対外強行主義の限界2

対外強行主義は、弱い相手を選んでやるので正面だった抵抗が少ないので言わば破竹の勢いで始まります。
対外強行策は国内不満そうの支持率が上がることが多いので,国内政治上のブレーキが利き難い問題があります。
不満の根源解決の代わりに弱い者イジメをして一時的フラストレーションのはけ口にしているだけですから、これによる支持はいつまでも続きません。
お腹がすいて泣いている赤ちゃんにミルクを与えないで,ガラガラッと音をたてて気を引いてもすぐに泣き出すのと同じです。
政権が支持を維持するには,際限なく外国侵略または過激な強迫を繰り返すしかありません。
侵略ならば,圧倒的武力さえあれば無抵抗なので際限なく?できますが,アメリカ国民もこれ以上領土を欲しくないので(世界中から基地を引き上げたい状態です)やるとすれば、・・既存労働者保護のための輸入規制や移民規制しかありません。
ところが,1月30日に入国規制が始まると、直ちにアラブ諸国の反発が始まったように相応の報復を受けるのを防げません。
国内からも有能なアラブ系開発要員が流出する・・結果的にアメリカ企業の競争力低下が始まりますので国内企業からも不満が出ます。
今では,対外強行主義は国内政治・利害に波及する時代で,国内一丸として支持する関係ではなくなっています。
1月30日に紹介したようにクリントン政権は対日100%関税課税で日本を脅したもののその先が続かなかった・・クリントン〜オバマ政権はこの繰り返しを出来ず国民不満を蓄積してしまったので、トランプ氏はこの不満を引きつけて当選したので,簡単に撤回出来ません。
民度を挙げて中間層から非正規雇用へ転落して行くのをふせぐのが本来ですが,基礎レベルの低い国民が多過ぎてこの政策を打ち出せないのが苦しいところです。
かなり有能な政治家でも低い民度を引き上げるのは困難です・・学校で言えば、底辺校に優秀な先生が来ても偏差値20を30に引き上げるのが限界で,イキナリ進学校に引き上げるのは不可能でしょう。
内政充実策がない・あるいは複雑な利害調整能力のない政治家が対外強行策や国内スケープゴートを探しを好むことが多いのですが,国内少数派は文字どおり少数で政治力が弱いので,標的を決めればナチスのようにいくらでもエスカレート出来るので簡単です。
1月30日から問題になっているアラブ7カ国からの入国制限措置実施について,米国内でアラブ系は目立ったデモなどの抵抗が出来ていませんが,国外でアラブ諸国の反発がすぐに起きたように対外的には一定のところで壁にぶつかります。
国内的にも人材利用阻害が経済活動に大きな影響を及ぼすことも時間の経過で明らかです・・その分白人雇用が増える・・それこそが目的だと言うのがトランプ氏と支持者の主張でしょうが,ゾンビ企業温存のマイナスと同じことが労働市場で起きる・・この心配自体行き過ぎ・・その修正をしたいのがトランプ氏の主張ですから,当然の結果・・驚くことはないと言うことでしょう。
理屈はそのとおりですが、輸入や立地規制の外、人材採用規制まで始めるとアメリカ企業の生産性がじりじり下がらないかの疑問がありますが、その辺の政治判断は日本の移民受け入れ政策同様にその国の国民がすることです。
国力低下よりは「人民ファースト」とすれば一貫しているかも知れません。
一見乱暴そうに見える決定もその先の波及効果を読んだ上でやっている場合もありますから、結果が出ないと分りません。
対外強行策に戻りますと、ナポレオン,ヒットラーその他地域大国が傍若無人に振る舞えたのは,地域内だけ・境界内を制圧した結果、地域大国同士の戦いになると勝率が急激に下がります。
波及効果のマイナスが内外から出て来て対外強攻策が行き詰まってから、泥縄式に内政対応に切り替えてもうまく行くわけがない・・殆ど全ての場合,無理があって失速します。
近くは朴大統領による慰安婦外交失敗による内政転換→職務執行停止に至った現状を見れば分ります。
国際紛争が起きると多くの場合,内政の対立をそっちのけにして「先ずは一丸となって戦おう」と言うことで支持率が上がります。
任期最後の数ヶ月〜半年で対外強硬策・対外紛争を起こせば、まだ勇ましいことの言い合い程度で勝敗が決まっていない段階で任期満了ですから、めでたしめでたしです。
相手の方が少し強くても・・(とりわけ日本のように直ぐ反撃しない国相手では)勝敗が出る頃には任期満了ですから,失敗しても元々・・退陣まで支持率を維持出来るのでやるだけやって損がないカードです。
このように、対外強行策は政権支持率が下がった政権末期に政権浮揚効果を狙って最後にイチかバチかの賭けでやれば仮に競り負けそうな状況になったとしても、その前に任期が来て次の政権にバトンタッチすれば良いので気楽です。
