様であったことも繰り返し書いて来ました。
ここのテーマは文字導入ですが,漢字を導入・・記録することの便利さを導入したものの表記方法はすぐに独自開発していたことを書いています。
自民族の発音どおりに文字化するには,昨日書いたとおり表意文字だけでは不便なので,どうしても表音文字が必要です。
これが唐時代初見と言うのが上記論文です。
上記論文では出典書物が唐時代と言うだけですが、唐も長いので念のために時期を調べてみました。
昨日紹介した論文の内2例が出ている文書の1である「隋唐嘉话」はどう言う文書でいつ書かれたものか?
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%8B%E5%94%90%E5%98%89%E8%A9%B1によると、「隋唐嘉話》,又名《國朝傳記》、《國史異纂》,凡三卷[1],唐代劉餗著。」「记载南北朝至唐代开元年间史事,以补正史之阙」とあります。
要するに正史に漏れた部分の私的補遣文書と言う意味でしょうか?
著者の生没年不明となっていますが,著者劉餗の経歴をhttps://zh.wikisource.org/wiki/Author:%E5%8A%89%E9%A4%97で調べると「劉餗,字鼎卿,徐州彭城(今江蘇徐州)人。生卒年不詳。劉知幾次子。進士及第,天寶初年,歷官河南功曹參軍、集賢院學士,兼修國史,官終右補闕」となっています。
進士及第の天宝は玄宗皇帝の年号でhttps://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%AE%9D_(%E5%94%90%E6%9C%9D)によると,「天寶(742年正月—756年七月)是唐玄宗李隆基的年号,共计15年。天寶與開元兩個年號可以合稱為開天」と記載されています。
美術家は若くても立派作品を出せますが,歴史書は資料蓄積ですので若い頃にはまとまった歴史書を書けないでしょうから,晩年の著書とすれば,760年前後頃の著作でしょうか?
第2例の朝野佥载はhttp://baike.baidu.com/view/1039792.htmによれば、以下のとおりです。
作者张鷟,字文成,号浮休子,史称“青钱学士”;深州陆泽(今河北深县北)人。生卒年不详,大致在武则天到唐玄宗朝前期,
則天武后から玄宗皇帝前期の人です。
現在中国語になるまで、マトモな口語表記が生まれなかった・・今でも[的」1つの漢字を多様に使い回しをしている・・発展途上・未発達なことが分ります。
唐時代には2通りの使い回ししかなかったのが今では多種多様な利用が行なわれている・・生活高度化により言語表現が発達したのに新たな文字創作力が追いつかない様子が窺われます。
「的」だけではなく前後に来る文字によって1つの漢字が意味の違う使い方をするから表意文字とは言い切れない・・中国文字は「表語文字」と言うらしいですが,単に表音(間接)文字が未発達なだけではないでしょうか?
昨日からこれを私流の理解で「繋ぎ文字」と書いて来ましたが,中国ではこれを「構造助詞」と言うらしいです。
「構造助詞」など学校で習わないな!と思って検索してみると,中国語勉強関連の情報ばかりで中国語以外にはない・・一般的用語ではない印象です。
中国人自身の使っている言語表現に合わせた文字文化が未発達だから「的」「得」など限られた文字を多様に使い回す必要になっているだけではないでしょうか?
北朝鮮同様で,中国は何でも謙虚に考えず開き直り・・強弁する傾向がありますが、これでは発展性がありません。
(劣等感が強過ぎるからではないかと一般に思われていますが,もっと根深い問題・・エリ−トだけが本当のこと知っていれば良い・・庶民は支配・教育の対象であり,都合の良いコトだけ教えておけば良い・・真実は教える必要がないと言う思考による・・ここでテーマにしている西洋式エリートとその他庶民・民族分断思考が基礎にあるというべきです)

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。