次期政権がマイナスになってもすぐにやめる予定の自分の任期は全う出来るので、任期満了直前で紛争を起こすのは損がありません。
韓国では毎期のように大統領任期満了直前に反日カードで大騒ぎの繰り返しでした。
最後に使うべきこのカードを朴大統領もトランプ大統領も就任最初から出しているのでは,乱暴な政策に対する波及効果が出て来る1年〜1年半経過で見事に対処出来るかどうかになり、リスクが大きくなりますが,もしかして混迷するとその先長い任期がどうなるのか・・最初から後がない・・,最低の弱体政権発足となります。
ゾンビ企業や競争力の低い労働者温存のマイナス効果が出て来た場合の政権安定度ですが、経済制裁を受けても言論自由度の低い北朝鮮やロシア・イランなどでは,国民生活に徐々に利いて来る程度では支持率が失速しません・・逆に強国の横暴・・悲壮感を煽って団結アップに利用出来るのが普通ですが、言論自由度の高いアメリカで同じように行くとは思えません。
この辺の違いについては昨年のロシア空軍機撃墜事件直後に世界中から経済制裁を受けて弱っている筈のロシアが対トルコ経済制裁を実施した際に、自由化度の進展度合いと買う方と売る方の差を含めて制裁耐久性を考える必要があることをSep 19, 2016「フラストレーション度2と中華の栄光復活」でと書きましたが、その続きが先送りになっています。
経済制裁打ち合いの耐久度は自由主義国・生活水準の高い方が弱い・・余程の格差・・ダメージ度7対4程度では無理・・10対1程度の差が必要で、消費国の方が強いと言う当時の予想通りエルドアンが直ぐに屈服しました。
トルコは農業産品を買って貰っている外にロシア人の観光に頼っていた面も弱みでした。
中国が気に入らない国に対しバナナ輸入制限や観光客を絞って攻勢をかける(・・これが国際司法裁判所で折角完勝したのにフィリピンが黙ってしまった主な原因です)ことが多いのと同様で、日本も中国人観光客増は大きなリスクになります。
強力な輸入制限は相手国からの輸出規制を受けているのと経済効果が同じですから、消費レベルが高く民主化の進んでいるアメリカで、トランプ氏がロシアや北朝鮮の耐久度を参考にしていると誤算になります。
朴大統領やヒットラーあるいはナポレオンは,対外強行策が限界に来て行き詰まった歴史ですが,トランプ氏の場合、国力背景の強行策は世界相手でも一応貫徹出来るでしょう。

対外強行主義の限界1

国境の壁をなくすと自国立地の不利=人件費その他総合コスト高を嫌って,アメリカ系企業まで皆自国を棄ててメキシコへ工場移転していました。
これに対してトランプ氏が反発して企業には35%の関税をかけると脅したのです。
自国内企業が高コストでもメキシコ立地企業と競争出来るようにするには,相手国の貧困を理由に批判するのではなく相手国も豊かにしてやって同じ「高コスト体質」同レベルで来競争したらどうなるかのテーマをきっちり考えるべきことです。
アメリカの伝統的中南米政策は「相手を搾取し尽くして窮乏化に追い込んだまま究極の貧困状態で物事を考えらないほど追いつめて絶対に立ち上がれないようにする」ものでした。
モンロー宣言はこれを確かなものするためのもの・・囚われの「南北アメリカ大陸に口出しするな」と言うものだったように見えます。
新興国の各競争力に戻りますと,公園・・駅舎や道路工場設備も貧弱であるなどインフラコストがかかっていない・・人件費も何十分の1と安い分に比例して割安に物を作れますが,(その代わり技術レベルが低いので粗悪品が多い)それは一時のことです。
新興国が成長軌道に乗るとインフラが充実して来て(職場にも空調が効くようになり)負担経費がいるし,人件費も上がる・・私が年来書いている世界平準化が進みます。
国際平準化の流れについては,02/21/07「生活水準の国際平準化14と格差社会5(キャピタルゲイン2)」その他で繰り返し書き、平準化進行後の世界については,October 15, 2012「世界平準化後の世界ランキング6(民度2)」まで書いたことがあります。
賃金も上がる→今の中国のように賃金アップ(中進国の罠)で苦しむようになって大きな貿易黒字がなくなって行くのが普通ですから、不公正だ何だと言わずに自然の流れに委ねてその帰趨に任せれば良いことです。
このシリーズで書いているように、市場原理に委ねれば民度レベルまでしか給与やインフラレベルを上げられない・・これが正常な姿です。
自国民の給与・所得水準を上げたければ、民度を上げて行く努力しかありません。
先進国は産業革命の先行者利益の結果実力以上の所得水準を謳歌していたのですが、産業革命の成果が新興国にも及ぶようになるとメッキがはがれて行くのは当然で,将来的には自らの民度レベルに下がるのは仕方のないことです。
ラーメン屋で言えば,味付け能力が低くともラーメンにトウモロコシを乗せるアイデアだけで売上を伸ばすことは可能ですが、それは一時のことで,トウモロコシを乗せる方法が普及すると元々味付けの良い同業者に負けてしまいます。
スーパーダイエーはスーパー方式で先行しましたが,同業者が増えると販売能力の高い方に淘汰されました。
東南アジアや中国の安い人件費に目を付けて先行進出し大成功していた中堅家電メーカーがありましたが,その後実力のある大手が進出するとすぐに負けてしまいました。
いろいろな事例を見ると技術などの実力がなくて目先が利く程度では,一時的に大当たりしても中長期的には結局実力の限界で落ち着くしかないのです。
アメリカの民度は出身地の西洋諸国に比べてかなり低い・低レベル層が基礎集団と言う基本理解でこのシリーズでは書いていますが・・これを前提にすると、将来的には西洋平均以下の生活水準+資源販売益レベルに落として行くしかないと観念すべきです。
日中その他相手の場合には,関税以外の不公正慣行がどうのと言う言いがかりをして来ましたが,不公正と言う言いがかりをつけられない・・何の障壁もない国内同様の物流が実現しているNAFTA相手ではそれが通用しません。
そこで已むなく自国の雇用を守れと言うしかなくなった・・遂に本音が出たと言うべきでしょう。  
昨日書いたように輸入規制でホンの一時的に息をついても、外資が国内生産に参加すると一定期間経過で実力のない民族資本が負け始めるのが目に見えていますので,その内相手国に一定数以上の輸入受け入れを強要するしかなくなります。
政権発足当初に設定した輸出規制・・クルマの例で言えば、アメリカの輸出受入れ台数以上の輸出を相手国に認めない(たとえばフォード車を1万台以上輸入しないと日本から1万台以上の輸出を認めない場合)と強制的に決めさせていた場合、数年後にアメリカが輸出台数を増やすには,同数の輸入枠拡大を認めるしかなくなります。
結果的に同数を輸入するしかないならば,国内需要以上の生産が出来ないことは同じですから、国内生産を結局は国内需要以上に増やせない点は同じです。
まして特定品目別ではなく総額交渉の場合(貿易赤字を問題視するならば,これが普通の交渉でしょう)、日本が米国から食料品や燃料等を輸入すると,その分クルマ等工業製品の輸入を強制される量が減少します。
フォードの頼るピックアップトラックで言えば,トヨタもアメリカ国内で生産を始めると,結局は競争力・生産効率の差になって行くので,多分短期間でフォードの販売数が減って行くでしょうから、政商的利権で(日経新聞の推測記事の真偽不明ですがそのパターンで)動くフォードの栄華はそれまでの短期間になります。
トランプ氏の輸出入規制を煽る過激言動は一見目覚ましいように見えるものの、アメリカの信用を傷つける割に実はアメリカのビッグスリーにとって大した効果を生まないことが明らかです。
昨日紹介したように35%のトランプ以上の過激規制・・ビッグスリーの要請に答えて日本製クルマ輸入に100%課税の脅しを掲げたクリントン政権は,結果的にビッグスリーのアメリカ国内シェアーを落として終わったのですが,メキシコから国内回帰強制してもビッグスリーが現地生産の進んでいる日系その他海外勢に勝てるようにルトは思えません。
このままで放置ではオバマ政権と同じですから,国内でも自由競争による淘汰を認めずに(移民排斥同様に)民族資本かどうかで差別する方向に行くしかないのでしょうか?
こうなって来ると自由主義や人権思想の適用を国内外で分ける欧米の二重基準の人権思想の御都合主義の矛盾が国内でも起きて来ます。
中国が外資を導入しながら他方で何かと嫌がらせするのと、どう言う違いがあるのか分らない・・中国レベル以上の恣意的基準・・専制政治をしたいと言う意思がはっきりして来ます。
1月17日のダボス会議で世界一の横暴・恣意的政治をして世界からひんしゅくを買っている中国の習近平が、アメリカを名指ししないものの保護主義批判演説をしたので世界中が驚きました。
報道印象では「お前に言われたくない」と言う基本姿勢でしたが、私はそうは思いません・・まさに時代の変化・・アメリカが中国以上の恣意的政治に入ろうとしている危険を象徴していました。
中国でさえ霞んでしまうほどの恣意的・強引政治出現に,専制支配ナンバーワンの地位をアメリカに奪われるのが許せないと言う意味だったのでしょうか?
ウエストファーリア条約のシリーズで欧米の内外・人種や宗教で人権基準を分ける矛盾をこのコラムで書いて来ましたが、最も民度の低いアメリカで真っ先に露呈し始めると思われます。
私は安倍政権の外交が成功していることは認めますが,アメリカの価値観は表向きとは別に実質は無法者価値観・こん棒外交であるから、これと一緒は困る・・価値観外交は方便として利用する範囲だであるから、あまり言うと危険だと言う趣旨の意見を書いたことがありますが,こんなに早く本音を露骨に出して来る時代が来るとは思いませんでした。

取引外交3(取引が終わると?1)

イスラエルの行動原理は,アジアではアメリカ一強、次は中国と読めば,正義の基準に関係なく尻馬に乗る韓国の動きに似ています。
韓国の「事大主義」と揶揄される目先を追う行動は、千年単位で従うべき強国は中国地域で成立した歴代王朝しかなかった・・次に成立した王朝に朝貢すれば良いというと言う単純経験・・覇権は数十年単位で変わって行くものと言う経験がないことによります。
日韓併合は日清露3ヶ国の中で、欧米の応援を受けている日本に着いた方が間違いないと言う判断で日本にすり寄った結果です。
戦後は米国一辺倒・・アメリカに迎合するために反日教育をし過ぎた結果、米国が半端な態度(いわゆるはしごを外される状況)になっても今更反日をやめられないのが一種の国難で反日で貫徹する以上は中国の方がくみしやすいことと,将来は中国と判断して露骨にすり寄ってしまったと思われます。
朴大統領職務停止後の野党の動きは,中国へ韓国企業閉め出し緩和の陳情団を送り込む一方で,1昨年末の「日韓合意破棄」を主張しているのは,反日世論に迎合した動きとしては一貫しています。
無茶な要求でも廻りが無視出来ないアメリカとは違い、小国の場合世論迎合だけで国際関係を無視して行動出来るものではありません・・。
今後米中でどう言う取引が成立するかは別として,当面厳しい対立関係に入ることが予想される現段階で,朴大統領でさえ軌道修正するしかなく,米国の求めるサード配備に同意するしかなかったのに,中国の言うとおりにこの配備を中止・ご破算にするのは・朴政権以上に中国に思いっきり傾斜し直すことが可能かの合理的判断がないのです。
トランプ外交は取引外交が本質なので相手国・・世界中が読み易いので,(トヨタがすぐに米国投資を発表したように)却って安心とも言えますが,二国間協定で相手国の貿易黒字否定が続き,順次攻撃相手が小さくなって行くと,その先どうなって行くかの壁にぶつかります。
国内的に見ると最初は大きな成果が目に見えるので支持率が高まりますが,・・あっという間に対外強迫の成果が目に見えなくなって行きます。
この繰り返しをやって来た・・だから301条が存続出来て来た・・政府=弁護士業務的政府に見れば,仕事がなくならないので良いでしょうが・・これがアメリカ政府でした。
トヨタその他企業を強制して国内投資させても国内市場規模以上のクルマ・家電その他はいらないのですから,輸入制限した穴埋め分の取り合いのときにはまだ何とかなりますが,それも終わると国内競争が激化します。
元々国際競争に負けているコトにカンシャクを起こして歴代政権が輸入規制して来たのですから,現地生産を強制しても民族系企業に競争力がつくわけがありません。
今朝の日経新聞朝刊6pには昨日から私が書いている状況が出ています。
クリントン政権が1995年5月突然日本からのクルマ輸入に100%関税をかけると脅して来た歴史です。
このときもトランプ氏同様に「国内雇用を守る」と言う大義名分(民族系企業を守るためとは言えなかった)でしたので,日本の智恵でアメリカ現地生産+部品調達率アップし国内雇用拡大提案をして6月には合意して100%課税が回避されました。
ここまでは昨日書いたことと同じ・・即ち表向きの大成果には上記合意には新たな衰退の芽を用意していたと言うことです。
現地生産開始歓迎(雇用を守るためと言う脅しでしたから,生産拒否できない・歓迎するしかなかったでしょう)の結果、15年までの10年間ににアメリカ国内での日系車生産量は約150万台に達していて,(その他韓国車75万台、欧州車70万台)輸入規制にすがったアメリカ車は99年から15年までの間に1003万台から641万台へ361万台も減っていると書いています。
輸入規制働きかけたアメリカ企業には,日系車が現地生産を軌道に乗せるまでの一時的恩恵しかなかったことが分ります。
この部分が昨日に続く今日コラムに書いたテーマです。
輸入規制の結果アメリカ系企業が一時的に息を吹き返しても、外資系の現地生産が軌道にのると国際競争が国内に持ち込まれるだけで,結果は同じことになった現実が既に起きていたのです。
27日に保護主義についてちょっと書きましたが,ここでもう一度書きますと,成人前の子供を守るためにいろいろな保護や教育制度があるように未成熟国が独り立ち出来るまで国内産業育成を保護するのは必要なことですし、成人すれば1人前に働けます。
これが従来型の正当な保護主義ですが,アメリカの「保護主義発動」の原理は自分が世界で一番「強い」コトが理由ですから,真逆です。
「強いから保護しろ」と言うのは論理矛盾ですから相手を不公正貿易国と批判するしかないのですが,これは権力を背景に「白」をクロと言い、馬を鹿と言い、相手に反論させない故事と同じで正義無視・・強い者には正義はいらない・・専制的支配そのものです。
日米戦争は,アメリカが道義に反した要求を繰り返して日本を戦争に引きずり込んで戦争になると戦時国際条約に反して残虐行為を繰り返した挙げ句に原爆投下に至ったものです。
自己の非道徳性を誤摩化すために逆にありもしない戦犯裁判を強行し,それでも足りずに南京虐殺あるいは慰安婦騒動をけしかけて来たのと同じ論法です。
慰安婦連行を認めない日本の動きを「戦後秩序否定」と韓国が国際運動するのは,まさに正義かどうかではなく強大な「アメリカの正義」に逆らうのかと言う主張方法ですから,彼らの主張はアメリカがでっち上げの震源であることを自ら語っています。
ところで,未成年者だけではなく高齢者も保護の対象になっていますから衰退産業も保護される権利があると言う主張になるのでしょうか?
高齢者の虐待からの保護は現役を退いた人が対象ですから若者の就職を妨害するものではありません。
ただし定年1年延長は1年分の労働力余剰・・ひいては就職難を生む面があると言う意見をこれまで定年延長問題その他のテーマで01/08/03「ゆとり生活 2」01/07/10「終身雇用制2→若者就職難2」その他何回も書きました。
だからと言って高齢者雇用に反対ではなく,能力があっていつまでも働くのが労働需給に関係するならば、労働力不足を理由にするる移民を入れなければ良いだけのことです。
高齢者保護は時間経過でいなくなるのでその間の退場システム・・企業淘汰と同じ退場システムの問題ですが、後進国ではないアメリカの輸入規制は成長を待ってもらうためでもなければ,退場システム・・緩和目的でもなく、既存企業の淘汰を防ぐためのものですから,いわゆるゾンビ企業を抱え込むリスクを自ら冒していることになります。
ところで不公正の認定が恣意的になり易いので,戦後は国際機関・・ガットに始まり,WTOのパネル協議で公正な基準で決めて行くルールが決まっています。
アメリカは自分だけは勝手に決める権利があると言う?立場で、301条成立前から,ガットやWTOルールによらずに勝手に「認定するぞ」と脅して事実上輸入自主規制などを強制して来ました。
今回のメキシコ攻撃・・ナフタの中止・再交渉宣言は文字どおりこれまでの「不公正貿易国」認定の恣意性・・不当な言いがかりだったことを自白したことになります。
すなわちナフタ(北米自由貿易協定)は相互関税撤廃または低障壁化ですが、この結果低賃金のメキシコからの輸入が増え過ぎていることとアメリカ企業のメキシコ移転・国内空洞化を防ぐと言うのがトランプ氏の主張です。
メキシコに工場設置する企業には高関税をかける脅しで次々と投資予定の撤回を迫っています。
と言うことは,対等条件では競争に負ける・・同一条件下の競争では負けていることを正面から言い出したことになります。

取引外交2(ス−パー301条の効果?)

取引外交のトランプ氏の本音はすぐに分りますので,これが分ると直ぐに(トヨタの米国投資発表など)迎合の動きが始まります。
半端に正論を言って抵抗して最小限被害でまとめるよりは要求されている以上の逆提案で,(山内一豊の故事で知られているとおり)その懐に取り入るのが古来から専制君主に取り入るための智恵ですから,正義の基準を問題にしない取引外交のトランプがパッシングしていた国との取引が簡単に成り立つと見るのが普通です。
取引外交の本質は,さしあたり獲得利益の大きい国相手から始まりますので,大きくアタマの出ている中国が最初に叩かれる可能性が高いのですが、宙ぶらりんでは困る・・中国としては早く叩いてくれれば,(台湾と南沙諸島の埋め立て撤去以外は何でも受入れるしかない?)却って手打ちするのが簡単・逆説的ですが,早く具体的に叩いて欲しい状況でしょう。
今のように「1つの中国かどうかを中国に指図されることはない」とばあーんと言われっぱなしで止まっていると中共政権として言われっぱなしのマイナスダメージだけで解決にならないので,何をどの程度の成果を求めて台湾問題を脅しに使っているかの本音を探るのに必死です。
トランプは交渉対価を吊り上げるためにはすぐには要求を出さないでさしあたり台湾問題で揺さぶれるだけ揺さぶって相手の焦りを待つ戦略でしょう。
いずれにせよトランプ外交は解決を求める取引外交ですから、交渉が具体化すれば同時に着地点が見える安心感があります。
安倍総理を含めて世界中がトランプ氏との面会競争になっているのは,何を要求されるか心配だが先送りするとリスクが高いので一刻も早く知りたいからです。
交渉が始まり着地点が見えて来ると、次順位国や企業が狙われます。
ですから,今中国敵視発言していることが,日本に関係がない(次は日本か?と身構えるのが普通です)とは誰も考えないでしょう。
取引外交の本質は,取引成立を求めてやることですから、パッシング相手と決裂にならないでほぼ百%取引成立すると見ておくべきでしょう。
今の世界でアメリカ相手に決裂してやって行ける国はありません。
そうすると今度はそのクニ(中国)と親密になりますので、台湾問題を持ち出して中国パッシングしている場合,対中取引が成立する可能性が高いと見ておくべきですから,そのうちパッシング相手が半回転で日本に向かったり、逆回転して台湾に向かうリスクがあります。
ニクソンの米中和解〜ソ連崩壊後パッシング相手が日本に向かって来た歴史です。
中国と手打ちしても直ちに台湾にパッシングが向かうまでには,上記のとおり獲物の大きい順・螺旋状の順位ですからまだ遠いとしても中国パッシングが落ち着けば、中国の台湾侵攻があってもアメリカの姿勢変更・応援に動かなくなるリスクがあります。
今親密でもいつはしごを外すか分らないし,外さないとしてもトランプ政権が最大8年続いてもその後どうするか・・・遣り過ぎた反動・8年先の見通しが立たない結果、現在最も利益を受けるトランプの対中パッシングが始まると台湾政府の動きが却って慎重になったのは当然の智恵です。
パッシング政策では一見アメリカの力を誇示出来るものの、ヤクザの脅しみたいで結果的に世界中がアメリカの言動を信用出来なくなります。
結果的にアメリカ政府の信用ががた落ちですし,1月27日にフォードの動きを紹介しましたが,政商的動きに特化して行く国内企業が多くなると結果的にアメリカ経済力の足腰が自然衰退より早くなる・・急激に低下する筈です。
他方イスラエルはトランプ氏の応援で舞い上がっている様子でこの機会を利用して周辺国の反発を無視して、エルサレムに首都移転する計画実行に動き出しました。
トランプ氏のイスラエル贔屓は信念によるものであって単純取引外交ではないとしても、最大8年先の展望しかなくて大丈夫なの?と言うのが私の疑問です。
8年先も親イスラエル政権だとしてもその頃にも周辺アラブ諸国を無視出来るほどのアメリカ1強が続くと言う見通し+正義無視の横暴要求を露骨に出来る強さが更に続くと言う読みでしょうか?
トランプの強引さ・乱暴さは弱さの極限が来たから騒ぐしかなくなったと言う逆の読みもあり得ると言う慎重な判断を何故しないのか不思議です。
アメリカの弱体化進んでも巨大市場である点は簡単に変わらないと言う読みでしょうが,世界中から輸入しているから影響力が大きいのであって,輸入規制をするようになると世界に占める購買力比重が急激に縮小して行く→急激に発言力が低下します。
例えば日本の対米輸出が2〜3割を占めてている場合と1割〜5%と下がって行けば強引な政策に対する耐性が大きく変わります。
ブラジルやインドが人口や資源だけあっても国際発言力が低いように、アメリカが日本から大量に買ってくれるから仕方なしに言うことを聞いているだけです。
例えばクルマを1台も輸出出来なくなれば,日本はアメリカの政策に振り回される必要がなくなります。
例えば2国間交渉で「輸出入同額にしろ」と強制されてこれを認めた場合,次から何か強制されて拒否してもお互いの痛みは同じですから迫力がありません。
膨大な貿易黒字がなくなるのが怖いから・・毎日買ってくれるお客なら大事にしますが,もともと買ってくれたこともない客に「今度から買わないよ」と言われても痛くも痒くありません。
大量輸入しているからこそ大きな顔を出来る原理は個人商店と顧客の関係と同じで、黒字を不公正国としてパッシングする301条以来の政策発動で本当に効力があったらどうなるでしょうか?
もしも成功すれば,相手国の黒字が大幅縮小しこれに比例して上記のとおり、アメリカの発言力・脅しの効力が大きく減少してしまいます。
相手国の膨大な黒字温存を認めない限り次の脅し交渉が成り立たない論理ですから、スーパー301条は本来の効果を発揮した場合永続的効果がない筈のものでした。
これが未だに大統領令と言う形で存続出来ているのは、国民向けに「課徴金を◯◯とった」・・「◯◯の輸入を何台まで」に制限したなど成果を強調しながら一方で相手国からの部品輸入や迂回輸出などを認めるような裏取引があったからと推測されます。
本当に相手国の黒字解消の成果を上げているならば,何年かごとに脅しが必要になるワケがない・・必要だからこそ大統領令で復活し温存して来たのでしょう。
その都度次の黒字発生のメを用意しているから・・日本等も「それならば・・」と言うことで国際法に反するアメリカの非合法要求を受入れ合意出来たからでしょう。
クリントン以来の301条適用の脅し政策の存続は、特定国内企業を救済し政権の成果を強調しながら実質的に何の効果もなかった・・結果的に淘汰されるべき企業の温存により国民利益を欺いて来た可能性があります。
上記のとおり本当に対米黒字を認めない結果が本当に実現すれば,世界中の対米貿易が縮小して行くしかないので,アメリカの発言力が低下し競争力のない企業を保護した分経済の弱体化が進み・・繊維・家電・鉄鋼やクルマ・半導体など対日政治テーマになった産業は全部結局衰退してしまいしました・・最後に貧困国に落ちぶれれば,人口の多さだけではどうにもなりません。
トランプ氏の咆哮外交・政治はアメリカの弱った国力に比例して声が大きくなっているに過ぎない・・・ライオンや牛馬が最後に死に物狂いで暴れると図体が大きいので危険なのと同じで、暴れるしかなくなった状態とみるべきです。
これに気が付かない・・イスラエルの首都移転や入植拡大の動きは読みが浅いように見えます。
数百年〜千年単位で一カ所に住み続けている民族からすれば,目先(数十年〜百年程度)の強い国や勢力に露骨になびく・・イスラエル・ユダヤ系が世界で信用されない原因ではないでしょうか?
・・1分でも1時間でも早く売り逃げ、または買い注文の必要な金融取引では必要な能力ですが・・。

アメリカンファーストとは?4(取引外交の限界1)

アメリカの通商政策は,クリントン政権〜ブッシュ〜オバマ政権と連続した保護主義強化の流れ(アメリカ経済の実際的落ち込みを背景にする)を受けているものであって、トランプ氏はこれを(手順を践まずに)乱暴・品なく言い表しているだけの違いです。
欧米の人権思想・自由平等主義と言っても、生産方式の近代化と関係していることを1月21日に書きましたが,欧米の自由平等の人権尊重のかけ声は,産業革命で先行した優位性を最大限発揮するための主張に過ぎなかったコトがアメリカの身勝手な保護主義の歴史を見ても明らかです。
欧米がアジア・アフリカ諸国より競争力があるときには自由競争・能力主義が正しいと言って,ドンドン侵略し、植民地支配する名分に人権を使っていただけのことであり、自分が競争に負け始めると相手国を不公正障壁のある国となじって高関税をかけるコトの繰り返しをしてきました。
自分が弱くなると,品質競争で負けているかどうかではなく結果として国際収支黒字国を許さない・・結果的に自国の既成国力の相対的低下防止目的ですから,現状固定の主張に外なりません。
自由競争とは実力に応じて地位も上下する前提です。
スポーツ選手で言えば実力の上下に応じてランキングも上下する、企業も株式市場で日々評価が上下する仕組みですが,結果重視のアメリカ基準によれば企業価値の上がっている企業は不公正なことをしていると認定し課徴金をとることになりますし、練習努力の結果前年より世界ランキングの上がったスポーツ選手は陰で不公正なことしていると認定し処罰してランクアップを認めない社会になります。
アメリカの言い分は自分の地位が下がるのは許せない・相手に輸出自主規制(あるいは相手国のいらないものをもっと多くの輸入)を要求する=相手選手に「負けろ」と要求する八百長試合の強制です。
昨日紹介した論文によると国力低下防止のために競争力向上を目指す・練習に励むのではなく、腕力で阻止する・強権発動主義を既に1970年頃から始めていたのです。
国際競争力維持強化には、このシリーズで書いている民度を上げるのが正攻法ですが、アメリカは戦前大恐慌時から国際競争を切り抜けるために民度を上げる方法については考えもしないで腕力で解決しようとする傾向が今も変わっていません。
逆に新興国台頭に対して、低レベル移民を多く入れて,低賃金競争をして来たから余計苦しくなって来たのです。
民度を上げることに努力しても「アメリカの民度では無理」と観念しているからでしょうか?
今では,アメリカの突出した強みは軍事力と巨大消費市場のみ,・・まさに中国のよって立つ足場と同じです。
この力を利用して市場に参入したいならば,かなり無茶な要求でも聞くしかないだろうと言う立場を前提に何かとイチャモンをつけては金を巻き上げる・・中国同様の恫喝外交がアメリカの基本でした。
これまでは、一応紳士のフリをして「衣の下に鎧を隠していた」(大統領は議会の突き上げを口実に自主規制を要求し,ピープルを煽って日本車をハンマーでぶちこわすテレビ報道をする・・口実をつけて巨額課徴金を凸など)のですが,トランプ氏になると格好つけていると間に合わないほど追いつめられて来た・・アメリカ経済に余裕がなくなったので,トランプ氏は,モロにダンビラを振り回し始めた印象です。
メキシコ国境に高い塀を作るのはアメリカの勝手ですが,その費用を持てと言うのは行き過ぎ・理不尽な強者の横暴です。
1月22日にアメリカは世界の警察官どころか,中国やロシア、トルコなどの地域大国の横暴をアメリカもやりたくなって来た・・仲間入りしたい本音がトランプ旋風の基礎だと書いて来たとおりの展開になって来ました。
アラブの石油でもスエズ運河でも,そこで騒げば世界は放置出来ない・・一時的には大きな効果がありますが,そう言うことをすれば長期の目で見た信用がなくなる点が大きなマイナスです。
だからアラブ石油連盟も石油禁輸の劇薬をその後1回も行使できていません。
中国がレアアースの禁輸をしたり反日暴動を仕組んだことは,そのトキには,溜飲が下がった気がしたでしょうが、その分大きなトラウマになって残って行く筈です。
日ソ不可侵条約違反の侵攻→シベリア連行も日本人は決して口に出しませんが,こういうことやる国と言う日本人のトラウマは数百年単位で消し去ることは不可能です。
ソ連がこれによって得た利益・・樺太・千島占領+奴隷労働強制の利益と数百年単位以上に及ぶ日本人のトラウマとどちらが得かの計算がたたなかったのです。
このマイナスイメージを日本人の心から消し去るには,得た利益の何百倍の努力が必要になる筈です。
ヤクザも1回大声を出して威張れば、その後普通の付き合いをして貰えなくなります。
アメリカは競争力低下に合わせて徐々に地位低下して行くのを素直に受入れるべきですが,地位低下を阻止するために強引なエゴの主張を続けていても、(すぐにはどこのクニもアメリカ打倒とは言えませんが,)その分着実にアメリカの威厳が損なわれて行くのに気が付かないのです。
先進国労働者が職を失って行く現状は,日本の歴史で振り返ると社会安定を重視する徳川政権による永代売買禁止令によって,明治までは農地売買が厳しく禁止されていた(無産者輩出を厳しく制限していたことになります)ことを紹介して来ましたが、明治政府による農地流動化政策によって,独立自営農民・中間層の多くが小作人や都市労働者に没落して行ったときと現在の状況が似ています。
この辺の流れについては,04/10/04「イギリスの囲い込みと我が国の自作農崩壊との相違・農村の窮乏化政策」08/26/09「土地売買の自由化1(永代売買禁止令廃止)」その他のシリーズで紹介して来ました。
明治維新の頃には、都市で新たな産業が勃興していて農地を失って都会に出た人も適応能力のある人は生活に困らなかったので,秩父困民党事件など地元に残った農民だけの散発的騒動で終わり、没落士族中心に各地の不平士族の乱になりましたが,それも線香花火で終わりました。
西欧のラッダイト運動がすぐに落ち着いたのと同じです。
今の先進国は新興国による低賃金競争に曝されて,従来どおり多くの中間労働者を抱え込む余力がなくなりつつあります。
知財等の発達があっても大規模工場縮小後の労働者の受け皿になれない・・力不足ですから、単純低賃金競争に入って行くと失業者が増える一方・・新しい受け皿産業が充分に育っていません。
根本的解決には日本のように個々人が工夫して,良い物を少量生産して行く社会+マルチ技能工を養成して行くしかないでしょう。
この努力を怠って廻りを強圧で押しきろうとするのですから、赤ちゃんが駄々をこねて一時的に自分の意志を通そうとているようなことでは文字どおり一時的線香花火に終わり将来性がありません。
中台関係を例にすれば,トランプ氏が中国を激しくパッシングしてくれてもそれは飽くまでも見返りを求める取引外交である以上、これに喜んで舞い上がるのは危険となります。
パッシングが強ければ強いほどパッシングされる国は交渉に応じるしかなくなると言うより,トランプが何を求めてパッシングして来たのかがすぐに分るので、正面抵抗するよりはトランプ氏の気に入る内容で妥結する方向に動くのが普通です。
過去数十年間ス−パー301条の脅しで世界中のクニが WTO違反だと言いながらも戦うことが出来ず事実上屈服して来た結果(1月26日にウイキペデイアの記事で紹介しました)を見れば明らかです。

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。